事件の概要と裁判所の判断
日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。
水曜日はRKBニュースDIG高藤秋子編集長です。
福岡地裁母親に対して無罪を言い渡しました。
事件の概要から説明します。
昨日の裁判で無罪の判決を受けたのは福岡県糸田町に住む29歳の女性です。
女性は8年前当時の川崎町の自宅で生後11カ月の長女江野ちゃんに何らかの暴行を加え死亡させたとして
傷害致死の罪に問われていました。
これまでの裁判ですが、検察側は江野ちゃんの怪我が暴行によるものだとして
母親である女性に懲役8年を休憩していました。
一方で弁護側は母親には持病の転換がありまして
転換の発作が原因で抱っこしていた江野ちゃんを落とした可能性があるという風に無罪を主張していたのです。
裁判所の判断はどうだったか。
昨日の判決で福岡地裁の涼島裁判長は転換の発作が起きて落下や転倒をしても不自然とは言えない。
間違いなく被告人が恋の暴行を加えたということはできないなどとして女性に無罪を言い渡しました。
また判決を終え裁判長は女性に声をかけました。
あなたの動作で江野さんが亡くなったことはあなたが一番わかっていると思います。
そのことを忘れないでくださいということでした。
傍聴した記者によりますと主文の言い渡しですね。
被告人は無罪。これが読み上げられますと女性は涙を流して傍聴席の家族がおえつする声も校庭に響いたということでした。
乳幼児死亡事件における無罪判決の増加傾向
これは乳幼児の頭に指名症が生じた原因が争点となった今回の裁判なんですけど
同様の刑事裁判が全国各地で開かれてきました。
実は近年全国で無罪判決が相次いでいるんですね。
2023年に日弁連が報告書を出しているんですけれども
その報告書によりますと過去10年で無罪判決の報告があったのは23件。
2019年以降に判決が言い渡された14件の裁判のうち有罪となったのは1件のみだったということです。
裁判を傍聴した報道部の下浜記者によりますと
今回の女性の裁判では10人以上の医学の専門家が証人として法廷に立ったと。
意見は大きく分かれていたそうです。
下浜記者も中身は非常に難しいと感じたと。
医学の専門家でさえ意見が異なる中でどう裁判長と裁判官、裁判員が判断を示すのか。
最後までどうなるのか記者同士で話していても分からなかったと。
大阪府でこうした裁判を担当してきた川崎拓也弁護士は
全国で無罪が相次いでいる背景についてこういうふうに話しています。
科学的根拠が乏しいのではないかということが広まり始めたということと
専門家同士で意見が分かれる。それが解消できない。
裁判官あるいは裁判員が解消できないということであれば
それは無罪の判決をするというのが当然の姿勢ではあると思うんだけれども
疑問があるイコール無罪になると言えるようになってきたのが
ここ数年の流れなのではないかと。
推定無罪という言葉がありますね。
それからもう一つ浮き彫りにしたことがあります。
勾留期間と家族との面会制限
3年半に及ぶ拘留という拘留期間の流れです。
ここですよね。
女性の弁護士によりますと女性は2022年2月の中旬から
2025年8月までおよそ3年半もの間
拘置所に拘留されていました。
罪証隠滅の恐れがある。
犯罪に関する証拠を隠したり破壊したりする恐れがあるという
法律用語なんですけれども
これで保釈請求が何度も知りづけられまして
9回目の請求でようやく認められたと。
女性には亡くなった長女の下に2番目のお子さんがいるんですけれども
拘留されていた間、その第2子とは
拘置所で祖母やおばの立ち会いの下
限られた時間に面会が認められたものの
実際に我が子に触れることはできなかった。
抱きしめることもできなかったわけですよね。
判決の言い渡し後に女性はこのようにコメントしています。
辛かったし、やっぱりそれ以上に
なんでなんだっていう悔しさとか
たくさん子どもとも泣きましたし、面会室で。
そういう時間はやっぱり今でも思うと
子どもにも経験させたくないことを経験させてしまったし
自分にとっても辛い時間だったので
そこは納得いかないです。
戻っては来ない時間なので。
その3年半という長さを思うと
いろいろ込み上げてくるものが。
そうですね。取り返せない期間ということと
そしてまたお子さんからとっても
母親を奪われた期間にもなるわけですもんね。
人質司法の問題と今後の見通し
そうですね。よく人質司法という言葉を聞くと思うんですけれども
刑事裁判で罪を問われた被告が基礎内容を認めないと
裁判所は補釈を認めないことが多い。
自白をする代わりに補釈を認める。
そうした実態が日本にはあるのではないかという風に指摘されています。
冤罪事件が起きる度に人質司法が話題になって
冤罪の恩賞になっているんじゃないかという指摘もされてきました。
今回のケースでも女性は一貫して無罪を主導してきました。
3年半も身体を拘束する必要があったのか
改めて裁判所の判断が適切だったのか
検証が求められる事案ではないのかなという風に
思います。
今後についてなんですけれども
判決はまだ確定をしていません。
今回の無罪判決を受けて
福岡知県は判決内容を精査し
上級庁とも協議の上、適切に対応するとコメントしています。
つまり構想するのかしないのかというところなんですけれども
近く判断されると思いますが
女性の弁護士はこういう風に述べています。
まずは検察官・警察庁に対して
今回の判決をきちんと受け止めていただいて
これ以上女性とご家族の時間を奪わないように
構想を断念していただきたいという風に
我々は思っていますとコメントをしています。
そりゃそうですよね。
改めて有罪率の高い日本で無罪判決は非常に重いものですし
ニュースリーグではこの裁判の詳細について
過程について複数の記事を配信していますので
ぜひ検索をしていただければと思います。
ということで
今日は母親に無罪判決が出た昨日の裁判について
リポートしてもらいました
ニュースリーグの高戸和紀子編集長でした。
高戸さんありがとうございました。
ぜひニュースリーグの方も検索してみてください。