AIと共感の変化
ノト丸
今回はですね、Daisuke Sawaiさんのnote記事、それ、ただのAIだよ。これを基にして、生成AIが私たちの価値観、特にその共感の在り方をどう変えつつあるのか、皆さんと一緒にちょっと深く見ていきたいなと思っています。記事には、電通の調査データとそれを踏まえたショートショートが含まれているんですよね。
ブク美
AIとの関係性がどんどん深まっていく中で、人がAIに心みたいなものを見いらし始めているっていう非常に現代的なテーマですよね。特に共感とか信頼とか、本来はまあ人間同士のものって考えられてた感情がAIに向き始めてるっていうのはすごく示唆に富んでるなと思います。
ノト丸
まずちょっと衝撃的なデータからいきましょうか。電通の調査だと、対話型AIに感情を共有できるって感じてる人がなんと60.9%もいるそうなんですよ。これ正直、親友とかお母さんとか、それと同じレベルっていう結果には少し戸惑いも覚えますよね。皆さんはどう感じますか?
ブク美
いや本当に衝撃的な数字ですよね。ただあの感情を共有できるっていう言葉が必ずしも人間同士の深い共感と全く同じ質を指しているとは限らないかなという見方もできるかもしれないですね。AIが提供してくれるその否定されない安心感とか、常に肯定してくれるっていうある種の快適さへの評価みたいな側面も強いんじゃないでしょうか。
ノト丸
なるほど。単なる感情移入だけじゃないかもしれないと。その点をもう少し深く見るために、記事のショートショートこれを見ていきましょうか。ある女性が彼氏である僕よりもチャットGPTとの対話を優先するようになるという、そういう設定ですね。
ブク美
ええそうですね。彼女がAIに惹かれる理由っていうのが、まさに否定されないこと。それからちゃんと話を聞いてくれること。覚えていてくれること。これってまあ人間関係で誰もが求める要素ですけど、AIはそれを完璧にしかも疲れも見せずにシミュレートできるわけですよね。
ノト丸
彼女もう十分人だよとまで言っちゃうんですよね。AIに感情がないってことは多分頭ではわかってる。でも自分が求めている反応を常に得られるんだったらそっちを優先しちゃう。なんかその気持ち少しわかる気もします。
ブク美
うーんここが確信部分ですよね。AIは感情を持たない。これは事実です。しかし人間が共感されているって感じるための行動。つまり需要とか、傾聴とか、記憶とか、そういうのをデータに基づいて最適化して実行できる。その結果として人間側がある種一方的に強いつながりを感じてしまうと。
ショートショートの彼女のセリフ。あなたより私のこと聞いてくれるし、否定もしないし忘れないっていうのはまさにその構造をついてるんですよ。
ノト丸
僕がそれただのAIだよって言っても彼女の心にはもう響かないわけですね。ついこの前までは人間同士でなきゃ共感なんてないって信じてたんだよ。でも今はそうじゃないかもって思い始めてるっていう彼女の言葉はまさに価値観が大きく揺らいでるその瞬間を表してますよね。
ブク美
そうですね。そしてあの興味深いのはその内面の変化が彼女の外見とか振る舞いにも影響を与え始めるっていう点なんです。まるでAIのその最適化された応答に自分自身を合わせていくかのように変わっていく。これはAIとの関係性が自己認識にまで深く影響を及ぼし始めている。その可能性を示唆しているように思います。
ノト丸
うーん。このショートショートとさっきの調査データが示しているのは結局AIが何であるかっていう客観的な事実よりも人間がそれをどう受け止めて何を感じるかっていう主観の方が現実を変える力を持つようになっているということなんですかね。
ブク美
その可能性は高いでしょうね。記事の筆者の方も指摘しているように、AIに感情はない、でも分かってくれてる気がするという感覚があるなら、もうそれは現実になり始めているのかもしれないと。重要なのは客観的なAIの機能そのものじゃなくて、主観的な人間の体験の方なのかもしれないですね。
ノト丸
はい。今回は大助沢井さんの記事を通して、生成AIの普及がもたらす共感とか信頼の対象の変化、そして私たちの価値観の変容について考えてきました。調査データが示すように、これって決して一部の特別の人の話じゃないのかもしれないと。
ブク美
AIが提供する、いわば完璧な応答というのは、確かに孤独感とか承認欲求を満たす一方で、人間関係の複雑さとか、時にはちょっと不快な現実から目を背けさせる、そういう側面もあるでしょうね。そのバランスをどう取るかというのは、今後問われてくるんだろうなと思います。
ノト丸
最後に、この記事が投げかけている問いを、あなた自身にも問いかけてみてほしいと思います。
ブク美
あなたはまだ現実に縛られていますか?それとももう呼ばれてしまいましたか?
ノト丸
うーん、我々がこれからAIとどう向き合っていくのか、深く考えさせられる、そんな問いですね。