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2024-08-25 16:13

013 自由進度学習の実践発表を聞いての雑感

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8月24日地元の女子大学で実践発表交流会がありました。中学校の先生2名が発表されました。しかも、新採1年目、2年目の先生。実践がとても立派で驚きました。今回はその報告です。

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
このチャンネルでは、中学校・高等学校の国語教育、
働く女性の問題、デジタル教育について配信しています。
夏休みも終わりまして、明日から私は本格的出勤となります。
今、ゆっくりとコーヒーを飲みながら、
昨日あった地元の実践発表交流会の資料をいろいろと眺めておりました。
やっぱりこれは配信しないといけないだろうと思って、これから配信するんですけれど、
自由進度学習というのが大きなテーマになりますので、興味のある方、どうぞお聞きください。
地元の女子大学は、ずっといろんな局所でお世話になっていた田中博之先生という方が、
去年で退官されまして、新しく大瀧先生という方が赴任されました。
この人、皆さんご存知じゃないかと思うんですけど、大瀧和則先生とお呼びすると思うんですが、
学習指導要領に関わった文部科学省でずっとお勤めだった先生で、地元の女子大学に勤務されたということで、
早速、私も名刺を渡してご挨拶をしてきました。
これからいろいろ教えてもらえるなと思って、とても楽しみにしています。
そんな女子大学での実践発表は、中学校にお勤めの2年目と新任のお二人の先生が発表されました。
それぞれ紹介しますね。
まず、2023年卒の新任の先生なんですけれど、この先生は本当に指導教官の先生が、ものすごい分厚いマニュアルをきちっと整えておられて、
それを見ながら日々取り組むようにということで、すごく手厚いケアがされておりまして、びっくりしました。
非常に優秀な指導教官の先生がついておられるなと思いましたね。
そのマニュアルは詳しくは見ていないんですけど、発表の様子からしてすごく具体的な、私たちが体験して学んだことが言語化されているような細かなマニュアルで、
それを見ながらこの先生は頑張っておられるようです。
その先生の教えで気をつけていることは、まず教室での話す機構を大事にしようということでした。
これは私もすごく賛成して、今でも生徒にいつも言うんですけど、まず人間関係の基本は聞くということで、
まず相手のことをよく聞くということが大事なんだよっていつも言ってるんですけれど、
まさしくこの先生もそういうのを大切にされているなと思って、ちょっと私の心も温かくなりました。
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それからノート指導について、かなりフレームのようなものがありまして、
それでその先生も指導教官の先生のモデルのようなもので一応授業されているということでした。
そのノート指導のモデルも非常に優れていて、やっぱり勉強を積まれた指導教官なんだなということがよく分かりました。
あとはICTについて積極的に取り組んでいて、いろんな種類の取り組みをどんどんチャレンジされていて、
本当に優秀な審査員ながら見事だなと思いましたね。
あとは生徒を褒めることと叱ることのバランスが難しいとおっしゃっていたんですけど、やっぱり上手に褒めたりされているようでした。
上手に生徒のちょっとしたことを評価してあげて、それを次の生徒自身の行動につなげていくような声掛けができていて、
今試行錯誤段階とおっしゃってたけど、1年目でこれっていうのはすごいなと思いましたね。私なんか何もされませんでした。
指導教官の先生もつかなかったし、その代わり自由でのびのびしてたなと思うんですけど、
今にして思えば何にも泳げない子供を川にドボーンと入れて、「おい、泳いで!」っていう感じのそういう震災時代だったんで、
もうもがくもがくもがくで、失敗の連続で、こんな指導教官の先生について学ぶことができて幸せだなって、私自身は昔を振り返って羨ましくなりました。
それから次に発表されたのは2002年卒の2年目の先生で、この先生は少年の日の思い出を自由進路学習で取り組んだ実践でしたね。
この自由進路学習っていうのを詳しく詳しく目の当たりにしてびっくりしました。
ちょっと簡単に説明すると、まず少年の日の思い出について手順を詳しく書いた手引きを渡すんですけれど、
それには基本的な6つの課題が書いてありました。
あと自由に自分で設定する課題が2つか3つぐらいありまして、
生徒はその柱の課題に従って自分で調べたり、それから分析したりしたことをどんどんどんどんレポートしていく、自由記述していくっていうものです。
学習コーナーっていうのが設けられていて、各課題各課題でヒントとなるようなシートとか、それからカードとかいろんな情報が置かれていて、
生徒は自由にそのコーナーに行っていろいろと分析したり考えたり、
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友達とペアもしくは数人で意見を述べ合ったりっていうふうにできるコーナーがあったようです。
もちろん1人でもペアでもグループでもその辺も自由にやっていいそうです。
あと本読みが苦手な子には音声データもGoogleワークスペースで配信されていました。
あと支援の必要な生徒についてはどうも図式化がしにくいっていう子には、
ユニットになった単語がそれぞれバーッと並んで矢印とかも並んでいるようなパズルのようなセットが用意されていて、
それを並べ替えることによって図式化が完成するっていうような、そういうもう本当に感心するような細やかな配慮がしてありまして、びっくりしましたね。
そういった自由心の学習でそれぞれがそれぞれのペースで決められた8時間ぐらいでしたかね。
その間に課題をやりましょうっていうことで始まるわけで、先生は期間重視しながら指導されるということでしたけど、
主に配慮の必要な生徒によく時間を割いて指導されていたというお話でした。
メリット、デメリットあったそうなんですけど、生徒は非常に生き生きと取り組んでいたそうです。
自分に合ったものを自分で設定してやるっていうところもあるわけですから、非常に自由で選択肢もあってのびのびして、
おまけに教え合わないとなかなかできないところもあるので、共同的な学びにもなっていたそうです。
反面評価が難しい、あるいは理解が果たして定着しているのかという疑問もあったそうです。
その先生はまだ2年目なのであんまり大きな声ではおっしゃってなかったんですけど、
かなり時間を割いて教材研究したり準備したりということで、当然のことながら夜遅く残っていたりということで、
教員の負担が重いんじゃないかなというような面も見え隠れしました。
ということで、だいたいそういったお話がなされた後でフロアの方からいろんな質問が飛びまして、
やっぱり主には自由振動学習への質問が多かったですね。
評価はどうするんですかとか、なかなか取り組むのが難しい生徒はいないのかとか、生徒が遊ばないのか、
そんな質問が結構ありまして、それに丁寧に答えていらっしゃいましたけど、
評価は難しいっていうふうにおっしゃってました。
あとはノートかワークシートかっていう問題もフロアの中から何個か出ました。
ノートの良さとそれからワークシートの良さ、それぞれあるんですけれど、
私としてはやっぱりノートっていうのはある程度編集能力を高めてくれるので、
とても力を伸ばすものだと思うんですけれど、
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そこまでの力のない子にとっては何をしていいのかわからないっていうふうなところもあるので、
ワークシートとノートをいかに併用してうまくミックスして使うかっていうのが課題だなと思いました。
そんなこんなで実践交流会はざっくりとまとめてそういう形だったんですけれど、
それらを経て私が思った自由振動学習とか審査員の先生の働き方についての疑問です。
まず審査員の先生は本当にね、もう多忙ですね。
当たり前ですよね、もう赴任してすぐなんだから、いつも授業の準備ギリギリで、
授業規律を整えることもよくわからないままやっているようだし、
それから授業の段階的指導っていうのも相方の先生も審査員らしくて、なかなか思うようにならないし、
それから学級経営も自分の軸っていうものがないので本当にグラグラして、
ご自身が褒めるのが苦手だからどうしたらいいんだろうとか本当にお困りでした。
やっぱり審査員っていうこともあって指導教官もつくんで、
そういう指導教官の打ち合わせの時間も取られるし、生徒との関わりもいろいろあるし、
やっぱりびっくりしたのは文章の仕事っていうのがよくわからないと、
何していいのかわからないっておっしゃってました。
つまりわからないことがわからない状態だっていうふうにおっしゃってて、
私もそうだったかもしれないけど、最近は本当に業務肩で余計に審査員の先生しんどいんじゃないかなと思いましたね。
一番印象的だったのは、明日が不安で夢の中でも授業しているっておっしゃってて、
いやーそりゃそうだろうな、私も夢の中で授業したことは何回もあるし、
今でも夢の中で授業しているようなそういう気分になることありますので、
やっぱり審査員の先生になってからのものすごい負担っていうのをひしひしと感じました。
その次に感じたのは、この若い人のチャレンジ精神とエネルギーですね。
本当に若くて情熱にあふれていて、ちょっと言葉古いんですけどピチピチですよ。
もうあのエネルギーは羨ましいですね。
その分、やっぱり指導教官の先生がしっかりついて、お二方ともしっかりついてバックアップされてるんで、
困った時にその先生の教えとか言葉掛けとか非常に救われている様子でした。
先ほども言った通り、この手厚い育成システムが私の時代にあったらどれほど私は救われただろうと思って、
本当にね、指導教官とかそんなになかった。
はい、やってみなさいで、失敗の連続だったんで、
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もう全然失敗が恐ろしくないっていうぐらいになってしまったから、それはそれで良かったかなと思いますね。
ということで、若い人のチャレンジ精神と手厚い育成システムが羨ましいなと思いましたね。
そして、第3番目、自由進路学習についての疑問です。
もう本当にこの若い先生がものすごくエネルギーを投じてですね、
もう緻密に丁寧にいろんな種類の生徒の力量に合わせた教材を用意されるわけですよ。
だから手間は4倍も5倍もかかってます。
それから、これ一人でやってるわけで、一人で35人ですか、
それを見るっていうのもすごい精神的にも肉体的にも疲労するだろうなと思って、
本当に自由進路学習の教員への負担っていうのがものすごく過重だなと思いました。
ちょっと調べたんですけど、自由進路学習はイエナプランとかから来ているようで、
アメリカとかが発祥、北欧でも採用されているプランですね。
ここでの教育システムは、だいたい一クラスのサイズが20人から25人、23人ぐらいらしいんです、平均がね。
そのサイズで、しかも教員がTTでつく、複数でつくっていうことですから、
これを日本で35人学級ですか、そして教員一人でやるっていうのは、ほぼ構造的に無理なんじゃないかと思いますね。
だから教員の負担が、アメリカとか北欧と比べたら3から4倍。
しかもこの先生は教員がなかなか補充できないで、今20時間でやってるっておっしゃってたんで、
もう計り知れない負担がかかっていると思います。
だから自由進路学習、いいのはわかるんですけれど、まず教員の待遇とか、
そういった組織的な構造的な仕組みをきちっと整えてから導入してほしいなと思います。
やっぱり10人とか20人とかで自由進路学習をやるんだったら、多分効果的だったり、
それから生徒もその学習に対しての意欲とか、それから成長があるとは思うんだけれど、
ちょっとなんかこの今の現状のシステムで取り入れるのはかなり無理があるんじゃないかなと思いました。
最後に4番目ですけど、やっぱりこれは若い人は、特に自治体が労力をかけて育成しようとしているので、
若い人の学びっていうのが、もう私たちの頃とは違って、若い人こそこれからの権威役になるんじゃないかなっていう印象を受けました。
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だから若い人から私たちはどんどん学んでいかないといけないと思います。
そしてこれはもうベテランうかうかしていられないなっていうふうに思いますね。
若い人もね、やっぱり経験が少ないからベテランが助けてあげないといけないと思うんだけれど、
こんだけ時代が早く変わってたら、新しいものを吸収しようとする姿勢っていうのがとても大事になってくると思うんですね。
若い人はどんどんチャレンジするんで、若い人がやってることをちょっと見習っていく。
我々ベテランもどんどんどんどんバージョンアップしていくっていうことをこれからちょっと気をつけてやっていこうと思います。
っていうか私はもういつも何かやってるような気もするんですけど、ますます若い人からエネルギーをもらったなという感想でした。
ということで今日15分ぐらいですね。
それじゃあ皆さんこれからもね、2学期始まりますけど、皆さん一生懸命これからも頑張れると思うんで、お互い励まし合って頑張って2学期を乗り越えていきましょう。
それでは今日はこの辺でまたお会いしましょう。
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コメント

特にIT分野は情報の変化が早く、「勉強しよう」と思ったときにしか勉強できないと辛いのではないかなと思います。 なんとなくほかの人の事例を見て「あ、今こういうことができるようになったんだ」とか街角の製品デモやテレビCM、Webメディアの紹介記事などを見て「あ、今こういう技術があるんだ」とか「じゃあこれこういうふうに使えるんじゃないかな」とか学びの種をおのずとあちこちから拾ってこれるような姿勢も必要になるのではないかなと考えています。

黒瀬直美

若い人ほど柔軟ですから吸収もはやいですねー ベテラン組は過去の蓄積に安住していることが多いです(笑)

意外と若いから柔軟というわけではなくて、今まである先入観を解きほぐすことができる人はやっぱり年取ってても柔軟なのかな と思います。 自分の知人には87でプログラミングやってらっしゃる方もいますしね。今はChatGPTを使ったりいろんなテクニックを駆使してiPhoneのアプリ作ったりしてます。 そういう人に負けちゃダメだぞー と、ときどき言ってます。

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