小泉八雲の雪女の紹介
寝落ちの本ポッドキャスト。こんばんは、Naotaroです。
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さて、今日は、小泉八雲さんの雪女です。
現在、2025年11月末ですが、
NHK朝の連続テレビドラマ小説バケバケはこの小泉八雲さんのモチーフだと聞いています。
バケはおばけのバケなんでしょうね。
かつて、無地名、ろくろくび、耳なしほういちなどを読みましたね、小泉八雲さんね。
雪女って、寒い雪道に白い着物を着た女の人が現れて、みたいな映像が浮かぶんだけど、
それが何をしてどう怖かったのかみたいなことがとんと覚えてなくて、皆さんいかがですかね、覚えてますか?
耳なしほういちの話はほぼ記憶通りのままだったんですよ。
で、ろくろくび読んだときに違和感があって、皆さん、ろくろくびの映像を想像してほしいんですが、
着物を着た女性から首がにょろにょろって伸びて、顔だけ先っぽへ、みたいなイメージだったんですけど、僕は。
でも実際、この小泉八雲さんのろくろくび読んだら、胴体と首が分かれて、首だけが中を置いて、みたいな話だったんですよ。
で、「あれ、なんか分かれてますね。」って話になって調べたら、
wikipediaに首が伸びるタイプと首と胴が分かれる2つの種類が存在するって書いてあって、
実在しないものにそんな断定的な表現をするなんてと思ったんですけど。
なんかね、雪女もどうなっているのか、ちょっと想像がつきませんが、読んでいきたいと思います。
文字数は3600文字。すごく短いと思います。
15分もかからずに終わってしまいそうな気がしますので、寝落ちにははなはだ心もとないですが、
まあちょっとね、お付き合いいただければと思います。
もうずいぶん長いのばっかり読んでるんで、僕。
心も長かったし、他にもなんだっけ。
ちょっと最近長いのが続いてるんで、短いのでシュシュッとまとめていきたいなと思っている小泉です。
もうすごいかも。よっしゃ、やっていきましょうか。
短いですが、どうかお付き合いください。
それでは参ります。
雪女
吹雪の夜の恐怖
武蔵の国のある村に、もさく、美濃吉という二人の木こりがいた。
この話のあった自分には、もさくは老人であった。
そして彼の年季傍行人であった美濃吉は十八の少年であった。
毎日彼らは村から約二里離れた森へ一緒に出かけた。
その森へ行く道に越さねばならない大きな川がある。そして渡し舟がある。
渡しのあるところに度々橋が架けられたが、その橋は洪水のある度ごとに流された。
川のあふれるときには普通の橋ではその急流を防ぐことはできない。
もさくと美濃吉はある大層寒い晩、帰り道で大吹雪にあった。
渡し舟に着いた。
渡し森は船を川の向こう側に残したままで帰ったことがわかった。
泳がれるような日ではなかった。
それで木こりは渡し森の小屋に避難した。
避難所の見つかったことを凝高に思いながら。
小屋には火鉢はなかった。
火を焚くべき場所もなかった。
窓のない一方口の二畳敷きの小屋であった。
もさくと美濃吉は戸を閉めて美濃を着て休息するために横になった。
はじめのうちはさほど寒いとも感じなかった。
そして嵐はじきに止むと思った。
老人はじきに眠りについた。
しかし少年美濃吉は長い間目を覚ましていて
恐ろしい風や戸にあたる雪の絶えない音を聞いていた。
川はゴーゴーと鳴っていた。
小屋は海上の和泉のように揺れてみしみしい音がした。
恐ろしい大吹雪であった。
空気は一刻一刻寒くなってきた。
そして美濃吉は美濃の下で震えていた。
しかしとうとう寒さにもかかわらず彼もまた寝込んだ。
彼は顔に夕立のように雪がかかるので目が覚めた。
小屋の戸は無理をしに開かれていた。
そして雪やかりで部屋のうちに女、
全く白装束の女を見た。
その女は模索の上にかがんで彼に彼女の息を吹きかけていた。
そして彼女の息は明るい白い煙のようであった。
ほとんど同時に美濃吉の方へ振り向いて彼の上にかがんだ。
彼は叫ぼうとしたが何の音も発することができなかった。
白衣の女は彼の上にだんだん低くかがんで
しまいに彼女の顔はほとんど彼に触れるようになった。
そして彼は、
彼女の目は恐ろしかったが彼女はたいそうきれいであることを見た。
しばらく彼女は彼を見続けていた。
それから彼女は微笑した。そしてささやいた。
私は今一人の人のようにあなたをしようかと思った。
しかしあなたを気の毒だと思わずにはいられない。
あなたは若いのだから。
あなたは美少年ね、美濃吉さん。
もう私はあなたを害しはしません。
しかしもしあなたが今夜見たことを誰かに、
あなたの母さんにでも言ったら私にわかります。
そして私、あなたを殺します。
覚えていらっしゃい、私の言うことを。
そう言って向き直って彼女は戸口から出ていった。
その時彼は自分の動けることを知って飛び起きて外を見た。
しかし女はどこにも見えなかった。
そして雪は小屋の中へ激しく吹きつけていた。
美濃吉は戸を閉めてそれに木の棒をいくつか立てかけてそれを支えた。
彼は風が戸を吹き飛ばしたのかと思ってみた。
彼はただ夢を見ていたかもしれないと思った。
それで入口の雪明かりのひらめきを
白い女の形と思い違いしたのかもしれないと思った。
しかもそれも確かではなかった。
彼は模索を呼んでみた。
そして老人が返事をしなかったので驚いた。
彼は暗がりで手をやって模索の顔に触ってみた。
そしてそれが氷であることがわかった。
模索は固くなって死んでいた。
明け方になって吹雪は止んだ。
そして日の出のあと少ししてから私もりがその小屋に戻ってきたとき
模索の凍えた死体のそばに美濃吉が
視覚を失うて倒れているのを発見した。
新たな出会い
美濃吉は正しに解放された。
そしてすぐに正気に帰った。
しかし彼はその恐ろしい夜の寒さの結果
長い間病んでいた。
彼はまた老人の死によってひどく驚かされた。
しかし彼は白衣の女の現れたことについては何も言わなかった。
再び達者になるとすぐに彼の職業に帰った。
毎朝一人で森へ行き
夕方木の束を持って帰った。
彼の母は彼を助けてそれを打った。
翌年の冬のある晩
家に帰る途中
偶然同じ道を旅している一人の若い女に追いついた。
彼女は背の高いほっそりした少女で体操綺麗であった。
そして美濃吉の挨拶に応えた彼女の声は
歌う鳥の声のように彼の耳に愉快であった。
それから彼は彼女と並んで歩いた。
そして話をしだした。
少女の名はおゆきであると言った。
それからこの頃両親とも亡くなったこと
それから江戸へ行くつもりであること
そこに何件か貧しい親類のあること
その人たちは女中としての地位を見つけてくれるだろうということなど
美濃吉はすぐにこの知らない少女に懐かしさを感じてきた。
そして見れば見るほど彼女が一層綺麗に見えた。
彼は彼女に約束の夫があるかと聞いた。
彼女は笑いながら何の約束もないと答えた。
それから今度は彼女の方で美濃吉は結婚しているか
あるいは約束があるかと尋ねた。
彼は彼女に養うべき母が一人あるが
お嫁の問題はまだ自分が若いから
考えに上ったことはないと答えた。
そんな打ち分け話の後で
彼らは長い間物を言わないで歩いた。
しかしことわざにある通り
気があれば目も口ほどに物を言いであった。
村に着く頃までに彼らはお互いに体操を気に入っていた。
そしてその時美濃吉は
しばらく自分の家で休むようにとお行きに行った。
彼女はしばらくはにかんでためらっていたが
彼と共にそこへ行った。
雪女との出会い
そして彼の母は彼女を歓迎して
彼女のために温かい食事を用意した。
お行きの立ち入り振る舞いはそんなに良かったので
美濃吉の母は急に好きになって
彼女に江戸への旅を延ばすように進めた。
そして自然の成り行きとして
お行きは江戸へはついに行かなかった。
彼女はお嫁としてその家に留まった。
お行きはたいそう良い嫁であることがわかった。
美濃吉の母が死ぬようになった時
5年ばかりの後
彼女の最後の言葉は
彼女の嫁に対する愛情と賞賛の言葉であった。
そしてお行きは美濃吉に男女10人の子供を産んだ。
みな綺麗な子供で色が非常に白かった。
田舎の人々はお行きを
生まれつき自分らと違った不思議な人と考えた。
大概の農夫の女は早く年をとる。
しかしお行きは10人の子供の母となった後でも
初めて村へ来た日と同じように若くて
みずみずしく見えた。
ある晩、子供らが寝た後で
お行きは暗暗の光で梁仕事をしていた。
そして美濃吉は彼女を見つめながら言った。
お前がそうして顔に明かりを受けて梁仕事をしているのを見ると
わしが18の少年の時にやった不思議なことが思い出される。
わしはその時今のお前のように綺麗な
そして色白な人を見た。
まったくその女はお前にそっくりだったよ。
仕事から目をあげないでお行きは答えた。
その人の話をしてちょうだい。
どこでお会いになったの?
そこで美濃吉は渡し森の小屋で過ごした恐ろしい夜のことを
彼女に話した。
そしてニコニコしてささやきながら
自分の上にかがんだ白い女のこと
それから模索老人の物も言わずに死んだこと
そして彼は言った。
眠っている時にでも起きている時にでも
お前のように綺麗な人を見たのはその時だけだ。
もちろんそれは人間じゃなかった。
そしてわしはその女が恐ろしかった。
大変恐ろしかった。
が、その女は大変白かった。
実際わしが見たのは夢であったか
それとも雪女であったか
わからないでいれ。
お雪はぬいものを投げ捨てて立ち上がって
美濃吉の座っているところで彼の上にかがんで
彼の顔に向かって叫んだ。
それはわたし、わたし、わたしでした。
それは雪でした。
そしてその時あなたがそのことを一言でも言ったら
わたしはあなたを殺すと言いました。
そこに眠っている子供らがいなかったら
今すぐあなたを殺すんでした。
でも今あなたは子供らを大事に大事になさるほうがいい。
もし子供らがあなたに不平を言うべき理由でもあったら
わたしはそれ相当にあなたを扱うつもりだから。
彼女が叫んでいる最中
彼女の声は細くなっていった。
風の叫びのように。
それから彼女は輝いた白い霞となって
屋根の棟木の方へ登って
それから煙出しの穴を通って震えながら出ていった。
もう再び彼女は見られなかった。
物語の考察
1937年発行。
第一書房。
小泉薬毛全集第8巻。
家庭版。
より独了読み終わりです。
はあ、怖くないね。
おじいちゃんが死んじゃったところだけか。
おじいちゃんの命を吸って他に何か。
おじいちゃんの命を吸って
雪女が人間の体を得て
子供をたくさん骨葛えて
でも話ししちゃったから
雪が溶けるように消えて
子供も一緒に消えちゃうみたいな話かと思ったら
違いましたね。なんか
無にゃ無にゃってしていなくなっちゃいましたね。
あなたは幸せになるがいいじゃないんだよ。
こんなんだから多分記憶に定着してないんだな。
なんか耳なしホウイチみたいにさ。
耳だけちぎられましたみたいなさ。
こう
映像としてもお話としても
ショッキングな感じがないから定着してないんだな。
はあ、なるほどね。
ま、66美も絵だけで
お話自体は全然定着してないけどね。
なんだか偶然の
怖い話ブーム、怪談ブームのようで
なんかね
あの芸人さんいつから怪談師になったの?
みたいなのばっかりですね最近ね。
と聞いてますけども。
僕別に怖い話そんな好きでもないけど。
サスペンス映画は好きだけど。
怖い話は別にそんな
うーん
でもまあ好きな人って多いんでしょうね。
ミステリー小説とか結構読んだけどな。
うーん
怪談師ばかりであふれています。
ふふふふ
おばけとかなんかよりもよっぽど人間のほうが怖いけどね。
でもそれもまた
人怖っていうジャンルでカテゴライズされて
なんだかなという感じですな。
うーん
よし、短いですが今日はこの辺で終わりにしましょうか。
無事寝落ちできた方も
最後までお付き合いいただけた方も
大変にお疲れ様でした。
といったところで、今日のところはこの辺で。
また次回お会いしましょう。
おやすみなさい。