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2025-03-26 10:54

177 昔の自分の実践にダメ出しをしてみた~しんどさを抱える先生へのエール~

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若かりし頃の自分の実践を自分でダメ出ししてみようと思います。

いや~ ほんと、こんなことやってて恥ずかしいw

でも、同じ転ぶなら、前に転べ!ですよね。

全国のしんどさを抱える先生へのエールです。

#国語 #マンガ教材 #エール

 

 

サマリー

このエピソードでは、過去の教育実践を振り返っており、漫画を用いた授業の効果とその限界について話しています。また、忙しい現代の教師たちに対する応援があり、クラスの厳しい状況に対する理解を深めながら、前向きに努力することの重要性が強調されています。

過去の教育実践の振り返り
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、177 回、昔の自分の実践にダメ出しをしてみたというタイトルでお届けします。
年度末、忙しいですね。なんか忙しいんですよね。バタバタしてね。
いったいいつから学校はこんなに春休みが忙しくなってしまったんでしょうか。毎年毎年気づかしくなるなと思います。
なんとなく忙しくてぼやーっとしている状況ですけれど、今回は、振り返り3月ということで、今日も明日も授業道、高等学校国語が女性教員奮闘期という本が私の手元にあるわけですが、
これは月間国語教育で10年間連載したものを、私が自分でまとめたものです。
簡単に印刷所に出して、10年間分の雑誌の原稿を簡単な本に閉じ込んだというだけなんですけれど、
これ150部自費で出版して、もちろん東京法令出版という出版社には許諾をいただいて、150部印刷しまして、今から5、6年前かな。
それでことあるごとに宣伝して売ってきて、140部は売れましたかね。700円作るのにかかったんですけど、送料込みで1000円。
送料のいらない人は、原価の700円で売りました。いろんな人に買っていただいて本当にお世話になりました。
今更ながらこの自分の昔の実践を振り返って、ちょっとダメ出ししてみようと思います。
まず最初に、私が月間国語教育で連載することになった古典教材採点という特集があるんですけれど、
ここでは伊勢物語を教えたよということが報告してありまして、当時私は非常に荒れた学校に勤めておりまして、
生徒を相手に古典を教えるということに日々混乱を覚えている時でした。
そんな私が、自分が漫画を小さい頃から書いて、漫画を書くということが得意だったので、
古典を漫画にして書いて、生徒に配ったら大好評。ぐーっと古典の授業にのめり込んでいったという、そういう体験があります。
そのことを書いたんですね。
これはっきり言って大学の先生に批判させたら、生徒の想像力を教員の解釈で阻害していると、こういうふうになると思います。
私はその頃そういうことなんか全然考えなくて、どうやったら生徒がこの教材に夢中になってくれるだろうかと、
そういうことを考えて、自分の持っているもの全てを出し尽くして、たいあたりでやっていました。
なので、これで一生懸命勉強してくれるようになったから、よかったんじゃないかなと思います。
どんなことをやっても難しかったですからね。そういうところにお勤めの先生はよくわかると思うんですよ。
いろんなことをやってもなかなか夢中になってくれないけれど、なぜか漫画とかアニメとか出すと夢中になってくれる。
こういうふうな実態があったので、私は漫画を書いて、しかも朝早く子育て中にね、
本当に3時、4時ぐらいに起きて、コツコツコツコツ誰もいないリビングで漫画を書いて、
ちょっとでも生徒が授業に定着してくれたらと思いながら書いてたなぁ。涙くましい。
けれど、冷静になってみれば、生徒の想像力を阻害しているということは言えると思います。
その流れで、漫画を書いて出すだけじゃなくて、そのうち生徒の想像力を少しでも働かせてみようということで、
書いた漫画のセリフを入れさせるという授業をしました。
これはやっぱりね、本当に生徒が夢中になって書いて、一生懸命考えて思考力を働かせるようになったと思います。
ただ、やっぱり生徒の想像力を阻害していることには間違いがない。
次に漢詩をやってみたんですけれど、漢詩にセリフを全く入れずに絵だけ書いて、
それで生徒に出して、この漢詩にぴったり合うようなセリフとか説明を書きなさいっていうやつね。
これも良かったですね。
やっぱり漫画を使うけど、それを全て語るんじゃなくて、セリフを言わせるという取り組みは有効でしたね。
その次に調子に乗ってやったのは、三小具を漫画にしたんですけど。
これはやっぱり生徒が夢中になりましたけれど、小説教材を漫画にするというのはやっぱりね、本当に危険性をはらんでいると思います。
もっと文章に粘着して読み取って、自分が想像をしないといけないのを先回りして助けすぎたなっていう反省があります。
というようにいろんなことを語ってきましたけど、漫画を使うんだったら、やっぱり文学的文章っていうのは控えて、
できるだけ論理的文章とか、それから四字熟語、小字成語とか、そういったことに使ったり、漫画のセリフ入れとかね、そういったことに使うのであって、
やっぱり小説教材をゴーンと大々的に漫画にするのはよろしくないなっていうふうに思うようになりました。
今でもココロとかラショーマンとか時々漫画を使うんだけど、挿絵程度にしています。
ということでこうやってね、自分の実践を振り返ってみると、漫画をいっぱい使ってるんだけど、今にして思えば、
もうちょっと控えた方が良かったのかなって思うところもあり、
今はやっぱり自分の力量というか、だんだんそういうふうなのがついてきたので、漫画に頼らなくても、なかなか学びに向かわない生徒に対して、
教師の厳しい現状
いろんな工夫をしながら引きつけて、授業に向かわせることができるようになったかなと思います。
ただ、あの若い頃の私は何でもやらなくちゃダメだった。
そういった自分自身の未熟さと、自分自身の一生懸命さと、なりふり構わずやってるっていう、
そういうひたむきさっていうのが、昔を振り返ると蘇ってきます。
ということで自分の実践にダメ出しをしてみたんですけれど、
これを聞いている皆さんの中には、日々の授業、大変な人がたくさんいると思うんですよ。
まず教団に上がって、生徒の実態が厳しくて、授業に集中するっていうことができていない。
そんな中で自分一人が声を出して、聞いていない生徒を相手に授業している先生もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そういうクラス実態って結構あると思うんだけれど、やっぱり自分のそういう状態とか厳しい状態とか、
そういうのを堂々と言うことって難しいですよね。
特にSNSで自分の勤めている学校の本当の実態をつぶやくということは、
その学校を貶めていることにもなるので、語りにくいと思います。
そういった中、キラキラした実践をSNSで発信している人を見ると、
自分の恵まれていない境遇がものすごく情けなくて悔しくて、涙している人もいるんじゃないかと思います。
でも安心してください。たくさんそういう人はいて、そんな中でくじける人もいれば、
一生懸命頑張る人もいれば、投げやりになる人もいれば、
いろんな人が現状と戦いながら一生懸命授業をやっているなと私は思うんです。
いろんな人が本当に学びに向かっていない生徒をいかに学ばせようかと工夫し続けていることを私は感じています。
私もね、こんな風にキラキラしているように見えるかもしれないけれども、
今でも格闘し続けているし、過去の自分の情けなさともこうやって向き合いながら、
あの時の自分よりはもっともっと上達しようとか、
あの頃の自分よりもこの授業よりもこの実践よりもこれを消し去るような実践がしたいと、
あの頃の自分の情けなさと格闘する日々を送っているような状況です。
ということで今日はしんみりトークになってしまいましたけれど、
私が伝えたいのはやっぱり昔すごくしんどかった。
このしんどさを乗り越えながら、少しでも前進しながらやっているということがいろんな先生の励みにもなり、
そして私自身の支えにもなっているなということをちょっとお伝えしたかったわけですね。
未来へのエール
ということで過去の自分にダメ出しをしつつ、全国の皆さんにエールを送るという回でした。
ちょっと忙しくて体調がいまいち疲れ切っちゃっているので、こんな配信になりましたけどたまにはいいでしょう。
それでは今日はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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