やる気を引き出す教員の役割
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は367回、やる気の無い生徒をどうやる気にさせるのか、というタイトルでお届けしたいと思います。
私は最近、初任者の人を指導する機会が多くなりまして、私の目の前の隣には、今年初めて新規採用になった方がいらっしゃって、私はどんなこの学校で立ち位置なんだと思うんだけれども、
新規採用の先生が2人も近くにいるということで、責任は重大なんだけれど、自分もやっぱり忙しいわけですから、十分には新任の先生に対して丁寧な指導はでききれていないわけなんですけれども、
その新任の先生とかにいろんな質問を受けながら、私自身どうしてるかなということを振り返るいい機会になっています。
そんな中で、やっぱり新任の先生が一番困っているのは、生徒をどういうふうにやる気にさせたらいいのか、ということだと思うんですよね。
今日はそのテーマについて、自分自身の教員歴を振り返りながらお話をしていきたいと思います。
まだ私自身が、このやる気の無い生徒たちをどういうふうにやる気にさせていくのかということについて、質疎だったものを持っていなくて、思いつきをただ単に喋る回になるとは思いますけれども、
たぶん新任の先生にとってはとてもいい配信になるのではないかと思いますのでお付き合いください。
まずはっきり言って結論から言うと、やる気のない生徒をどうやって火をつけるのかというと、やる気がなくて授業に乗ってこないというのを生徒のせいにしてはいけないと思うんですよ。
ビジネスの世界のビジネス本とかでも書いてあるんだけど、相手を変えるということよりも自分を変えなさいとよく言われるんだけど、相手にどう操作したり支配したりすることは無理なんで、自分が変わるしかないんですよ。
だからもうこのことは究極、授業者が火をつけるしかないと私は思っていて、どんな実態であっても授業者がそういう工夫を凝らして生徒の心に火をつけるしかないと思っています。
まずどうやって火をつけるのかというと、一つは教材自体が持っている魅力、これを使うという手がありますよね。
例えば、星真一でありますとか、それから羅生門なんて難しいけど生徒は興味関心を持ちます。
そういった教材自体を持っている魅力、これを借りるということで、難しい生徒実態の場合、教材をどういうふうに構成していくかというのは一つ大きいなと思います。
だから生徒の興味関心にあった教材を一年間の中でうまく構成することがとても必要になるとこう思いますね。
その次に導入を工夫することですね。導入が成功したらほぼ波に乗ると言っても過言ではないとは思っているんですけども、
例えば漫画やアニメを活用して導入に工夫するとか、それから単元学習の構成にして生徒を引きつけるとか、
ただ単に単調に授業を始めるのではなくて、導入にかなり工夫をして生徒の興味関心主体性を喚起すること、これが大きいと思います。
私、過去にやった平家物語のあつ森の最後、これにはアニメ平家物語のオープニングムービーをYouTubeから借りまして、
それを2本、1分30秒ぐらいのものを2本導入として見せましたところ、やっぱりアニメで吹き替えられている声優さんが超有名人ばっかりだったので、
生徒はその声優さんの声に慣れ親しんでいるものだから、この声優さんがこの役をやったんだということで、かなり興味関心、これをもって授業に臨むことができました。
そういうことでやっぱり導入の工夫というのはとても大事だなと思っています。
それからアイスブレイク的な小技をたくさん随所で使うこと。
例えばゲームモード、ロイロノートのゲームモードとか、それからGafootとか、それから時々心理ゲームみたいなゲームをやってみる、アンケートをやってみる、
それからちょっとしたアプリなんか最近よく使えるのでアプリを作ってみる。
そんな風にアイスブレイク的な小技、生徒を飽きさせないための随所随所の小技、いわゆるおやつ的なものを作るというのはとても大事だなと思っています。
それから授業を単調なものにするのではなくて、飽きさせない工夫をする、新規性を持たせるということも大事だなと思っています。
講義ばっかりの形式じゃなくて、グループワークとかペアワークとか、発表のシーンとか、それから動き回っていろいろとやりとりをする瞬間を作るとか、
そういった授業のスタイル自体をくるくると変えていって、ちょっと動かしてあげる、活動を随所に取り入れるという構成も大事になってくると思います。
生徒との信頼関係構築
そして一番根幹的に大事なのは授業構成ですね。
やっぱり授業のデザイン力でありますとか、それからそれをどう深めていくかという授業の順番、そういったものをしっかり自分自身が鍛えていくというのは大事なんだけど、
こればっかりは一長一短には身につかないので、授業力を鍛えるということは次第次第に経験を経るに従って鍛えられていくものだなと思います。
そういった工夫をしても全然通用しないという生徒実態があるんですよ。
私は自分の経験年数の半分近くは大変厳しい学校でやってきましたので、これからお話しする授業展開力っていうものについては鍛えられたかなと思います。
ここがやっぱり本当に私他の人と違う点ではないかなと自分では思っていて、生徒とのやりとりですね。
ボケたり突っ込んだり、すかさず生徒のちょっとした隙をつかまえて、それをやり込めつつ笑いにしてあげたりっていうね。
そういうやりとり、そして微妙な間を作る。そして私自身が演技者になって表情を作る。
それから身振り手振りで生徒を引き込むっていうような、ほとんどお笑い芸人とまで修練を積んだわけではありませんが、
ちょっとエンターテイメント性っていうのはやっぱりこのやる気のない生徒をどうやってやる気にさせるかっていう点においてはかなり重要なキーポイントなんじゃないかなと思います。
私先日修学旅行で吉本新喜劇を見てきましたけれど、あれぐらいのパフォーマンスが出せれば間違いなく生徒は引きつけられると思うんだけども、
あれぐらいのパフォーマンスを出せればそれはお笑い芸人になった方がいいよなと思うんですね。
私たちはお笑い芸人ではありませんので、お笑い芸人になる必要はないけれども、
そういったお笑い芸人にちょっと匹敵とまではいかないけど、お笑い芸人的なエンターテイメント性っていうのがあるとかなり強いなって思います。
私は修学旅行で吉本新喜劇を見た後の授業は、もうあれに感化されてまたちょっと変わっちゃったんで、
これから時々吉本新喜劇を見て、ちょっとそういうイメトレをしたらいいんじゃないかなと思うんですよね。
ボケたり突っ込んだり変なこと言ったりね、飛躍があったり。
ああいう絶妙なお笑い的な間っていうのはあった方が強いと思いますね。
それからこれは長い時間かかるんじゃないかと思うんだけど、その教室での心理的安全性を作ること。
これは長い時間耕しまくらないといけません。
もともと心理的安全性っていうのが備わっている教室もあるんですね。
だからその心理的安全性をかなり高いレベルで備わっている教室っていうのは本当に楽ですよ。
私もこんなに楽でいいのかなって思うような教室にいて、そこで授業したことあるけど楽だからスッと何でもうまくいくわけ。
だけどそうじゃないところで大半を過ごしてきたから、この心理的安全性を構築するっていうことについては長い時間耕す必要があります。
まさにあれのを開拓するようなそういった根気強さと教育的信念というのがないとあれのを耕し続けることはできませんので、
やっぱり生徒の心理的安全性を作るには生徒との信頼関係を構築するために自分自身が自己開示をしていかないといけないし、
それから生徒をいかに肯定的に見て教育活動をしているかっていうのが問われるので、
もう生徒は見抜くわけですよ。この先生は俺たちをバカにしているとかね。
いやこの先生は俺たちを見てくれている最後まで諦めずにちゃんと付き合ってくれるっていうのを見ているわけだから、
そういった生徒との人間的な理解、これお互い信頼関係を結び合いながら人間的理解を深めていく段階っていうのが非常に求められると思いますね。
そういったことが根底にあっての授業作りということになるので、
やる気のない生徒をどうやってやる気にさせるのかっていう道のりは、
私もまだまだ到達したわけではありませんけれども、
日々修行し、人間というものについての理解を深め、
自分自身を鍛え続けていかない、人格を磨き続けていかなければならない、
自分の問題という、そういうことになるわけなんですよね。
ということで今日はちょっと何か思いつくままにしゃべりましたけれども、
これからもいろんなことがあるとは思うんだけれども、
自分の問題として自分の人間性を問い、自分の人格を磨き続けていく以外、
やる気のない生徒をやる気にさせる道のり、そのベースは作れないということをお話ししました。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。