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寝落ちの本ポッドキャスト。
こんばんは、Naotaroです。
このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。
タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、
それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。
エッセイには、面白すぎないツッコミを入れることもあるかもしれません。
作品はすべて青空文庫から選んでおります。
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また、別途投稿フォームもご用意しました。
あわせてご利用ください。
そして最後に、番組フォローをどうぞよろしくお願いします。
冬の日の汽車
さて、今日は芥川龍之介の「蜜柑」というテキストです。
短編小説になるのかな?
どうでしょうか。
文字数は3400文字。
10分ぐらいですかね。
短くサクッと読み終えると思います。
短いのでね、寝落ちまで持つかという感じもしますけど。
ん?寝落ちまで持つ?
寝落ちまでいける?寝落ちまで。
なんかちょっと言えないな。
あ、そうだ。普通に最後まで聞けてしまうかもしれないという感じですね。
かもしれませんが、どうぞお付き合いください。
それでは参ります。
蜜柑。ある曇った冬の日暮れである。
私は横須賀初、上り二等客車の隅に腰を下ろして、ぼんやり発車の笛を待っていた。
等に電灯のついた客車の中には、珍しく私の他に一人も乗客はいなかった。
外を覗くと、薄暗いプラットフォームにも、今日は珍しく見送りの人影さえ後を絶って、
ただ、檻に入れられた小犬が一匹、時々悲しそうに吠えたてていた。
これらはその時の私の心持ちと、不思議なくらい煮つかわしい景色だった。
私の頭の中には異様のない疲労と倦怠とが、まるで雪曇りの空のようなどんよりした影を落としていた。
私は街灯のポケットへじっと両手を突っ込んだまま、そこに入っている油管を出してみようという元気さえ起らなかった。
が、やがて発車の笛が鳴った。
私はかすかな心のくつろぎを感じながら、後ろの窓枠へ頭を持たせて、目の前の停車場がずるずると後ずさりを始めるのを待つともなく待ち構えていた。
小娘との出会い
ところがそれよりも先に、けたたましいひよりげたの音が改札口の方から聞こえ出したと思うと、まもなく車掌の何か言い罵る声とともに、私の乗っている二等室の扉ががらりと開いて、
十三指の小娘が一人、慌ただしく中へ入ってきたと同時に一つずしりと揺れておもむろに汽車は動き出した。
一本ずつ目を区切っていくプラットフォームの柱。
置き忘れたような運水車。
それから車内の誰かに祝儀の礼を言っている赤帽。
そういうすべては窓へ吹きつける梅煙の中に、未練かましく後ろへ倒れていった。
私はようやくほっとした心持ちになって、薪たばこに火をつけながら、初めて物浮いまぶたをあげて、前の席に腰をおろしていた小娘の顔を一別した。
それは油毛のない髪を筆爪の胃腸返しにゆって、横撫での痕のあるひびだらけの両頬を気持ちの悪いほど赤くほてらせた、いかにも田舎者らしい娘だった。
しかも赤じみた萌木色の毛糸の襟巻がだらりと垂れ下がった膝の上には大きな風呂敷包みがあった。
その股づつみを抱いた霜やけの手の中には、三頭の赤きっぺが大地層にしっかり握られていた。
私はこの小娘の下品な顔立ちを好まなかった。
それから彼女の服装が不潔なのもやはり不快だった。
最後に、その二頭と三頭との区別さえもわきまえない愚鈍な心が腹立たしかった。
だから薪煙草に火をつけた私は、一つにはこの小娘の存在を忘れたいという心持ちもあって、今度はポケットの郵管を満々と膝の上へ広げてみた。
するとその時、郵管の紙面に落ちていた外光が突然電灯の光に変わって、すりの悪いなんらんかの滑字が意外なくらい鮮やかに私の目の前へ浮かんできた。
言うまでもなく汽車は今、横須賀線に多いトンネルの最初のそれへ入ったのである。
しかしその電灯の光に照らされた郵管の紙面を見渡しても、やはり私の憂鬱を慰むべく、世間はあまりに平凡な出来事ばかりで持ちきっていた。
講話問題 心不辛労 特色事件 死亡広告
私はトンネルへ入った一瞬間、汽車の走っている方向が逆になったような錯覚を感じながら、それらの錯縛とした記事から記事へ、ほとんど機械的に目を通した。
が、その間ももちろんあの小娘が、あたかも非俗な現実を人間にしたような趣で、私の前に座っていることを絶えず意識せずにはいられなかった。
このトンネルの中の汽車と、この田舎者の小娘と、そしてまたこの平凡な記事に渦まっている郵管と、
これが象徴でなくて何であろう。不可解な、過等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。
私は一切がくだらなくなって読みかけた郵管を放り出すと、また窓枠に頭を持たせながら、死んだように目をつぶってうつらうつらし始めた。
それから幾分か過ぎた後であった。
ふと何かに脅かされたような心持ちがして、思わず辺りを見合わすと、いつの間にか例の小娘が向う側から席を私の隣へ移してしきりに窓を開けようとしている。
が、重いガラスドはなかなか思うように上がらないらしい。
あのひびだらけの頬はいよいよ赤くなって、時々鼻をすすり込む音が、小さな息の切れる声と一緒にせわしなく耳へ入ってくる。
これはもちろん私にもイケベンながら同情をひくに足るものにはそういなかった。
しかし汽車が今まさにトンネルの口へ差し掛かろうとしていることは、
暮れ色の中に枯草ばかり明るい両側の山服が間近く窓側に迫って来たのでもすぐに河天の行くことであった。
にもかかわらずこの小娘は、わざわざ閉めてある窓の扉を下ろそうとする。
その理由が私には飲み込めなかった。
いやそれが私には単にこの小娘の気まぐれだとしか考えられなかった。
だから私は腹の底に依然として険しい感情を蓄えながら、
あの霜焼けの手がガラス戸をもたげようとして悪戦苦闘する様子を、
まるでそれが永久に成功しないことでも祈るような冷酷な目で眺めていた。
すると間もなく凄まじい音をはためかせて汽車がトンネルへなだれ込むと同時に、
小娘の開けようとしたガラス戸はとうとうばたりと下へ落ちた。
そうしてその四角な穴の中から、
すすを溶かしたようなどす黒い空気が、にわかに息苦しい煙になって、もうもと車内へみなぎり出した。
がんらい喉をがえしていた私は、
ハンケチを顔にあてるひまさえなく、
この煙をまんめんに浴びせられたおかげで、
ほとんど息もつけないほど咳き込まなければならなかった。
が小娘は私にとんじゃくする景色も見えず窓から外へ首をのばして、
闇を吹く風にイチョウ返しの瓶の毛をそよがせながら、
じっと汽車の進む方向を見合っている。
その姿を梅園と伝統の光戸の中に眺めたとき、
もう窓の外がみるみる明るくなって、
そこから土のにおいや枯草のにおいや水のにおいが冷ややかに流れ込んでこなかったら、
ようやく咳あんだ私は、
この見知らない小娘に頭ごなしに叱りつけてでも、
またもとの通り窓の灯を閉めさせたのに、そういなかったのである。
しかし汽車はその自分にはもうやすやすとトンネルを滑り抜けて、
枯草の山と山との間に挟まれた、ある貧しい町はずれの踏切に通りかかっていた。
心に残る光景
踏切の近くにはいずれもみすぼらしいわら屋根や河原屋根がごみごみと狭苦しく立て込んで、
踏切板が振るのであろうただ一流の薄白い旗がもの上げに暮れ色をゆすっていた。
やっとトンネルを出たと思う。
その時その小柵とした踏切の柵の向うに、
私は頬の赤い三人の男の子が目白押しに並んで立っているのを見た。
彼らはみなこの鈍天に押しすくめられたかと思うほどそろって背が低かった。
そしてまたこの町はずれの陰惨たる風物と同じような色の着物を着ていた。
それが汽車のトンネルを仰ぎ見ながら一斉に手を上げるが早いか、
いたいけな喉を高くそらせて、
なんとも意味のわからない歓声を一生懸命にほとばしらせた。
するとその瞬間である。
窓から半身を乗り出していた例の娘が、
あのしもやけの手をつっと伸ばして、
息をよく左右に振ったと思うと、
たちまち心躍らすばかり、
温かな日の色に染まっているみかんがおよそ五つ六つ、
汽車を見送った子供たちの上へばらばらと空から降ってきた。
わたくしは思わず息を飲んだ。
そしてせずなに一切を了解した。
小娘は、
おそらくこれから方向先へ赴こうとしている小娘は、
その懐に増していた幾かのみかんを窓から投げて、
わざわざ踏切まで見送りに来た弟たちの老に報いたのである。
黒色を帯びた街はずれの踏切と、
小鳥のように声をあげた三人の子供たちと、
そしてその上に落々する鮮やかなみかんの色と、
すべては汽車の窓の外に、
瞬く暇もなく通り過ぎた。
が、わたくしの心の上には、
切ないほどはっきりとこの光景が焼き付けられた。
そしてそこから、
ある得体の知れないほがらかな心持ちが湧き上がってくるのを意識した。
わたくしは口善と頭をあげて、
まるで別人を見るようにあの小娘を注視した。
小娘はいつかもわたくしの前の席に帰って、
相変わらずひびだらけな頬を、
萌えぎ色の毛糸の襟巻に埋めながら、
大きな風呂敷包みを抱えた手に、
しっかりと三頭切符を握っている。
わたくしはこの時初めて、
芥川龍之介の魅力
異様のない疲労と倦怠と、
そしてまた不可解な過等な退屈な人生を、
わずかに忘れることができたのである。
1968年発行。
新聴者 新聴文庫
雲の糸 都市春
より独了 読み終わりです。
やはり短かったですが、
味わいがあるなあ、この文章ね。
短いのにみかん全然出てこないから、
どうしたどうしたってなってましたけど、読みながら。
みかんないよ、みかんないよって。
なるほどね。
フィクションなんだろうか、物語かなあ。
あまりにも実感こもっているような感じがしましたけどね。
体験したことをそのまま文字にしたと言われたら、
そういうことがあったのかと思えそうな、
味わいのある文章でしたね。
何個か前に3時間クラスの、
3時間くらいボリュームのある、
あれなんだっけ、蟹公宣だ。
蟹公宣に取り組み終わったおかげで、
半導で短いのばっかりやってますけど、
長いのを読む気が今は全然湧かないっていう。
おかげで芥川龍之介などが進みそうな気がします。
公開収録の体験
そういえば先日ですね、
デコポンFMというポッドキャストの公開収録に、
お邪魔してきま、お邪魔してないな。
お邪魔するってほど邪魔してないです。
一瞬潜入してきました。
普段、デコポンじゃなくてもう一個なんだっけ。
あ、どんぐり。どんぐりFMの方をずっと聞いてて、
デコポンFMを最近聞き始めたんですが、
ずっと聞いてるって言っても、
1、2年くらいの話なんですけど、どんぐりFMも。
なのでまだまだ新山物なんですけど、
あそこのPのなるみさんが、
デコポンFMの公開収録に付き合うというので、
ちょっとお邪魔してみようかしらと思って、
行ってみたんですけどね。
東中野の雑談というところに。
なんか毛色が違いますね。
普段飲むお店の人たちとはね。
なんか上品な感じでした、皆さん。
なんか、コミュ障すぎて誰とも喋らずに帰ってきました、僕。
滞在時間15分もないんじゃないかな。
入り口入ると冷蔵庫があって、
クラフトビールのお店だとは聞いてましたけど、
冷蔵庫に3号館と500館がバーって並んでて。
あとサーバーのも多分あると思うんだけどね。
奥の方に行かないと注文できなかったのかな。
割と人出があったので、
奥に割り入ってて、すみませんくださいっていうのもあれだなと思って、
その冷蔵庫から3号館を取り出して、
それを飲んで、公開収録をちょっとだけ眺めて、
アイさんがめっちゃエアコンピピピピやってましたね。
それからのぞみさんが風邪をひいてらっしゃったのが声がはすきでしたね。
そしてなるみさんが意外と眼光がするという感じでしたね。
ミントさんもいらっしゃったと思いますが、
僕ちょっと状況ボーイズはあんまり聞いてないんで、
わかんないんですけど。
はい、そんな潜入をしてきました。
なんかご商売だからさ、分かるんだけど、
輸入物のクラフトビール、3号館で1200円って高くない?
え?1200円もするの?この館と思って。
高いよね。
あとさ、ビールが好きで違いのわかる男だったらよかったんですけど、
僕ビールそんな好きじゃないからわかんないんですよね。
だからただ高いなーって。このビール高いなーって。
でも飲めるから飲みましたけど、
美味しかったけど、美味しかったけど、
まあね、文句があるわけじゃないんですけど、
とっけ!と思ったことだけ胸に抱きながら、
いつもの酒場に繰り出していきましたけど。
そう、なんか公開収録にいらっしゃっている方は、
お酒を普段飲まないのかな?みたいな人も結構いたと思うんで、
そうだよね、目的が違うもんね。
酒飲みに来てるわけじゃないもんね。
そこだな。
なんかイベントの楽しみ方みたいなのが、
なんか全然僕が初心者すぎたんでしょうな。
これからも誰かの公開収録に潜入だけしてこようかな。
結果報告だけこの、読み上げた後の
だ話でちょっとだけするみたいな感じで面白いかもしれませんね。
おすすめの番組などあったら皆さんちょっと教えてください。
僕が公正で関わっている東京バウム空編というポッドキャストもあるので、ぜひ聞いてください。
バウムですよ。バームじゃないですよ。東京は漢字ね。
バウム空編。カタカナです。
芸人の男の子2人とね、社会人の、社会人なんだけどギャルの女の子1人のね、
3人組のポッドキャストの構成で関わっています。
よろしかったらお聞きになってみてください。
じゃあ終わりにしましょうか。
無事に寝落ちできた方も最後までお付き合いいただいた方も大変にお疲れ様でした。
猫が鳴いてる。
ご飯を用意します。
といったところで今日のところはこの辺で、また次回お会いしましょう。おやすみなさい。