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2025-06-28 07:27

競争と共創

何かを生み出すための競争がある。そして、現実にしていくための共創がある。

下記noteをNotebookLMで音声化したものです。

 

元note記事URL : https://note.com/daisaw33/n/n9718169f1478

サマリー

競争から共創への意識の変化を探る中で、沢井大輔さんの経験が紹介されています。彼は競争的なデザイナーとしての道を歩んでおり、他者の創造性を引き出す新たな役割を見出し、現代の複雑な課題に対処するための共創の重要性を体感しています。

競争から共創への旅
ブク美
こんにちは。今回の探究の時間です。今日はですね、あるクリエイターの方の記録をもとに、あなたと一緒に深く掘り下げていきたいなと。
テーマは、競争から共創へ。発音はね、同じ「キョウソウ」なんですけど、意味合いは全く違います。手元にあるのは、Sawai Daisukeさんという方の文章からの抜粋です。
ブク美
長年とにかく勝つことを心情に創造活動を続けた方がですね、どうやって他者と共に価値を生み出す"共創"へ、その意識が変わったのか、その心の旅路を追体験してみましょう。
ブク美
まずちょっと印象的なシーンから、LAのホテルでの気づき。8ヶ月前に自身がワークショップで灯した創造の火が、自分がいない場所でちゃんと燃え続けてるって知った夜の話です。
ブク美
でもまあここに至るまでにはもちろん長い道のりがあったわけで、彼のキャリアの原点から遡ってみます。
彼の出発点、自動車メーカーのプロダクトデザイナーだったそうですね。そこがまあ言わば競争に次ぐ競争の世界だったと。
新しいプロジェクトごとに社内コンペがあって、選ばれるのはたった一つの案だけ。どんなに良いアイデアもスケッチも選ばれなかったらもう無かったことにされちゃう。
ブク美
かなり厳しいですよね。当時はスキルっていうのは隠すもので奪い合うものって、そう考えていたそうです。
ブク美
先輩の技は盗み見て覚えて、ライバルよりどう上手くどう印象に残る絵を描くか。他の人が左向きを描いたら自分は右向き。
ブク美
シルバーが多ければ自分は赤で、みたいな。なんか常に出し抜くってことばかり考えていたと。
ノト丸
でもここで非常に興味深いのが、その隠すとか出し抜くっていう競争の中での必死の努力ですね。
ブク美
それが結果的に彼のデザイナーとしてのその個の力を深く強く育てたっていう点なんです。
ノト丸
誰にも聞けないから、もう自力で試行錯誤するしかない。それによって"観る目"とか"感じ取る力"、"考える力"、"表現する力"
ブク美
そういうデザイナーの基礎体力がもう徹底的に鍛えられたわけです。
なるほど。厳しい競争があったからこそその深い学びがあったと。
でもそんな彼がある時からこう気づき始めるんですね。
実はその競争の世界って思い込んでいた場所自体がもうすでに共創で成り立っていたんじゃないかって。
ああ考えてみれば確かに車なんて一人では絶対に作れませんもんね。
ノト丸
そうなんです。デザイナーだけじゃなくてエンジニアの方、マーケターの方、生産の方々、本当に多くの人の知恵と技術が集まってそれで初めて一台の車ができる。
彼が気づいたのはまさにそこです。それで"共創"、Co-Creationという言葉自体は2000年代ごろから広まりましたけど、
彼が実感しているのは単なる流行語としてじゃなくて、もっと根源的な時代の要請としての共創ということなんですね。
ブク美
時代の要請ですか?
ノト丸
はい。例えば環境問題とか技術の急激な進化とか、現代の課題ってあまりにも複雑ですよね。
もう一つの企業とか一人の天才の力だけではなかなか立ち向かえない。
ブク美
うーん確かに。
ノト丸
だからこそ、かつて競争の中で必死に磨いたこの力を今度は他者と繋ぐために使いたいと、そう考えるようになった。
これはなんていうか、創造性の終わりがなくて、むしろ再構築、新しい段階への移行と言えるかもしれません。
新しい創造のプロセス
ブク美
その考えが形になる大きな転機があったんですね。それが2023年の夏、ニューヨークでの出来事。
NYのデザインスクールの学生向けに未来創造ワークショップをかなり急に依頼されたと。
準備期間も全然なかったのに思わず、「はい、できますよ!」って答えてしまったそうなんです。
その背景には、ご自身の年齢、50代半ばっていうことと、あともう一つ、生成AIの登場、この二つの変化が大きかったようです。
ノト丸
ここがまた面白いところなんですけど、生成AIの登場を彼は自分の終わりじゃなくて、むしろ新しい始まりとして捉えたんですね。
始まり?
ええ、誰もが簡単に思考を形にできる、創造性を発揮できるツールが出てきたぞと。
じゃあ自分の長年の創造の経験と、この誰もが創造者になれるテクノロジー、これを組み合わせれば、全く新しい創造のプロセス、特に他者の創造性を引き出す、そういうプロセスを生み出せるんじゃないかって考えたわけです。
なるほど。
これが、彼が自分の役割を自分で創るだけじゃなく、他者の火を灯す方向へシフトさせる大きな動機になったんですね。
ブク美
実際にニューヨークで行ったワークショップを聞いていると、かなりドラマがあったみたいで、初日は学生から何がしたいのか意味がわからないなんて結構詰め寄られたりもしたとか。
ノト丸
そうなんですよ。でも彼はそこで諦めなかった。そのホテルで、もう徹夜で翌日のプログラムを全部作り直して、学生たちの疑問とか不安に本気で向き合ったんです。
ブク美
すごいですね。
ノト丸
その結果、最終日には学生たちが、もう予想を遥かに超えるような未来の構想を発表するまでになった。
映画のベストキッドみたいに、最初はワックス掛けみたいな地味な作業に思えたステップが、実は最終的に大きな力を生み出すためにちゃんと設計されていた。
当初は学生たちの力にちょっと懐疑的だった教授も、最後には「どうだ!うちの学生は優秀だろ?」ってすごく誇らし気だったというエピソードも書かれてますね。
ブク美
まさに教えるんじゃなくて一緒に燃えるっていう、それを体感したんですね。
ノト丸
そう、彼自身がそれを学んだと。そしてそれが冒頭のあのLAの気づきに繋がってくるわけです。
自分が灯した火が遠く離れた場所で、自分がいなくてもちゃんと燃え続けていたんだというあの実感ですね。
ブク美
Sawaiさんの歩んできた道は、勝つための競争的な創造から他者の創造性を引き出すための共創的な活動へという本当に大きな変化だったんですね。
今ももちろん自分で創ることは大好きだけれど、それ以上に誰かが自分にも創れるんだって目覚める瞬間、そこに立ち会うことにすごく大きな喜びを感じるようになったと。
ノト丸
この一連の話は、個人の経験とかキャリアの変化がAIのような外部の技術的あるいは社会的な変化と組み合わさることで、
いかに私たちの目的意識とか役割意識っていうのが大きく変わり得るかっていうことをすごく示唆していると思いますね。
競争から共創へという流れも単なる綺麗事じゃなくて、現代社会が直面する複雑な課題を乗り越えていくための、より深く本質的な要請なのかもしれないですね。
ブク美
そうですね。最後にこれを聞いているあなたに一つ問いかけてみたいなと、Sawaiさんは自問しました。自分はどうして共創の火を灯す人になったんだろうって。
では、あなた自身の経験、たとえそれが厳しい競争の中から生まれたものだとしても、それを使って誰かのために、あるいは未来のためにどんな火を灯すことができるでしょうか。
ちょっと考えてみるのも面白いかもしれないですね。
07:27

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