ネットスーパーの現状と課題
こんにちは、ゼロトピックです。今回は久しぶりに質問お便りをいただいたので、このお便りを回答する形で進めたいなと思います。
早速、読み上げます。まずラジオネームがJakeさん。コメント、いつも楽しく拝聴しております。
直近の回、294 で橋原さんを紹介する際に、ネットスーパー事業全体を見ていただいている橋原さんですと紹介されていました。
これは、ヤモトさんがネットスーパー以外の何かに注力されている、ネットスーパー以外の新規事業などを示唆しているのではと想像しました。
もしお話できることがあれば教えていただけますでしょうか。
10X や小売の変革には興味があるが、ネットスーパーを本格的に普及させるには、もう少し潜って先駆に伸ばす力を蓄える必要があるのではと思っている人、私を含むにとって、
ネットスーパーのイネブラ以外のアングルで小売に価値提供できる機会があれば知りたいのではないかと思いました。
オンラインとオフラインの統合、オンラインのケーパビリティのオフラインへの適応など、面白そうな機会があるように思います。
はい、ありがとうございます。
まずはすごい鋭いなと、そういう細かいところまで拾っていただいているのはすごいなと思いました。
まさに昨年の年末ですね、何て名前のノートだったかな。
ノートを書きまして、キーを変えていく営みっていう記事を書きました。
その中でも結構明らかにしているんですが、
2024年ですね、私はネットスーパーの事業については基本的に橋原さん含む他の役員だったりメンバーに基本的に託して、
もちろん重要な局面では自分自身もプレイヤーとしての動きもあったんですが、
そのほとんど多くを新規事業に対してリソースを割いて注力をしてきたっていうところがあります。
おっしゃる通りというか、ネットスーパーを本格的に普及させるにはもう少し潜って力を蓄える必要があるというふうに書かれているんですが、
ちょっと捉え方は違って、3年、4年ぐらいネットスーパーっていう市場とか、
あるいは僕らの事業ってネットスーパーを運営、成功させるためのすべてをソフトウェアプラスプロフェッショナルサービスで提供していくような事業として
ステーラー事業となんできたので、僕らの事業とか僕らのサービス、プラットフォーム自体がこのエコシステムそのものであるというか、
エコシステムを拡張する機会であるっていう、なんかそういう風な位置づけだと思っているんですね。
その立場から見るに、やっぱりネットスーパーという市場を伸ばしていくには、まだまだ解かねばならないボトルネックがいっぱいあるし、
それは非常に難しく、今日、明日、何かのブレイクスルーによって解決されるものではなくて、一定の時間的な投資も含めて、
パートナーと一緒にストラグルというか、悪戦苦闘、格闘しながらその問題を解決していくことによって達成されるものだなという風に思っているんですね。
僕らがネットスーパー市場を伸ばすためには、このエコシステムが回ること、それはどういう意味かというと、
事業を通じて得られた利益が再投資されることによって、その事業の規模、すなわち市場が大きくなるということを達成しないことには、
単的に言うと、いつまでも外部から持ってきたリソースを投資して事業を行っている状態に過ぎないものは、いつかは途絶えると思っているんですね。
なので、このエコシステムが回るという状態を完結させることが、我々がネットスーパー市場を伸ばす上では最大の使命だと思っていて、
今そのボトルネックは何かというと、ネットスーパー事業を利益が確実に出る事業に作り直すことだと思っています。
過去20年、今日の歴史があるネットスーパー事業なんですけれども、やっぱり小売りの顧客の方々から見た時には、利益が出ない事業というイメージがこぼれついている。
し、利益が出ない、だから始めないという小売りが5万という、それが現状なんですよね。
これを変えたいというふうに思っていて、なのでこのノートの中でも語ったんですけれども、
昨年というかその少し前ぐらいから、僕らのフォーカスも利益が生み出せるプラットフォームになること、利益を生み出せるパートナーになること、
それが我々にとっての今このエコシステムを大きくしていく上での最大のミッションだというふうに捉えています。
そのためには本当に難しい問題がいっぱいあって、我々だけでは解けなくて、小売りさんの消臭感を打ち破ったり、文化とか既存の概念みたいなものを打ち破る仕事が必要で、
そのうちの一つが商品の販売価格というものをダイナミックに変えて、必要なあらりを確保するということだったりします。
なので、価格の話とか商品価格を機能としてプロダクト、AIが調整していく、そんな世界観をネットスーパーに入れていったり、
それを使って実際に利益を出すということをやろうと。
そのためのAIとか機械じゃなくて、まずは人で試してみて実際に利益を出していこうと言って利益が出せるようになったのが去年という感じなんですよね。
この取り組み自体をまさに橋原さん含む信頼できるうちのメンバー、ケージにリードして進めてきてもらっていました。
なので力を蓄えるというよりは、市場の大きなボトネックを捉え、正しく捉え、これを解消するということに注力が必要だし、
それにはやっぱり時間がかかる。それは僕らの価値提供の幅を増やすということもそうだけど、やっぱり小売さんを動かしていくというところ。
それをある種長期で戦うことを覚悟し、弾力を持ちながらやっていくというのが今の僕らなので、
おおむねこのジェイクさんが抱いているネットスーパーに対する印象というのは誤ってない。むしろすごく正しいなというふうに思っています。
エコシステムの維持と拡張
じゃあそういった事業のコンディションであるときに、TEXという会社自体はそのネットスーパーと真珠というか、
成長の速度とか角度みたいなものを完全に一致させておいて良きかというと、やっぱり僕の中の自問した答えとしてはノーだなと思っていて、
ネットスーパーの問題も解くんだけど、やっぱりネットスーパーってインターネットの人たちから見ると、
Eコマースの変形業態の一つなんですけど、小売業の人、要は僕らの顧客から見ると、自社の事業、サービス、オペレーションの付加価値を上げる手段の一つであって、
大事なのは彼らの事業の価値を上げるっていうことだとしたときに、ネットスーパーそのワンオフゼムではあるが、それ以外の領域っていうのも確実に重要だし、
会社としての付加価値が上がるときに、ネットスーパーとそれ以外ってそう分離してるものでもないなっていうふうに思ってるんですよね。
ネットスーパーのオペレーションをやる人は、店舗のオペレーションをやる人だし、その人は店舗全体の売り上げとか、あるいはコストっていうものをより良い方向にしようと思って動くわけなので、
そうすると、僕らとしてはやっぱりより広い本丸の小売業の本丸の業務、こういったものを捉えて事業変革するような機会を作り出したいっていうふうに自分としては思って、
その事業機会の探索っていうのを行ってきました。
ちょっと具体的なテーマとして、こういったプロダクトをやりますとか出しますよっていうことは、今はまだ語れるものではないんですが、明確にいくつかのプロダクトってのを実際作ったり、あるいは提供が決定しているっていうような状態です。
少し抽象的な領域で言うと、ジェイクさんがおっしゃってるようなオンラインとオフラインの統合、まずこれについては確実に必要なものだっていうふうに僕らも認識しています。
例えばポジショントークではあるんですけども、ネットスーパーのイネーブラみたいな文脈で見たときに、ネットスーパー市場を今後ぐいぐいぐいぐいと伸ばしていこうと思ったときに、一番何がボトルネックになるかなって考えるんですよね。
そうすると結局お客様の獲得、これが規模が大きくなっても回り続けられるかっていうところになると、要は効率的な顧客獲得っていうのはあらゆる商売において重要な要素の一つであって、それができるかどうかっていうのは重要だと思っています。
その顧客獲得の効率性に一番重要なのが、このオンラインとオフラインの統合だと思ってるんですね。
今はオフライン上でお客様と認識されているIDと、オンライン、ネットスーパーで認識されているIDっていうのが、言ったら別々で管理されているとか、ひも付けされている程度の状態で、ひも付けなので、当然その2つの勾配のデータみたいなものをくっつけるにも一定の力技というかコストが要りますし、それぞれのデータが別で管理されているので、
どうしてもやっぱりウォールのようなものも惹かれていたりとか、あるいは別々で活用されている、活用を統合的に行えていないので、
例えば店舗で何買っていてどういうものが好きかって、お店を長く使っているお客様の勾配データからは割と導き出せるんですよね。
なんですけども、それをオンラインを初めて使うっていう時に、そのデータが活用できない。
だから何のデータもないまっさらなお客様の1人として扱い始めるとか、そういったところが我々の新規顧客のオンボーディングというかエンゲージメントみたいなところで課題としてあって、
こういうところにIDだったりデータの統合みたいなのが可能になっていくと間違いなく大きなインパクトを出せるんじゃないかなというふうに思っています。
わかりやすい例で言えばユニクロさんとか、IKEAさんとか、いわゆるSPA企業っていうのはこういったオンラインオフラインのデータの統合みたいなものにすごく力を入れてこられていて、
実際にアプリを使った時の体験なんかもすごくいいので、やっぱりそういった世界観が一番IT投資が遅れているスーパーマーケットの領域で実現できると、僕らのインパクトはすごく大きかろうと。
オンラインとオフラインの統合
これはネットスーパーをやっている立場から数年前から考えていました。
僕が5年ぐらい前に書いたOMOとはみたいな記事もあったりするので、概要欄に貼っておくのでぜひ読んでみてもらえると嬉しいなというふうに思っています。
あとはこのオンラインのケーパビリティのオフラインへの適用みたいなものもすごく面白いテーマで、これもおっしゃる通りだと思っています。
例えばなんですけど、我々オンラインだからできることとして検索推薦という活動があると思ってるんですね。
例えばお店だと広いショップのお店の敷地の中を歩き回って商品を探さなきゃいけないけれども、
オンラインだと検索でテキスト数文字を入れるだけで、自分が欲しい商品がすぐカートに入れられるっていう体験があったり、
あるいはそういったことを一切しなくても、我々の推薦AIがそのお客様が欲しいであろうという商品を推薦するっていうような体験をご提供できています。
他にも先ほど利益をという話があったんですが、ネットスーパーはネットスーパーならではの価格付けみたいなものもチャレンジしていて、
ある商品はお店よりはるかに安いんだけど、ある商品はオンラインならではの価格で一定の利益を確保させていただいているみたいなものもトライしていたりします。
それによってお客様が減る増えるみたいなところもセンシティビティをしっかり見ながらコントロールしていくってことをネットだとやりやすいなと思っていて、
そういったケイパビリティっていうのをいかにオフライン体験に落とし込むかっていうところは、一つ我々ならではのテーマとしてあり得るというふうに思います。
またもう一つは、オンラインというのを一切無視して、僕らの持っているケイパビリティを店舗の本丸業務、本丸の顧客体験、ここに落とし込んでいくみたいなものも新規事業のテーマとしてはあり得るのかなというふうに思っています。
例えば品出しっていう業務があったり、発注っていう業務があったり、その他にも分析の業務があったり、商談っていう業務があったり、いろんな業務があるんですけど、その業務一つ一つが実態かなり深くまで入らせていただくと、まだまだテクノロジーが入り込んでいない領域だったり、レガシーなやり方がそのまま続けられている領域っていうのは全然あるので、
こういったところに我々が持っている、例えば顧客体験を練り上げるケイパビリティとか、業務を観察して不要なものを削り自動化し、あるいは人間が使いやすい形にインターフェースを整えて、データベースとインターフェースで人の業務を支えていくみたいな、こういったところのケイパビリティとか、いろんなものが使える領域があるなと思っています。
ただ、こういう3パターン、OMOみたいなものとか、オンラインのケイパの持ち込みとか、あるいは単純にオフライン店舗業務のDXみたいなものっていう、できることから何かを考えるという形で事業を作っていなくてですね、むしろ逆で顧客たる小売は一体何問題があって、その問題がなぜ解決されなくて、それはどうしたら嬉しいのか。
そこに目の前に見せられた時に欲しがるプロダクトを用意するっていう、ある種自分がDay1、創業して初めのタベリーっていうプロダクトを作ったときと、全く同じ手法で事業、プロダクトを作り込むっていうことをしています。
これはやっぱりB2B、かつプラットフォーム事業の柱が1個ある中での新しい事業の伏線化っていう観点でも同じで、やっぱり自分たちができることから事業、プロダクトを発想するのは、自分はやっぱり負け戦だっていうふうに思っていて、本当の意味で顧客に欲しがられる、あるいはお金がちゃんと払われる、つまり予算がちゃんと支払われるような、
そういった領域を見つけていくっていうことが非常に重要なんじゃないかなって思って、新規事業の開発に昨年の4月ぐらいからすごく勤しんできました。
新規事業のアプローチ
その過程では要は顧客とめちゃめちゃ話すんですけど、顧客と話すとすげー自分元気になるなーみたいなのも結構思い出させてくれましたね。
当然ずっと話してるんですけど、圧倒的に密度とか、あるいは現場でのオフラインでの対面での会話みたいなのが去年は多くて、年間100日ぐらい出張してたんで、それは体力的にはタフだったんですけど、めちゃくちゃ自分にとってはメンタル的にはすごい元気にできたなっていうふうに思ってます。
そんなところですかね。特に新規事業の作り込み方みたいなのはやっぱり自分の中で一定の型っていうか、こうやっていきたいんだみたいなのがあるんですけど、今回アップデートしたものも一個あって、それは予算確保みたいな概念なんですよね。
僕らのお客さんはどこまで行ってもそのエリアだとナンバーワンに大きい会社に類するんですよね。要はエンタープライズっていう規模感になってくる。
そういったエンタープライズのお客様に対してソフトウェアサービスを提供していこうと思ったときに、やっぱりその年かなりの巨額の投資になっていくので、その年の予算がちゃんとあるのかないのか、あるいは予算ってそもそも毎年どういうパラダイムで決まってるのか、そういったところの研究から結構始まったところはあります。
例えばこの予算っていう、ITに投資されるような予算っていうのは、他に社内ではどういうものと比較されて決まっているのかとか、あるいはこの予算を決めていくときには何から、元をたどると何からその予算の金額とか内容が決まっているのかとか、そのあたりも、例えばビザスクさんを使ったヒアリングだったり、実際の顧客へのヒアリングだったり、
その際に使ったシートをしっかり見せてもらうなり、みたいな形で、本当経営管理の領域にすごく入り込ませていただいて、予算、バジェットみたいなものがどうできているのか、それが取れるかどうか、みたいな観点で事業を作るっていう、もう一つのエッセンスが今回新記事を作っていく中で、自分の中に肩として加わったかなというふうに思っています。
ので、もしよければご参考にという形ですね。
最後に、すごく面白いです。
おっしゃる通り、めちゃくちゃ僕は楽しくやっているし、すごく面白いし、エキサイトしているかなと思ってますし、自分たちの肩にやっぱり小売業の未来乗っかってくるんじゃないかなというふうにぐらい、本当に嘘ではなく思っています。
一方で、自分たちの会社ってものをちゃんと大きいものに成長させるにはどうしたらいいかってことも考えながら、経営として動いている側面もあるので、そういったものを一体化させながら事業を作るってところと、自社の経営どうしようかってところを考えてやってきた1年。
この1年はさらにその学びみたいなものを凝縮させて、もう少し成果という形で世の中にお出ししたいなというふうに思っているので、頑張ろうかなと思っています。
はい、という形で、久しぶりのお便りを読ませていただきました。ありがとうございます。
こういったお便りいただけると、やっぱり自分も嬉しいなと思いますし、発信の頻度を上げられそうだなというふうに思うので、ぜひ概要欄のほうからお便りいただけると嬉しいです。
それではありがとうございました。
今回もゼロトピックをお聞きいただきありがとうございました。
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それではまた次回のエピソードでお会いしましょう。