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みなさーん、おはようございまーす。
2026年1月に株式会社アスナロブリッジという会社を設立する予定の中小企業診断士のオサナイ先生こと、オサナイ和志です。
本日は2025年の10月の9日、木曜日でございます。
善意の残業の危険性
今日のテーマでございますけれども、自己責任で済ませてない?善意の残業が招く3つの悲劇、
というテーマでお送りしたいと思います。
お店が忙しいから少しだけ残って手伝おうとかね、店長頑張っているから僕ができることはしてやりたいなみたいなですね、
従業員さんのね、そんな善意の行動ですね、本当に嬉しいじゃないですか。
上司としてもね、そんな部下の気持ちに何とかね、応えてあげたいというと思うのが当然だと思います。
でもですね、その良かれと思っての行動が思わぬ法的リスクやですね、人間関係のトラブルにつながってしまったらどうでしょうか。
今回はですね、僕のところに相談に来たある飲食店でね、実際にあった事例をもとに、
善意の行動の裏に棲む3つの悲劇と、それからその乗り越え方ですね、こちらについて一緒に考えていきたいなというふうに思っております。
良かれと思った行動がですね、あなたやそれから会社をね、傷つける前にぜひ最後までお聞きいただければなと思います。
本題に入る前に少しお知らせをさせてください。
青藍高校野球部員書籍を寄贈するプロジェクトでございますけれども、現在まで集まっている冊数が125冊でございます。
これまでご支援いただいた方々のお名前を読み上げさせていただきます。
上村圭一さん、後藤健太郎さん、奥水梅花さん、黒田孝平さん、三上雄貴さん、宮田ひたるさん、谷畑政門さん、宮城翔さん、伊藤かな子さん、西田賢治さん、大中美香さん、堀井誠さん、原道さん、田中雄介さん、松島涼さん、福田康原さん、山松久美さん、辻向仁さん、小沢幸栄さん、中原和晴さん、小下賢一さん、本田健也さんの皆様でございます。
皆様本当にありがとうございます。
皆様のおかげで125冊が集まっております。
引き続き皆様からの温かいご支援をお待ちしております。
概要欄にペースショップのリンクを貼っておきますので、そちらから応援をよろしくお願いいたします。
法的リスクと上司の対応
ということで、今日のテーマでございますけれども、「自己責任で済ませていない、善意の残業が招く3つの悲劇」というテーマでお送りしたいなと思います。
まず今回考える元になった相談の事例を簡単にご紹介したいと思います。
ある飲食店で真面目なアルバイトのAさんが働いておりました。
ある日お店が急に忙しくなって、Aさんはシフトの時間を超えても自分がやらなきゃというふうに自主的に手伝いを続けました。
その結果、終電を逃してしまったんですね。
Aさん本人は自分の時間管理ミスです、自己責任ですというふうに反省していたんですよ。
その姿を見た店長はAさんの善意に感謝しつつもタキシー代は出さずに、代わりにこれ使いなよと言って自分の自転車を貸してあげたんですね。
一見従業員の善意とそれに応える上司の優しさという美しい話に見えるかもしれませんけども、
ところがこの話を家で聞いたAさんのパートナーは激怒します。
終電を逃すまで働かせて交通費も出さないっておかしい。もし自転車で事故にでもあったらどうするの?
Aさんはパートナーの正論と自分の自己責任だという気持ちの間で板挟みになってしまったんですよ。
この一見よくありそうな話の中に、実は経営者であったりとか働く人にとって非常に重要な3つの論点、
言い換えれば悲劇の種が隠されているんですね。
今日はこの事例を3つの視点から深掘りしていきたいと思うんですけども、
まずその視点その1、それって自己責任?良かれと思ってのサービス産業の法的リスクなんですね。
まずAさんが言った、自己責任だから給料はいりませんという言葉、この申しで法的にはどうなると思いますか皆さん。
結論から言いますと、たとえ本人がいらないと言ってもですね、会社は残業代を支払う義務があります。
これは労働基準法で定められています会社の絶対的な義務なんですね。
なぜなら、もし本人がいいって言ったからという理由がまかり通ってしまいますと、
立場の弱い労働者がですね、不当な長時間労働を強いられる可能性があるからなんです。
法律はそうした事態を防ぎ、労働者を守るために存在しているわけなんですね。
経営者の視点から怖いのは、知らなかったとか見て見ぬふりをしていた、では済まされないという点なんですよ。
従業員が自主的に残業していることを知りながら放置していた場合、これは会社の黙認というふうにみなされまして、
残業代支払い義務はもちろん、悪質な場合はですね、安全配慮義務違反に問われる可能性すらあります。
ですので従業員の全員はですね、本当にありがたいんですが、
でもその全員に甘えてしまう構造がですね、結果的に会社全体を大きなリスクにさらしてしまう。
これが一つ目の悲劇の種です。
それから視点その2ですけども、その優しさ危険かも。上司の神対応に潜む落とし穴というところです。
次に店長が取ったですね、自転車を貸すという対応。
タクシー代は出せないけど何とかしてあげたいっていうこの優しさから出た行動だと思うんですけども、
一見これ神対応に見えます。しかしこれも経営労務管理の視点から考えるとですね、非常に危険な対応なんですね。
どういうことかというと、もしですね、Aさんが自転車で家に帰る途中に事故にあったらどうなるでしょうか。
これは単なる通勤中の事故ではなく、会社の指示管理下で起きた業務災害というふうに認定される可能性が非常に高くなるんですね。
なぜなら、終電を逃す原因が業務にあって、その後の帰宅方法として上司が自転車を貸しているからなんですよ。
そうなれば会社は治療費だけじゃなくて、休業中の補償であったりとか、思い責任を負うことになるんです。
まさに善意があだとなるという典型的な例なんですよ。
じゃあどうすればよかったのかということなんですけども、原則はですね、タクシー代を支払って安全に帰宅させることだと僕は思います。
それが難しい場合でも、例えば始発まで安全な場所、お店の休憩室があったりとかね、そういったところで紙を取らせるとか、
従業員の安全を最優先に確保する義務が会社にはあると思います。
上司の愛や優しさが従業員と会社の両方を危険にさらしてしまう、これが2つ目の悲劇の種です。
板挟みのジレンマ
それから最後、視点その3ですけども、正論のパートナーと板挟みの自分、どうすればいいということなんですが、
これ最後、Aさんが直面した板挟みの問題なんですけども、
Aさんが本人は自己責任だということで内向きに反省して網風を立てたくないというふうに思っているわけですよ。
一方でパートナーは会社がおかしいというふうに外向きに正論で批判しているわけですよね。
この温度差は何で生まれると思いますか?
これはなぜかというと、見ている立場が違うからなんですよ。
当事者であるAさんは職場の人間関係であったりとか今後の働きやすさとか様々な事情を考慮して物事を判断します。
だからこそ自分が我慢すれば丸く収まるというふうな思考になりがちなんですよね。
一方でパートナーという第三者はAさんの労働者としての権利や安全という客観的に普遍的な正しさを基準に物事を見ます。
そこには忖度であったりとか人間関係というのは介在しませんから。
だからこそその言葉は正論として響くわけですよ。
もし今日お聞きになっている皆さんがAさんの立場だったらどうすればいいでしょうか。
まずは心配してくれているパートナーの気持ちにありがとうというふうに感謝を伝えることが大切なんじゃないかなと僕は思います。
その上で言ってることはわかるんだけども自分はこうしたいんだよねっていうことを自分の気持ちを正直に話してみるということ。
そして問題を一人であるいは当事者間だけで抱え込まないことですね。
会社の相談窓口だったりとか場合によっては労働基準監督省みたいなそういった外部の専門機関に相談するという選択肢も持っておくことが自分を守ることにもつながります。
当事者と第三者の視点の違いというのは新たな人間関係の悩みを生んでしまうというこれが三つ目の悲劇の種でございます。
こういったことが今日の事例から見てわかるかと思いますけども。
自己責任と善意の残業
我々昭和生まれの昭和で育ってきた人間で僕も社会人になった頃はまだまだこれ今も時効だから言いますけどもサービス産業も当たり前にありましたし。
どこの会社でもねもう24時間働けますかという時代でしたから残ってね残業するサービス産業するって当たり前だったんです。
でもこれはもう過去の話です。今はそういうことは許されませんから。
ぜひ今日の話を聞いてみてですねこういったことが起こり得るということを実際は起こって僕のところに相談来てますから。
中小企業診断士としての視点で社会人の資格は僕がないのであくまでも一般論として僕はお話しさせていただきましたけども。
今回のこういった事例があり得るということも踏まえてですねお話を聞いていただければなと思います。
さて今日のお話に関連しまして一冊の本をご紹介したいと思います。
沢渡り真根さんの職場の問題地図という本でございます。
これはよくある職場の問題を地図みたいな感じで可視化してですね。
なんでその問題が起きるのかってどうすれば解決できるのかっていうことをイラストを交えて非常にわかりやすく解説してくれるという本なんですけども。
今回のサービス産業の問題も単に法律論で片付けるんじゃなくて。
なんで従業員は善意で残ってしまって上司はそれを止めることができないのかという背景にある組織文化であったりとか。
もっと言うとコミュニケーションの問題とかそういったところまで踏み込んでこの本を書いてくれてるんですね。
サービス残業の問題点
中小企業の経営者であったりとか管理職の方がですね。
自社の問題の現在地これを把握して具体的な次の一手を考える上では僕は素晴らしいヒントをくれる一冊だなというふうに思ってますね。
法律の専門書は少し苦手という方にもぜひ手に取っていただきたいという本でございます。
概要欄の方にリンクを貼っておきますのでぜひそちらからね職場の問題地図でご覧いただければいかがでしょうか。
はいということで今日のまとめでございますけども。
自己責任という言葉の裏に隠された善意の残業が招く3つの悲劇についてお話ししました。
ポイント1はサービス残業は本人の同意があっても違法です。
従業員の善意に甘えることは会社を法的なリスクにさらすというところです。
ポイント2上司の安易な優しさは安全配慮義務違反につながる危険があるということです。
自転車を貸すといった対応は避けて従業員の安全確保を最優先しましょう。
ポイント3当事者と第三者の温度差を理解するということですね。
職場の問題を相談した時の意見の食い違いは当然のことはあると思います。
でもこれを一人で抱え込まないで冷静な対話と外部への相談を視野に入れてみてはいかがかなということです。
良かれと思った行動が裏面に出る前に正しい知識を持つことですね。
それが皆さんのあなた自身とそれからあなたの大切な従業員そして会社を守る一番の近道かなというふうに思います。
ということで今日も聞きいただきましてありがとうございました。
良かれと思ってやったことが裏目に出るというのは本当につらい話なんですよね。
でも今日の話が皆さん自身と大切な従業員を守るきっかけになればこれほど嬉しいことはありませんから
正しい知識は最強の盾になりますからね。
今回の放送への感想であったりとかそしてこんなテーマで話してほしいといったリクエストがあれば
ぜひ3度FMへコメントを寄せてください。
毎週土曜日日曜日にコメントを読ませていただきたいと思います。
ということで今日は自己責任で済ませてない全員の残業が招く3つの悲劇というテーマでお送りいたしました。
挑戦が人生だ。
Don't worry, be happy.
それではまた明日この時間にお会いしましょう。
今日も元気に。
いってらっしゃい。