ナノバナナの導入
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、379回Nanobananaと板書対決をしてみたというタイトルでお届けしたいと思います。
11月20日あたりに、ジェミニの激しいアップデートがありましたね。もうあの時、私はグロービス経営大学院のクリティカルシンキングという講座の
Day4という第4回目の、ものすごく重厚なレポートに取り組んでいる最中だったので、もう本当におまけに
コネクト&クリエイトという広島のICTイベントの取り回しをしている最中だったので、激しいアップデートに全然ついていけずに、
ちょっとゴテゴテになってしまったので、今でも後遺症が続いているわけですけれども、あまりにも激しいジェミニの
アップデートについていけない状態が2,3週間あったのかな。で、あと最近取り戻してきた感がありますが、中でもインフォグラフィック機能、
ナノバナナっていうね、あのインフォグラフィック機能が日本語にバッチリ対応してきまして、とても素晴らしいクオリティを出すようになってきたということで、
今でもSNS会話は大騒ぎでございますけれども、これが登場してきた時には、Xでもこれは版書はいらなくなったとか、
版書しなくてもいいとか、もうこれで済むんじゃないかっていうような、そういうことが次々にささやかれる中、
旧世代に私はですね、版書技術というものを一生懸命磨いてきたがゆえに、何となくもやーっとした気持ちになってました。
私の言い分は、いくらAIが版書うまくても、版書を使って発問をと生徒と一緒にできないじゃん。
版書対決の実施
勝手に自分のペースで版書を作るだけで、生徒の意見を取り入れながら版書なんてできないじゃない。
対話的な授業できないじゃないのとか、生徒のコメントを版書に生かす力がないじゃないのとか、
ちょっと筋違いの同じ土俵じゃないのに、筋違いの土俵で反撃を試みていたわけですけれども、
心の中では、これはちょっとしたことだったら、これで版書済ませてもいいかなっていうふうに思っていました。
それで兼ねてからやりたいなと思っていたのは、自分自身の版書と、それからインフォグラフィックの図式化と、
どっちがいいのかなっていうのをやってみたかったわけですけれども、
私自身の中で版書イコール教材研究っていうふうに恩師に言われて付けていて、
これは版書が苦手な先生にはちょっと申し訳ないんだけども、図式化したり構造化したり、
それをちゃんと手書きで版書にしていくっていうことについて、恩師にはずっと版書は教材研究ですっていうふうに言われてきた私としては、
かなり版書に力を入れてきたので、どうしても版書、版書、版書っていうふうに押してしまいがちなわけで、
でも私自身まだまだ先人には及ばないなっていうところもあり、発展途上なわけですけれども、
その私が過去何回も何回も教えてきて、これはいいかなと思っていたのが、現実物語のキリツボの冒頭部分。
この構造化がかなり自分の中では何回も何回も取り組んできただけあって、
結構クオリティとしては自分の中では満足しているものだったんですね。
そこでジェミニに現代語訳のキリツボのデータを与えて、ナノバナナでインフォグラフィックにしてもらいました。
出来上がったものを見て思ったんだけども、もうちょっと補足のデータを渡した方が良かったかもしれないなとか、
いろんなヒントとかも与えた方が良かったかもしれないなって思ったんだけれども、
そこはヒントなしでイーブンの勝負をしてみました。
出来上がったのはちょっと概要欄に貼り付けておこうかと思うんですけれども、
非常に色鮮やかな平安時代の十二人絵と、それからちゃんと貴族の遺漢側体の図がありまして、
本当にカラフルでイメージ豊かなものが出来上がっておりまして、
本当に簡単な説明ならこれでいいんじゃないかというふうなぐらいのクオリティの素晴らしさでした。
私の本は一太郎っていうちょっと古めかしいワープロソフトを使って作った版書なんですけれども、
カラフルでも何でもない図とそれから字が書いてあるだけのものなんですけれども、
これをなんかもう一杯一杯の版書で、それを生徒実態によって足し算したり引き算したりしながら完成させていくような、
自分の手控え版書案ですね。そういったことなんですけれども、
出来上がって思ったことはカラフルに描けているっていうところはナノバナナはさすがだなと思うんだけども、
構造っていう点ではやっぱり浅いなっていうふうに思いました。
それはしょうがないかなっていうふうにも思うんだけども、
何が違うのかっていうのは私自身の中でもはっきりわかってるんだけど、
ちょっとあえてAIに分析をお願いしたんですね。
そしたらAIはこういうふうな回答してくれました。
まず、情景的でビジュアル的なナノバナナの図と、私が作成したのは構造的論理的な図だというふうに言っていて、
これを異なる脳の部位で処理しているっていうふうにすごく対比的だっていうふうに捉えていました。
その違いは何なのかっていうと、
例えばナノバナナだったらどうしても雰囲気とか感情が絵になって現れているから、
読者が世界観に入ってきやすい。
その尿後たちとかキリツボの子いたちの感情が表情とかでも表されていたり、
それから文字でも補足があったりなんかして、非常に視覚的にわかりやすいということでした。
私の場合は人間関係とか心理の因果関係がしっかり書かれていて、
誰が誰になぜそういうふうな感情を抱いているのかということ、
それから心の中の解像度というふうに表現していたんですけれども、
私の中ではどっちかというと心理的リアクションですね。
心情のリアクションの差が出るように対比的に書いたりとかしたんですけれども、
あとは循環構造ね。
ミカドとキリツボの行為の間で愛すれば愛すれほど相手を不幸にし、
不幸になればなるほどミカドの愛を信じるっていうのはこういう循環構造が出ているんですけど、
それをちゃんと描けてますよっていう評価になってきました。
そういう評価だったんですが、私の中ではもうちょっと分析してほしかったなと思うところは、
私の場合身分が高い人を図の上位に、だんだん下に行くにつれて低くなっていくっていうように、
この図自体の上下が身分の高い低いを表しているという点。
それから右側に女語行為とかそういった女性を這いし、
思考力の鍛錬
左側に天上人とか神立目とかそういった男性貴族を這いしているというような形で、
上下左右を使って物語の構造を可視化しているっていうところが私の大変工夫したところだったんですね。
そして左側に行けば行くほどそのストーリーについてのポイントを抑えるべきところと、
それから最後にしっかり考えさせたいと言っていうふうに、
右が事柄の説明、左に行けば行くほど考察が深くなっていくというような、
そういう深さも出していたわけなんですね。
こんなふうに図の上下左右の関係を使いながら様々な思考力を鍛えるような工夫がそこには入っていたわけなんですけども、
そこまで分析してくれてないっていうところはちょっとなんかもうちょっと頑張ってほしかったかなって思うんだけども、
それ以上にAIが分析してくれていたのは、私の左側に書いた物語の核をついていますっていうコメントが印象的で、
これがまさにキリツボの出発点のエンジン、軌道であって、
全54条を貫くテーマがそこにつながっているんだなっていう指摘はさすが生成AIだなというふうに、
うまいこと始まりがオープニングがちょうどこの現実物語に全てを貫くような、
そういうふうな捉え方に満ちていたっていうことを書いてあったのかなということでした。
ということで、素晴らしい分析だったんだけど、自分が構造化していくっていう、
上下と左右が人間の思考の認識と連動していないっていうのがAIのまだまだなところなのかなっていうふうに思いました。
ストーリーの流れとか時系列とか、そういったものは例えば左から右、もしくは右から左、上から下っていうふうなことで表現できるとしても、
思考の上下関係とか、思考のそういう段階的なこととか、あるいは循環とか、
もうちょっと三次元的になっちゃうのかな、その辺の捉えは。
そういったとこはまだまだAIの方に甘さが残るなっていうふうには思ったんで、
今回の番書対決シリーズは申し訳ございませんが、人間の私が勝ったということにさせていただきたいと思います。
ということで、やっぱりしっかり考えて、しっかり自分の中で落とし込んで、深く深く思考するっていうこと、これを磨いていかなければならない。
表面的に捉えて、AIの方が素晴らしい図式型なっていうふうに判断するんじゃなくて、
もう自分だったらもっとこういうふうに奥深くできるっていうふうなぐらい、頭を働かせていくっていうことが必要なんじゃないかなと思ったので、
これは教員養成課程の大学の授業で、自分の番書計画作らせて、
AIの作らせて、比較検討させたり改善させたりっていうトレーニングには使えるんじゃないかなと思いましたね。
ということで番書対決をしてみましたけれども、私自身も最近は授業の持ち方の関係で構造的番書っていうのをあんまりできてないなって思ったんですけれど、
まあ何らかの形でいつも構造化はしてるなって思いました。
こないだのクリティカルシンキングの講義の中でも学んだことを番書計画みたいに構造的に落とし込んで、
それで後々の勉強会で皆さんに見てもらって、これでいいですかっていうふうに確認を取ったりしてきたので、
自分の中では日常的に構造化っていうことをやれるようになってきている。
だからこれをもうちょっと磨きながら、人間の脳としてのOSをしっかり鍛えていって、
AIに負けない思考力を鍛えていかないといけないなって思いましたね。
ということで今日は番書対決のお話でした。
それではここまで聞いてくださりありがとうございました。
またお会いいたしましょう。
