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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道~黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
新規採用の先生へのアドバイス
今日は、198 回、生徒に舐められないようにするには、新規採用の先生の質問に答えるというタイトルでお届けしたいと思います。
前回の配信の続きですね。新規採用の先生の質問に答えるシリーズとなります。
今回、新規採用の先生がいろんな質問をしてくるんだけれども、私は舐められやすいタイプだと。
生徒に舐められないようにするにはどうしたらいいですかというような質問だったんですけど、本当にこれね、全く予想してないような質問でびっくりですね。
やっぱり、新人の先生の不安とか、教団に立つ上での何かしらの心構えというもの、それをどうにか持って、自信を持って教団に立ちたいというようなことがよく伝わります。
本当に長年教員をやってきて、生徒に舐められるということについては、あんまりそこまで深く考えたことがなかった質問なのでびっくりしました。
というのも、私は165センチくらいあって、背が高いだけではなくて、結構体格も骨太でいい体格なんで、体がちょっと大きいっていう女性にしては、
それから声も大きいし、圧が強いし、舐められるっていう以前に、自分のそういうキャラクターが推しが強すぎて、
舐められるとか舐められないとか、そういう問題をあまり考えないで生きてきた、そういう厚かましい人間なので、本当にそういうことを考えなかったんですけれど、
舐められるとか舐められないとか問題じゃない。とにかく行くしかないんだっていう感じでやってきたので、ちょっと振り返って考えてみたいと思います。
まず、生徒は幼いので、特に中学生だったら思春期だし、未熟だし、相手がちょっと弱みを見せたり、相手がちょっと論理的に整合性がないことを言うと、そこをついてくるのは、
これは思春期の彼らの未熟さゆえなんで、しょうがないんです。息をするように文句を言う。これは中学生なんで、それが舐められているのかっていうとそうじゃないですね。
まさに反射的に言っているわけで、深く考えていなくて言っているわけなので、そういうことをよく踏まえて、自分が舐められているわけではなくて、
彼らのいわゆる条件反射的な反応なんだと思って、そこはあまり深く考えなくていいと思います。
彼らが言ってきたら、それが社会人として通るのか通らないのか、ふさわしいのかふさわしくないのかということをちゃんとジャッジして、その都度感情的にならずに言ってあげればいいと思うんですよ。
例えば先生ここが間違っているみたいな感じで言ってきたら、ありがとう間違いを指摘してくれて、助かったよって似合ってしながら言えばいいし、
とにかくそういうふうに至らないところを突いてくるわけですから、それにいちいちはまかんじゃなくて、半身になって顔しながら似合ってしながらありがとうねとか言ったりしていれば、
衝突を下げてスルーして、本質的なところにいち早く戻るっていうね、そういうふうに言ったらいいし、だいたいいけないところをきちんと指摘してくれるっていうのはやっぱりありがたいわけですよ。
こっちは忙しいし、そそっかしいし、細かいことを気にせずにやっちゃうタイプなんで、いちいち神経すり減らしながら教材作ることもできないわけですから、それを彼らが言ってくれるのはありがたい。
私なんだったら、できるね君は、本当私のアシスタントとして雇いたいわとかいう感じで褒めたりなんかしまして、いちいち上げ足取ってくる生徒に上手に対応できるような技術を次第に身につけていけばいい。そこらへんはいいと思うんですよね。
問題は先生のそういう存在自体と言いますかね、先生自体を非常に軽々しく見るっていうそういうふうな時にどうするかっていうことが大事だと思うんですよね。
女性の場合は体格も小さくて声も小さくて押し通すっていうことが難しかったり、女性っていう存在だけで軽んじてみられたりするという本当に厳しい立場だと思うんですけれども、
私が過去いろいろな女性に出会ってきた中で、やっぱり体の大きさとか押しの強さとかそんなに関係なくて、生徒にそういうふうな人間になってもらいたいんだとか、教育者として私はこういう気持ちでやってるんだっていう何らかの教育に理念みたいなものがきちんと芯として通っている人。
そして生徒を大切にするっていう視点で指導できる人っていうのは、なんやかんや言いながら舐められてないですね。生徒もそれはわかる。
過去にすっごいいたずらっ子がいたんですけれど、男の先生の言うこと全然聞かないんだけど、ある可愛らしい女性の先生の言うことだけはよく聞くっていう子がいたんですよ。
その女性の先生はクソやんちゃな男の子っていう、そのやんちゃな男の子をよくかまってたり褒めてたり、それから時には遊んであげたりっていうように面倒見がすごくよかった。
その男の子たぶん女性の愛情に飢えていたっていうか、母親との関係に飢えてたっていうか、愛着不足っていうかね、そういう状態だったんじゃないかなと思うんだけれども、男性の先生に対しては結構反抗的になるタイプのそういう子が、あの可愛らしい小柄な優しい女性の先生の言うことはよく聞いてました。
ああいうのを見ると、やっぱりその女性の先生がいかにそのやんちゃな男の子について、本当に親身になって愛情を持って成長させてやろうというそういう気持ちで接していたかがよくわかります。
それをそのやんちゃくんは受け取って、その先生の言うことを大事に大事にしながら言うことを聞いてたんじゃないかと思うんですよね。
ということで、一見クソ生意気で先生の言うことを聞かなくて、先生に対して舐めてかかるような発言をする生徒も、一対一になってみれば全然そんなことないっていう状況は何度もありました。
経験の重要性
教室の中だから、人に見られているから、先生よりもマウントを取ろうとしてそういうことを言うわけです。
でも彼らもね、先生を傷つけたっていうことに対して傷ついてたりするわけですよね。
なので、そういう生徒の気持ちをよく理解して、半身になってするりとかわし、さらに自分の教育者としての在り方っていうのを常に問うて構築していかなければならないということですね。
若い時は私もそうでしたけど、そんなのあるわけないですから、自分なりには思ってるけど揺るぎのない理念なんかね、なかなか作れないですよね。
いろんな人とぶつかり合いながら吸収していって、だんだん自分の中で浸透して固まっていくものなんで、最初の1、2年っていうのはぐらぐら揺れると思うんだけれども、
生徒に対する自分なりの愛情を持って接しているうちに、だんだんと舐められるっていう状況が少なくなっていくし、
だんだん対処もうまくなっていくし、こればかりは経験を重ねるしかないのではないでしょうか。
ということで、答えになってるかどうかわかんないんだけれども、1対1になって話すと、生徒は本当にそんなことないですからね。
あまりにもひどかったら個別に話をするとかね、担任の先生を通して。
本当にそういう1対1で話す時間を取ると、生徒も自分のことを見ててくれるんだなと思っていると、そういうふうなシーンは減っていくと思います。
それでは新規作業の先生、いろいろお悩み事あるんじゃないかと思うんだけれども、
学校にいるベテランの先生とか、ちょっと年上の話しかけやすい若手の先生とかにジャンジャン話しかけて、
ジャンジャン疑問ぶつけて、アウトプットとインプットを繰り返しながら、自分なりの教育者としてのスタイルを段々と整えていっていただければと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。