AI時代の思考力
ノト丸
生成AIって、本当にもうあっという間に答えを出してくれますよね。
ブク美
本当に速いですよね。
ノト丸
でもそれが、何というか、自分自身で考え抜いたベストな答えかっていうと。
ブク美
そこは、必ずしもとは言えないかもしれないですね。
ノト丸
ですよね。今回は、AI時代だからこそ、私たち自身の考える力、これをどう磨くか。
Daisuke Sawaiさんの記事にあった四象限マトリクス、これをヒントに探っていきたいなと。
ブク美
四象限マトリクス。
ノト丸
シンプルなフレームワークが、どう思考を深める武器になるのか、ちょっと見ていきたいんです。
ブク美
まさにそこがポイントだと思います。
AIは情報整理とか、答えを出すのは得意なんですけど、何を問うべきか、というその本質的な問いの設定。
ノト丸
あー、問い。
ブク美
これはまだ、やはり人間の領域なんですよね。
思考フレームワークっていうのは、その問いの質を高めて、新しい視点を与えてくれる、なんていうか、触媒になる。
ノト丸
触媒ですか。なるほど。
ブク美
単に分類するだけじゃなくて、どの軸で物事を切り取るか、それを考えるプロセス自体がすごく重要になってくるわけです。
ノト丸
なるほど、なるほど。フレームに当てはめるのがゴールじゃないと。
ブク美
そうなんです。
ノト丸
ではまず、有名な時間管理マトリクス、これはどう活用できますかね。
重要度と緊急度でタスクを分ける、あれですよね。
ブク美
そうです。基本中の基本ですけど、これがまた結構奥が深いフレームでして、
多くの人が、緊急ではないけど重要なこと、ここに時間を割くべきだって、頭ではわかってるんですけど、
ノト丸
はいはい、わかります。なかなかできない。
そうなんですよ。
ブク美
このマトリクスを使うと、例えば、10年後のビジョンを考えるとか、新しいスキルの学習とか、そういう活動が具体的にどの象限に入るのか。
そして逆に、緊急でも重要でもないこと、例えば、目的もなくSNSをだらだら見ちゃうとか。
ノト丸
あー耳が痛い。
ブク美
それにどれだけ時間を使ってるかを可視化できるんですね。
この気づきがまず行動を変える第一歩になる。
ノト丸
なるほど。可視化することで無意識の行動に気づかされるわけですね。
その通りです。
ではステップ2ですけど、Sawaiさんがご自身のAIワークショップの価値分析に使われたという成長マトリクス。
これはどういうものでしょう?活動の価値ってなんかかなり複雑そうですが、2×2のシンプルな図でどうやって分析するのかなと。
ブク美
これ面白い試みですよね。Sawaiさんは縦軸に成長の方向、つまり"プラス"か"マイナス"か。
横軸に成長の速度、"瞬間的"なのか"ゆっくり"なのかを設定したそうです。
ノト丸
速度と方向。
ブク美
そうするとご自身のワークショップの提供価値が瞬間的な成長、つまり参加者のブレークスルー体系にあることがまず明確になったと。
ノト丸
なるほど強みが分かった。
ブク美
ええ、でも重要なのはそこからで、マトリクスで全体像を見ることでゆっくりとした持続的な成長、つまり本当に伝えたい別の価値とか、逆に急激な衰退みたいなリスクにもちゃんと目が向いたそうなんです。
独自のフレームを創出
ノト丸
ああ全体を見ることで光と影が見えてくる。
ブク美
そういうことです。つまり設定した軸によって自分たちの活動の多面的な価値とか課題とかが浮き彫りになるんですね。
ノト丸
価値を一点だけでなく全体像として捉え直せるということですね。
そして最後のステップ3、これはさらに進んで自分でフレームを作る。
そうなんです。
Sawaiさんはクリエイティブ成長戦略マトリクスっていうのを考案されていますけど、これはもう既存の型を破るということですよね。
なんかパワフルそうですけど、どうやって自分だけの軸を見つけるんでしょう。下手するとただの自己満足になっちゃいませんか。
ブク美
ああ良い問いですね。確かに意味のある軸を見つけることがこれはもう鍵になります。
ノト丸
ですよね。
ブク美
Sawaiさんの例ですと縦軸に創造性の"成長"か"衰え"か。
ノト丸
ふむふむ。
ブク美
で横軸に変化の期間、"瞬間的"か"徐々に"か。
なるほど。
ブク美
ここから見えてきたのは例えば、"徐々に" x "成長"の象限。
ブク美
Sawaiさんはこれを"鍛創"。日々の試行錯誤で創造性を鍛え上げるみたいなイメージですかね。
と呼んでAI時代でもこの緻密な積み重ねが不可欠だと再確認したと。
ノト丸
鍛創する鍛創。(※本当は"たんそう"と読みます)
ええ。
つまりあなた自身の目標とか課題意識とかそういうものに根差した軸を設定することで既存の視点では見えなかった本質とか取るべき戦略が見えてくる。
ブク美
ああなるほど。
ノト丸
だから自己満足というよりはむしろ自己発見のツールになるんです。
ブク美
自己発見。フレームを使うだけじゃなくて自分に合わせて作るプロセスそのものがAIを使いこなして思考を加速させる鍵になるということですね。
ノト丸
まさにおっしゃる通りです。
ブク美
いやーこれはなんだかあなたの仕事とか学びにもすぐ応用できそうな感じがしますね。
ノト丸
そうですね。ぜひ試していただきたいです。
ブク美
今回は四象限マトリックスというまあシンプルなツールを手がかりにAI時代に思考を深めて独自の視点を見つける方法を探ってきました。
タスク整理だけじゃなくて価値発見そして自分だけのフレーム創出までなんかシンプルな枠組みが持つ可能性を感じていただけたでしょうか。
ノト丸
ええそうだと嬉しいですね。最後に一つだけ思考の種みたいなものを。
ブク美
サバイさんはプロフィールでAI x BBQっていう一見全然関係なさそうな分野での価値創造にも挑戦中だと書かれているんです。
ノト丸
AIとバーベキュー?
ブク美
もしあなたが今日お話ししたみたいに独自の軸でマトリックスを作るとしたらどんな意外な要素を掛け合わせてもますか。
ノト丸
意外な組み合わせ。
ブク美
そこからどんな新しい価値とか問いとかが生まれる可能性があるでしょう。ぜひちょっと想像を膨らませてみてください。