桃太郎の誕生
寝落ちの本ポッドキャスト。こんばんは、Naotaroです。 このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。
タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、 それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。
エッセイには面白すぎないツッコミを入れることもあるかもしれません。 作品はすべて青空文庫から選んでおります。
ご意見・ご感想・ご依頼は、公式エックスまでどうぞ。 寝落ちの本で検索してください。
また、別の投稿フォームもご用意しました。リクエストなどお寄せください。 そして最後に番組フォローもどうぞよろしくお願いします。
さて、今日は芥川龍之介さんの「桃太郎」というテキストを読もうと思います。
いつも古典とかから着想を得て、それを自分なりに発展してエピソードを書いたりしてた 芥川君ですが、ついに
昔話にまで手を出したかという感じですよね。 桃太郎がね。
僕は世代じゃないですが、桃太郎侍ってやつありましたね。 ラーメンズの小林健太郎さんが一人ライブの時に
桃太郎侍の工場をもじって、というかいじって自分のネタに取り込んでたのが印象的です。 その後、あの元ネタは何だろうって調べたことがあって、あれ聞いてて気持ちいいですよね。
読んでても気持ちいいけど。 一つ、人の生き血をすすり、二つ、不埒な悪行三昧、三つ、醜い有機魚の鬼を退治してくれよ。
あ、桃太郎ってね。 五七帳がいいよね。
テレビももう全く見ないんでわかんないですけど、時代劇とかって今やってるのかな。 子供の頃夕方によく水戸口門とか
大岡越前とか見てたけど。 今どうだろうね。そんな気配が全然しないけど。
タイガードラマだけなんですかね。
まあいいや脱線してしまった。 ということでやっていきましょうか。今日は桃太郎というテキストです。
やっぱり昔々から始まってますよ。 やっていきましょう。
それではまいります。 桃太郎
1 昔々大昔
ある深い山の奥に大きい桃の木が一本あった。 大きいとだけでは言い足りないかもしれない。
この桃の枝は雲の上に広がり、この桃の根は大地の底の黄泉の国にさえ及んでいた。
何でも天地開白の頃追い、いざなぎの巫女は、夜もつ平坂に八つの雷をしりぞけるため、桃の実を粒手に打ったという。
その神代の桃の実はこの木の枝になっていたのである。 この木は世界の夜明け以来一万年に一度花を開き、一万年一度実をつけていた。
花は真紅の絹笠に黄金の房をたらしたようである。 実は、
実もまた大きいのを言うの余たない。 が、それよりも不思議なのは、その実はサネのあるところに美しい赤子を一人ずつ
自らはらんでいたことである。 昔々大昔、この木は山谷を覆った枝にるるいと実をつづったまま、静かに日の光に欲していた。
一万年に一度結んだ実は、一千年の間は地へ落ちない。 しかしある寂しい朝、
運命は一羽のヤタガラスになり、さっとその枝へ下ろしてきた。 と思うともう赤実の刺した小さい実を一つついばみ落とした。
実は、雲霧の立ち上る中に遥か下の谷川へ落ちた。 谷川はもちろん、
峰峰の間に白い水けぶりをなびかせながら、人間のいる国へ流れていたのである。 この赤子をはらんだ実は、深い山の奥を離れた後、どういう人の手に拾われたか。
それは今すら話すまでもあるまい。 谷川の末にはおばあさんが一人、日本中の子供の知っている通り、
芝刈りに行ったおじいさんの着物か何かを洗っていたのである。
桃から生まれた桃太郎は、鬼ヶ島の生活を思い立った。 思い立ったわけはなぜかというと、彼はおじいさんやおばあさんのように、山田の川田の畑田のへ仕事に出るのが嫌だったせいである。
その話を聞いた老人夫婦は、内心このわんぱくものに愛想をつかしていたときだったから、 一刻も早く追い出したさに、旗とか太刀とか陣羽織とか、出陣の支度に入用のものは、
ゆうなり次第に持たせることにした。 のみならず、途中の氷牢には、これも桃太郎の注文通り、きびだんごさえこしらえてやったのである。
仲間との出会い
桃太郎は意気揚々と鬼ヶ島生活の塔に登った。 すると、大きい野良犬が一匹、植えた目を光らせながら、こう桃太郎へ声をかけた。
「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰にさげたのは、なんでございます?」
「これは日本一のきびだんごだ。」 桃太郎は得意そうに返事をした。
もちろん実際は日本一かどうか、そんなことは彼にも怪しかったのである。 けれども犬はきびだんごと聞くと、たちまち彼のそばへ歩み寄った。
「ひとつください。お供しましょう。」 桃太郎はとっさにそろばんをとった。
「ひとつはやられん。半分やろう。」 犬はしばらく豪情にひとつくださいをくり返した。
しかし桃太郎はなんといっても半分やろうを撤回しない。 こうなればあらゆる商売のように、所詮持たぬものは持ったものの意思に服従するばかりである。
犬もとうとう短足しながら、きびだんごを半分もらうかわりに桃太郎の友をすることになった。
桃太郎はその後、犬のほかにもやはりきびだんごの半分を餌食に猿やキジをけらいにした。 しかし彼らは残念ながら、あまり仲のいい間柄ではない。
丈夫な牙を持った犬は、育児のない猿をばかにする。 きびだんごの感情に素早い猿は、もっともらしいキジをばかにする。
自信学などにも通じたキジは、頭の鈍い犬をばかにする。 こういう歪み合いを続けていたから、桃太郎は彼らをけらいにした後も、一通り骨の折れることではなかった。
その上、猿は腹が張ると、たちまち不服を唱え出した。 どうもきびだんごの半分ぐらいでは、鬼ヶ島生髪の友をするのも考えものだと言い出したのである。
すると犬は吠えたけりながら、いきなり猿を噛み殺そうとした。 もしキジが止めなかったとすれば、猿は蟹の仇討ちを待たず、この時もう死んでいたかもしれない。
しかしキジは犬をなだめながら、猿に主従の道徳を教え、桃太郎の命に従えと言った。 それでも猿はロバタの木の上に犬の襲撃を避けた後だったから、容易にキジの言葉を聞き入れなかった。
その猿をとうとう得心させたのは、確かに桃太郎の主案である。 桃太郎は猿を見上げたまま、日の丸の扇を使い使い、わざと冷ややかに言い話した。
「よしよし、では友をするな。その代わり鬼ヶ島を成罰しても、宝物は一つも分けてやらないぞ。」 欲の深い猿は丸い目をした。
「宝物? 鬼ヶ島には宝物があるのですか?」
「あるところではない。何でも好きなものの振り出せる内手の小筒という宝物さえある。」
「では、その内手の小筒からいくつもまた内手の小筒を振り出せば、一度に何度でも手に入るわけですね。」
「それは耳寄りの話です。どうか私も連れて行って下さい。」 桃太郎はもう一度彼らを共に鬼ヶ島成罰の道を急いだ。
鬼ヶ島の征服
3 鬼ヶ島は絶開の小筒だった。
が、世間の思っているように岩山ばかりだったわけではない。 実は野心をそびえたり極楽鳥のさえずったりする美しい天然の落土だった。
こういう落土にせいを受けた鬼は、もちろん平和を愛していた。 いや、鬼というものは元来、我々人間よりも脅落的に出来上がった種族らしい。
小太りの話に出てくる鬼は一晩中踊りを踊っている。 一寸坊主の話に出てくる鬼も一心の危険を顧みず、モノモーデの姫気味に見とれていたらしい。
なるほど大江山の主天堂寺や羅生門の茨城堂寺は既大の悪人のように思われている。 しかし茨城堂寺などは我々の銀座を愛するように須作王子を愛するあまり、時々そっと羅生門へ姿を現したのではないであろうか。
主天堂寺も大江山の岩屋に酒ばかり飲んでいたのは確かである。 その女人を奪っていったというのは、
審議はしばらく問わないにもしろ、女人自身の言うところに過ぎない。 女人自身の言うところをことごとく真実と認めるのは、
私はこの二十年来こういう疑問を抱いている。 あの雷光や主天皇はいずれも多少きちがいじみた女性崇拝家ではなかったであろうか。
鬼は熱帯的風景のうちに琴を弾いたり踊りを踊ったり、 古代の詩人の詩を歌ったりすこぶる庵野に暮らしていた。
その又鬼の妻や娘も旗を折ったり酒を醸したり、 蘭の花束をこしらえたり、我々人間の妻や娘と少しも変わらずに暮らしていた。
つとにもう髪の白い牙の抜けた鬼の母は、 いつも孫の森をしながら我々人間の恐ろしさを話して聞かせなとしていたものである。
お前たちもいたずらをすると人間の姉妹をやってしまうよ。 人間の姉妹をやられた鬼は、あの昔の主天堂寺のようにきっと殺されてしまうのでからね。
人間というものかい? 人間というものは角の生えない生じろい顔や手足をした。
何とも言われず気味の悪いものだよ。おまけにまた人間の女と来た日には、 その生じろい顔や手足へ一面に鉛の甲をなすっているのだよ。
それだけならばまだいいのだがね。 男でも女でも同じように、嘘は言うし欲は深いし、
ヤキモチは薬し、うぬぼれは強いし、仲間同士殺し合うし、火はつけるし、泥棒を忘るし、 手のつけようのない獣なんだよ。
4 桃太郎はこういう罪のない鬼に、建国以来の恐ろしさを与えた。
鬼は金棒を忘れたなり、人間が来たぞと叫びながら、ていていとそびえた野種の間を、 右往左往に逃げまどった。
すすめすすめ、鬼という鬼は見つけ次第、一匹も残らず殺してしまえ。 桃太郎は桃の旗を片手に、火の丸扇を打ち振り打ち振り、犬猿騎児の三匹に号令した。
犬猿騎児の三匹は仲のいい家来ではなかったかもしれない。 が、飢えた動物ほど、ちゅういう無双の兵卒の資格を備えている者はないはずである。
彼らはみな嵐のように逃げ回る鬼を追い回した。 犬はただ一噛みに鬼の若者を噛み殺した。
騎児も鋭いくちばしに鬼の子供を突き殺した。 猿も。
猿は我々人間と親類同士の間からだけに、鬼の娘を締め殺す前に必ず良辞を欲しいままにした。
あらゆる罪悪の行われた後、とうとう鬼の首長は、命を取り留めた数人の鬼と桃太郎の前に降参した。
桃太郎の得意は思うべしである。 鬼ヶ島はもう、昨日のように極楽町のさえずる落土ではない。
八子の話は至る所に鬼の死骸をまき散らしている。 桃太郎はやはり旗を片手に、三匹の家来を従えたまま、
ひらぐもののようになった鬼の首長へ大そかに好意渡した。 では、格別の憐憫により貴様たちの命は許してやる。
その代わりに鬼ヶ島の宝物は一つも残らず献上するのだぞ。
桃太郎の誓罰の旅
はい、献上いたします。 なお、その他に貴様の子供を人質のために差し出すのだぞ。
それも承知いたしました。 鬼の首長はもう一度、額を土へすりつけた後、恐る恐る桃太郎へ質問した。
私どもは、あなた様に何か無礼でも致したため、ご誓罰を受けたことと存じております。 しかし実は私をはじめ鬼ヶ島の鬼は、
あなた様にどういう無礼を致したのやら、とんとがてんが参りません。 ついてはその無礼の次第をお明かし下さるわけには参りますまいか。
桃太郎は悠然とうなずいた。 日本一の桃太郎は、犬猿騎児の三匹の忠義者を飯かかえたゆえ、鬼ヶ島へ誓罰に来たのだ。
ではそのお三方をお飯かかえなすったのは、どういうわけでございますか。 それはもとより鬼ヶ島を誓罰したいと志したゆえ、きび団子をやっても飯かかえたのだ。
どうだ、これでもまだ別れないと言えば、貴様たちも皆殺してしまうぞ。 鬼の首長は驚いたように三尺ほど後ろへ飛び下がると、いよいよまた丁寧にお辞儀をした。
5 日本一の桃太郎は犬猿騎児の三匹と人質にとった鬼の子供に宝物の車をひかせながら、とくとくと故郷へ回遷した。
これだけはもう日本中の子供の等に知っている話である。 しかし桃太郎は必ずしも幸福に一生を送ったわけではない。
鬼の子供は一人前になると万人の騎児を噛み殺した上、たちまち鬼ヶ島へ蓄電した。
のみならず鬼ヶ島に生き残った鬼は時々海を渡ってきては桃太郎の館へ火をつけたり、桃太郎の根首をかこうとした。
なんでも猿の殺されたのは人血が至ったらしいという噂である。 桃太郎はこういう重ね重ねの不幸に短足をもらさずにはいられなかった。
どうも鬼というものの執念の深いのには困ったものだ。 やっと命を助けていただいたご主人の体温さえ忘れるとはけしからんやつらでございます。
未来の天才と桃の木
犬も桃太郎の重面を見ると悔しそうにいつも唸ったものである。 その間も寂しい鬼ヶ島の磯には美しい熱帯の月明かりを浴びた鬼の若者が五六人、
鬼ヶ島の独立を計画するため養子の実に爆弾を仕込んでいた。 優しい鬼の娘たちに恋をすることさえ忘れたのか黙々と、しかし嬉しそうに茶碗ほどの目の玉を輝かせながら。
六 人間の知らない山の奥に蜘蛛切りを破った桃の木は今日もなお昔のように
るいるいと無数の実をつけている。 もちろん桃太郎をはらんでいた実だけはとうに谷川を流れ去ってしまった。
しかし未来の天才はまたそれらの実の中に何人とも知らず眠っている。 あの大きい八田ガラスは今度はいつこの木の梢へもう一度姿をあらわすであろう。
ああ未来の天才はまだそれらの実の中に何人とも知らず眠っている。
大正13年6月 1987年発行
ちくま書房ちくま文庫 芥川龍之介全集5
より独りょう読み終わりです。 はい芥川くんらしいね
桃太郎の残虐な一面にみんな気づいてないでしょってそれを 見せつけてくる感じね
人間の醜いところを見せつけてくる感じね
夏真っ只中になってまいりました 学生の皆さんも夏休み中だと思いますが
何年か前からですね のみともの息子ちゃん
中学生だったんですが当時中学2年生だったんですが その子を
そののみとも 親であるのみともが連れていかないようなところに僕が連れていくっていうその近所のおじさん
プレイっていうのをちょっとやってたんですけど それもこう
3年目になって彼も高校生になったんで 今年の夏休みどこに連れて行こうかなまぁそんなと一泊とかではないんですけど
ちょっとふんわり考えてますね 自分が子供だった頃に近所のお兄さん
とかがしてくれたようなことを僕もできたらなと思ってまぁ僕に子供がいないので そういうのをちょっとやろうかなと思ってね
近所のおじさんというプレイをするという
バイトしたいって言ってたけど彼はバイト始めてるのかなぁ とかそういう近況をね
夏休みや冬休みの間にちょこっと あって飯食ってどっか行ってみたいなことしてそう
聞き出すっていうのを近所のおじさんとして 親にはなかなか言わないようなことも言うんじゃないかという
入れてるところがあった方がいいんじゃないかという老婆心がね 部外者だからこそこうねデリカシーなしに女の子どうな最近みたいなね好きなことが
いいのみたいな
そういうのがあってもいいんじゃないかという英語なのかな 英語かもしれませんけどまぁまぁ
8月下旬頃を目途にねどっかに行こうと思ってますが どうですか皆さんお出かけするんですか
インド派なので僕も彼もアリア彼は外でも遊ぶのかな 僕がインド派なんで
連れてくるとしても 電車で移動した先の屋内に連れてくるんですけど
まだどこで何をやっているかそういうイベント情報とかも調べてないんですけどね それを一つの楽しみに
この夏は生きてこうかな よしこれでしょうか
無事に値落ちできた方も最後までお付き合いいただいた方も大変にお疲れ様でした といったところで今日のところはこの辺でまた次回お会いしましょう
おやすみなさい