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2025-07-08 08:25

278 デジタル採点は快適ですが、デジタル採点に馴染まない人もいる問題。

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デジタル採点が導入されて2年。採点の負担がぐっと減りました。

しかし、半面、慣れない人もたくさんいます。

#デジタル採点 #慣れない #ICT格差

サマリー

デジタル採点の導入によって、採点の効率が向上し、従来の方法で感じていた負担が軽減されたとされています。しかし、中堅の教師の中にはデジタル採点に慣れていない方も多く、その課題が明らかになっています。

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日は278回、デジタル採点は快適ですが、デジタル採点に馴染まない人もいる問題、というタイトルでお届けしたいと思います。
デジタル採点の利点
デジタル採点が導入されて、大体2年ぐらいになります。採点の負担がぐっと減りました。そのことについては、いろんな先生もおっしゃっているので、やっぱり採点の負担は減ったんだと思います。
まず集計をする手間が省けまして、今までは小計を出して、合計を出してというように、1枚1枚電卓を叩いて集計していたんですけれども、それが全くなくなりました。
電卓を叩くという単純な計算が非常に不得意かつ不快である私にとっては、デジタル採点というのは本当に救いの主です。
それから間違いの訂正が簡単になりました。どこかで正当の間違いをミスったとしても、一括表示させて一括修正することができます。
なので間違いがあってもすぐに対応することができるし、何よりも回答用紙の汚れがデジタルなんで、間違っても間違っても正しいものが出続けるという、本当に修正が楽になりました。
それからの記述問題の採点なんですけど、最初は記述問題の採点難しいかなと思っていましたが、こちら側の問題を作成するときに採点基準をはっきりさせるとか、出題の狙いをより明確にして採点しやすいような出題にするっていうね。
そういうふうなやり方でもって、記述の採点のポイントを明確化することによってすごく楽になりました。
生徒の記述を比較してどちらがより採点基準に適合してるかっていうのもちゃんと測れるようになりましたし、記述の採点もかえってこっちの方が楽なのかなと。
いろんな回答を並べてどっちがいいかとか、だからこっちを上にしようとか、そんなふうに比較しながら記述の問題も採点することができて、生徒も逆にこの回答じゃなぜいけないんですかっていうふうなのを説明求めるときにもこちらの解説もしやすくなりましたので、そこはいいかなと思っています。
あとはコマ切れの時間で採点することができるようになりました。
例えば2、3分あったとしても1問が採点できるわけなんですよ。
コマ切れの時間をどんどんどんどん使うことができるので、10分休憩の間にちょろちょろちょろっと採点して、それでパソコン画面を閉じて、それから授業に行くとかね。
そんなこともできるようになったんですよね。これが紙だったら差し開いて赤ペン用意して、それから1枚1枚つけながらっていうようなことをしていると、10分の休憩の間ではとてもとてもできません。
なのでデジタル採点になってからコマ切れの時間を有効に活用することができて、本当に便利になりました。
あと、私にとって最大の朗報は肩こりがないということですね。肩こりがすごくひどかったんです。採点していると。
だから本当に背中から肩にかけてガチガチだったり、特に右手の方ずっと上げながら採点しているので、肩に負担がかかって頭も痛くなっちゃったりなんかして、本当に不調だったんですよね。
それが今は一切ありません。なので体的にも身体的にも負担が減って快適に試験の時間が過ごせるようになってとっても楽になりました。
その反面、仕込みに時間はかかるんですね。採点するまでのエクセルへの入力とか、それから採点枠と採点配分とか、そういった仕込みの時間は必要なんですが、あれも慣れてしまえば、わりにパターンなんでさっさとできるようになるわけです。
ということで、総合的に見て私デジタル採点第3世。ところが私と同年代の先生方でデジタル採点を導入している先生は、うちの職場だと10%程度しかいないのではないでしょうか。
デジタル採点に対する抵抗
若い先生はかなりデジタル採点を導入されている感じがしますけど、私と同年代の先生はおそらく10人いたら1人か2人ぐらいがデジタル採点で、後の先生はほとんど紙の採点をなさっていて、ある時はデジタル採点にチャレンジしようというね、そういった方が質問に来られまして、
どうやってここから採点の枠を作って採点配分をしたらいいのかわからないから教えてくれっていう風に言われて、教えに行ったわけですよ。そして採点枠を作ってみせるわけですけれども、それをやろうとしてもその先生はできない。
なんでできないのかよく見てみるとわかりました。ドラッグ&ドロップができないんです。だからドラッグ&ドロップのやり方から説明して、左クリックしたままマウスを引いてっていうのを徹底に手を添えてレクチャーしましたよ。
皆さんびっくりしませんか。ドラッグ&ドロップができない。そういう先生もいらっしゃるんですよね。やっぱり私ぐらいの年代になったらパソコンを使いますっていうことに馴染んでない人もまあまあいると思います。
それから別のある同年代の先生は私が全部デジタル採点の仕込みをしてあと画面をクリックすればいいっていうところまでやったんだけれどもいざ画面をクリックするっていうところになってからもうダメだっておっしゃるんですよ。
多分私の勘ですけど、今まで平行の面で紙に実際にペンを走らせながら採点をなさっていた人がいきなり垂直に立った面にマウスでクリックすることによって採点するっていうそういう風ななんか全然違う空間認識でもって採点をするっていうことに対する違和感。
これを感じられてもうダメだっていうふうにおっしゃったんですよね。
ということでデジタル採点が楽だ楽だ便利だ便利だっていう風に言っている一方で全くその感覚についていけない先生方が特にベテラン世代に多いということを実感しています。
ところが来るべき入試でデジタル採点を導入しようかなっていう話にちょっとなりかけているんだそうですけれども果たしてこれが実動するかどうか。
発言力の高いベテラン世代によってデジタル採点導入が実現しない可能性が私は大きいのではないかと危惧しております。
これって結局なんだがいろんなデジタルを導入しようという動きに連動しているような気がしまして非常に難しい問題ですね。
それでは今日のお話はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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