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2026-02-17 17:19

206太宰治「葉桜と魔笛」(朗読)

【作品】葉桜と魔笛

【作者】太宰治(1909-1948)

【あらすじ】病で若くして亡くなった妹を持つ姉が、35年後の老婦人となり、妹との切ない思い出を回想する物語。妹が自作自演していた架空の恋人からの手紙に気づいた姉が、妹の夢を壊さぬよう手紙を書き継ぐ姉妹愛と、虚構の愛に生きた妹の儚さを描いた名作

【こんな方に】寝る前に聴きたい / 名作文学 / 睡眠用BGM / 朗読 / 青空文庫 / 聴き流し


悲しい姉妹のお話し

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サマリー

このエピソードでは、太宰治の「葉桜と魔笛」が朗読されます。物語は、末期腎臓結核の妹を持つ姉の視点から語られます。妹の死期が迫る中、姉は妹が秘密裏にやり取りしていた手紙を発見し、妹の恋愛の真実を知ります。妹の苦しみを目の当たりにした姉は、妹を慰めるために自ら偽の手紙を書き、軍艦マーチの口笛を吹くなど、妹の最後の時間を支えようとします。物語は、姉妹の深い愛情と、人生の切なさ、そしてかすかな希望を描いています。

番組紹介と作品紹介
寝落ちの本ポッドキャスト。こんばんは、Naotaroです。 このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。
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どうぞよろしくお願いします。 さて今日は
ダザイオサムさんの 葉桜とまてきです。
文字数が6500文字と少ないので、 15分ぐらいなんですかね。
はい。 文字数が少ないので少しゆっくりめに読みますかね。
はい、どうかお付き合いください。 それでは参ります。
物語の始まりと妹の病状
葉桜とまてき 桜が散ってこのように葉桜の頃になれば私はきっと思い出します
とその老婦人は物語る 今から35年前
父はその頃まだ存命中でございまして私の一家 と言いましても母はその7年前私が13の時にもう高い寝されて
あとは父と私と妹と3人きりの家庭でございましたが 父は私18妹16の時に島根県の日本海に沿った人口2万余りのあるお城下町に
中学校長として赴任してきて学校の借家もなかったので町外れのもうすぐ山に近い ところに一つ離れてポツンと立ってあるお寺の離れ座敷
2部屋拝借してそこにずっと6年目に松江の中学校に転任になるまで住んでいました 私は結婚いたしましたのは松江に来てからのことで24の秋でございますから当時として
はずいぶん遅い結婚でございました 早くから母にしなれ父は頑固一徹の学者気質で世俗のことはとんとうとく
私がいなくなれば一家の切り回しがまるでダメになることがわかっていましたので私も それまでにいくらも話があったのでございますが家を捨ててまでよそれを読みに行く気が
起こらなかったのでございます せめて妹さえ丈夫でございましたならば
私も少し気楽だったのですけれども妹は私にいないで大変美しく髪も長く とてもよくできる可愛い子でございましたが
体が弱くその城下町へ不倫して2年目の春 私20妹18で妹は死にました
その頃のこれはお話でございます 妹はもうよほど前から行けなかったのでございます
腎臓結核という悪い病気でございまして気のついた時には両方の腎臓がもう 虫食われてしまっていたのだそうで
医者も100日以内とはっきり父に言いました どうにも手の施しようがないのだそうでございます
1月たち2月たってそろそろ100日目が近くなってきても私たちは黙って見ていなければ いけません
妹は何も知らず割に元気で終日寝床に寝た気になるでございますがそれでも陽気に 歌を歌ったり冗談言ったり
私に甘えたりこれがもう340日経つと死んでいくのだ はっきりそれに決まっているのだと思うと胸がいっぱいになり
大砲の音と姉の苦悩
送信を縫い針で突き刺されるように苦しく私は気が狂うようになっています 3月4月5月
そうです5月の半ば私はあの日を忘れません のも山も新緑で裸になってしまいたいほど暖かく
私には新緑が眩しく目にチカチカ痛くって一人いろいろ考え事をしながら 帯の間に片手をそっと差し入れ
うなだれての道を歩き考えること考えることみんな苦しいことばかりで息ができ なくなるくらい私は身悶えしながら歩きました
どーんどーんと春の土の底の底からまるで10万億度から響いてくるように かすかなけれども恐ろしく幅の広い
まるで地獄の底で大きな大きな太鼓でも打ち鳴らしているような おどろおどろした物音が絶え間なく響いてきて私はその恐ろしいものが何であるか
わからず本当にもう自分が狂ってしまったのではないかと思い そのまま体が凝結して立ちすくみ突然わーっと大声が出て
立っていられずペタンと草原に座って思い切って泣いてしまいました あとで知ったことでございますがあの恐ろしい不思議な物音は
日本海大海戦軍艦の大砲の音だったのでございます 東郷提督の命令一家でロシアのバルシック艦隊を一挙に撃滅なさるための大激戦の最中
だったのでございます ちょうどその頃でございますものね海軍記念日は今年もまたそろそろやってまいります
あの海岸の城下町にも大砲の音がおどろおどろ聞こえてきて町の人たちも生きた空が なかったのでございましょうが私はそんなこととは知らず
ただもう妹のことでいっぱいで反基地外の有様だったので何か不吉な地獄の太鼓の ような気がして長いこと草原で顔も上げずに泣き続けておりました
日が暮れかけてきた頃私はやっと立ち上がって死んだようにぼんやり治ってお寺へ帰っ てまいりました
妹からの手紙と姉の秘密
姉さん と妹が呼んでおります妹もその頃は痩せをとろえて力なく自分でももう薄々
もうそんなに長くないことを知ってきている様子で以前のようにあまり何かと私に 無理なんだ言いつけて余ったれるようなことがなくなってしまって
私にはそれがまだ一層つらいのでございます 姉さんこの手紙いつ来たの
私はハッと胸を疲れ顔の血の気がなくなったのを自分ではっきり意識いたしました いつ来たの
妹は無心のようでございます私は気を取り直して ついさっきあなたが眠っていらっしゃる間にあなた笑いながら眠っていたわ
私こっそりあなたの枕元に置いておいたの知らなかったでしょ 知らなかった
妹は夕闇の迫った薄暗い部屋の中で白く美しく笑って 姉さん私この手紙読んだのおかしいは私の知らない人なのよ
知らないことがあるものか 私はその手紙の差し出し人の mt という男の人を知っております
ちゃんと知っていたのでございます いいえお会いしたことはないのでございますが
私がその5、6日前妹のタンスをそっと整理してその檻に一つの引き出しの奥底に 一束の手紙が緑のリボンできっちり結ばれて隠されてあるのを発見いたし
いけないことでしょうけれどもリボンを解いてみてしまったのでございます およそ30通ほどの手紙全部がその mt さんからのお手紙だったのでございます
もっとも手紙の表には mt さんのお名前を書かれておりません 手紙の中にちゃんと書かれてあるのでございます
そして手紙の表には差し出し人としていろいろな女の人の名前が記されてあって それがみんな実在の妹のお友達のお名前でございましたので
私も父もこんなにどっさり男の人と文通しているなど夢にも気づかなかったのでございます きっとその mtという人は用心深く妹からお友達の名前をたくさん聞いておいて次々とその数ある
名前を用いて手紙をよこしていたのでございましょう 私はそれに決めてしまって若い人たちの大胆さに密かに舌を巻き
あの厳格な父に知れたらどんなことになるだろうと身震いするほど恐ろしく けれども一通ずつ日付に従って読んでいくにつれて私までなんだか楽しく
ウキウキしてきて時々はあまりの他愛なさに一人でクスクス笑ってしまっておしまいには 自分自身にさえ広い大きな世界が開けてくるような気がいたしました
私もまだその頃は20になったばかりで若い女としての口には言えぬ苦しみもいろいろ あったのでございます
30通余りのその手紙をまるで谷川が流れ走るような感じでぐんぐん読んでいって去年の 秋の最後の一通の手紙を読みかけて思わず立ち上がってしまいました
雷電に打たれた時の気持ちってあんなものかもしれません のけぞるほどにぎょっといたしました妹たちの恋愛は心だけのものではなかったのです
もっと醜く進んでいたのでございます私は手紙を焼きました 一通残らず焼きました
mt はその城下町に住む貧しい家人の様子で卑怯なことには妹の病気を知るとともに 妹を捨てもうお互い忘れてしまいましょうなど
残酷なこと平気でその手紙にも書いてありそれっきり 一通の手紙も起こさないらしい具合でございましたからこれは私さえ黙って一生人に語ら
なければ妹は綺麗な少女のままで死んでいける 誰もご存じないのだと苦しさを胸一つに収めてけれどもその事実を知ってしまってからは
なおのこと妹がかわいそうでいろいろ機械な空想も浮かんで私自身 胸がうずくような甘酸っぱい
それは嫌な切ない思いであのような苦しみは年頃の女の人でなければわからない 行き地獄でございます
まるで私が自身でそんな浮き目にあったかのように私は一人苦しんでおりました あの頃は私自身も本当に少しおかしかったのでございます
偽の手紙と口笛の真実
姉さん読んでご覧なさい何のことやら私にはちっともわからない 私は妹の不正直を真から憎く思いました
読んでいいの そう小声で尋ねて妹から手紙を受けてる私の指先は
盗惑するほど震えていました開いて読むまでもなく私はその手紙の文句を知っております けれども私は何食わぬ顔してそれを読まなければいけません
手紙にはこう書かれてあるのです私は手紙をろくろく見ずに声立てて読みました 今日はあなたにお詫びを申し上げます僕が今日まで我慢してあなたにお手紙差し上げなかった
わけはすべて僕の自身の無さからであります 僕は貧しく無能でありますあなた一人をどうしてあげることもできないのです
ただ言葉でその言葉にはみじんも嘘がないのでありますがただ言葉であなたへの愛の 証明をするより他には何一つできぬ僕自身の無力が嫌になったのです
あなたを1日もいや夢にさえ忘れたことはないのです けれども僕はあなたをどうしてあげることもできない
それが辛さに僕はあなたとお別れしようと思ったのです あなたの不幸が大きくなればなるほどそうして僕の愛情が深くなればなるほど僕は
あなたに近づきにくくなるのですお分かりでしょうか 僕は決してごまかしを言っているのではありません
僕はそれを僕自身の正義の責任感からと返していました けれどもそれは僕の間違い僕ははっきり間違っておりました
お詫びを申し上げます 僕はあなたに対して完璧の人間になろうとが役を張っていただけのことだったのです
僕たち寂しく無力なのだから他に何にもできないのだからせめて言葉だけでも誠実 込めてお送りするのがまことの現状の美しい生き方であると僕は今では信じています
常に自身にできる限りの範囲でそれを成し遂げるように努力すべきだと思います どんなに小さいことでも良い
タンポポの花一輪の贈り物でも決して恥ずに差し出すのが最も勇気ある男らしい 態度であると信じます
僕はもう逃げません僕はあなたを愛しています 毎日毎日歌を作ってお送りしますそれから毎日毎日
あなたのお庭の塀の外で口笛吹いてお聞かせしましょう 明日の晩の6時には早速口笛軍艦マーチ吹いてあげます
僕の口笛はうまいですよ 今のところそれだけが僕の力でわけなくできる方式です
お笑いになってはいけませんいやお笑いになってください 元気でいてください神様はきっとどこかで見ています
僕はそれを信じていますあなたも僕も共に神の長寿です きっと美しい結婚できます
まちまちて今年咲きケリーモモの花 白と聞きつつ花は紅になり
僕は勉強していますすべてはうまくいっていますではまた明日 mt 姉さん私知っているのよ
妹の告白と姉の涙
妹は澄んだ声でそうつぶやき ありがとう姉さんこれ姉さんが書いたのね
私はあまりの恥ずかしさにその手紙知事に引き裂いて自分の髪をクシャクシャ 引きむしってしまいたく思いました
いてもたってもらえるとはあんな思いをさせて言うのでしょう 私が書いたのだ
妹の苦しみを見兼ねて私がこれから毎日 mt の筆跡を真似て妹の死ぬる日まで手紙を書き 下手な若を苦心して作りそれから晩の6時にはこっそり兵の外へ出て口笛吹こうと思って
いたのです恥ずかしかった 下手な歌みたいなものまで書いて恥ずかしいございました
身もよも荒の思いで私はすぐには返事もできませんでした 姉さん心配なさらなくてもいいのよ
妹は不思議にも落ち着いて崇高なくらいに美しく美少していました 姉さんあの緑のリボンで結んであった手紙を見たのでしょう
あれは嘘 私あんまり寂しいからおととしの秋から一人であんな手紙書いて私に当てて
投函していたの 姉さん馬鹿にしないでね青春というものは随分大事なものなのよ
私病気になってからそれがはっきりわかってきたの 一人で自分宛の手紙なんか書いてるなんて汚い
浅ましいバカだ 私は本当に男の方と大胆に遊べばよかった
私のカードをしっかり抱いてもらいたかった 姉さん私は今まで一度も恋人どころか
よその男の方と話してみたこともなかった 姉さんだってそうなのね姉さん私たち間違っていた
お利口すぎた 死ぬなんて嫌だ
私の手が指先が髪がかわいそう死ぬなんて嫌だ 嫌だ
私は悲しいやら怖いやら嬉しいやら恥ずかしいやら 胸がいっぱいいないわからなくなってしまいまして
妹の痩せた頬に私の頬をぴったり押し付け ただもう涙が出てきてそっと妹を抱いてあげました
その時ああ聞こえるのです 低くかすかにでも確かに軍艦マーチの口笛でございます
妹の死と姉の思い
妹も耳を澄ましました あー時計を見ると6時なのです
私たち言い知れぬ恐怖に強く強く抱き合ったまま 身じろぎもせずそのお庭の葉桜の奥から聞こえてくる
不思議なマーチに耳を澄ましておりました 神様はいるきっといる私はそれを信じました
妹はそれから3日目に死にました 医者は首をかしげておりました
あまりに静かに早く息を引き取ったからでございましょう けれども私はその時驚かなかった
何もかも神様のお示しと信じていました 今は歳とってもろもろの仏翼が出てきてお恥ずかしい
信仰とやらも少し薄らいで参ったのでございましょうか あの口笛もひょっとしたら父の仕業ではなかったろうかと
なんだかそんな疑いを持つこともございます 学校のお勤めからお帰りになって隣のお部屋で私たちの話を立ち聞きして
不憫に思い原告の父としては一世一代の狂言したのではなかろうかと思うことも ございますが
まさかそんなこともないでしょうね 父が在世中なれば問いただすこともできるのですが
父が亡くなってもうかれこれ15年になりますものね いややっぱり神様のお恵みでございましょう
私はそう信じて安心しておりたいのでございますけれども どうも歳とってくると仏翼が起こり信仰も薄らいで参っていけないと存じます
朗読の終わりと感想
1988年発行 筑波書房筑波文庫
太宰治全集2 より独了読み終わりです
いい読み味ですね マテギって何だろうねぇ
マテギってオペラですか なんかありましたよねちょっと調べてこよう
調べてきました夜の女王のアリアとかあるやつだな あの
か限られた人しか歌えないという超高音の
ですね ああこんな感じですね
それを担当られたんでしょうねおしゃれですね 女性子を主人公したお話しかけるよね太宰君は乙女の回路が心にあったような気がする
よし終わりにしますか 今日は少し短めでしたね
はい 無事に寝落ちできた方も最後までお付き合いいただけた方も大変にお疲れ様でしたといったところで
今日のところはこの辺でまた次回お会いしましょう おやすみなさい
17:19

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