【概要欄テキスト】
「AIを使えば教材研究が効率化できるはず」——そう思って、NotebookLMやAIの分析機能を使い倒してみた。でも結果は、授業ではほとんど使えなかった。理由はシンプルで、「自分の中を通り過ぎていない」からだった。教材研究と概要把握はまったく別物。精読、手を動かすこと、自分で板書計画を立てること——原点に戻ってわかった、教材研究の本質をお話しします。
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#国語教育 #教材研究 #ポッドキャスト #今日も明日も授業道 #AI活用教育
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サマリー
AIによる教材研究の効率化を目指したものの、授業で活用できるレベルには至らなかった経験から、筆者は「自分の手」を使ったアナログな教材研究の重要性を再認識した。教科書を精読し、自分の言葉でメモを取り、板書計画を立てるプロセスを経て初めて、教材は自身の血肉となり、深い授業へと繋がることを語る。AIは情報収集や概要把握には役立つが、解釈を深めるプロセスは人間自身の作業に不可欠であると結論づけている。
AIによる教材研究の試みとその限界
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は465回、AIより鉛筆が強かった—教材研究に自分の手が必要な理由、というタイトルでお届けしたいと思います。
今日は教材研究にまつわる話をしたいと思います。きっかけは、実家から届いた大学時代にいろんなことを書いたノートと、それからテキスト。
それを開いた瞬間に、ああ、というふうに気づいたので、これが教材研究と大変深いつながりだったので、このことについて配信したいと思います。
国語の授業準備において、教材研究をもっと効率化できないかという課題を、私自身ずっと持っていました。
これは多くの先生方も、どうにかして効率化したいなというふうに思っていると思います。
国語の教材研究ってとっても時間がかかるんですよね。
私も効率化を目指して、生成AIを使って様々な方法を試してみました。
ノートブックALMにデータを読み込ませて、縦横斜めから分析するという感じですかね。
例えば、データテーブル、マインドマップ、クイズ形式での内容整理、インフォグラフィック化、スライド作成。
まあ、ありとあらゆる方法で縦横斜めに分析してみました。
もうこれで教材研究が劇的に楽になるかもしれない。
授業で使うスライドが爆速でできるかもしれないという期待感があったんですけれども、
実際に授業で使えるかというと、ほとんど正直使えなかったですね。
理由はやっぱり、自分の脳の中を通り過ぎていない分析だったからだと思います。
AIが出してくれた分析というのは、確かに綺麗で効率的で論理的に筋道通っているかもしれないんですけど、
自分自身が解釈したものではなかったので、やっぱり自分の血肉になっていない感じがすごくするんですね。
だから文章の概要をざっと掴むことと、授業で使えるレベルまで教材研究するということとは全く別の行為ということを、
このことを通じてまた改めて再認識しました。
アナログな教材研究の再発見
この経験で自分にとっての教材研究の最適解とは何かということを根本的に問い直すことができました。
結論から言うと、アナログな誠読、アナログな手書きというのがやっぱり教材研究の土台として最も機能するということが分かりました。
まずやり方としては、教科書をコピーして鉛筆とマーカーを手元に置いて、それで書いていくというところからスタートなんです。
小学校の国語教育で有名な樋口彩香先生も以前ボイシーで全く同じことをおっしゃっていて、
自分だけじゃないなってとても嬉しかったという経験がありますね。
まずコピーしたその紙を題名から読み始めて最後まで一読した後は、改めて題名に戻って題名読みから分析を始めます。
一つ一つの言葉と向き合いながら、言葉と言葉のつながり、文と文のつながり、文章の構造を丁寧に追っていって気づいたことをずっとメモしていきます。
筆者が書き切れていない部分や、これ飛躍してるんじゃないかなと思った部分を自分で補いながら読んでいくという誠読ですね。いわゆる誠読をやります。
このプロセスを経て初めて自分自身の解釈っていうものが生まれてくるなっていうふうに思っています。
だからAIに任せちゃうと、その任せてアウトプットしたものは他社の解釈を読むっていうことに近くて、
こうやって自分自身が鉛筆を動かしながらやってきたことは自分の解釈を生む行為っていうことだったので、
やっぱり自分の解釈がないと授業のベースができないなっていうふうに思います。
板書計画作成の重要性とデジタルツールの活用
この誠読が終わった後は自分自身で版書計画を立てます。
私がずっと教えられてきた先生方は、版書計画イコール教材分析だっていうふうにおっしゃっていたので、
やっぱり私の中では版書計画を立てるっていうことが2番目のステップとして大事なことになります。
この版書計画は今までは手書きのノートにやってきたり、
グッドノートっていうアプリこれを使ってアップルペンシルで書き加えたりとかして、
様々な方法を経てきていますが、やっぱり手書きにすると修正が効かなくなって時間が無駄なんで、
結局のところ落ち着いた先はパワーポイントでした。
パワーポイントは縦書きが意外とやりやすくて、
可筆訂正も当たり前だけどデジタルだからすごく容易で、
図形とか記号とかが大変豊富に入っているので、図式化にとても向いているなって思いました。
市太郎っていうのを使ってた時期があるんだけども、
市太郎は便利なんだけども、市太郎が入っていないパソコンで開くとデータが見れなかったり、
他の人に渡せなかったりということで、なかなかうまく活用できなかったのでやめちゃいました。
教科書の指導書にも版書計画とか構造図が掲載されていると思うんですけども、
それはやっぱり自分のものにするってことはできなくて、あくまでもヒントに過ぎない。
自分のものにはなりにくかったですね。
やっぱり自分自身が解釈して作った版書計画こそが、
その授業者にとって最もフィットするものになるということは確実に言えると思います。
だけど他の人が作った版書計画っていうのは自分ではなかなか使えませんよね。
だから版書計画っていうのは絶対的な正解じゃなくて、授業者が変われば変わる。
自分の主観が入りまくった解釈でこそ深い授業ができると私は思っています。
「書く」行為による深い理解と身体性
生徒も先生の深い解釈に引っ張られることで触発されて、
自分も深く解釈するっていう、そういう方向に引っ張られていくとそう思っています。
で、ここで大学時代に私が書いたノート、あれを振り返ってみますと、
その中には漢文の演習で扱った式の和音行列伝、
国詩無双と称された漢詩の列伝なんですけれども、
その自分の担当箇所がありました。
びっしりとした書き込みがありまして、改めて実感しましたね。
深く理解するためには書き手の書き込み文字と、
違うな、書き手の書いた文章と自分の書いた文字、自分の思考の後、
これを隣り合わせにしながら読むっていうことが不可欠だということですね。
書き手の書いた文章と自分の考えをぴったりと横に並べて、
自分の思考を書き込みながら文章に沿わせるように読んでいて、
初めて内容が自分のものになると、こんなふうに思いましたね。
これは手で書くっていう身体要性を伴っているほど脳に深く入り込む、
そういうイメージが私の中にあります。
これは多分人によって違うんじゃないかと思うけども、
私は書き手の書いた文章の隣に書き込むことによって、
身体性を伴いながら自分の思考を深めていくタイプです。
これは確実にそうだなっていうふうに改めて思いました。
書くっていう活動は脳の複数の領域を同位置に動員して、
やっぱり関わりを認識したり、さらに自分の解釈を深めたりっていう、
そういう活動だと思うんですね。
デジタルネイティブ世代への問いかけと結論
指先でいろいろと細かな動きをいろいろと脳に送りながら内容を整理して、
また改めて自分の言葉をアウトプットして、
そしてまた自分の中に取り込んでいくという、
そういった過程が情報の定着とか、
思考の深まりっていうものを生んでるんじゃないかなと思いました。
これは私の思っていることで、もしかしたら世代が変わると、
特にデジタルネイティブ世代っていうのは、
この書く身体性っていうものが、
私たちのアナログ世代とは違ってきているんじゃないかと思います。
だからそういった人たちはどうやって教材研究しているのかなっていうのを知りたいなと思っているので、
またこのことについてコメントがある方、ぜひお寄せいただきたいなと思っています。
ということで、私の場合、教材研究は、
AIの出すものは概要把握とか情報収集とか、
情報整理っていうところでは力を発揮するんですけれども、
自ら解釈を深めていくっていう、
そういうプロセスはAIではだいたいできないっていうのが今回の結論です。
精読し、手を動かして版書計画を自分で作るっていう、
こういう一連の流れが授業の土台になる、授業研究の土台になるということが、
今回改めてはっきりとわかりました。
皆さんはどんな教材研究をされているんでしょうか。
アナログ派なのかデジタル派なのか、
はたまたハイブリッド派なのか、
ぜひ教えていただければと思います。
この配信では、皆様からの感想やメッセージを受け付けております。
概要欄のメールフォームから、ぜひお気軽にお願いいたします。
それでは今日の配信はここまでです。
聞いてくださりありがとうございました。
またお目にかかりましょう。
11:10
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