「羅生門」の授業づくりをめぐる後輩教師との対話から、目標設定の違いが浮き彫りになりました。受験対策中心の私立校文化と、課題解決型学習を重視する自分自身の立場。さらにAIが提示したコンピテンシーベースの目標例を検証し、生徒が本当に本気になれる目標とは何かを考えます。教育観の違いという複雑な現実と向き合う回です。
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#ポッドキャスト #国語教育 #羅生門 #課題解決型学習 #目標設定
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サマリー
この記事では、芥川龍之介の「羅生門」の授業を巡る後輩教師との対話から、教師の目標設定が生徒を本気にさせるかという問いを探求します。私立学校の受験対策中心の文化と、課題解決型学習を重視する自身の教育観の違いを考察し、AIが提示したコンピテンシーベースの目標設定例を検証します。最終的に、生徒が主体的に問いに向き合い、共感や自己投影を通じて深く考えることこそが、生徒を本気にさせる目標設定であると結論づけています。
後輩教師との対話から見えた教育観の違い
みなさん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は462回、羅生門の授業の深層、教師の目標設定が生徒を本気にさせるかというタイトルでお届けしたいと思います。
今日は、羅生門の授業の作り方について、後輩の先生から受けた相談をきっかけに、目標設定とはどうあるべきかについて考えていきたいと思います。
同じ教材を使っていても、指導者によって授業の進め方が全く異なるということはよくありますよね。
そういった教育間の違い、授業間の違いという根深いテーマについて考えてみたいと思います。
後半では、AIが提案してきたコンピテンシーベースの目標の例を実際に考えながら、生徒が本気になる目標設定って何なんだろうということについて考えてみたいと思います。
それでは前半部分、後輩の先生との相談から見えた授業間、教育間の違いについてお話をしていきたいと思います。
先日、後輩の先生から、ラショーもどうやって授業を進めていきますかという相談を受けました。
その先生と中堅どころの男性の先生は、最初から少しずつ進めていくという、いわばスローリーディング的な形式で読み進めていくという、そういうお考えでした。
私はそれとは全然違っていて、まず一読させてから、生徒の疑問点を吸い上げ、それを中心に解決していくという授業をしますよということをお話ししました。
同じ教材を使っても授業の形は様々で、同じ教材を使っていても、目標を持ちながらいろんなアプローチがあるというふうには考えています。
私の勤務校は私立なので、特に受験対策とか、それから解き方の指導というのを中心に据える先生が多いという傾向にあります。
これってやっぱり私立独特の風潮なんじゃないかなと思っているんですけれど、私自身は大学時代から、それから教員になってからも、
そしてさらに現行の学習指導要領になってからも、課題解決型の学びを重視してやってきました。
指導の方向性というのは、結局のところ授業をする授業者の裁量に委ねられているというのが、まあはっきりと言えば今の現状だと思うんですよね。
こういう違いというのは、教員養成課程での勉強、それ以前に自分が受けてきた授業、それから教員養成課程での学び、現場に出てからの周囲の影響とか、それからその先生自身が学び続ける中での変化、
そしてその学校特有の文化といった様々な要因が複雑に絡み合って、この指導官とか授業官というのが形作られてきたというふうに思っています。
結局のところ授業官、教育官の違いという言葉で片付けられてしまいがちな問題なんですけれども、本当はもっとそこに踏み込んだ本質的な議論が必要な分野じゃないかなって私は思っているんですけれども、
後輩の先生とそういった情報交換をしてちょっと違和感を感じたところでした。
「羅生門」授業の実践とAIによる目標設定例の検証
じゃあ具体的に私、羅生門でどういうことをやったかというと、まず羅生門っていうタイトル、このタイトルを読むというところを導入としました。
タイトルから受ける印象について、生徒と意見を出し合うところを導入にしたんですね。
これは今年スタートした時から題名読みというのをやっておりまして、この題名読みのスキルを生かそうとしてこれから入りました。
その次に本文を読みました。
その読む前に最終的に気づきや感想、疑問点を出してもらうよということを予告してスタートしました。
全文を読むという時は、これは私自身が音読で全部読みました。
CDは使いません。大げさな解釈は加えずに、聞き取りやすさを最優先にして読んでいきます。
いわゆるアナウンサーが読むような肯定アクセント、意味のまとまり、そういったものを意識した区切れで読んでいって、生徒が小説世界に入り込みやすいような工夫をして読みました。
音読の後は、生徒それぞれが気づきや感想を書いてもらって、もちろん疑問点を書いてもらって、それを最近はノートブックLMを活用して気づき、感想、疑問点をまとめるという作業をしています。
これが大変な効率化につながっているんですね。
その際、気をつけることは、生徒のコメントを具体的に引用しながら、分類整理して簡単な解説を加えてくださいという指示を出すように指示します。
マークダウン方式でやってくださいと言うと、結構きれいにまとまるので、いつもマークダウン方式でお願いしています。
こうして分類した結果を見るということで、生徒は自分の気づきや感想がどの位置にあるかということを把握して、自分自身の思考の構造化、これを発見することができるわけです。
それから、他の生徒の気づきや感想を読むということで、自分の理解がさらに拡充されていくという効果もあると思います。
こうした所読の感想の交流というのは、とても効果的だと私は思っています。
その次に、疑問点について整理するんですけれども、本来疑問点の分類整理、これを生徒自身にさせたことがとても力がつくと思うんだけれども、
やっぱりこの疑問点の分類整理にとても時間がかかるので、やっぱり授業に当てられている時間には限度があるので、12時間ぐらい当てられていたらできると思うんだけれども、
今回7時間ぐらいしか割り当てられなかったので、結局のところ疑問点の整理はノートブックLMにお任せすることにしました。
ラベリングをして分類整理してもらったわけですけれども、その中から授業ではなかなか解決が難しい深い問い、ビッグクエスチョンを3つこれになるよねということで生徒に提示して、
このビッグクエスチョンを最終的に授業全体を通して解決していくということを確認してからスタートしました。
ことあるごとに特に毎時間の冒頭部分でビッグクエスチョンを確認していって、最後にはこれをレポートしてもらうよということをいつも言いまして、目標をきちっと意識づけるようにしました。
時間が十分にあればどうやってこのビッグクエスチョンを解決していくかという解決方法そのものについても討議するということは考えられるんだけれども、
やっぱり12時間ぐらいはあればいいなと思うけど、7時間ぐらいしか割り当てないんで、このような効率的なやり方を採用しています。
結果として、結局のところ冒頭から丁寧に制度を進めていって、その制度の中で生徒が出てきた疑問点を解決しながら、回収しながら、最終的にビッグクエスチョンへたどり着くと。
こういった構造でやっていくわけなんだけども、これが多分限られた時間の中で最も最大化できる方法でないかと今思っています。
この方法は一番いいところはやっぱり自分自身が出した問い、あるいは友達が出した問い、これに基づいて授業が進むという形になるので、
与えられた課題からやるというよりも、生徒自身の主体性が意識されているという、そういうところからスタートするというのがいいところだと思います。
コンピテンシーベースの目標設定への疑問と生徒の本気になる問い
ということで、こういうやり方で授業を進めているんだということですけれども、これをコンピテンシーベースというのを目標にした場合どうなるんだろうということをジェミニと相談しました。
ジェミニに目標例を出してもらいまして、いくつか目標例があったんですけれども、生徒の思考や批判的思考力を育てるためのコンピテンシーベースの目標設定というものを挙げて紹介したいと思います。
ジェミニが提示したのは、生きるための悪は許されるのかという問いを軸に、正解のない問題に対して異なる立場の意見を受け入れながら、納得できる答えをみんなで探る力を鍛えるというのを目標としてきました。
そのための活動として、下人や老婆、そして現代の法律など、それぞれの立場の正義の根拠を教科書から探し、ぶつけ合うという活動が提案されました。
ということで、この目標設定を見て、本当に生徒が本気で取り組むのかなという強い疑問を持ったっていうのは私だけなんでしょうか。
この目標はあくまで教師側から提示されたものであり、私からすると不自然だなと思っちゃうんですね。
長年、様々な生徒実態の現場を経験してきた私としては、大半の生徒はこういった目標設定では本気にならないんじゃないかというふうに思っています。
やっぱり生徒が本気になるのは、自分もしくは自分とは異なる他者が共感したり、自分自身を投影したり、そこで他者を見つめて、つまり小説世界のキャラクターを見つめて、
そのキャラクターとの対話、本文との対話を通じて、自分だったらどうするか、いかに生きるべきかっていうのを考えるときに、生徒は本気になるんだと思うんですよね。
そういったことを友達と意見を言い合いながら、自分のものの見方、考え方を深めていくという過程こそが、生徒を本気にさせるんじゃないかと思うわけです。
ということで、その過程はやっぱり生徒が疑問を感じた、その疑問をベースにしているからこそ本気になるんじゃないかと思うんで、
ジェミニが提示してきたような与えられた課題というものを達成するということに、生徒自身の主体性とか自己意識とか、そういったものがあるとはちょっと私は感じられないんですね。
皆さんどう思われるでしょうか。
ということで、コンピテンシーベースの目標を与えられて本気になる生徒っていうのは、そもそも知的好奇心が高い生徒とか、メタ認知能力が高い生徒とか、
たまたまそういったところに疑問を持った生徒っていう限定された生徒じゃないかと思っているので、生徒実態に合わせてコンピテンシーベースの問いを与えることは大事だとは思いますけれども、
だけど大半の生徒はそうじゃないと思うんですよね。
やっぱり悩んだり苦しんだりしている自分とか他者が何を考え、どう感じ、どのように考えが変わっていくかっていうことを考えることが本気になる問いだと思うんですよ。
ということで、目標設定は生徒が本当に主体的になれるのかどうか、こういったことを考えることが大事なんじゃないかと。
その生徒が主体的になれる目標を達成するために、どういう授業を展開していくかっていうことを考えるっていうのが授業づくりの本質じゃないかと思っています。
授業づくりの本質と教育現場での孤独、そして学び合いの重要性
ということで、羅生門の授業をめぐって後輩の先生と対話したことが結局のところ、誰のための、何のための目標設定かっていう根本的な問いに行き着いたという流れになりました。
こういったことを現場で話しすると、なんかスーッと距離が離れてしまうということが少なくなく、孤独を感じる瞬間が多々あります。
だからこそ、こうやってポッドキャストとか、私が主催しているオンライン交流会で学び合う仲間といろいろと考え方を交流し合う中で、自分もしっかりバージョンアップさせてもらって授業を続けていかれるんだなっていうふうに思っています。
今日の配信が目標設定に悩む先生方にとって何らかのヒントになれば大変嬉しく思います。
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それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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