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2025-05-06 17:30

127渡辺温「ああ華族様だよと私は嘘を吐くのであった」

127渡辺温「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」

タイトルジャケ買い。

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サマリー

このエピソードでは、渡辺温の作品「ああ華族様だよと私は嘘を吐くのであった」を通して、横浜の夜の光景や異国の文化が織りなすドラマが描かれています。物語の中で、さまざまな人々との交流や楽しむ出来事が展開されます。また、渡辺温が自身の経験を通じて嘘や身分について考察し、特に婚活パーティーでの偽りを通じて人間関係の複雑さが描かれます。季節の移り変わりやツバメの鳴き声にまつわる思い出が共有され、リスナーとの共感を呼び起こします。

渡辺温の紹介
寝落ちの本ポッドキャスト。こんばんは、Naotaroです。
このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。
タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、
それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。
エッセイには、面白すぎないツッコミを入れることもあるかもしれません。
作品はすべて青空文庫から選んでおります。
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最近また別途投稿フォームもご用意しました。
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さて、今日はですね、渡辺温という方の
あー家族様だよと私は嘘をつくのであった
というテキストを読みます。タイトルめっちゃいいでしょう。
タイトルがいいなぁで読むつもりになりましたね。
名前、渡辺温さん知らないけどね。
1902年、北海道生まれ。
慶応義塾大学在学中にプラトン社の映画
映画筋書き検証募集に加計で一投入選。
横水製紙編集長のもとで雑誌、
新青年のモダニズム化を推進する。
谷崎純一郎への現行依頼の期と
1930年交通事故で死亡ということで。
えーと、27歳で亡くなったのかな。
タイトルめっちゃいいですよね。
なんか、人生住みっこで暮らしてきた僕が
生まれ変わったら勇者になっていたみたいな
なんか、転生モノのアニメのタイトルのような
感じもイクバク化する次第ですが。
短いのでサクッと聞いていただければと思います。
ね。タイトルコールが恥ずかしいな。長くて。
はははは。
ま、やっていきましょうか。
それでは参ります。
ああ、家族様だよと私は嘘をつくのであった。
異国文化の交流
拠竜地女の間では。
その晩、私は隣室のアレキサンダー君に案内されて
初めて横浜へ遊びに出かけた。
アレキサンダー君はそんな遊び場所についてなら
日本人の私なんぞよりも遥かにつまびらかに心得ていた。
アレキサンダー君はその自ら名継ぐるところによれば
旧ロシア提出付き武闘士で。
革命後、上海から日本へ渡ってきたのだが
踊りをもって成り割とすることができなくなって
今では銀座裏の西洋料理店何菓子でセロを弾いているという。
つまり、街頭でよく見かけるラシャウリより
わずかばかり上等な類の高カサス人である。
それでもさすがに高カサス生まれのゆえか
髪も目も真っ黒で、なかなかハンサムな男だったので
貧乏なのにもかかわらず
拠竜地女の間では格別可愛がられているらしい。
アレキサンダーくんはロシア語のほかに
拙い日本語と同じくらい拙い英語等をしゃべることができる。
桜木町の駅に降りたのがかれこれ9時時分だったので
私たちはまず暗い鳩場の方を回って
山下町の品川へ行った。
そして誰でも知っているインターナショナルバーでビールを飲んだ。
ここの家はどういうわけかエビスビールを看板にしているが
私はずっと前にやはりこの界隈にあるハンブルグ酒場で
大変おいしいピルゼンのビールを飲んだことがあった。
ドイツへ行こうと思っていた頃で
そこの酒場に居合わせた軍艦M電号の乗組員だったと称する変なドイツ人に
ハイデルベルヒの大学へ入る第一の資格は
ビールを読んだ飲めることだとそそのかされて
私はピルゼナービールを二打飲んだのであった。
そのM電は未成の人です。つまり桜ですね。
とアレキサンダー君はハンブルグを避けた。
それにあそこにはこんな別品さん一人もいませんです。つまらないですね。
アレキサンダー君はそう言いながら
私たちのテーブルを囲んで集まった各自国籍の異なるらしい四五人の女級の中で
一番偉良よしの細い目をした金髪の少女の顎を指でつすいたものだ。
マルーシャ日本人の小説を書く人に惚れています。
マルーシャ言いなさい。
その少女の噂は私もすでに聞いていた。
彼女は私に××誌からもらったのだというハンカチを見せたりした。
それから彼女はアレキサンダー君と組んで踊った。
ストーブのそばにいた家族のものらしい老夫婦がバイオリンとハープとでそれに和した。
私はエビスビールが我慢できなかったので酒代のところに立ってウォッカーを飲んだ。
若い自分にはかなりの美人だったらしい面影をとどめている女主人が酒をつぎながら私の話し相手になってくれた。
いいよ。君が死ねば僕だって死ぬよ。
私たちは予定通りちょうど1時間を費やしてインターナショナルを出た。
真っ暗な川岸通りに青い街灯が惨めに凍えて激しい海の香りを含んだ夜風が吹きまくっていた。
元町へ抜けてバンガローを寄ってそこで12時になるのを待った。
アレキサンダー君がこのダンス場の看板時間まで踊りたいというので
踊りのできない私はぼんやりウイスキーを舐めるばかりで盛んなホールの光景を見物しながら待っていたわけである。
へべりけに酔っぱらった体操年を取りすぎたダンサーが私のそばへ来てポートワインをねだるので振る舞ってやると、
やがて彼女はダンスくらいできなくてはかわいそうだから教えてやると言って私の両手を掴んで立ち上がるのであった。
だが彼女はすぐに老引きの床の上に滑って転がった。
何度でも転がった。
私はとうとう厄介なロー踊り子を静かにクッションの上に寝かしてやらなければならなかった。
12時にバンガローを追い出されて私たちはさて大方寝てしまった元町通りをまっすぐに徒歩で大丸谷へ向かった。
大丸谷は本木より半分安いですが悪い。そして日本人は好かれませんよ。
とアレキサンダー君は私と腕を組ませて歩きながら言った。
草の生えている真っ暗な坂道を上がっていくと左側に何々ホテルと記した軒明かりの見える家が幾軒となく立ち並んでいた。
夜のドラマ
私たちはその中で一頭堂々として見えるニューナンバーナインを的にして行ったのであったが、
玄関も窓もすっかり暗くなっていたので、やむを得ずその裏側にある東京ホテルの玄関を叩いた。
何国という声とともにそばの小窓が開いた。
窓明かりを背負って現れた黒い女の顔は玄関の扉にくっついているアレキサンダー君よりもその後ろに立った私の方を主にうかがった。
チャニスとアレキサンダー君がとっさに答えたが、
満員。
そしてたちまち窓は閉まった。
チェッ。
アレキサンダー君は唾を敷石の上へ吐きつけた。
ちぼりへ行っても寝ています。本目へ行きましょう。
オーライと私は答えた。
私たちはそれから本目へタクシーを走らせながら、十二店と小港のいずれを選ぶ駅かと相談した。
そして結局、既往ホテルはブルジョアイデオロギーであるというので後者を取ることになった。
車は夜更けの海辺を失踪した。
狭い横町を左へ折れて、上にウグイスの明かりが灯っているホテルの前を過ぎると、間もなくアレキサンダー君は車を止めさせた。
私たちはエトワールというホテルに入った。
引き付けとも言うべき明るい広間に、十人もの六月のボタンのごとく健乱たる女が並んでいた。
アレキサンダー君にはすでに馴染みがあったが、私はその中で最も自分の気に入ったどの女をでも選択することができたのである。
女たちはアレキサンダー君をサーシャ、サーシャと呼んで取り巻いた。
アレキサンダー君の女は、頭を見事な男狩りにした、眉根の険しい感じのする十七八にしか見えない小娘であった。
サーシャ、タンゴとその女はすぐに男の体に絡みついた。
私は自分の女を選ぶことを酒場さんなるおばさんに猜測された。
私は大勢の女の一頭後ろの方で青い顔をして側方を向いている痩せた女を指してしまった。
彼女はさっきから私の心をことのほか引いていた。
それというのは彼女は他の女たちのように私へ笑いかけることをちっともしなかったし、
それに脆弱な鼻のようにひどくおどおどとした哀れな風情が、
その大きな嬉しげな目や尖った肩先などに感じられたからである。
しかしこれはおばさんにも他の女たちにもまたサーシャにも少なからず意外であるらしかった。
が私は彼女を膝の上に腰掛けさせて、その艶のない頬を撫でてやった。
私どもは二人分として二十五円払った。
感情が済むとそれぞれの寝室へ入った。
私の女は私の衣服をたたんで、兄弟のついたタンスへしまってくれた。
あなた偉い方?
と女は私の髪を骨抜った指でもて遊びながら聞いた。
嘘と身分の関係
女の声は喉元でしゃがれて長いため息のような音を立てた。
ああ、家族様さ。けれども男爵だよ。
と私は嘘をつくのであった。
そう、いいわね。
彼女の声は風のようになった。
君、病気なんだね。肺病だろう?
ごめんなさいね。私死ぬかもわからないの。
いいよいいよ。君が死ねば僕だって死ぬよ。
まあ調子がいいわね。
私は彼女の小さな頭を胸の中に抱いた。
おやしなさいな。私もっと悪い病気なのよ。
と彼女は唇をそらそうとうつむいた。
いいよいいよ。
私はそして無理やりに彼女の頬を両腕の中に押さえた。
そんな病気は世界中の何万何億という女と男と
久しい時代に渡って一人一人繋いできた。
言い換えれば、男女の間の愛と同じたちのものである。
と言った。
アレキサンダー君の言葉を思い出しながら。
1970年発行。
バラ十字社。
アンドロギュノスの後継。
より独了。読み終わりです。
あれ?なんか風俗に言ってますか?
風俗に言って身分を偽ってますか?
なんか綺麗に書いてるけど。
フィクションかな?フィクションだな、多分な。
ねえ、よくわかんないですね。
タイトルはグッときましたけど。
そうですか。
10年前で聞かないな。10年ぐらい前かな。
十数年前。
グループ会社の
同僚、先輩にあたるんですけどが
婚活パーティーに行ってですね。
それは男性のプロフィールを書いて
女性が動き回るのかな。
男性はずっと席に座ってて
女性を主体にね、女性が気になる方へお話を伺いに行くみたいなスタイルの婚活パーティーだったと聞いてますが
あの人ね、バカなんでね。
年収を2000万と偽ったらね、女性陣が長蛇の列になったっつって。
それで浮かれてましたけど、いやそれ、なんか
みっともなくねえのかっていうね。情けなくねえのか。
実力ないのに実力あるふりして。
それに近いものでしたね。
家族だと嘘をついた。
上等な身分の人だと嘘をついたっていう。
なんかな。
なんか身を八つすならまだわかるけど
上の方に盛るのはちょっとわからないですね。
背伸びしてるのかな。
季節を感じる瞬間
よく見られたいが、過ぎるのかな。
どうでしょうか。
5月に入って、過ごしやすい気候になってきましたけども
週一で僕ランニングをしてるんですけど
その道沿いにね、こう
植え込みに咲いてるツツジがね
満開でバーって並んでると
おーってきれいだなーって思うわけですけど
その足元を見ると
そのツツジの鼻先がね
無数に落ちていると
あ、小学生が蜜を吸ったなと思って
ちょっとほっこりしますね。
やったな自分も子供の頃っていう。
すげえやったなーと思って。
今思えば汚いですよね。
それからね、これぐらいの時期になるとね
これ走ってると、外を結構走ってるとわかるんですけど
ツバメがね、そろそろ飛ぶんですよ。
その建物の1階に
ちょっとこう
巣を作れるようなスペースが空いてる
軒先と言われるようなところが空いてるところに
尻尾がね、2つに分かれた鳥がヒュッと入ってくるのを見ると
あ、ツバメだと思って
なんか季節を感じるんですけど
昔、TBSのあずみさんのラジオで
ツバメの鳴き声の聞きなしっていうのが
あるよって紹介されてて
えーとですね、言葉にすると
土食って虫食って口渋い
を短く言うと
ツバメの鳴き声を見たくなるよ
これを聞きなしと呼ぶそうですけど
いいですか?
土食って虫食って口渋い
ぶーを少し伸ばすといいんですけど
やってみようか
土食って虫食って口渋い
こんな感じ?
今うまくできたな
これをツバメを見かけると
ランニング中ちょっとツバメに呼びかけるんですよ
こうやって
土食って虫食って口渋い
ちょっと近づいてきてくれてるような気がする
まあ気のせいでしょうが
皆さんもツバメを見かけたらやってみてください
あと練習してみて
土食って虫食って口渋いですよ
なんかね、それをね
紹介しているラジオの音源が
YouTubeにも転がってると思いますけど
面白かったですよ
あずみしんいちろうの日曜天国ね
土食って虫食って口渋い
もうみんなやりたくなったんじゃないですか?
どうですか?
土食って虫食って口渋い
なんか読み上げる本文が短かったので
余計なところをだらだら喋ってしまいましたが
終わりにしましょうか
短いですね今日は
多分本編は10分ぐらいだったろうな
寝落ちで生きているかどうかは
はなはだ疑問ではありますが
終わりにしましょうか
無事に寝落ちできた方も
最後までお付き合いいただいた方も
大変にお疲れ様でした
といったところで
今日のところはこの辺で
また次回お会いしましょう
おやすみなさい
17:30

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