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組織を考えるメディア Organize。このポッドキャストは、エールの篠田さんと山田で、組織を考える捉え直す上で、我々が面白いと思った視点・観点をシェアしていこうという番組です。篠田さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。前回は、ブロック塀と石垣を20分以上丁寧に喋るという、なかなか珍しい篠田さんの機会が、存分に味わえた回でしたが。
ありがとうございます。このブロック塀と石垣っていう例え、メタファーを、私なりに思いついてから、この多様性がある、を生かしたい組織におけるコミュニケーションって何なの?っていうことの、自分なりの理解・解像度が上がったので、ちょっとその話を前回はさせていただきました。
ちょっとその前提であり、その前提があるから今後こうなっていくんじゃないのっていうような、ブロック塀型から石垣型に組織がなりましたっていうところの、ちょっと周辺の話をしたいなと思ったんです。
何かっていうと、前回は、職場って現実多様性が上がってますよね。それに対応しないといけないのよねっていう問題の立て方と、それに対する処方箋という形で捉えたんですけど。
そもそもなんでこの職場に中途採用の人がいたり、育児で時短取ってる人がいたり、派遣社員の人がいたりするんだっけ?って。もっと言うと、なんでそういう人がいるのかっていうこと自体は一個一個それなりの社会背景があるんですけど、
全体としてそれが良いとされてるってこれどういうこと?っていうのをちょっと考えたんですよ。
ちょっと組織の話から一見離れますけどまた戻ります。会社とか企業って、実はフィクションなんですよね。みんながそこにあると思ってるからあるわけで。会社の本社ビルとかはありますよ。
そこに人が集っていて、共に何かを成しているっていう、これもリアルなんですけど、エール株式会社っていうそのものは概念でしかない、概念をいまフィクションと呼んだんですけど、概念でしかないわけですよね。
つまり世の中の人がエールがあると思うからあるのであって、まだエールはあんまり知られてる会社じゃないですから、知られてない人にとってエールは存在しないわけですよ。生身の何もないから。
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そう思うと、どんな著名な企業であっても、皆さんが全員が知ってるような企業であってもその構造は実は一緒で、社会、世の中があるねとか会社っていうものが良い存在、意味がある存在だと思うから存在しえるのであって、
みんながそんなもんいらないってなったら、人の支持がいなくなって消えていくわけですよ。まず会社ってそういうもんだなっていうふうに捉えてるんですよね。
そうすると会社のありようって世の中が、世の中がって言うとちょっと抽象度高いんですけど、ムードとしていい会社ってこういうもんだっていう期待値に一定沿わないと、逆に突然社会的害悪みたいになって、人々に糾弾されあるいは無視され消えちゃうんですよね。
それは行為としては、例えばハラスメントって言われる行為は、私が社会人になった頃とかっていうのは別に普通、むしろ今だともう本当にひどいセクハラとされることもある種それをうまいこといなすのが大人の女性のたしなみであるっていう、
価値観だと今全然違うっていうのはこの一つの表れなわけです。で、ちょっと戻りますね、本題に。これを前提にしたときに、ブロック塀型の組織が良いとされていた時代の良い企業のイメージっていうのは、ピカピカの工場みたいな感じがしますよね。
高品質の製品がものすごいスピーディーに大量に品質にバーって出てくると。最新鋭の工場を作りましたっていうのが立派な会社だっていうことを象徴するニュースだったわけです。
ところがですね、ここどうでしょう、10年15年、ビジネスのニュースで良い会社、目指すべき会社の象徴として言われるのは、GoogleでありAppleであり、何かにつけてスティーブ・ジョブス。
でしょ。そうですね。GAFAMなんですよ。で、おそらくそうすると今の20代の方々、そしてそれより若い方々が良い会社っていうイメージはGAFAMしか知らない。
あれはそうするとそのピカピカの工場のイメージっていうのはまさにブロック塀型であって、人が一様であることを力に換えるモデルであったみたいで。GAFAMっていうのはまさにソフトウェアエンジニアの世界なんで、多様性とイノベーションそのものじゃないですか。
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それを力に換える。これが良い会社ですってイメージが刷り込まれてる。人が良い会社とか良い職場に期待するものが、もはや多様性と創造性の極致みたいなものがイメージされてるんだと思うんです。それが社会の期待なんですよね。
そこに社会の期待っていう捉え方がすごい大事だなって思うので、実態でいくと未だに工場で例えば良い働き方って一様の人たちの方が良い場合ってもちろんあるじゃないですか。当然あるんだけれども、そんな話をしてるんではなくて、ある種社会のムードとか共有してるイメージみたいなものの良い会社っていうのは、個人が自由に伸び伸びやってクリエイティブでイノベーションが生まれるみたいな、そっち側で語ってるってことですよね。
社会のムードの問題なので、職場が仮にブロック塀型の方が適する職場であっても、良い人に入っていただこうとか、入った後もやる気を持って充実感を持って働き続けてもらおうとすると、一定程度この
GAFAM的な感じっていうのを、少なくとも理解しておかないと、もたないっていうことなんじゃないかというわけです。
なるほどな。僕、自分がやっぱりいろんな組織が良い状態になるときどうするかって考えるときに、やっぱりその会社ごとに事業モデルも違えば、文化も違えば、立ってる場所も違えば、それこそ株式会社なのか、オーナー企業なのか、外部株主がいるのかでも違うしとか、いろんな前提が違うじゃないですかっていう中で、
同じフォーマットを目指しても意味ないじゃん、っていうのはよく思うんですけど、その話は当然とした上で、社会のムードの話としてそれがあるよねっていうことは分かってようねっていうことを篠田さんが言っているわけですよね。
おっしゃる通りです。
なるほど。
私もこの会社は幻想であるとか、会社の存在って社会に認められないと存在しえないんだって、本当に自分の肌感覚で腹落ちしたのは、エールの一個前の職場に行ってからなんですよね。
そこまでは日本の会社、外資系の会社それぞれ大企業にいたので、存在するのは当たり前で、そんなの疑問にも思ったことなかったんですけれども、やっぱり小さい会社に移ると、会社があるっていうこと自体を周りに知っていただくっていうこと自体がなかなか苦労することであるっていうことを肌で感じたときに、
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でも構造としてはそれ、大小あるいは歴史の長さに関わらず、同じだなって思ったんですよね。
別にトヨタだろうが、実体はそこには何もなくて、みんな知ってるし、車が走ってるから存在する気がするけれども、別にトヨタというものは存在しないわけですもんね。
そうなんですよ。結構ここが、実は組織の在り方とか何が期待されてるかっていうことに、特に大企業で働いていると、非常にこれ私が言ってることがピンとこない可能性はあるなっていうことも、過去の自分を思い浮かべると感じられるんですが、あえて提起をしてみました。
そうするとですね、例えばその生産現場、あるいはサービス業でもチェーン展開をしているようなところであると、型で言うとブロック塀型の方が業務をちゃんとやっていく上ではフィットしてるんだと思うんです。
ブロックと石垣って二項対立っぽく言いましたが、当然グラデーション。じゃあこの現代において、このブロック塀型が適してる職場が、前回言った、そこに関わる人をつなげる方法として、ブロック塀的な「伝える」のみで本当にいいんですかっていうのが、問いかけてくるわけですよね。
私はこれに関して、まずここまでした話を踏まえると、30年前と同じはさすがにダメだと思いますっていうのが私の答えで。なぜならば、そこで働いてる皆さんの期待値がもう変わってるから。
象徴的に言えば、たぶん今の30代半ばぐらいの方から、おそらく中学生ぐらいのときから、自分が好きなこと、教育を、もう義務教育で受けてるんですよね。
で、自分の適性テストをやったりして、自分を知るっていうことと働くっていうことがつながるのであるっていう教育を受けちゃってるんで。それはより先輩方と、そもそも仕事っていうものに対する期待値が違うっていうこともあるし。
もう一個はですね。どれだけその決まったオペレーションをやり遂げることが重要だとしても、一番まずい場合はいわゆる不正、チェックにおける不正がありましたっていうような事案が一つならず報道に私たちしてるわけですが、あれが起きることって。
結局、その決まったオペレーションの中で、あれって思うことが職場の皆さん、あったかもしれないのに、誰も聞いてくれないと思ってしまった。伝えられるばっかりで。
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自分がそこで発言をする。自分が伝えられる側、自分が聞く側で伝える側ではないっていうふうな役割固定があると。
言う機会がない。誰が聞いてくれるかわかんないし、聞いてもらえるって思えないから。
それがああいった事故だとか、最悪の場合は不正のようなものにつながってくるんだと思うんですよね。
短期間ではブロック塀って意味があるんですけど、より期間を伸ばすと、個別の事案について私が何か意味ある意見を持ってるわけではないんですが、
状況によっては過去作った基準が何年も経って今に合わなくなって、現場の方はわかってるんで、今にある意味頑張ったと、
そのルールの言ってることの、この矛盾に苦しみながら何か起きてしまったっていうことだってゼロじゃない。
ブロック塀ならブロック塀で、そのブロックの組み方をちょっとアップデートしませんかっていう話が聞いてもらえる状況っていうのは必ず必要なんで、
この2つ、そもそも今職場にいる皆さんが、自分は何者なのかっていう自己理解っていうものと働くっていうことを割と密接に捉えた教育を受けている人が量産されてますっていう状況と、
もう1個、一定長期間を取るとブロック塀型においても、一見ちょっとそれを揺るがす怖れを感じてしまうんだけど、このやり方違うんじゃないですかとか、
いうようなことが言える。つまり聴いてもらえる状況っていうのが必要なんじゃないかなと。
なので、そういった職場でも一定その自己理解とか、会社理解、あるいはその職場の意思、会社の意思の理解っていうのを改めてしたり問い直すっていうようなコミュニケーションはやっぱいるんじゃないかなって思ってるんですよね。
ブロック塀的グラデーションってさっき篠田さんも言われてたように、別にどっちかではなく、ただ標準化なるべくしてプロセスとしても標準化され、働き方も働く人もなるべく一様性が高い方が効率よく回るよねって世界により寄ってる場合でも、
そこに入ってくる人たちが多様性をより重心を持っていて、一人一人違うよねっていう中で動いているのが、ある種この仕組み側の圧力みたいなものに合わせ、一様なブロック塀に寄らなきゃって合わせに行くっていうことが、
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実際起こると、実は気づいたことでも言わなかったりとか、それが不正をアラートを早く上げることができなかったりとか、時代に合わなくなっているこの仕組みっていうものへの本当は一番現場に近くて感じている違和感みたいなことが出そうと思えないみたいなことが新しく加わった多様性をより重んじる側の人たちに起こると、実は上がってこないみたいなことが仕組みとして起こると不正が
発覚しづらくなるみたいなこともあるんですね。
これ実際にある金融系の会社の幹部の方に実際聞いた話なんですけど、金融系なので、さまざまなルールでは、通常の事業よりルールが多いんですよね。
やっぱりコンプライアンスっていうのはそういう観点で非常に大事。細かな日常業務に関わるわけです。本当その会社はさまざまな努力をしてきているんだけれども、どうしてもその警備なコンプライアンスに抵触するような事案が一定するからなかなか下がらないという課題に直面されていて、これどうしたもんかっていうのを専門家も入れてつまびらかに調査したところ、上司部下のコミュニケーションが
コミュニケーション量とこの軽微なコンプライアンス事案の発生度合いっていうのに関連があるということが分かってきた。コミュニケーションが多い方がコンプライアンス抵触事案が少ないんですよ。どういうことかっていうと、日常的に要はメンバーの方もコンプライアンス違反したいわけじゃなくて、単に知識が足らないわけですよね。
判断が下手くそなわけじゃないですか。それが上司の方が優れてることが多い。そうすると日頃の、例えば山田リーダーとメンバー篠田の普段のコミュニケーションが一定量あれば、山田リーダーがあれ篠田さんちょっとそれ大丈夫?って聞かれて、どうすか?って言って、いやお前さ。
ということで防げたものがコミュニケーションが少ないと、このメンバー篠田がこれちょっと山田リーダーに相談しようって思わない限り、出てこない。
なるほど、なるほど。これ、日立のデータ分析されてる矢野さんの本で確か僕も昔読んだ気がするんですけど、一番話しかけやすいのは、一番最近多く話した人の一番話しかける確率が高いみたいなことがデータでありますよねっていうのって、
人間そんなもんじゃないですかって感じはすごいしてて、普段からたくさん上司部下でしゃべってると、ちょっと気になったことを篠田さんちょっといいですかってすごく気楽に抵抗なく言えるのと、すごいなんか月イチの会議でちゃんと聴くしかやってない上司篠田さんとの関係だと、すごいかしこまって、いやちょっとお時間いただいていいですか?みたいなこと言わなきゃいけないっていうのって、全然その一歩目が違いますよね。
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その通りです。そうなんですよ。これも踏まえると、今言った最後のコンプライアンスのレベルを上げていくのにコミュニケーションがいるよねっていうこと、そのものは多分過去においても現在においても変わらないのかもしれないんですけど、
繰り返しになりますが、そこに参画している人々の仕事に対する姿勢とか期待値が、自分の個性とか、私が何をやりたいみたいなことと仕事がつながってるのが良いし、それを理解していきたいっていう期待値がある人たちとコミュニケーションを取ろうと思うと、
なるほど。
リーダーや管理職の皆さんが育ってきた時に慣れ親しんできたコミュニケーションスタイルとか会議のやり方だと、ちょっと合わなくなってきてる。
なるほど。前回から話されてた、多様性と一様性でいった時に、一様性を大事にして育った人からすると、多様性が見えると怖れがあるみたいなことがあるよねっていうのと、すごい同じ話に最後帰ってきてるんだなって思って、上司の側の方が良かれと思って、
なんかより同じものであって欲しいっていう関わり方をしていると、それは若い新しく入られた方からするとすごく、そうじゃないんだよとか、むしろ嫌だみたいな感じになったりするっていうのは、いい悪いではなく、社会の背景と会社という幻想に何を抱いてるかっていうことの違いが現れるから、その前提でどう関わるかっていうのがなきゃいけないですよね。
もうすごい、私のダラダラ20分ぐらい話した話を今、山田さんが1分でまとめてくださり、ありがとうございます。
すごい、その何ていうかな、静止画としてできているものとしてのブロック塀・石垣ってつい話聴いていく前に思っちゃうんですけど、あくまでこのプロセスの話をしてますよね、それ自体が。
そうですね、そういう意味では、たとえがブロック塀と石垣よりも、もうちょっと動きがある、いいメタファーが思いつけたらその方がいいな、これ聴いてくださった方が、もしこういうたとえとかメタファーの方がもっと合うかもっていうのがあったら、ぜひ教えていただきたいです。
はい、でもなんか一旦この前回今回でちゃんとこう説明をしていただく中で、その人の期待するものの違いとか、働く人が良かれと思って何をするかみたいなことと、組織モデルとして、まさにこのPodcastがオーガニゼーションじゃなくてオーガナイズだよねって言ってる話に最後戻ってきてる感じがすごいあって、そこの前提でどうやって捉えるかっていうことが新しい働き方とか、今にあうところだよねっていうのに最後行き着いた感じがして、とてもいい終わり方な感じがしています。
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よかったです。
はかったかのようにちゃんとタイトルに戻ってきましたね。
いやーでも本当そうなんですよね。本当やっぱりこう動きがある中での組織っていうのは動きがあるものであるっていうのが、改めて今日もお話ししてみて自分の中でも、自分で言っときながらですけど、やっぱりそうだよなってなりました。
そうですね。僕らも普段こういうこといっぱい喋ってるけど、改めてちゃんとこうやって喋ってると発見があっていいですね、これ。
いいですね。ありがとうございます。
はい、ということで第3回こんなところで終わりたいと思います。
ありがとうございました。