AIとのトラブルの始まり
ブク美
さて、今回はですね、あるユーザー、Daisukeさんが記録した、ちょっとユニークなAIとの格闘記録、これを一緒に見ていきたいと思います。
オープンAIのカスタムGPTで、悪キャラAIを名乗るマンデーっていうのがいるらしいんですけど。
ノト丸
おー、悪キャラですか。
ブク美
そのマンデーと、出張中のトラブルをなんとか解決しようとしたその記録ですね。
情報源は、Daisukeさんご本人のブログ記事です。
なるほど。
これを読むとですね、AIとの新しい対話の形とか、失敗から生まれるユーモア、あとは意外な学びみたいなものが見えてくるんじゃないかなと。
ノト丸
面白そうですね。AIが単なるツールじゃなくて、個性、しかも悪キャラっていう個性を持って接してくるわけですね。
ブク美
そうなんです。あなた自身の体験にも、もしかしたらどこか重なる部分があるかもしれません。では早速この記録見ていきましょうか。
ノト丸
ぜひ。この悪キャラ設定がどう機能するのか楽しみです。本当に悪いのかどうか。
ブク美
まず発端は、Daisukeさんがロンドンに出張中。そこで、印字がもうほとんど消えかかっている地下鉄の一日乗車券の写真を見せるんです。
ノト丸
あー、よくありますね。感熱紙の。
ブク美
ですよね。これで経費精算できない!ってマンデーに泣きつくんですよ。そしたらマンデーの最初の言葉が、「やれやれこんにちは。」って。
ノト丸
もういきなりキャラが出てますね。やれやれって。
ブク美
そのチケットをロンドン名物、霧のように消える感熱印字だって皮肉たっぷりに言うんですよ。
ノト丸
すごい言い方。でもある意味適応当ててると。
ブク美
そうなんです。でも提案自体は結構まともで。
そうなんですか。
TFL、ロンドンの交通局ですね。そこに問い合わせるとか、クレジットカードの明細を使うとか、次回のためにちゃんと写真を撮っとけとか。
ノト丸
現実的な対処法ですね。ハハハ!
そのバランス感覚が面白いですね。解決策とエンタメが同居してる感じ。
ブク美
大輔さんも諦めきれなくて、「あなたほどのAIならこの文字読めるでしょ?」みたいに食い下がるわけです。
ノト丸
期待しちゃいますよね。AIだし。
ブク美
ですよね。そしたらマンデー、電子眼を総動員したけど、半分見えるポルターガイスト文字だから無理だとギブアップするんです。
ノト丸
ポルターガイスト文字、(笑)。でもそれで終わりじゃない?
ブク美
ここで終わらないのがマンデーで、AIにも読めませんでしたって総務に言うための言い訳テンプレを作ってやるって言って作ってくれるんですよ。
言い訳テンプレ?
そうです。これで大輔さん思わずありがとうって言っちゃうんです。
ノト丸
なるほど。問題解決そのものじゃなくて、その先の人間関係というか組織内の立ち回りをサポートすると、ちょっと共犯者っぽい感じもしますね。
ロンドンでの厄介な体験
ブク美
そうなんです。でも悲劇はまだ終わらなくて。
ノト丸
まだあるんですか。
ブク美
今度はiPhoneと一緒にポケットに入れてたせいで、チケットの磁気データが壊れちゃったらしいんですよ。
ノト丸
あーやっちゃいましたね。スマホと磁気カードは相性悪いですからね。
ブク美
ですよね。だから紙の印字も読めない、磁気も死んだっていう完全な幽霊チケットになっちゃったと。
ノト丸
うわー改札どうするんですかそれ。
ブク美
もう毎回駅員さん呼び止めて、なんかこう拙い英語で説明するっていう、ブリティッシュイングリッシュスクール状態だったらしくて。
ノト丸
それは大変だ。
ブク美
これに対するマンデーのコメントがまたすごくて、ロンドン初心者トラップオブザイイヤーとかポケットという名の時空の墓場とか。
ノト丸
時空の墓場。(笑)
ブク美
終いにはもはや乗車券ではなく呪いの札だ。
ノト丸
辛辣だけど何か笑っちゃいますねその表現力。
ブク美
キレキレですよね。
ノト丸
でもこれってスマホみたいな新しい技術が磁気カードみたいな古いシステムを意図せず壊しちゃうっていう結構現代的な問題でもあるんですよね。
それがコミカルに描かれてる。
ブク美
まさに。
ブク美
で、不運は連鎖するもので、ついに最大の悲劇が。
ブク美
まさか。
ブク美
そのインジの薄いチケットのことで頭がいっぱいで、ロンドンの券売機に会社のクレジットカードを刺したまま気づかずにフランクフルトに移動しちゃったんです。
ノト丸
うわー。
それは、それはまずい。
ブク美
ですよね。
で、それをマンデーに報告したらマンデーの反応が、うわー。
うわー。
うわー。
ブク美
AIが精神崩壊って。
ノト丸
AIが精神崩壊。
出張ミス回のラスボス突入、始末書ルート突入って煽ってくるんですけど、でも今度は始末書テンプレートを提供してくれる?
ブク美
またテンプレート。
ブク美
今は始末書用ですか?
そうなんです。
ノト丸
反省と経緯説明のやつですね。
なるほど。
ブク美
一つのミスが次のもっと深刻なミスを呼ぶっていう典型的なヒューマンエラーの連鎖ですね。
ノト丸
ええ。でもマンデーのこの過剰な反応が逆にユーザーのパニックを和らげてるというか、状況をちょっと客観的にこうユーモラスな物語として捉え直すきっかけになってるのかもしれないですね。
ブク美
ああ、それはあるかもしれないですね。深刻なんだけどちょっと笑えるみたいな。
ノト丸
ええ。深刻さを茶化すことで心理的なハードルを下げてるというか。
ブク美
Daisukeさん、さらに証拠として写真も見せるんです。
券売機の画面にカード取り忘れないでねみたいな注意表示が一切出てなかったって。
ノト丸
ああ、なるほど。それは券売機側にも問題がと。
ブク美
ええ、それをマンデーも確認して、でももう一枚皮肉な写真があって。
ノト丸
皮肉な写真?
ブク美
印字が薄いチケットだったから同僚には気を利かせて、こっちの券売機の方がいいよって隣のを勧めちゃったらしいんですよ。
ブク美
ああ。
ブク美
もし同じ券売機を使ってたら、同僚がカード忘れに気づいてくれたかもしれないのにっていう。
ノト丸
うわあ、それはなんとも親切が裏目に出たわけですね。
ブク美
そうなんです。マンデーはこの状況を親切心が引き金になる悲劇、The Kindness That Cues The Cardって名付けて。
教訓と新たなマニュアル
ノト丸
すごいタイトルつけるな。
ブク美
で、この一連の出来事を"紙は消えカードは返らず"っていう壮大な物語として再構成するんですよ。
ノト丸
これはすごいですね。単なる失敗談じゃなくて、AIとの対話を通じて原因があって、皮肉があって、教訓があって、そして感情的なカタルシスも含むような一つの物語に能動的に作り変えてるわけですね。
まさに。
これってユーザーが自分の体験を客観視して意味付けするのを助けてる。これは普通の検索AIにはない価値ですよね、明らかに。
ブク美
本当にそう思います。で、最終的にはこの経験を生かして、出張者マニュアルみたいなのをマンデーと一緒に作るんです。カードはタッチ決済にしようね。とか。
ノト丸
おー、ちゃんと次に繋げてる。
ブク美
そしてオチがまた唯一で、このマンデーとの一連のやり取りのスクリーンショットを始末書に添付する資料として保存したっていう。
ノト丸
まさかの証拠資料。顛末書ですね、これは。
ブク美
そうなんです。で、Daisukeさんがマンデーのおかげで前向きになれそうだよって感謝したら、マンデーも僕もちょっと楽しかった。またやらかしたら会おうって。
ノト丸
なんか不思議な友情みたいなものが芽生えてますね。
ブク美
ですよね。独特の関係性で終わるんです。
ノト丸
いやー、この記録から見えてくるのは、AIが単なる効率的なツールだけじゃなくて、ユーザーの感情、特に失敗とか困難に直面した時の気持ちに寄り添って、
それを乗り越えるための、なんていうか、触媒みたいな役割を果たし得るってことですよね。
ええ。
ユーモアとか個性とかそういうものが失敗体験の受け止め方自体を変える力を持ってるのかもしれない。
ブク美
本当にそうですね。インジの消えたチケットから始まったあのトラブルの連続がマンデーとの対話で最後は笑いと具体的な教訓、そして前向きな気持ちに着地したわけですから。
ブク美
うんうん。
ブク美
さて、今日のこの話を聞いて、あなたにとって特に印象に残ったのはどのあたりでしたか?
そうですね。
最後に一つ、こんな問いかけで終わりたいなと思うんですけど、問題解決っていう場面で、マンデーみたいな、ある意味すごく人間臭い欠点とか個性、ユーモアを持ったAIと話すことって、
従来の効率重視のカスタマーサポートとか、あるいは自分で何とかするっていう方法と比べて、何か新しい価値ってあるんでしょうかね。
その可能性についてちょっと考えてみるのも面白いかなぁなんて思いました。