物語の始まり
寝落ちの本ポッドキャスト。 こんばんは、Naotaroです。
このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。 タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。
エッセイには面白すぎないツッコミを入れることもあるかもしれません。
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さて今日はですね、 泉京華さんの階段女の輪です。
泉京華さん、昔読んだ荒野ひじりがすごい大変だったんですよ。 美しい文章でしたが、
きゅうかな、きゅうかなづかいだったのかな。 きゅうかなづかいだったんですよね。前のやつ、すげー大変でした。
で、今回もきゅうかなづかいですね。うーわ、漢字むず。
これはボリュームに反して読み手は大変そうな感じですね。
レビューがついています。泉京華著。 階段らしい階段。内容は薄っぺらいものの、表題に他側のビジュアルが鮮明に浮かび上がり、恐ろしさと共に美しさも感じ取れる
領丁である。そうです。
文字数は、
文字数は4600文字なんで、 15分ぐらい?
15分もかかんないかな。もしかしたらかかんないかもしれないですが、 まあどうかお付き合いください。
それではやってみましょうか。
はい、それでは参ります。 階段、女の輪。
枕についたのは黄昏の頃。これをオウムアガトキ、 スズメイロトキなどという、一日のうち人間の影法師が一番ぼんやりとする時で、
5時から6時の間に起こったこと。私が17の秋の初め。 部屋は4畳敷けた。
薄暗い縦に長い一室。両方が襖で、どっちも他の座敷へ出入りができる。 つまり、奥の方から一方の襖を開けて、一方の襖から玄関へ通り抜けられるのであった。
一方は明り窓の障子がはまって、 その外は畳2畳ばかりの漆喰たたきの池で、金魚もヒゴイもいるのではない。
建物で取り回したこの一棟のその池のある上ばかり、 大屋根の長方形に切り開いてあるから雨水が溜まっている。
雨落ちに敷き詰めた小石には苔が生えて、なめくじが這う。 湿気でジトジトする。
うちの西君が元湯をここに捨てると、3・7・21日にして、 かして足巻きと名付けるカマキイノハラの寄生虫となると言って、熟成は罵った。
池を囲んだ3棒の嵌は、板が外れて壁が現れていた。 部屋数は総体17もあって、庭で取り回した大家だけれども、
何百年の古屋敷。少しも手が入らないから、ネズミだらけ、 埃だらけ、草だらけ。
熟成と家族とか住んで使っているのは、ミマかヨマに過ぎない。 玄関を入ると15・6畳の板敷。
それ、テーブル椅子を備えて道場といった格納。 英館数学の教場になっている。
外の雲のその奥には何が住んでいるか、うちの者にも分かりはせなんだ。 その日から数えてちょうど1週間前の夜。
夜学はなかった頃で、昼間の通学生は帰ってしまい、 夕飯が済んで私の部屋の机の上で、10日に美少年録を読んでいた。
一体塾では小説が厳禁なので、 うっかり教師に見つかると大目玉を食うのみならず、この以前もサンバの浮世風呂を一冊没収されて、
4週間置きっぱなしにされたため、歌詞本屋から玄壇にあって大金を取られ、 目を白くしたことがある。
その夜は、教師も八田市に出かけて留守であったから、 やや落ち着いて読み始めた。
やがて、 二足掴みの友振りを見返るお夏は手を挙げて、
羽ばかり様やとばかりに夕暮れ近きの地の雨。 思う男とあいあい傘の一目稀なる横しぶき。
濡れぬ前こそ今は霜。 と前後もわきまえず読んでいると、
私の机を横に突きつけてある九段の明り取りの障子へ、 パラパラと音がした。
忍んで小説を読むうちは木にも茅屋にも心を置いたのでびっくりして振り返ると、 またパラパラパラパラと言った。
雨かしら。 時しも秋の始めなり、ランプに油を刺す檻に覗いた夕暮れの空の模様では、
今夜は真昼のような月夜でなければならないが、 と思ううちもなおその音は絶えず聞こえる。
おやおや、裏庭の榎木の大木のあの葉が散り込むにしては風もないがとそう思うと、
はじめは臆病で障子を開けなかったのが、今は薄気味悪くなって手をこまねいて、 思わず暗い天井を仰いで耳を澄ました。
一分、二分。 間を置いては聞こえるあられのような音は次第に激しくなって、
池に落ち込む小しぶきの気配も混じって、 一時は息もつかれず物も言われなかった。
だがしばらくして少し静まると、再び怠けた連続した調子でパラパラ。 家の内は残らずしんとしていたが、この音を知らないではなく、
いずれも声を呑んで脈を数えていたらしい。 窓と筋違いに植栓さし向かっている二階から、一度東京に来て白文館の店で働いていたことのある
山田何菓子という名台の臆病者が、あてもなくおいおいと沈んだ声で言った。 同時に一間置いた奥の部屋から震え声で、
何でしょうね、さらに、ちょっと何でしょうね、 やめことを得ず、
えー何ですか、音がしますが、とこれをきっかけに思い切って障子を開けた。 池はひっくり返ってもおらず、はめ板も落ちず、
壁の破れもいつものままで、月は形は見えないが光は真っ白に射している。 戸ばかりで何事もなく手早くまた障子を閉めた。
音は変わらず聞こえてやまぬ。 ところえ、
西君はしどけない寝巻きのまま、寝かしつけていたらしい一ノ実子を真っ白な土のあたりへしっかりと抱いて色を青をして出て見えたが、
恐怖の体験
ぴったり私の椅子のもとへ座って石のように固くなって目を見張っている。
おい山田降りてこいと二階を大声で呼ぶと、わっと言い様けたたましく石垣が崩れるようにがたびしと駆け降りて私の部屋へ一緒になった。
いずれも一言もなし。 この上何事か起こったら三人とも団子になってしまったろう。
なんだかこの池をしきった屋根のあたりでしきりにつぶてを打つような音がしたが、
ぐるぐる渦をまいちゃ屋根の上へ何重ともないつぶてがひょいひょいかけて歩くようだった。
おかしいから俺は門のところに立って気を取られていたが、
変だなあ、外はいい月夜で虫の羽生のが見えるようだぜ。 恐ろしく寒いじゃないか、と檻から帰ってきた教師は言ったのである。
幸い微少年六も見つからず、教師は西君を連れて別室に去り、音もそれっきり聞こえずに済んだ。
夜が明けると、大勢の通学生を捕まえて山田がその不意調と言ったらない。
ぬえが来て池で行水を使ったほどにこと大げさに立ち至る。 そいつひっとらえてくれようと海陸軍を志願で暗い武伝三角術など講じている連中が
鉄骨の奥義、担当などおじさんで夜更けまで詰めかける。 近所の仕出し屋から自弁で兵牢を取り寄せる。
百名ろうそくを買い入れるという騒動。 死後にしたったが、豪傑で何の仕出したこともなく無事に遊んで静まってしまった。
さてその黄昏は少し風の心持ち。 私は熱が出て寒気がしたから、
貝巻にくるまってうたた寝のうちも心が置かれる小説の創作をされまいため、 歌詞本を隠してある九段の押入れにくっついて寝た。
眠くはないどでぱちくりぱちくり目を開いていても、ものは幻に見えるようになって、 天井も壁もテーブルの足もだんだん消えていく心細さ。
塾の山田は世に行って、教場にも二階にも誰もおらず、物音もしなかった。 枕元へ、
バタバタという足音。 物の近寄る気配がする。
枕を返してつむりをあげた。 が、誰も来たのではなかった。
しばやくすると再び、しとしとしとしとすりやしの軽い、 例えば体のないものが、きびすばかり畳を踏んでくるかと思い取られた。
また顔をあげると何にもおらない。 その時は前より頭が重かった。
顔をあげるが物多かった。 繰り返して三度、また足音がしたがその時は枕が上がらなかった。
室内の空気はただ矢が上に覆い重なって、おのずと重量ができて抑えつけるような。 鼻も口も切ない耐えられず、手をもがいて空を払いながら息も絶え絶えに身を起こしたが、
足が立つと思わずよろめいて向こうの襖へぶつかったのである。 そのまま押し上げると襖は開いたが、
なんとなく立てつけに粘り気があるように思った。 ここでは風が涼しかろうとそれを頼み、こうして次の間へ出たのがやっぱり蒸し暑い。
追っかぶさったようで息苦しい。 もう一つ向こうの広間へ行こうとあえぎあえぎ六畳敷を縦に切って行くのだが、
瞬くうちにおよそ五百里も歩いたように感じて疲労して耐えられん。 取りすがるものはないのだから部屋の中央に胸を抱いて立ちながらほっと息をついた。
まあ、あの恐ろしいところからどのくらい離れたろうと思って、こわごわと振り返ると、物の五尺とは隔たらぬ私の今の敷居をまたいであからさまに薄紅のぼやけた絹に絡まって、青白い女の足ばかりが歩いてきた。
思わず駆け出した私の体は畳の上をぐるぐる回ったと思った。 そのもう一つの広間を夢中で突っ切ったが、暗がりで三尺の壁のところへ突き当たって行きどころはない。
恐怖の輪
ここで恐ろしいものに捕らえられるのかと思って、哀れ、亀にも仏にも聞こえよと、その壁を押し破ろうとして拳で叩くと、ぐらぐらとして空きそうであった。
力を込めて向こうへ押してみたが、甲がないので手元へ引くとさっと開いた。 目を塞いで飛び込もうとしたけれども、明るかったから驚いて下がった。
と見ると床の間も何もない。 心持ち重情ばかりもあろうと思われるひと間にぐるりと輪になって、およそ二十人余り女がいた。
私は目眩がしたせいか一人も顔は見なかった。 また顔のあるものとも思わなかった。
白い乳を出しているのは胸のところばかり。 後ろ向きのは帯の結び目ばかり。
畳に手をついているのもあったし、縦膝をしているのもあったと思うのと見るのと瞬くうち、ずらりと居並んだのが一斉に私を見た。
と胸に答えたその時、ものすごい小羽根を揃えてわーっと言った。 わーっと言って笑いつけたなんとも頼みない、例えようのない声が頭から私を引っかかえたように思った。
途端に後ろから私の体を横切ったのは例のもので、その女の足が前へ回って目先に見えた。
あなやという間に家へ引きずり込まれそうになったので、はっとすると前へ倒れた。 熱のある体はもんどりを打って、もとのまま寝床の上にどっと踊るのが魅力に投げ打つようで、
心づくと地震かと思ったが、冷たい汗は滝のように流れて、やがて枕について綿のようになって終わりに帰った。 奥ではしきりに赤子の鳴き声がした。
それから煩いついて、いつまで経っても治らなかったから、何も言わないでそのうちを下がった。 ただちに忘れるように回復したのである。
地方でもその界隈は封建の頃極めて風の悪い侍町で、 妙麗の婦人のここへ連れ込まれたものの、また通りかかったもの、まして腰元目掛け暴行に、などいったものの生きて帰った試しはないと後で聞いた。
ことに、くだんの屋敷については種々の話があるが、かえってこしらえごとじみるから言うまい。 教師はその後で赤子が夜泣きをして耐えられないということで、時期によそへ越した。
不気味な雰囲気
幾度も住み手が変わって、今度のは久しく住んでいるそうである。 明治33年2月
1942年発行 岩波書店 教科全集 缶27
より読料読み終わりです。 高野ひじりの時にこの人の作品は二度と読むまいと思ったのを思い出したわ。
むずいんだよ、もう文字が。 何言ってたかわかりましたか、皆さん。
ねえ。
独特の言い回しなんだよなぁ。
明治、100年以上前の人ですからね、まあ
まだ何とか読み取れるだけマシという感じですか。 なぜ女の和ができていたのか。
あ、まあ恨みつらみを持った女たちの霊魂が和になっていたということなんでしょうか。 これもっと現代文にしたらもっと
怪談になるんだろうけど、なんか 言葉がむず、古いから、ん?ん?ってなって、なんか入っていけないよね。
はい。 今回もハズレ回かもしれません。
はい。 夜まで仕事をしている日が多くてですね、夜7時、19時の
日の明るさを毎日体感しているに等しいんですけど、 まだまだ気温は暑いですが確実に夜7時になると暗さが増してますね。
つまり日が短くなっているという口頭だと思います。 空気は全然暑いですが
恋みは普通に進んでいるという 状態ですね。
どんどんこれから涼しくなっていくんだと思いますよ。あっという間ですよ本当に。 秋が来ちゃいますよ。
まあ最近秋ないですよね。秋がもうなんか2週間ぐらいでキュンと終わって、いきなりダウンがドーンみたいな。
この前までロンT着てたのにいきなりダウン引っ張り出さなきゃみたいだね。 今年ダウン着るのかな?
この感じの暑さを体感するともう冬、 冬の寒さも軽減していくのではないかという気がするんだけど。
暑いのはすごい嫌だけど、 冬にダウンを着なきゃいけない寒さも嫌だよね。
なんで夏こんな暑くて冬もちゃんと寒いんだよって思うね。 幅よ、温度差よ。
答えちゃうわ本当に。 なんかサンマが今年は
大振りのものが多いそうで、 ようやく昨日食べれました。
半身だけど。 半身しか残ってないよーって言われて、えー
じゃあそれ焼いてくださいって言って。多分あれ刺身用だったと思うんですけど、今度まるまるイチビ食べたいと思いますが。
ね、どうですか?サンマも皆さん食べましたか?
サンマ美味しいねやっぱねー。
秋の味覚という感じです。 居酒屋で食べたんだけど、これ白飯欲しくなるなーって感じでした。
なんか季節の食材にその ときめくみたいなミーハーさはあまりない方ですけど、
サンマ美味しかったなぁ。 あと何回か食べたいなと思います。
はい。 じゃあそろそろ終わりにしましょうか。
無事に寝押しできた方も、最後までお付き合い頂いた方も大変にお疲れ様でした。
といったところで、今日のところはこの辺で。 また次回お会いしましょう。おやすみなさい。