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聴くNIKKEIリスキリング
こんにちは、NIKKEIリスキリング編集長の桜井洋です。
この番組は、変わりたい組織と成長したいビジネスパーソンをガイドする
NIKKEIリスキリングに掲載した記事を深掘りしたり、
ビジネスパーソンの学びに役立つお話をお届けしたりするポッドキャストです。
編集チームのメンバーやゲストの方と、ちょっと横道にもそれながら
ビジネスに役立つ楽しいリスキリング情報を提供いたします。
今回のテーマは、地方の企業がリスキリングで成果を上げるコツです。
ゲストの石節さんです。石節さんよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
石節さんは?
フリーランスの記者で、もともとNIKKEIの記者でしたが、
今はフリーランスでやっています。石節です。よろしくお願いします。
NIKKEIリスキリングでずっと書いていただいていて、
今回ご紹介する記事なんですけど、
リスキリング、今年一番読まれた記者ですよ。
らしいですね。
大ヒット。
すごい意外でした。
そうですか?
結構地方の話だし、あんまり大企業の方々のリスキリングみたいな話を
取り上げることが多かったので、地方の、しかも飲食の会社で
DXだとかリスキリングだっていうのは、今まであんまり取り上げたことがなかったので、
本当に読まれるかなっていうのが、ちょっと自信がなかったんですけども、
蓋を開けてみたら、すごく読まれたということで、私もびっくりしました。
記事のタイトルを読みますね。
32歳で数学を学び直しの経営者。10年で利益10倍。中途半端なリスキルはダメ。
強めのね。中途半端なリスキルはダメ。すいません。
ツイッターなんかでもですね、だいぶこの記事話題になってまして、非常にポジティブな反応が多かったんですよね。
つまり、これぐらいやらないと、本当のこのDX組織としてのリスキリングというのはできないし、
やっぱりこれぐらいの覚悟を持って経営者がやるから成果が出るんだっていう、すごくポジティブな意見が多かったですね。
そうですね。やっぱりリスキリングっていうと、なんとなく講座を受けて、机に座って学んで、それで終わりになってしまいがちなんですけども、
それじゃ全く意味がないということを、この小田島さんという社長さんはインタビュー中も何度も繰り返し言ってまして。
今回取り上げていただいたのは、なんというか。
エビ屋という会社で、三重県の伊勢神宮の三道沿いの道にある、昔からある、創業100年を超える食堂ですね。
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エビ屋さん。
エビ屋さん。有名なんですよね。
伊勢エビだとか松坂牛とか、そういった地元の食材を使った料理で人気のお店だったんですけども、そこがちょっと経営がやはりですね、創業100年を超えて、
つい最近までというか10年ほど前までは、手切りの食券とか、ソロバンを使っていて、かなり昭和な。
経営自体も昭和な経営をしていて、それでちょっと経営が怪しくなってきたと言ったときに、小田島さんという社長さん、今の社長さんがですね、
もともと奥様のご実家がエビ屋さんで、27歳のときにソフトバンクを辞めて入社されたと。
その方が今までのソロバンとかでやっていた経営から、データ経営というものにガラッと転換して、それでV字回復をできましたと。
さらに自分たちがどうやってやったのかという、そのノウハウをですね、自分たちの中で囲むのではなく、この方は全国の中小企業の生産性向上という課題を
自分も解決したいな、自分こそが解決したいんだっていう結構熱い思いを持っていらっしゃって。
それでそのノウハウを他のサービス業、全国の中小企業に向けても提供しようということで、エビラボという会社をですね。
エビ屋のエビを取って、エビラボという会社も作ってやってますということで、小田島さんという方にお話を聞きました。
しかし抵抗はなかったんですかね、そういう長い新鮮なところにデータが入って。
DXって結局やろうとしても、いろんな壁に阻まれますけど、よくそこを突破されました。
そうですね、その方は別に全員にリスキリングをしてもらおうとか、そんなことは最初から思っていなくて。
ついてこれる人といったらあれですけど、やりたい人、やってみたいなとか、そういうことに興味があるだっていう人がやってくれれば、
全員、やりたくもない人をついて来させるような無理やりのリスキリングだとかDXをする必要はないっていう考えでいたので、
それほどの抵抗というものも、社員の方からすると知らないうちにいろんなことが進んでいて、
ただこのツールを使うやり方だけは覚えてねということで、そんなに難しいリスキリングをやるぞみたいなDXをやるぞっていうのを大冗談に構えて、
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皆さんやってくださいっていう感じのやり方はしなかったというふうに言ってました。
そうなんですね。でもご自身はものすごいリスキリングされているっていう。
彼は本当にインタビューを、結局1時間の予定が1時間半ぐらいになったんですけども、前半40分、50分ぐらいは彼のリスキリング人生について振り返りをしてもらって話を伺ったんですが、
かなりすごいリスキリングをされていて、もともと高校の頃とかはすごいやんちゃな感じで。
昔は悪かったですね。
8歳の頃からパソコンには触っていて、商売にはすごく興味があって、株式投資とかもやってたらしいんですね。
子供の頃から。
でも学校の勉強ってのはあんまりやっていなかった。でも小金が稼げるので、そのお金でちょっと悪い仲間とつるんで遊んでいたんだという話をしていらっしゃいました。
ストリート系の感じですね。
だけどある時、孫正義さんのインタビューかテレビでご覧になったのか何か聞かれたのかわからないですけども、
孫さんの存在を知って、同じインターネットを使ってこんなに人類の歴史を変えるみたいなことを言っている人がいるんだということに衝撃を受けて、
自分は小金を稼いで仲間とつるんで遊んでちゃダメだというふうに目が覚めたっていう。そこから、もともと株式投資とかやっていたので、
データを見たりとか因果関係、いろんな物事のなぜどういうことが起きたから株価がこういうふうになっているのかみたいなことを考えるのは好きだったらしいんですね。
それで大学で、この方北海道の方ですけども東京に出てきて就職するときはソフトバンク一択というか、ソフトバンクしか行けなかったらしいですね。
大学も彼いわくそんなに有名な大学でもなかったんだけれども、やっぱりIRの資料とかも読み込めているし、株式投資とかやっているので、
本当決算書とかもバンバン読めるので、その話を面接でしたら一発で通ったらしく。入って最初人事だったらしいんですよね、海賊が。人事がちょっと自分に合わなくて、やっぱりもうちょっと商売に近いことをやりたいみたいな気持ちがあって、
で、携帯の販売店の方に配置買いをしてもらって、そこで同じ施策をとっても売れる店と売れない店があるっていうことを、なぜそういう違いが出るのかみたいなことを調べるために自分でその最寄りの駅の乗降車の数だとか、
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エリアの箇所分所得だとか、そういうデータを自分で誰からもやれと言われてるわけじゃないんですけど、自分でいろいろ調べて、なぜその違いが出るのかみたいなことをデータをもとに分析したりとかいうことはやってたらしいですね。
そのエビ屋で働かれる前から、本当にデータ経営、データ分析を経営に活かすということをずっと実施されてきたんですね。
そうですね。好きだったっていうことをおっしゃってましたね。なのでやっぱり自分が興味があることだったら、やらされなくてもやると。
それはご自身がやってきたので、やっぱり人がリスキリングする従業員にリスキリングしてほしいっていう時も、やってっていうよりも本人が本当にやりたいか興味があるか好きか嫌いか、そういうことをしっかり聞いた上で、この人はやりたいんじゃないかなっていう人には徹底してやってもらうんだと。
そういう声掛けをしている。
そうですね。すごく聞き取りはやるって言ってましたね。
本当は今は、例えばこの仕事してるけど、本当は何がやりたかったのとか、小さい頃からどんなことが好きだったかとか、結構そういうことをよく聞いて、そこからもしかしたらこの人だったらやりたいんじゃないかなっていうことで進めるっていうふうに言ってましたね。
なるほどね。だから地方の小さな組織もそんな大きな組織じゃないですね。
そうですね。
そういう中だからこそ、結構そういう丁寧な一人一人に向き合って何がしたいのかっていうところまで、なんか掘り下げられるかなと思って、大きな企業だとなかなかそれができなかったりがするので、意外とだから地方のリスキリングってやりやすい気もします。
やりやすいのかもしれないですし、成果も出やすいというか、小さな規模でスモールスタートでやって、すぐに結構成果も出やすいっていうようなことは、エビアさんも言ってましたし、今日そのご紹介しようと思ってますマルブンさんという会社でも、そこは共通して成果が出やすいっていうことは言っていましたね。
なるほどね。成果が出やすい。ありがとうございます。じゃあその成果が出やすいもう一つのお話に行きましょうかね。必要があればもう一回戻ろうかなと思いますけども、エビラボさんのサービス、サービスって言っていいんですかね。
エビラボさんはそうですね、サービスですね。そのエビアさんの方で独自に開発したビジネスなんだっけ。
ビジネスなんて言うんですかね。
BIって言うんですよね。
BIですね。ビジネスインテリジェンス。
タッチポイントBI、そうですね。タッチポイントBIというそれを売っているというのと、あとシステム開発の受託をしたりとか、あと研修の事業、まさにリスキリング的な研修の事業なんかもエビラボさんでやっているということです。
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それを導入した企業の話も書いていただいたんですけれども、タイトルで言いますとこれですね。創業100年のレストランがDXしたら、時間売上高2割増とアナログへの集中という記事で、こちらもさっきの記事ほどではないですけども、かなりまた読まれたんですよね。こちらも。
写真が良かったですよね。
写真がね。すごいね、これね、今日のコブキャストなんか見せていただいて。
そうなんですよね。美味しそうなナポリタンの。
鉄板ナポリタン。
鉄板ナポリタン、そうです。
これ見た瞬間、これで行きましょうって、このサムネイルでって言って。今見てますけどね、ちょっとお腹がね、お腹が空きますね。
かなりね、美味しそうな、一番上に大きなソーセージが乗っている。
大きなソーセージが乗ってますね。これはまさに、地方のリスキリングについての記事として掲載しているわけですけども、こちらで取り上げた会社というか、飲食店がマルブンさん。
はい、マルブンさん。こちらも、創業100年を超えているという、超老舗なんですね。愛媛県の西条市で、イタリアンのレストランを中心に5つ店舗があるという。
通販をやっているという。
通販。
いい詩ですね。それもやっているという会社です。
なんで、こういうツールを入れてリスキリングをしようと思ったかというところですけども、人手不足とかいろいろ背景がありそうですけど、どんな背景か。
そうですね。やっぱり一番の課題だったのは人手不足で、このツールを入れる前っていうのは採用しようにも人は来ないし、人が足りないので注文を受けに行くのも難しいというか、お客さんが呼んでるんだけども、人手が足りないのでちょっとお待ちくださいみたいなことが状態化していて、これを何とかしなければっていうのが本当に喫緊の課題だったというふうにおっしゃってましたね。
いやぁ、飲食店のね、その本当に人手不足ってもうどこの新国で。
特にもう地方は、もうそれはどこ、日本全国で起きていることだと思いますね。
そこを、このリスキリングでどうやって解決をしていけたんでしょう。
彼らは、やっぱりそのデジタルを取り入れてリスキリングをすることで、自分たちが大切にしてきたお客さんと向き合うとか、お客さんと生のやり取りをするとか、そういったアナログの部分を強化するっていうことをやるって、それが目的だっていうことをはっきりと、
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マナベさんという社長さんがおっしゃっていまして、そのためにデジタルをやるんだと。リスキリングはそのためであるっていう、まずは目的意識をはっきり持って。
ツールを入れるんですけども、いろんな会社、飲食店なんかもやっぱりデータっていうのは比較的取りやすい業界なので、データはあるんだけども、データを単に点としていろんなデータを取っても、それが面としてつながらないと意味がないっていうことをこのマナベさんという方はおっしゃってまして、
それをつなげていくっていうことを初めてやったというふうに。それまでもデータは取っていて、エクセルでいろいろいじったりはしていたけども、本当にそのどのデータとどのデータを組み合わせれば意味があるのかとか、次のアクションにつながるデータとして読み取ることができるのか。
そこらへんがあんまりうまくできていなくて、ツールばっかり増えて、データは増えたんだけども、そこから読み取りができない。そこに悩んでいらっしゃって、今回それを意識して3つのツールっていうのを連携させるっていうことを意識して導入したというふうにおっしゃっていました。
そういうツールを入れることで、ある種余裕が生まれるっていうことなんですかね。
ツールを入れて、結構自動的にデータを収集し、分析まで自動化してしまうっていう。それを彼が言ってたのは、どんどん使うっていう、すぐ実践するっていうことが大事だっていうことをおっしゃっていて。
すぐ実践する。ツールを入れた。結構地方のリスキリングでありがちなのが、いろいろじゃあこんなツールいいですよとか、こんなサービスでありますよとか、こんな講座受けてくださいってたくさんあるわけじゃないですか。
言ったけど、勉強なりました。以上みたいなことで、悪口にはしたくないですけど、結構あるじゃないですか。そうじゃないですね。
主に使っているのは、先ほどのエビラボさんが開発しているAIを使って、需要予測って言うんですかね。お客さんがどのくらい来るか。来客予測をするとか。
そのデータをもとにどういう発注の仕方をすればいいのかとか、スタッフのシフトをどう組めばいいのかとか、そういったことをやっていくんですけども。
それを本当にツールを使って、新人でもできるんだよということで、新人の人にやらせたらしいんですね。やっぱり発注業務っていうのがこの飲食の業界ではすごく重要で、それは間違うと経営がうまくいかなくなってくるので、
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その発注業務って、かなり今まではベテランの人が経験と勘によってやっていた部分っていうのを、今まではベテランにしかできないと思われてたんですけども、データを使うことによって勘ではなくて、データを使って法則性を見つけるっていうんですかね。
そういうことができれば新人にもできるだろうということで、新人に任せてやってみたと。そうすると3ヶ月でベテランと同じ成果を出すことができたっていうことで、発注は間違いなくなるというんですかね。
それで新人ができるようになると、他の人も新人でもできるんだったらっていうので、どんどん伝播していくというか、あるいは店舗がいくつかあって、この店舗でうまくいったって話を聞くと、他の店舗もどうやったのということで、スタッフが興味を持って、じゃあ自分もやってみようということで、どんどん広がっていく。
そうやって使っていくっていうことが大事だっていうことをおっしゃってましたね。
使うことで学びが生まれて、成果が出るから、それがどんどん学びの成果がどんどん広がっていくっていう、非常にいい形ですね。
そうですね。現場の人たちが一番課題感っていうのを持っているので、その人たちが自分たちでちょっとやってみたら、悩みが解決できたっていう。そうすると仕事が楽しくなるし、面白くなるし、他の人がやってるんだったら、じゃあ自分もっていうふうになっていくので、上からリスキリングしてくださいとか、全然一言も言わなくても、どんどん広がっていくっていう。
分かりました。ありがとうございます。まさにあれですね、今伺ったその2つの事例って、地方だからっていう部分があるなっていう気がしました。
そうですね。
地方のリスキリングのいい形だし、ちょっとした学びが成果に結びつきやすいし、見えやすいので、真似しやすいっていう。
大企業のリスキリング一生懸命、僕らも取材したりいろいろやってますけど、それはそれとして、こっちの地方のリスキリングって、もっと注目をしていきたいなと思いますね。
中小企業とか飲食だとか、そういうサービス業とかって、AIとかDXとかと闘争な印象ですけど、こういうところでこれだけ進んでるんだっていうことを知ったのも、私も面白かったですし、
あとあれですね、採用にも人手不足っていうのが課題だったんですけども、先ほどの丸文さんなんかは、採用がうまくいき始めたらしいんですね。
地方で飲食って言うと、どうしてもブラックなイメージがあって、若い人たちとか大学出た人とかが、
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軽減するね。
軽減する。だったんですけども、やっぱりデータ経営でレストランでこんな成果を出しましたよっていうのが、ちょっとメディアに取り上げられたりとかすると、
飲食だけどIT使ってるの?DXしてるの?っていうので、結構若い人がそれに興味を持って、アルバイトであっても募集をかけると、今までは本当に来た人は誰でもいいから、本当に選ぶ余地なく来てくれたらすぐ明日から働いてくださいっていう感じだったのが、
今はかなりの数来るので、いい人材をその中から選べるようになったっていうことで、採用にも効果があって、人手不足っていう悩んでいた課題が解決できるんじゃないかっていうことをおっしゃってました。
本当に好循環が生まれて、よかったですね。また引き続きこの辺りを取材してください。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、では今回はここまでにさせていただきたいと思います。それではまた次回お会いしましょう。お相手は日経リスキリング編集長の桜予と、
はい、フリーランス記者の石節香緒子でした。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
日経リスキリングでは、DXなど先進的な取り組みを進める地方企業を取り上げる、アット地方×リスキリングを連載中です。
地方企業のリスキリングの成功の秘密について、詳細に紹介していますので、ぜひ日経リスキリングの記事もチェックしてみてください。