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2025-01-19 12:01

120 若手の先生からのメッセージに答えます~定時制勤務について~

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先日、この配信を聞いてくださっていた若手の先生からDMでメッセージが届きました。

心震える感動です。

私が苦労してきた分、失敗し続けてきた分、私の経験を発信して、少しでも元気を出して欲しいと思っています。

#定時制 #若手の先生 #先生に元気を

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日のタイトルは、若手の先生からのメッセージに答えます。定時制勤務について、と題してお届けしたいと思います。
なんとですね、インスタのDMが来まして、ある若手の女性の先生からメッセージいただきました。
嬉しいメッセージでしたので、読ませていただきます。個人情報がわからないように、どこか飛ばしながらやりたいと思います。
初めまして。突然のフォローとDMでの連絡失礼いたします。私は学生時代、セラ先生、私の恩師というか、私の教えをいただいているセラひろあき先生ですね。
にお世話になり、美容の会に何度か参加させていただいた際に、黒瀬先生の発表を見て勉強させていただいたことがあります。
その際に、セラ先生からも、黒瀬先生はとても勉強熱心で授業の前に100個発問を考えられるほど準備をしっかりされる素晴らしい先生ですとお話を伺ったことが非常に印象的でした。
100個はね、ちょっと難しいかな。30ぐらいはいくんじゃないかと思うけど、100はちょっと大げさすぎですね。
それは置いておいて、現在定時制高校勤務で授業経営に悩む中で、本日黒瀬先生のポッドキャストやノートを見つけ、自身の勉強不足を痛感しフォローさせていただきました。
ありがとうございます。私が本当に悩み苦しんだことが、何とか若い先生に役に立ってもらえればこれほど嬉しいことはない。
苦労が浮かばれると思ってやってきたことが、本当に通じまして嬉しい限りです。
現在、授業らしい授業ができておらず、教員として自分の適性に不安を感じたり、仕事に対するモチベーションが下がっていましたが、先生の発信を見て環境のせいにせず、
今、目の前の生徒としっかり向き合って、今できる最大限の工夫をしていきたいと思いました。これからも先生の発信から色々と学ばせていただきたいと思います。というメッセージをいただきました。本当にありがとうございます。
私もね、事前勤務時代は本当に大変だったので、その大変なことは失敗ばっかりだったんだけれど、そのことを踏まえて今いろんな発信をさせていただいていますので、ある意味、あの経験は本当に役に立ったし、
どの世界に行っても厳しい立場の人っていうのはいらっしゃるので、その視点を絶対に忘れないようにしたいなと思って今も教育活動をしています。
今日はこのDMの紹介から、私が過去定時制時代にどんなふうに過ごしてきたかを語りたいと思います。
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私は最初勤務商業高校だったんですけど、そこも厳しかったんだけど、もっと厳しかったのがやっぱり定時制だったんですね。
私も本当に苦しかったです。何もできない無力感、今までやってきた私の大学での学びが全て否定されるような虚無感、ジリジリとした焦りも感じました。
特に、いわゆる進学校に行った人は、どんどんどんどん授業の力がついていて、本当に何も成長していない自分にすっごい焦りを感じました。
そして、やはり定時制勤務ということで、定時制に来る先生はろくなもんじゃないっていうものすごい偏見が保護者とか周囲にありまして、
非常に見下されているような、そういう発言を何度も何度も受けたことがあります。
そんな中で思ったんですけど、やっぱり定時制って厳しい状況に置かれている生徒がいるので、ある意味そこから社会っていうものが見えました。
経済的にも厳しい人はたくさんいるし、自分のせいではないのに、家族のいわゆるゴタゴタでしんどい状況に置かれている人もいます。
障害を持つ生徒もいるし、もともと持っている学力が非常に厳しくて、低学力に悩んでいる子もいました。
本当に社会って厳しい人がたくさんいるんだと、今までお嬢さん育ちでぬくぬくと育ってきた私は、甘ちゃんだったなって思いますね。
社会の厳しいところを直面して、自分の至らなさ、甘さっていうのをめちゃくちゃ思い知らされたのがこの時期だと思います。
勤めている先生は、ずっと定時制勤務の先生もいて、その生徒たちを相手にずっと頑張ってきて踏ん張ってきているということに誇りを感じている先生もいらっしゃって、
本当にそのベテランの先生たちは、私にとっては勉強になったなって思います。
ここでの勤務で思ったことは、先生なんかじゃなくて、先生じゃない本当の私自身、
先生っていう仮名をかぶってない本物の私丸ごとがいかに勝負できるか、これをきちっと構築しないと、教育っていう世界で本物にはなれないだろうなっていうことを感じました。
いわゆる進学校でバリバリやっている人が経験できないことを経験しているわけなんで、
そういう人たちが到達できない境地に行ってやるんだっていう、そういう気持ちで気買いで過ごしていたように思います。
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特に私が成長したのは、生徒理解の幅の広さ、声かけのバリエーションの広さ。
何があってもあまり慌てることがなくなりました。ヤンキーになれて人間関係づくりの幅もめちゃめちゃ広がりました。
その反面、教材面では苦労したと思います。何をやっても通じないんで、教科書やってもダメだし、古典とか漢文とか全然だしね。
一生懸命工夫していっても通じないっていう感じだったんで、その時若かったからどうしようもないんですけれど、
なので個別最適に振ってましたね。この子にはこのプリント、この子にはこのプリント、この子にはここまで、この子にはここまでやってもらおうというように、
来た生徒、来た生徒に対して個別指導みたいな感じでやってました。
その方が生徒も喜ぶし、大体自分自身の工夫もその個別指導のプリントでできたように思います。
そんな中で一番受けが良かった教材は足跡っていう題名の冊子を作ったこと。
これは生徒それぞれの自分史というのを書かせる取り組みだったんですけれど、これが一番生徒が熱中したかな。
やっぱり自分自身を認めてもらいたいし、今までの自分をまとめて振り返って、そして新しい言動力にもなったし、とてもいい取り組みだったと思います。
そんな中で私が印象的だった生徒はゲームが大好きな生徒。
その頃のスーパーファミコンが出た時代だったような気がするんだけど、アメリコンピューターとかスーパーファミコンとか流行ってた時代でゲームがとても流行ってました。
私も定時接近部だったので時間が結構ありましたので、やったこともないゲーム機を買ってやってみたんですよ。
そうしたら当時スーパーマリオブラザーズというアクションゲームをやったんだけど、私ドン臭くて全然できなくて、ちっとも面白くなかったんですね。
ゲーム好きのその生徒に、もう全然ゲームできない、苦手でダメって言ったら、その生徒が、じゃあ先生、RPGっていうのをやったらどうか。
先生、できそうだよっていうふうに紹介してくれたんです。
RPG、ロールプレイングゲームって言って、ストーリーがあって、そのストーリーベースに自分のペースでアクションゲームみたいに反応重視じゃなくて、コマンドを入力して進めていくっていうことで、別に素早く操作できなくてもできるよっていうふうにその男の子が教えてくれたんですよね。
そこで私はドラゴンクエストをやり始め、その生徒に攻略なんかを聞いたりして、その次に生徒はね、先生、そんなにドラクエが好きだったら先生にはファイナルファンタジーっていうのが合うよって教えてくれて、
ファイナルファンタジーっていうのはやっぱり絵も綺麗で、ストーリーもドラクエよりも大人向けだったんで、生徒が勧めてくれたんですよね。
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中古の安いソフトを買ってきてファイナルファンタジーをやりました。
その時はね、先生も1,2,3は地獄だから、ファイナルファンタジーの4からやったらいいよって教えてくれたんですけど、全然わからなくてね、ゲームのシステムが。
その子は結構私に説明するために学校に早めに来て、先生進んでるっていうふうに質問してくれて、私がわからないって言ったら、紙に図や表を書いて説明してくれました。
この説明が非常に論理的で実情だっていて、めちゃくちゃわかりやすかったんですよね。
すごい上手い教え方だなと思って、この子あんまり勉強できないんだけど、ゲームの解説っていうのが本当に上手かったんです。
これって国語教育なんじゃないと思って、この子たちには好きなゲームの解説本作らせてもいいんじゃないと思って、その子にはゲームの解説をしてもらいました。
作文用紙というか、紙にファイナルファンタジー4のシステムについて解説する、そういう冊書作ってくれってお願いしてね。
もう一生懸命やるし、図も書くし、表も書くし、本当に国語力がアップしたんじゃないかなと思います。
こういう定時制での経験が私の授業デザインの幅の広さをもたらしてくれたんじゃないかなと思います。
他の人といろいろおしゃべりしてても、他の先生とね、私の思いつきっていうのは結構面白いって言ってくれるし、自分自身、絵っていうところからいろんな発想が出てくるので、
この時の経験が授業デザインの幅の広さをもたらしてくれたんじゃないかなと、規制概念にとらわれない着想をするようになったんじゃないかなと思います。
ということで、DMをくれた若い女性の先生なんですけれど、本当にいろんなことで苦労すると思うし、挫折感も味わうし、失敗だらけだと思いますけれど、
そのことは10年先、20年先に何者にも変えがたい経験となって生きてくるんじゃないかなと思います。
私がそうでした。その定時制に勤めてらっしゃる方たくさんいると思うんだけれど、その先生を励まして、私が苦しんだ分、私の経験を話して、
もっと前向きに、もっと転げるなら前にこけるっていうつもりで、若い時期を過ごしてくれたらいいなと思っています。
それでは、今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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