価値観の変化と新しい技術
今回はですね、昨日までの当たり前が、今日いきなりひっくり返るみたいな、そういう価値観の変化、これに注目していきたいと思うんです。
特に、AI、こういう新しい技術が、私たちの考え方とか、社会の仕組み自体をどう変えてつつあるのか。
Daisuke Sawaiさんの、AI時代のブランド論っていう論考があるんですけど、これを手がかりに、あなたと一緒に考えていければなと。
今の価値観ってどうでしょう?ずっと続くと思います?
いやー、今回の資料、非常に資産に積んでますよね。個人の体験から始まって、著作権、ブランド、それから未来の社会まで。
特に大事なのが、私たちは変わらないはずだって思いがちじゃないですか。
あー、思いますね。現状維持というか。
そうそう。でも、世界は容赦なく変わっていく。このズレですよね。この認識のギャップが、どう私たちを時代遅れにしてしまうのか。ここをちょっと深く見ていきましょうか。
お願いします。まず、その価値観がガラッと変わる瞬間、筆者の方は10年以上前ですかね、Uberに初めて乗った体験を挙げてますね。
はいはい。
知らない人の車に乗るとか、自分の位置情報がリアルタイムで分かっちゃうとか。
うんうん。
監視されてるみたいに抵抗感があったと思うんですよ。
確かにありましたね。プライバシーとか。
ですよね。でも、ドライバーの評価システムとか、GPS追跡、あとキャッシュレス決済、こういう仕組みがあったおかげで、それが見守られてるっていう安心感に変わったんだと。
なるほど。
この変化、今さらながらすごいですよね。
本当にそうですね。まさにテクノロジーが私たちの、いやそれは無理でしょっていう感覚を、これが普通なんだに変えちゃった例ですよね。
ここで見逃しちゃいけないのが、私たちって変化にはちょっと構えちゃうところがあるけれど、便利な仕組みが出てくると、案外あっさり、受け入れちゃう。
確かに流されやすいというか。
そうなんですよ。この変わらないと思ってる自分と、いやどんどん変わってるよっていう現実のギャップ、これが常に存在するわけです。
今まさにAIが同じような根本的な変化をもたらそうとしてるんじゃないか。
どう?なるほど。
それが著作権の話につながってくるんですね。
著作権の話、面白かったです。筆者の方はご自身の創作物、これをAIにむしろ積極的に学習してほしいと考えてるんですよね。
普通はなんか、いやいや守りたいってなりそうな気がするんですけど、これはどうしてなんでしょう?
それはですね、創造っていうのは文化のバトンリレーみたいなものだと。
AIもその新しいバトンの受け手になり得るんじゃないかっていう考え方なんですね。
受け手ですか?
従来の著作権って、どうしても囲い込む、つまり自分の作品を厳密に管理して変化から守ろうみたいな側面が強かったと思うんです。
そうですね。自分のものっていう意識が強い。
ブランドの未来とプラットフォーム
それに対して、筆者はむしろ未来への貢献なんだと。変化を受け入れる視点を提示してる。
この、なんていうか、囲い込みたいっていう気持ち自体は、実は変わらないでほしいっていう私たちの奥底にある願いの現れなのかもしれないですね。
うーん、なるほど。その囲い込みと貢献、あるいは許容ですかね、その対比がキャラクタービジネスの例ですごくわかりやすかったです。
AIにミッキーマウスを描いてって頼んでも拒否されると出てこない。
出てこないですね。
これはもう鉄壁の城みたいなブランド戦略だと。
まさに。
でも一方で、ハローキティは比較的描かれやすい。こちらは誰でも参加できる広場みたいだっていう。
ここがまさに自分たちの都合と世界のズレがくっきり出ているところだと思うんです。
ディズニーのように完璧な管理戦略を取る。つまり変わらない世界観をがっちり守ろうとする姿勢。
これはAIによる競争みたいなものが広がるかもしれない未来を考えるとちょっと危ういかもしれない。
危うい。
新しい文化の流れとか新陳代謝から取り残されちゃうリスクがある。
完璧に管理を徹底するあまり、ブランドが過去のすごいもので終わってしまう可能性ですね。
なるほど。化石化してしまうみたいな。
そういうことです。完璧に管理したいっていう自分たちの都合が、AIが当たり前になるかもしれないっていう世界の現実とズレた時、何が起こるのか、それを示唆しているように思います。
なるほどな。じゃあ守りに入ることが逆に時代から置いていかれる原因になっちゃうかもしれないと。
じゃあどうしたらいいんでしょうか。
実写が提案しているのが、これからのブランドは一方的に世界観を見せるんじゃなくて、価値観のプラットフォームになるべきだっていう考え方なんです。
価値観のプラットフォーム?
企業がこういう価値観を大事にしますよっていう旗を掲げる。そこに共感する人たちが集まってきて何かを表現したり交流したりする舞台を提供する。
製品とかサービスはその舞台への入場券みたいなものになるんじゃないかと。
なるほど。じゃあユーザーとの関係を閉じるんじゃなくて、むしろもっと開かれた共感でつながるコミュニティを作っていくっていうことですかね。
Uberが移動のAIが資税のプラットフォームであるように。
まさにその通りだと思います。関係性を遮断しちゃうと結局自分たちの存在意義そのものが揺らいでしまうかもしれない。
変化を拒んで変わらないことにこだわりすぎると世界の方が変わっていって結果的に取り残される。だからブランドも変化を受け入れて共感を軸にした明らかなコミュニティ、つまり価値観のプラットフォームとして変わりゆく世界と一緒に歩んでいく必要があるんじゃないかと、そういう考察ですよね。
いやー今回はテクノロジーがいかに私たちの価値観を揺さぶって変えていくのか、そのダイナミズムを見ましたね。Uberの例からAIと著作権、そしてブランドの未来まで。根底にあるのはやっぱり変わらないと信じたい私たちと容赦なく変わっていく現実とのギャップにどう向き合うかという問いなんだなぁと感じました。
本当にそうですね。そのギャップの中で、じゃあ私たちはどう舵を取っていけばいいのか。最後にですね、ぜひあなた自身に問いかけてみてほしいんです。
あなたが守りたいと思っている大切な価値観とか、あるいは想像ものってありますよね。それは未来に向けてがっちりと囲い込むべきものなんでしょうか。それとも変化の波をある意味受け入れて、新しい貢献とか明らかなプラットフォームみたいな形につなげていくべきものなんでしょうか。ちょっと立ち止まって考えてみていただけると嬉しいです。