生成AIの活用法
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は358回、生成AIとの付き合い方に悩むというタイトルでお届けしたいと思います。
最近、皆さんもご存知のように、私自身も生成AIを使って業務の時短を測っていて、その空き時間に生徒との対話や振り返りシートのフィードバックに当てるようになりました。
最近では、修学旅行に行ったんですけど、その思い出の文集というものの手引きを作成したんですよね。
この手引きを作成する時には、プロンプトを音声入力し、それを手引きの内容をGoogleドキュメントに吐き出して、それをマープ形式にしてスライド化して生徒に配布し、
生徒は文集を書いたものをGoogleフォームで入力させて、それをそのままペタッと貼って電子書籍化しました。
これはロマンサーという電子書籍化のアプリがあるんですけど、そして文集の表紙イラストも生成AIで書きました。
もうかなり時短がかかれていて、以前のように紙に書かせて、それをプリントして冊子閉じ込みをして配布というような、ああいう時代とは覚醒の間がありますね。
それから新しいミニ単元の手引きを作成する時には、これもまたプロンプトを音声入力してGoogleドキュメントに手引きを吐き出させて、それを参考にしたモデルスライドをGensparkというAIで作らせて、
それを上手にパワーポイントにペタペタと貼りまして、成形して生徒に渡すということでかなり時短になりました。
これも少ない時間で、例えば50分の空き時間があったらこれ2ついっぺんにできちゃうわけですね。
そして私は余った時間で授業での生徒とのやりとりのイメージトレーニングや振り返りシートのフィードバックを手書きで行うということができていて、
もっとも力をかけないといけないところに力を注ぐことができていて、ちょっと気持ちのいい仕事ぶりというのが展開できるようになりました。
調査結果の影響
ところが先日Xで月間先端教育というアカウントを持っていらっしゃる方が調査結果を流してきていらっしゃったんですけれども、
ビジネスの世界ではAI利用者の約8割がAIを使ったことが原因で起こるミスや失績を経験しているという記事が流れてきました。
もっとも多かった失敗は、AIに頼りすぎて自分の思考や提案の深みが不足していると注意されたという事案でした。
ついで出典を明示せず流用して注意された。
それからAIが生成した文章が不自然で失礼な表現を含みそのまま送信してしまった。
それがクレームや失績につながったというものです。
これは私自身も教育現場では起きるんじゃないかなと思っていて、私自身も生成アイを使っている時におかしいなこの文章と思うことがよくあるので、
特に重要な時はAIが出してきた文章は必ず書き換えることにしています。
なぜかというと、生成アイの吐き出した文章というのはよく読んでいくと適当な単語の連なりであったり、違和感のある語句が用いられたりという罠が入っているんですよね。
ということで私は生成アイの出してくる文章というのをとにかく信じていません。
なので必ず読み返すことにしています。
調査結果、この月間先端教育さんの調査結果と、それから東京学芸大学付属小金井小学校の鈴木秀樹先生の記事、
これを読んでまたまた重要なポイントが私自身見出すことができたので、これについてもちょっとお話ししてみたいと思います。
鈴木秀樹先生の記事、概要欄にリンク貼っておきますけれども、生成アイ活用においては目標を明確化することが大事だと述べられています。
こういった生成アイとかICTとかを使うこと、こういうのが入ってきちゃうと使うこと自体が目的になってしまって目的がずれてしまうというそういう罠に陥る危険性がよくありますよね。
使うために使うという授業に陥らないようにまずもって気をつけないといけないというのは、もうこれは何度も何度も立ち返って再確認したいと思います。
それから2番目に思考を深めること、これをちゃんと問題視しないといけないと思います。
AIに頼りすぎちゃって生徒自身の思考プロセスが浅くなってしまうと、こういうふうな問題点が起きると思いますね。
生徒にAIを使わせる際には、AIを深めるためのツールとして位置づける必要があるというふうにおっしゃっているんですよ。
鈴木先生、小学校の先生なんで国語教育についても述べられていて、AIが効率的に文章を出してくるっていうね、そういうふうなツールなんだけど、書くことの指導においては、
やっぱり文章を生徒が作成する際にどういう段階で生成AIを投入するのかということを先生がちゃんと見極めて、そして授業を作っていかなくちゃいけないというふうに述べられています。
教育現場での課題
書く活動の時に生成AIが提示する文章をまず読んで書くことに生かすというふうに、読み書きの連動が非常に密になっていると私は思うんですよね。
なのでここら辺をやっぱり授業を考える際にはよく考えて、生成AIが吐き出す文章と生徒が綴る、表現する、アウトプットする文章との連動性をいかにうまく取るかということが大切になっていくと思います。
その次にやっぱり出典を明確にして自分の言葉で再構成させる、ここまでが生成AIの出してきたものあるいは情報の出典として導いたもの、ここからは自分の言葉で再構成したものというようにこちらも意識して授業で段階を取らないといけないと思いますね。
最終的には月間先端教育さんの記事で調査対象のビジネスの人がAI利用率がまだ45%らしいんですね。
使ってない人の大半が今後も学ぶ意欲がないって回答しているということが分かって、これは明らかに生成AI格差の問題、これを明らかに示していると思うんですよ。
多分教育現場でも使う人と使わない人の格差が生じる可能性があるなと思っているので、この格差問題というのも深刻だなと思っています。
こんなふうに月間先端教育さんの調査結果と、それから鈴木秀樹先生の記事を踏まえると、教育現場で生成AIを活用するということには、こういうことに気をつけないといけないということがかなり私自身の中でもだんだんと明らかになってきて、大変勉強になりました。
うちの学校ではまだ生成AIを使わせる授業というのは一般的ではなくて、中学校3年生でもあるし、同意書も学校では大体的に取ってないので、やっぱりちょっと具体的に生徒にはまだ使わせてないというのが現状ですが、生成AIのバージョンアップがものすごく目まぐるしいので、もはや待ってはいられないというふうな思いもしています。
でも、型や生成AIについては慎重に考える必要もあるし、慎重になりすぎた結果トライできないということもまた問題なので、アクセルを踏みつつブレーキをかけるという超難しいことをやらなきゃいけないのかなと思ってしまっています。
でも今回、生成AIを授業で生徒に使わせるときには目標を明確化する。思考をどう深めるのか、生徒とAIとの連動についてしっかり考えていく。どの段階でAIを投入するかを見極める。出典を明らかにする。
あとは付け足すなら個人情報に注意する。こういうことに重点を置いてシンプルに考えていけば、授業での投入というのも可能になるんじゃないかなと思っていますので、あれやこれや問題があるんだけど、今日はこのシンプルなところに重点を置いて投入してみようという足掛かりができましたね。ということで大変勉強になったという配信でした。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。