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皆さんこんにちはこんばんはアーティストアートプロデューサーのハタナオキです 今日は日本人
実はみんなアーティスト説 無意識の選択に潜むアートのセンスというテーマでお話ししていこうと思います
アートって難しいもの あるいはセンスがある特別な人のためのものなんて思われがちなんですけれども
実はもう皆さん日常の中でしっかり アートのセンスを使っているんですよね
例えば なぜその服を選んだのか
なぜそのカフェに入ったのか なぜその雑誌の表紙に惹かれて買っちゃったのか
大抵は無意識でやってますよね でもそこには色とか形とか雰囲気とか
無意識のうちにちゃんと美的な判断というかセンスを使っているんですよね つまり皆さんは日常の中で無意識にアートのセンサーを実は働かせているっていうことなんですよ
僕自身も展覧会とかでこれはよくわからないなぁと思った作品が 後になって忘れられなくなったり
数年後に ああ
あれってこういうことだったのかって気づくことはよくあります だからわからないっていう感覚はマイナスではなくてむしろ入り口でそこから全てが始まるんです
じゃあどうやって作品を鑑賞すればいいのか 見ればいいのか
ということについて今日は3つだけ簡単なコツをお伝えしようと思います 1つ目は
3層の視点ですね3層っていうのは3つのレイヤーという意味ですね まず目で見て
それから頭で言葉にして 心で自分につなげるということです
最初は 形や色をただ見て次に海っぽいとか
なんかこうインダストリアルな感じだなぁとかというふうに言葉にするっていうんですかね 言語化する
そして最後に自分の体験とかに紐付けてみるんですよ 夏の朝の匂いを思い出すとか
おじいさんの 工具に似てるなぁとか何でもいいんですけど
これだけで作品との距離感っていうのが かしこまった感じじゃなくて自分と間にすごく距離が縮まることがあるんですよね
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ただ作品を漠然と見るんではなくて 自分の中で3段階に分けて考えてみることで作品の見方というのはすごく変わって
くると思います 次は2つ目ですね
それは距離を変えることです 作品との自分との距離ですね
まず5メートルぐらい離れて全体を見る そしてその次は50センチくらい寄って
筆の感じとか作品の構図とかを見るわけです そしてさらに5センチぐらいまで近づくことができれば
近づいてみて その素材であるとか
偶然の痕跡があるかとか細かいところを 見るわけですね
そうやって距離を さっきと同じように3段階に分けて
見ることによって 全く違う
あるいは別人のような顔を作品自体が 見せてくれるようになるんで
これもおすすめの見方です そして3つ目
これは比較してみることです 隣の作品と交互に30秒ずつ
見て あっちを見て次はこっちを見てっていうような感じですよね
そしてどっちが重いイメージかなとか どっちが
静かなイメージかなとか そういう雰囲気の違いを感じるだけで
見る目が一気に鍛えられると思います これは実際に僕たちプロの世界でもやっていることで
迷った時はやはり自分たちが描いた作品なんかを 2つ並べたり3つ並べたりして
どれがいいかなっていうところの感覚を養うように もう日常的にやっていることです
実は皆さんも生活の中で 例えばバナナを買うにしてもどっちのバナナがいいかなとかっていうので
2つ比較して買ったりとか トマトを選ぶ時にどっちのトマトが美味しそうかなとかっていう感じで
比較して選んだりしていると思うんですよね その延長戦だと思ってもらえれば
かなり敷居は低くなるんじゃないかなと思います そしてこれはおまけなんですけれども
鑑賞のポイントとして おすすめしたいのが
タイトルとかキャプションっていうのは後から読むっていうことですね いきなりキャプションとかを読んでしまうとその答えに引っ張られちゃうんですよね
もう固定化されてしまうというか そういうことではなくてまず自分で作品を
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タイトルを読まずに見て感じてもらって その後にタイトルとかキャプションを見ると作品の意図と自分の気づきが重なるのか
それとも全然違うのかまだわからないですけれども どちらにしても新しい発見が生まれてくると思います
こういう小さな工夫をするだけで 美術館やギャラリーで過ごす時間がただ歩いて眺める時間っていうのかな
そういうところから センスを鍛えるトレーニングの場所に変わるわけです
ちょっとの違いですごいでしょ じゃあ実際にそのセンスを磨ける
畑直樹おすすめの場所を紹介したいと思います それはね美術館なんですけれども
今回はなんか三つ三つっていうペースで来てるんで 3つ紹介したいと思います
まずは六本木ヒルズの森美術館ですね ここは本当にハズレがありませんいつ行ってもハズレがない
本当にキュレーターさんがしっかりしている人がおられるんでしょうね 展示のテーマ毎回変わるんですけれども
本当にしっかりとしたディレクションなりキュレーションがされていて 行くたびに僕自身も
新しい発見があっていい影響を受けて センスを鍛えて帰ってこれるっていう場所です
アクセスは東京メトロ日比谷線の六本木行きの直結でそこから 六本木ヒルズ上がって行ってもらえれば
すぐなんで結構便利です そして森美術館に行ったらぜひ国立新美術館にも寄ってみてほしいと思います
こちらは千代田線っていう乃木坂行き直結ですね
僕の場合は六本木ヒルズから直接歩いて行ったりしています 森美術館が
先鋭的って言うんですかね 最先端的なアートっていうのが多いと思うんですけれども
そういうアートを体験した後に 国立新美術館の方に行くと
広大な展示空間で 結構どっしりとしたアートが展示されていることが多いんで
そういった系統の違うアートに触れることで比較の目が自然に育つと思います このね
森美術館から歩いて 国立新美術館に行くっていうこのお散歩と言いますか
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梯子ルートは本当にオススメです もう一つは東京都現代美術館
MOTとかって言われているところですね ここは清澄白川駅から徒歩でまあ5、6分ぐらいかな
っていうところにあるんですけれども ここは現代アートの定番的なものが結構幅広く楽しめる美術館で
初心者にはここが一番安心かもしれませんね ここも大きく外れることはないと思います
ただねまあ一応 好き嫌いはあると思うんで
それぞれ美術館に行かれる前にはネットとかで今何をやっているのかっていうところはチェックしてもらってから行った方が
大きく外すことはないと思います そして
東京都現代美術館の話に戻るんですけれども 清澄白川駅ですね
まあ美術館に行った後なんですけれども その帰りにですねこれは全然もうおまけの話なんですがぜひ寄ってほしいところがあって
実はここ深川広市屋総本店っていう 老舗のそば屋さんが
まあ行きから美術館に行く途中にあるんですけれども ここにね
一本うどんっていう名物があって太さがね3センチかける3センチぐらいの 本当に
ものすごいごく太のうどんが なんとお椀に1本だけ入ってるんですよ
それがね お椀に入って出てくるんですね
これがねインパクト抜群 思わず写真を撮ってインスタにあげたくなるような感じなんですけれども
実はねー 江戸時代のこの食文化を
再現した縁起物だそうです すごく歴史があるんですね
僕からするとこれもなんか食べられる現代アートみたいな感じがして 特にね美術館の帰りに寄り道して食べた時なんかは本当にそう思っちゃいますね
美術館でアートを見た後にこの一本うどんを笑って食べながら絞めるっていうそんな体験も 記憶に残るんじゃないでしょうか
もしよかったら皆さんも試してみてください 結局のところアートっていうのは私たちの日常の中に
実は 自然に潜んでいるもんなんですよね
服を選ぶ時も カフェに入る時もそしてさっき言ったキロキオスミシラカーの一本うどんでさえもその感覚を
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ちょっと意識するだけで あなたはもう立派なアートの
鑑賞者 あるいはアーティストなんですよね
どうですか皆さん こういう話を聞いていると実は無意識に今まで過ごしてきた日々が
ちょっとだけ意識のスイッチを入れてあげるだけで 全く違ったものになるっていうことがわかってもらえたのではないでしょうか
今日は皆さんの中にも実はアートのセンスが眠っているんだよっていうことを中心にお話をしてきました
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この番組は日本現代アート協会 日本現代芸術協会
ジャパンコンテンポラリーアートアソシエーションの協力でお送りしております 次回はまた恒例の q & a のスペシャルトークになります
どんな質問が飛び出すのかちょっとドキドキしております では次回またマイクの前でお会いしましょう
最後まで聞いてくださりありがとうございました それでは