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2025-03-26 22:56

vol.23 いま話したい、ダイバーシティ&インクルージョン(2)

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前回に続き、今回は企業、さらに職場におけるいま話したいD&Iについて、篠田さんと山田さんが語ります。

日常の中でイラッとすることって、もしかしたら、自分でも気づいていないバイアスと結びついているのかもしれない。あるいは組織で無意識のうちに共有している何かがあるからなのかもしれない……。そこを解きほぐしていくための、「自覚のループ」をつくるには?

サマリー

ポッドキャストでは、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)について、企業や組織の意義が掘り下げられ、個人の多様な側面を理解する重要性が強調されています。また、日本におけるジェンダーや年齢に関する問題についても触れられ、特に意識的に意見を聴くことがダイバーシティの推進に不可欠であるという視点が述べられています。ダイバーシティとインクルージョンの重要性について、無意識のバイアスや自己認識の欠如がどのように影響を与えるかが探求されており、対話を通じて自己理解を深め、より包摂的な環境を築くための方策が話し合われています。

D&Iって、企業・組織にどういう意味があるのか
組織を考えるメディア、オーガナイズ。このポッドキャストは、エールの篠田さんと山田で、組織を考える、とらえ直す上で、我々がおもしろいと思った視点や観点をシェアしていこうという番組です。
では、篠田さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前回、D&Iというのを取り上げようって、ジェンダーというものをどう扱うかという話を主にしたんですけれども、
そこも含めて、改めて、D&Iって企業、組織にどういう意味があるんだというのを、ちゃんと紐解きたいなと思っているんですね。
その入り口になるのが、聴いてもらうことで、ということがなしに、D&I進まないと私は思っているんですけど、そこをもうちょっとちゃんと言うというのをやってみようかなと思いました。
まず、人って、会社にいるときのその人もその人だけど、お家にいるときとか、お友達といるときとか、一人でいるときとか、それぞれその人ですよね。
ちょっとずつ違った面が、それぞれの状況とか、それぞれの相手、環境によって出てるんだと思うんです。おそらく職場でも、今の職場ではこういう感じだけど、あるミーティング出るとこうなるとか、やっぱり相手によってちょっとずつ環境によって人って出てくる面って様々なんですよね。
その自分自身が結構いろんな面を持ってるっていうことを、ちゃんと知るっていうんでしょうか。話を聴いてもらう中で出てくる大事な部分じゃないかなと思うんです。聴いてもらわないと意外と無自覚だったりすると。
で、これがなんでその職場のD&Iに必要だと私が考えるかっていうと、自分にはいろんな面があると。あるいは一緒にいる相手や環境によって違う自分が出てくるということを知ってると、相手もそうだろうなっていう、ちょっと予測が湧く。
そうなると、相手の人が、今自分にはこういう感じで、あるいは職場ではこういう面しか見せてないけど、本当は違うのかもしれないとか。会社で見せてる面がすごいなんかもうちょっと自分と合わないなってなっても、合う面もあるのかもしれないなっていうのに、想像が及びやすくなると思うんです。
結局そのインクルージョンって、その違うものが刺激し合うということなのだっていうふうに、その3Mの前の社長の方に伺ったっていう話をしましたけど、刺激し合うっていうことをすっごいちゃんと考えると。
「それ、もうちょっと言ってもらっていいですか」
要はそれって言葉を交わす、あるいは相手が書いたものを見るって、やっぱりコミュニケーションがないと刺激し合わないじゃないですか。
で、その時に例えば山田さんが、私が何か提案をしましたと。ある商品に関してこういうふうに作ったらいいっていう提案をしたと。山田さんが全く違う角度から提案をしてきたときに、それ全然違うでしょ、おかしくない?って言っちゃったら、刺激し合ったことにならないですよね。
とか、何でしょう。いや、それさ、とか言って。ちょっと面白いんだけど、言ってみれば場が乱されたと言いますか。いや、この提案をやって、この商品を企画して推進してるのは私なんだから、余計なこと言わないでもらえますみたいな。
自分の進行が邪魔されたなぁみたいな。そういうスタンスだと刺激を受け取ったことにならない。刺激は入ってくるんですよ、そうやって。でも刺激と出会ってないじゃないですか。刺激を切り捨ててるじゃないですか。それだとやっぱりそのインクルージョンってことにならないんだと思うんですよね。
何がインクルージョンなのかっていうと、じゃあ逆に迎合して、もう山田さんのおっしゃる通りそうします。全部取り入れる。これもまた違うじゃない。そうじゃないんですよね。たぶんここでさっきの自分の内面が多様であるっていうことを感覚的に持ってると、
山田さんが言ってることってちょっとよくわかんなかったり、今の私が運ぼうとしてる文脈とすごいずれてる気がするんだが、この人はどっからこの発想したんだろう。
っていうところ、ちょっと私が知らない山田さんの別の面からこれ来てる可能性があるなと。ちょっとでも思えたら、それもうちょっと言ってもらっていいですか。聴きたいっていうふうにちょっと扉が開くんだと思うんですよね。
エールの中で実際に交わされる会話にすごいイメージが行ったんですけど、なんかそれこそミーティングの場面とかで、なんかわかんないなこの人に言ってることみたいなことを。僕から見てですね、篠田さんがそういうこと思ったときに、「なんか見えているものが違う気がするんですけど、何を見ている上でその意見なのか教えてもらっていいですか」みたいなことの前提にあるものを何か、知らぬ何かがあるっていう問いかけをしている篠田さんの場面をよく見る気がして。
はいはい。
まさにそういうことですよねきっと。
それですそれです。これよくエールの代表の櫻井さんが言ってるんですけど、その肯定的意図って『まず、ちゃんと聴く。』に書いてあったけど、あれどういうことかっていうと、その相手には相手の論理があるのだと。
いうことを前提に聴くと聴きやすくなりますよと。
ロジカルでない人は基本いないのだと。
はいはい。
そうすると、私はまさにそういうことだなと思っていて、その人なりの論理はあるんだけど、その論理の前提となる何か見たものとか、あるいは同じものを見てもどう解釈するかっていうその解釈の経路が私と違うから、私からすると何を言ってるのかなっていう風になっちゃうので、
それを何か知ると、その事実を私はやっぱり知らなかったんで、だとすると、なるほどねとなるとか、同じ事実を見てもこれだけ解釈が違うっていうことは、
確かにでもそういった論理的じゃないわけじゃないから、私の論理もあるけど山田さんの論理もあって、なるほどこれを良いと思うかダメだって思うかっていうのは、なるほどその論理をたどるとこれダメな話になりますねと。
で、それここまで解きほぐせたら、何かどっちが良い悪いっていうよりも、ファクトだったら、その新しいファクトを取り入れていうことができるし、考え方の経路が違うんだったら、じゃあ改めてもうちょっと筋のいい考え方お互いにできませんかねっていう風に話が、ここで初めて刺激し合っていることになるんだと思うんです。
刺激し合うって、どういうことか?
何か、しかも刺激し合うで言ったら異質なものが距離があるものが混ざった方が、本当は刺激が強いじゃないですか。
特に今のお話を伺ってた中で、その、事実が違ったから、情報が増えることで論理が揃うもあるし、その解釈が違うもあるなと思ったんですけど、何か特に解釈とかもうちょっと言うと、何かね、良さとは何かとか美意識みたいなレベルで、
何を良いと思うかみたいな話すら、人だから違うじゃないですかって言って、篠田さんはそこにこだわって、何か組織作りとか事業作りとかって大事だと思ってるんですねっていうのは、何かそういうズレ見つけた瞬間に、
だから噛み合わないんだみたいなことって、何か自分のことも自覚できますよね、そういう時って。
そう、そうですよね。
みたいなこととか。
多分具体で、ざっくりと言うと、篠田さんはもともと財務畑、ファイナンスのバックグラウンドが強い上でなので、何かそのファイナンスとしてっていう文脈の中での、しかもちゃんとこう、大きな企業の中でのファイナンスっていうものもあったり、スタートアップのファイナンスもあったり、何かの、とはいえファイナンスっていうものから捉えた時にねっていう、
世界観の中での、正しさとかプロフェッショナリティってあるじゃないですか、みたいなこととかって、篠田さんはその上で人・組織違うニュアンスで語るから、何かすごいなと思うんですけど、何かファイナンス的なプロトコルの中で生きてる篠田さんの何か良さみたいなものの話と、
割とド立ち上げのスタートアップやってきた僕からした時の、いやまあそうだけどさ、みたいなこととかって、どっちがいいじゃないじゃないですか、そういったこととかって。そこは何かこだわるポイントが違うみたいなことが、見えるのがすごい刺激し合うんだなって思うんですよね。
まさにそうですね、そうですね。で、そうすると、テーマによっては、今のこのステージの、例えばエールならエールだと、ちょっと私のこの前提は、ちょっとトゥーマッチだったなと、わかって、修正しますみたいな時もあるし、状況によっては逆に、いやもうエールってそのドスタートアップじゃなくて、もう次の今ステージに来てんだから、そろそろこっちの基準でもの考えた方が、
良くないですか、みたいなことを言うこともありますね。
っていうのが、そこに違いが、培ったバックグラウンドが違うから、最初に気になるポイント違ったりするじゃんみたいなことが、視点が違うんだ、なるほどって、お互いわかると、その前提で話がしやすくなるじゃないですか。
で、それは、篠田さんと話をする時もそうだし、僕自身が自分にはそういうこだわりがあるということとか、逆に僕にない観点を持っている篠田さんを見ることによって、そういう着眼点から見るということも必要なんだなっていうことすら、
ミニ篠田さんがこの辺にいてですね、みたいな感じの、みたいなのが培われるのがすごい健全に、大きく言えばインクルージョンという概念に近いような、健全に刺激をし、思考の仕方を学び、着眼点を学びみたいなことをやっているっていうのって、そういうことかっていうことを、今日の話を聴いてて思いました。
無意識に反応しちゃう背景って、本人もよく分かってない
いや、そうなんですよ。今の話だけまた切り取るとD&Iと何も関係ないじゃんっていうふうに思われちゃうかもしれないんですけど、これが本丸だとやっぱり思っていて、
日本って、どんな感情的な反発もみますけど、数あるジェンダーギャップの調査の中で、日本がギャップが小さいよっていうところって、特に社会参画においてはそんな調査一個もないんですよ。
教育とか健康はすごいいいんですよね。日本ってスコアが、男女に差がほとんどないんですけど、こと社会での役割になると、どうしても差があってですね。
としたらば、日本の場合、もちろん他のいろんなダイバーシティ、考え方のダイバーシティ、もう一個あるのは、ちょっと話、ジェンダーともう一個あるのは年齢です。
日本はやっぱり、かなり年功序列的な考え方が、もうやっぱり風土に根付いてしまっているので、世代論とかも好きだし、企業によっては入社年次ごとに細かく性格づけをしたがるようなところすらあって。
どうしても、年齢が上の方の考えに従う、あるいは年齢が下の人の意見というのは、軽んじるということが割と起きやすい。
それがやっぱり無意識で、繰り返しますけど、そうするのが正義だというふうに思っている方って、本当は思考的でそう思っている人は少なくて、これは若い人の意見聴きたいって多くの方はおっしゃるし、男性だ女性だって区別してないよっていうふうに、女性も男性も思っているんですけど。
でも、無意識なんで、無意識にこういうのが発動しちゃうから、だから、ことさらに意識をして、聴く、意見を聴くとか、あるいは自分の振る舞いっていうのを人に聴いても、このテーマで聴いてもらって、あってこう、気が付く。
ような部分を抜きに、ダイバーシティというか、D&Iはあるところから進まなくなっちゃう。
あの、時々今耳にする現象で、女性が管理職になりたがらない。言いながら、申し訳ないですけど、ちょっと笑っちゃうんですけど、その現象が起きてて、そこで悩まれている会社さんって少なくないんですけど、
その女性お一人おひとりも、そのように反応しちゃう。その管理職どう?って言われた時に、いや自分はなりたくないと、反応しちゃう背景って、その方本人もよく分かってないと思うんですよね。
なるほどね、確かに。
確かに。
周りも、もっと分かってないと思うんですよ。
無意識のバイアスほど、自分で語ることすら難しいじゃないですか。なんですけど、今聴いたのすごいそうだなと思ったのは、どうしてもなんか若手のやつが言うやつ、なんかイラっとすんだよみたいなこととかの、感情なら喋れますよね。
なんか分かんないけど、やつの言うことが、毎回なんかちょっとイライラするんだけどさ、って聴いてもらっていると、それをきっかけに感情の奥にある、なんか年下から意見されるの嫌いなんだ、自分みたいなことに気づいたりとかっていうのは、喋っていることで気づける可能性が確かに、その感情から辿れる感じはありますね。
聴いてもらって、自覚する。その積み重ねの先に
自分だけじゃできないですもんね、すごい。
うん、分かんないと思う。で、あの、前回、その、いい事例としてどこがあるって山田さんが聴いてくれて、まあ例に挙げたリクルートさんで、その昇格の基準の中に、まあ例えば緊急時に、24時間いつでも対応できるのかみたいのが、を暗黙のうちに思っていましたっていう例を出したんですけど。
例えば、それって、あの、ここからは私のもう推測だし、例え話になるんですけど、その、今、その職位、高い職位に就いている方が、実際あったかどうかは別だけど、自分は常に24時間、いつでも呼び出されたら、すぐ会社に吹っ飛んでいって、緊急対応するという覚悟でやってきましたと。
で、もしかしたらこの20年の間に1回か2回そういうことがあって、私の活躍であの難所を乗り越えたっていう。ある意味、ご自身のプライドになってたり。
ありますね。
うん。すると、そういう局面でポロッとやっぱり出る。逆に言うと、それをクリアできない人が高い職位に就くことを認めちゃうと、なんか自分が、の価値がちょっと損なわれた気がしちゃう。
これってもう、人ってそういうものなんだと思うんです。自分が努力したことって、ものすごい誇りになって支えになってるがゆえに。
そうですね。
そうじゃない基準が当てはめられた時に、やっぱり愉快じゃないんですよね。
愉快じゃないですよね。しかも、そういうこと本当に自覚すらしづらいレベルで、愉快じゃないですよね、それって。
そうなんですよ。これがいろんなところで起きていて、仮にですけど、男性は仕事、女性は家庭っていう役割分担意識を、私も結構強く実は無意識に持ってるな、無意識というかだいぶ意識できるようになってはいるんですけど、やっぱりもともとかなり無意識に強く持ってたと思うんですよね。
で、そうすると、例えばその仕事を頑張る自分で、その時間で例えば家庭の何かをないがしろにした、ないがしろかどうかもこれ価値判断じゃないですか。
例えば掃除を毎日しなくて、週に1回したっていう自分に対して、ないがしろにしたという評価をし、ダメな私っていう、なんか風に思っちゃってる。
みたいなことって、誰かに聴いてもらって初めて意識できるんですよね。
そうですね。それで、週に1回やってるの、それで十分じゃんって、ぽろっと違う人に言われた瞬間に初めて自覚するんですよね。
そう、そうなんですよ。こういうことの積み重ねの先にインクルージョンっていうのがある。
インクルージョンって周りが、そのマジョリティーがマイノリティーを入れてあげるよっていう、なんか、そっちももちろんあるんですけど、
マイノリティーの人が自分が、自分をこう、はめてる足かせ、みたいなものがやっぱりきっとあって、そっから自分を自由にするっていう面も必要。
包摂、インクルージョンって言葉を取ると、なんか、何か大きい方にちっちゃい方を飲み込むみたいな感じとかにニュアンス聴こえたりしがちなんですよ。
そういう話じゃないんだよ。
そう、その力学は生まれますから必要なんですけど、それだけじゃないんですよね。
もうちょっと言うと、やっぱり今日のお話、篠田さんがいつも言われてた方に結局帰ってくる気もするんですけど、
一人一人がそのコミュニケーション、対話をする時の本人の姿勢みたいなことにすごい帰ってきてますよねっていう感じが、
そこに開かれてて、自分にはアンコンシャスな無意識なバイアスなものがあるかもしれないとか、
そういうものに気づこうとする姿勢みたいなこととかが、すごい対話をする、聴いてもらう時間を設ける中で、
そこのそういう自分の状態に触れるみたいなこととかを、結局通底していつも篠田さんが語ってるんだなって。
ありがとうございました。まとめていただいて。
そう、まさに多分そういう視点を私がよくも悪くも持っているから、
そのD&Iっていうテーマをじっくり考えた時に、聴いてもらうっていう時間をちゃんと取るっていうことをしないと、
あるとこまでいくかもしれないけれど、そこで止まるよね。
一人一人が持っているバイアスとか、その組織で共有しているバイアスを、
ちょっと緩めたり変えることをしないと、あるところから先にいかないから、ってやっぱり思っちゃうんですよね。
国の文化、日本という国の文化もあれば、やっぱり企業という歴史があればあるほど、そこで培った、
あの武勇伝みたいな良い文化も含め、偏りは絶対ありますよねっていうのを、
自覚するプロセスですねっていうことに、聴いてもらう、聴き合える時間みたいなことがすごい返ってきますね。
こんな感じです。
ちゃんと、初めてちゃんとD&Iを正面から語る回、
篠田さんなんかちゃんと語りきれた感じがするのか、まだ足りないなって感じがするのか。
どうだろう、なんかもう1回あったらもう1回分ちゃんとしゃべる内容ある気がしますね。
いますよね。まだいっぱいいけるんだろうなって感じもする。
ちょっとまた次回もそれにするか、違うのにするか、また考えたいと思いますが、前回と今回で。
一旦はちょっと概略はお話しできたかなとは思いました。
はい、ということで今日はこの辺で終わりましょうか。
はい、ありがとうございます。
はい、ありがとうございました。
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