クラスの状況と取り組みの開始
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は205回、バスの座席を主体的に話し合いで決めたクラスの生徒たちというタイトルでお届けしたいと思います。
私は今、中学校3年生の担任をしています。うちの学校は男子高中高一貫校なので、当然のことながら男子生徒ばかり。
私は女性の教員として、担任として、まあいろんな意味で大変なわけですけれども、やっぱり男の子の操縦というのが大変っちゃ大変なんだけど、今まで男子生徒といろいろ関わってきたり、
私も男の子を育てたり、様々な男子と関わってきて、やっぱり新米の女性の先生とか若手の女性の先生よりかは男性の男の子の扱いには慣れているとはいえ、男の子ばっかりなので操縦に困ることもたくさんあります。
例えば、中学校1年生の時、本当に未熟ちゃんで、常に自分のことばっかり考えていて、自己中心的で、自分が言いたいばっかりで相手のことを考える余裕がないわけなんですね。
自分が言っていることが相手に伝わらないのでイライラしたり、相手が言っていることがわからなくてイライラしたり、自分と違う人に対して非常にディスるというか、もう違うということに対してものすごいディスったりと、極めて自己中心的。
そして男の子なのでとても元気で攻撃的になっちゃったりして、いろんな諍いが絶えないわけですよね。まだまだ理性的ではなくて、どっちかというと本能的な生き物なので、女性イコール弱いイコール強気に出てもいいということで、結構女性ということだけでディスったりなんかもするわけですね。
けれど大きな声でバーッと注意なんかしたりすると、本能的なものに近いものがあるので、怖いと下がるっていうね。本当に動物に近いような中学校1年生なんですけれども、次第次第にちょっとずつ成長してきて、中学校2年生になりますと、だんだんと少しずつ自精神が出てくるんだけれども、
だんだん力が強くなってくるから、力と力の関係がそこで生まれて、男の子同士でいさかいが起きたり、表の方では見えないけど裏の方でいろんなことがあったんじゃないかと思うし、口も脱車になってきて、相手に対して非常に心のない言葉とか乱暴な言葉を投げたり、私の見えないところで数々の男同士の戦いがあったに違いありません。
それは私は見えてないんでよくわかんないんだけど、男と男の戦い、目に見えない戦いっていうのが裏側であったんじゃないかなと思うんですね。
そんな状況の中で少しずつ少しずつ中学校2年生の11月ぐらいから変化が出始めて、ちょっと理性、自精神、そういったものがね、だんだんと出てくるようになってきて、ちょっとずつちょっとずつ自分自身をコントロールして、相手のことを考えるようになってっていうような段階を踏んでいるのが、中学生でまさに、
もう疾風怒涛の時代、荒れ狂う時代、極めて思春期の危うい時代っていうのが中学生なんだなっていうふうなことがよくわかってきました。
そして中学校3年生の担任ということで、私のクラスは元気な男の子たちばかりなんですけれども、本当に落ち着きのある男の子も何人かいまして、成長が人によって全然違う、ばらつきが多い、そういうふうなことを感じる中学校3年生のスタートです。
その中で、遠足が控えているわけなんですけれども、遠足をバスで移動するわけですね。そのバスの座席を決めるっていうそういう取り組みがホームルームでありまして、バスの席は今まで出席番号順で決めてたような気がするんだけど、もうそろそろいいだろうということで、バスの座席を皆さんで話し合って決めましょうということにしました。
話し合いの過程
バスの座席を決めるときに条件を出して、誰か嫌な人がいたり、揉め事が起きたりなんかしたら、もう出席番号順にするよっていう条件。そしてみんなで主体的になって決めよう。誰かが勝手に決めるんじゃなくて、みんなでどんどん意見を出し合いながら決めていこうというこの2つのお願いをして、私はずっと後ろで見ておくということにしました。
とりあえず誰が司会をするかということになったんですけど、その司会者はやっぱり院長さん、学級院長さんにお願いしようということで、1、2、3学期の学級院長さんにお願いしますということで、前に3人出てきて、3人で適当に決めながら、司会する人、初期する人なんかをね、決めながらやっていきましたけれど、先生副院長も1学期の副院長なんだけど、僕出ていいですか、どうぞどうぞということで、
副院長さんも前に出てきて始まりました。やっぱり男の子なんでね、仕切るとかいうのが好きな方が多いなと思いましたね。これ女の子がいると、女の子も結構リーダー性のある女の子が出てくると、男の子が引いちゃうっていうところもあるのかなと思って、男同士だとやっぱりせるんで、リーダーになりたいっていう子がそういうのを剥き出しにして、バーンと前に出るシーンが多いなというふうに思いました。
ということで、マウント通りする子が1人バーッと手を挙げて前に出て、結構上手にやってましたね、その子もね。
例えば最初にどうやって決めたらいいか意見のある人って言ったら、賢い子なんかが、まず3人組になりたい人と2人組になりたい人と別れて、3人組になりたい人はその3人が席に取れるところに決めていこうとかね。
1回じゃんけんで負けたら、もう1回じゃんけんしようとかね。
なんかいろいろ意見出してました。
みんながね、ちゃんとそれがいい、それがいいとか、それじゃなくてこうしたほうがいいとか、すごい意見出しちゃうんですよ。
で、結局のところじゃんけんをしながら、本当に誰も文句が出ないように、じゃんけん勝った人から自分が気に入った席にどんどんどんどん名前を書いていきまして、できるだけみんなが気持ちよく席に座って移動できるように自分たちで意見出し合いながらやってました。
だいたい20分ぐらいで決まりましたかね。
で、決まったらみんな拍手で決まりましたということで終わりまして、見事に自主的主体的に話し合いができたんじゃないかなと思って、そういうところは成長したかなと思います。
これ同じこと中学1年生でやらせたら、わわわわわわ意見ばっかり言ってまとめる人がいなかったと思いますね。
それぐらい中学生って本当に成長するんだなと思いました。
振り返りと成長
その後はですね、これ道徳の時間の仲間作りっていう設定でやったわけですけど、見事に仲間作りをするために何が必要かっていうのを考えてもらいながらの席替えが終わり、余った時間ではレクリエーションをしました。
みんな大好きフルーツバスケット。
フルーツバスケットをやったんだけど隣近所の教室に迷惑がかからないようにあらかじめこういう理由でレクリエーションするのでちょっとうるさいと思うんですけどお願いしますというふうに教科担の先生にちゃんと言っておきましたら、もう本当によくわかってるんですよ教科担の先生も仲間作りっていうのがすごく大事だということが。
もうおまけにもうその学校長い先生なんかはそうやって楽しく元気にやるっていうのは男の子の成長にもいいっていうことよくわかってらっしゃるのでどうぞどうぞ存分にやってくださいとか本当に気持ちよくさせていただきました。
でも怪我しちゃいけないんでちゃんと手を使わないとか大声を出さないとかルールを決めてやりました。
でもみんな本当に楽しくフルーツバスケットを楽しみまして5分前に終わって道徳の時間なんで仲間作りについての振り返りをロイロノートを使ってカードに書いてもらいました。
本当にシーンとしながら集中して5分間で振り返りを書いていました。
やっぱりフルーツバスケットすごく楽しかったと。
いつも見られない友達の違った面を見ることができて本当に楽しかったしみんなと仲良くなれて距離が近くなったっていうようなそういう振り返りがたくさんたくさん出てきました。
私はまたこれが面白かったのでロイロノートに書かせたものをpdfに取り込んでそれをスノーっていう作曲するaiに飲み込ませましてこれコツがあるんですけどまずpdfを200字でまとめてくださいっていう風にノートブックに取り込んで200字でまとめてもらってその200字をスノーっていうアプリに読み込ませて歌詞を作ってもらうんですね。
歌詞と音楽ね。それをこのクラスの道徳の時間のテーマソングっていうことで帰りの会でお披露目をしてみんなでお笑いをして終了ということでした。
こんな風にして仲間作りクラス作りをやってきたんだけれど中学校3年生がどうやって高校生になっていくのか。
私は長い間ずっと高等学校の教員をしていましたけれど本当に本当にね苦労して苦労して本当に難しい時代を丁寧に丁寧に育ててきた中学校の先生方の本当に血と汗と涙の滲むような努力をいただきますと言って受け取っていた高校1年生2年生3年生高校の教員だったあの時代。
中学生が本当に苦労しながら育っていくっていうことを今私は自分自身で体験しているところですね。
ということでこのやんちゃ坊主君たちが1年後どういう風になるのか今から楽しみです。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。