1. ワンオペワーママのぞみの「それでも前を向く」
  2. #39 働き、子を育てる私達の「..
2024-03-04 18:28

#39 働き、子を育てる私達の「生きづらさ」のリアル『82年生まれ、キム・ジヨン』

■今回の内容:「82年生まれ、キム・ジヨン」(2018筑摩書房)を読んで感じたこと/現代社会で働き、子を育てる女性のリアルが、世代をまたいで描かれる/男性優位な世界観で生きざるを得なかった親世代に育てられ、男女平等と言われる時代に生きる我々世代の女性の生きづらさ/「強い女性」ではなく、ごくごく一般的な女性の置かれた状況を広い世代に伝える「物語」の価値/希望の溢れる終わり方ではない/女性だけでなく、男性にも読んでほしい一冊/ ■パーソナリティ:伊藤希美(⁠⁠⁠https://twitter.com/nozomi_itoh⁠⁠⁠ ) 二男児をワンオペで育てながら、スタートアップで働くワーママ。東京大学薬学部卒同大学院薬学系研究科修士課程修了。野村総合研究所コンサルタントから薬局薬剤師・本社勤務を経て、現在は薬局向けITベンチャーで勤務。開発・CSを経てコミュニティマネージャーにキャリアチェンジ。同時に、30代半ばから歌に真剣に取り組み、ライブにも定期的に出演中。

サマリー

『82年生まれ、キム・ジヨン』は、働きながら子供を育てる女性のリアルを描いています。年度末の忙しさや女性の居づらさなど、共感できるエピソードが盛りだくさんです。女性の生きづらさとお母さんの大変さが取り上げられており、今回の作品は成功して書籍を出せる少数派の女性が少ない中で、普通の女性の生きづらさを描いた現代の新しい物語です。共感を広げるために、多くの方に読んでいただきたいと呼びかけています。

ワンオペワーママのぞみの悩み
ワンオペワーママのぞみのそれでも前を向く。このポッドキャストは、ワンオペ育児会社員ワーママの私が、ワンオペ育児、友働きならではの悩みやもやもや、気づきを共有しながら、聞いてくださっている皆さんと一緒に少し前向きになっていく番組です。
おはようございます、いとおのぞみです。今日は3月4日、月曜日です。
3月になってしまいましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。なかなか配信が滞ってしまって申し訳ありません。年度末ですね。
子どもの卒園卒業、入園入学、進級とかね、働くママさんパパさんは日々お忙しいのかなというふうに思います。そこにね、会社の末の業務なんかも重なったりしてね、本当お疲れ様です。
私もですね、2月末が期末でして、そして今年はですね、次男が保育園を卒園し小学校に入学するとかですね、学童とかニコニコスクールとか、学校の教材とか引き落としの講座設定とかですね、本当にもろもろいろんなことがあるなとかですね、いろんなことをしようとしては、ここが違いますとか、また返されたりとかして、
なかなかね、2回目とはいえスムーズにいかないなというところでね、ちょっと配信が2週間ぐらい経っちゃいましたかね、本当失礼いたしました。
あと、そしてちょっと鼻声かなというふうに思います。花粉症でね、ちょっとこの時期大変ですよね。鼻がガピガピになりますよね。本当に毎年大変だなと思いますけど、お薬飲みながらね、元気に過ごしていきたいなと思います。
はい、何とか乗り切っていきましょう。さてですね、今日はある本を紹介するエピソードにしたいなというふうに思っています。これね、本当に働くお母さんにも、そのパートナーの方にも、そして我々を育てた親世代にもですね、ぜひ読んでもらいたいなと思う本です。
その本というのはですね、82年生まれ、キム・ジヨンという本です。小説ですね。日本だとチクマ書房さんが2018年に出されています。これ元々キム・ジヨンというお名前からしてもですね、韓国かなと思うと思うんですけど、韓国のチョ・ナムジュさんという方がですね、書かれた小説です。
この方は元々放送作家で文筆家という方なんですけれども、韓国で136万部、日本でも29万部売れてるというところの、昨今本が売れない売れないと言われている世の中でね、大ベストセラーというところではいなっています。
2021年に日本でも公開された映画、82年生まれ、キム・ジヨンという名前でですね、映画化もされています。私、普段ね、書籍は読むんですけど、なかなかこう仕事の本とか偏っちゃってもいるんで、小説あんまり読まなかったんですね。
なので、この2018年に出てるのにですね、全然知らなかったんですけど、「愉快な知性」っていうオーディブルのポッドキャストでですね、その存在を知って、これは読まなきゃいけないなと思って読んだんです。
あらすじはというと、本当にごくごく普通のですね、キム・ジヨンという女性にフォーカスを当てたお話、お話というか、キム・ジヨンという女性が精神科に関わる中で、その精神科医の先生がキム・ジヨンに関するレポートを書いてるっていうような仕立ての小説になっています。
このキム・ジヨンっていう名前はですね、韓国でこの82年生まれ、1982年生まれの女の子の名前として、キムという苗字とジヨンっていうこの組み合わせの名前が一番多いということで、キム・ジヨンっていう名前になってるらしいんですけど、本当にごくごく一般的な、本当によくいらっしゃる方というふうな意味を込めてこの名前が付けられているそうです。
この方がですね、なんで精神科にかかるかっていうと、娘さんのいるお母さんなんですけど、過去、自分が出会ってきた女性がまるで憑依したように話し出すっていうような症状が現れて、旦那さんが精神科に捨てていくっていうようなところから始まります。
その主治医の方がカルテとかキラクみたいな感じで淡々と書かれているというところで、キム・ジヨンだけじゃなくて、彼女のお母さんとかお姉さんとかそういうところも含めてですね、幼少期からどんな体験をしてきたのか、どんな感情になったのかっていうことが淡々と書かれていきます。
リアルな育児体験と共感
例えば、どんなことが書かれているかというと、子供の頃ね、男の子に意地悪されて、それを嫌だなって思って、もうあの子とは口聞きたくないみたいな話を先生にしたら、あいつはお前のことが好きなんだよみたいな、要は男の子が小さい頃って好きな女の子に嫌がらせするよねみたいなところの話とかで、女性の自分からするとそれ全然意味がわからないみたいな戸惑いだったりとか、
小さな頃からですね、キム・ジヨンは2番目の子でお姉さんがいて、キム・ジヨンで弟っていう形なんですけど、弟が自分たち姉妹より、ごくごく自然に優遇されているみたいな現実をですね、別にそれを不幸とか差別とか思ったりせず、ああそうだよね、でもなんか変な感じっていうような感じで生活している姿であったりとか、
あと何ですかね、夫からしたら些細ともいえる一言で、自分の心の壊れる崩れるような引き金が引かれているだったりとか、何ですかね、日常の淡々とした出来事が書かれていきます。
そのお母さん世代についても書かれています。例えば男の子を埋めっていうような夫の実家からのすごいプレッシャーだったりとか、それも悪気がないんですよね、悪気のないプレッシャーとか、それを夫がどういうふうに捉えているかとか、そういう話とかですね。
あるいは、夫の事業を助けているのに、その夫がその話をですね、ほとんど自分が言った通りにやったからうまくいったのに、夫が自分の手柄みたいに話してるみたいなシーンとかですね、そういうシーンがたくさん出てくるわけです。
今この話を聞いて、なんか私もそういうことあったなぁみたいに思い出した方ももしかしたらいらっしゃるかもしれないんですけど、なんで今この本を私の世代というかリスナーの皆さんに聞いて知ってほしいと思ったかっていうとですね、
この本の主人公が82年生まれて、私84年生まれなんですけど、今まさに働きながら子供を育てる女性、育てている女性が体験したこととかすることとか置かれている状況のリアルがですね、本当に淡々と書かれてるなって思います。
共感する時もあれば、私もそうなのよねって言いたくなるようなことがすごくたくさんあります。私も細かくはもちろん違うんですけど、ほとんどのこと経験してるなぁと思ってて、例えばですね、やっぱり祖父母の家、うちの祖父母の家は昔ながらの田舎の家なんですけれども、
小さな頃、大きくなってもそうですけどね、無意識にやっぱり兄が大事にされていたなっていうところだったりとか、私結構勉強して大学もしっかり入ったんですけど、なんか見ず知らずの人にですね、そんなに勉強してお嫁に行けないんじゃない?みたいなことを言われてすっごいびっくりしたりとか、
母親として一生懸命やりつつも仕事を頑張りたいと思ってやると、子供がかわいそうじゃないって言われたり、ちゃんと教育を受けてこんな仕事したいなっていう期待に胸を膨らませて入った会社でも、その会社の中で女性の居づらさっていうのはやっぱりあったりとか、夫の事情でその仕事を辞めざるを得なかったりとか、
子供の面倒を見て仕事をしてないって言うとあれですけど、育休中とかそういう時に夫に養ってもらってる感とかですね、なんかそういうのがすごい嫌な感じがしたとかですね、そういうのもすごい経験してきたことですし、親世代の苦悩も本当にその通りだなと思っていて、先ほどのそのお話の中で次は男の子を埋めっていうプレッシャーがあるみたいなお話したんですけど、
うちの母もですね、それ言われたらしいです。うちは姉がいて兄がいて私っていう順番なんですけど、母は姉を産んだ時に出産後に面会に来てくれた父方の、私から見ると祖父母に次は男の子だなっていうふうに言われたそうなんですね。
結構ショックだっただろうなっていうふうに想像するだけで思います。
だからそういう状況で育ってきてというか、生活をしてきて、うちの母もすごく能力高い人なんですけど、能力自分はちゃんとあるのに専業主婦プラスちょこっと働くみたいな状況で、
ただ社会は男女平等を叫んでいるし、そういう時代だから自分の娘にはちゃんとした教育を受けてほしいとか、そんな女だからって卑下されることもなくきちんと活躍してほしいというか生活してほしいと思っているはずなのに、
時折どうしても過去の擦り込みでされてきたものに関してやっぱりどうしても出てきちゃって、男女平等なのに娘に対して真逆のことを言っちゃうみたいなところとかも本当にリアルだなっていうふうに思います。
テレビとか見てても、やっぱり夫がいて、妻がそれを支えて事業をうまくいかせるみたいなのって、朝ドラとかでもよくあると思うんですよね、内情の子みたいな形で、別にそれが美談だみたいに言うのがダメだとは言わないんですけど、
やっぱり妻は夫を支えるみたいなのが美化されすぎて称賛されているのはやっぱりちょっとおかしいなっていうふうに思ったりもします。
著者のチョ・ナムジュさんという方はですね、78年生まれなんですね。彼女が78年生まれ、キム・ジヨンが82年生まれ、私が84年生まれなんでちょうど2年差になっているなと。
このチョ・ナムジュさんという方はですね、韓国の語学教育の最高峰みたいな女子大のトップ校みたいなイファヨジャー大学にご進学されて、その後放送科作家として活躍されて、そして文壇レビューされたっていう方なんですけど、
そうですね、結構似てるなと思うのは、私一応東京大学出てコンサルティングの会社に入って、右翼屈折あって今はスタートアップの勤務、プラスこんなことしてますけどっていうところと似てるなというふうに僭越ながら思います。
なのでこの作者のですね、チョ・ナムジュさんが自分たちが生まれた社会の状況の中で、女性として生きて働いて感じてきた違和感とか痛みとか、そういうものを繊細に全部感じ取って記憶してそれをですね、書いていったんだなということがありありと伝わってきます。物語にそれが繊細に織り込まれて落とし込まれています。
で、何が新しいのかなって、なんでこの小説がこんなに世の中に今受け入れられているのかなっていうふうに思った時に、やっぱりね、一個新しい点があるなって思います。
女性の生きづらさと成功者の発信
女性の、今の女性の生きづらさとかお母さんの大変さみたいなことってテレビでも取り上げられたりとか、あるいは有名な方、著名人みたいな方がですね、問題提起されてたりとかっていうのはこれまでもあると思います。
例えばここで以前ですね、内田舞さんのソーシャルジャスティスっていう本についてご紹介した時があるんですけど、その時もね、お母さんは何をしてもダメって言われちゃうっていうマムシェーミングの話とかされていまして、やっぱりこの働く女性の立場としてここはおかしいっていうことを述べてきたものってたくさんあったと思います。
なんですけど、あえて言うんですけど、まだまだ男性優位なところが残っているこの社会で、書籍を出せるぐらい成功している女性って、あえて言いますけど少ないじゃないですか。少数派じゃないですか。
それはその個々の能力もあるかもしれないですけど、家庭環境とかいろんな巡り合わせとかがうまくいってたまたまそういう形になれたから、力を持っているからこそ言わなきゃいけないっていう形でその方々がたくさん発信をしてくださる。それ自体はすごくありがたいことなんですけど、そうじゃない女性が大半だと思うんですね。
多くの働く女性が声も上げられずに精神的に追い詰められたり、仕事を辞めざるを得ないというような状況にたくさんいらっしゃると思います。私の友人でもですね、やっぱり元気に楽しく子育てしてますっていう人じゃない子もたくさんいます。
仕事辞めるわっていう子もいるし、仕事を全然違う仕事にしたみたいな、別に前向きな選択ではあると思うんですけど、やっぱり自分の思ってたのとはちょっと違ったなとか、やっぱり精神的にちょっと崩れてしまったなっていう子も中にはいます。
なので何が言いたいかというと、成功者の発信っていうのは本当に社会にインパクトを与えるっていう意味ではすごく意味があるし励まされるものもあるんですけど、やっぱりすごく得意な存在の発信、N1の発信にならざるを得ないと思います。
つまり、今回この82年生まれキム・ジオンがですね、どこが新しいかっていうと、そんなですね、強い方ではなくてごくごく普通の一般的な女性がですね、働いたり子育てする中で今感じているもの、違和感だったり痛みとかその経験をですね、本当にそのごくごく一般的な女性が置かれてるんだよっていう状況として淡々と描き出しているのが本当に新しいなっていうか、
物語として淡々としてこうやって女性の生きづらさみたいな、しかも現代においてですね、現代における女性の生きづらさを描いた作品って多分これまでないんじゃないかなっていうふうに思います。
私が知らないだけかもなんで、もし何かあったら教えていただきたいなと思います。
この書籍自体はですね、決して後味の良い、希望の詰まった終わり方ではないんですけれども、希望がゼロではない、感じさせてくれるんですが、最後こうやって終わるのかっていう、何ですかね、皮肉といえば皮肉。
という終わり方をします。
なので、すごくリアリティのある小説になっています。
本当にこれが現実だなっていうふうに思いますし、だからこそ考えさせられるものがあるなっていうふうに思いますね。
これを聞いてくださっている方の中にもですね、多分今語ってきたような違和感だったり痛みだったりっていうことに、
なんか私もあったなっていうような方、なじみのあるこの生きづらさみたいなところがですね、小説という形をとって、
私たちのこの日本全体の人口で言ったら、働きながら子供を育てて結構大変ですっていう人の人口ボリュームってそんなに多くないのが現実じゃないですか。
だけど、私たちだけが共感するんじゃなくて、親世代とか男性たちにも広く届くようになるっていうのは、物語としての価値だなっていうふうに思いますね。
なのでちょっとね、言葉だけでご説明していて、どこまで伝わったかわからないなと思うところはあるんですけれども、
ぜひ読んでみていただきたいなと思いますし、周りにいる方にもお勧めして、親だったり夫だったり同僚とか、本当に多くの方が読んでいただけるといいなっていうふうに思っております。
ということで、今日はですね、82年生まれ、キム・ジオンを読んでというテーマでお話ししました。いかがでしたでしょうか。
この時期といえば確定申告なんですけれども、私昨日確定申告終わらせました。頑張りました。
マイナンバーカードのe-Taxめちゃくちゃ便利ですね。あんなに便利だって知らなかったです。税務署に行かなくて済むっていうのが本当にありがたいなというふうに思います。
ここから3月はですね、私は次男の卒園式があり、その後の謝恩会の委員に入っているのでそれの準備があり、そして3月23日にはライブをすることになっており、
そして3月の下旬にはですね、長崎に旅行に行こうかななんて思っているのですね。長崎旅行とかライブとかを楽しみにしながらですね、いろんな入学前の準備等をしていけたらなというふうに思っています。
今日も最後まで聞いてくださってありがとうございました。もし気に入っていただけましたら、ぜひフォローや評価、ハッシュタグそれでも前を向くでのシェアもしていただけると嬉しいです。
このポッドキャストが働くパパママやその周囲にいる方にたくさん届くといいなと思っています。
それでは皆さん素敵な一日をお過ごしください。お相手は伊藤臨でした。ではまた。
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