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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
ドッグトレーナー、ペットロス専門士、アニマルコミュニケーターである私が、
人と犬が共に、より幸せになるためのヒントをテーマに配信しています。
時々、雑談ライブや歌を歌ったりしています。
12月17日火曜日、夜の8時から9時まで、
ドッグトレーナーがこっそり教える、犬に愛されるコツというオンラインセミナーを行います。
気になる方は概要欄をチェックしてくださいね。
さて、今回はご質問をいただきましたので、そちらに対して回答をさせていただきたいと思います。
少し前の配信で、犬を見ると吠えてしまう犬に対して行うトレーニングの中で、
吠えていないこと、吠えていない時に褒めて、というお話がありましたが、
何もしないことの理解
何かをしないことで褒める場合、犬は何で褒められたかを理解できるのでしょうか。
例えば、私のケースでは、散歩中に愛犬が顔を上げて目が合うとクリッカーを鳴らしておやつをあげていました。
今はそれに加え、リードを引っ張らずに並列して歩いてくれたらクリッカーを鳴らしておやつをあげています。
そこで疑問だったのが、何かの行為を起こしてすぐに報酬があることで犬も褒められる行為を理解できると思うのですが、
吠えないでいる、並列して散歩をするといったように、アクションを起こさないことでの正解を理解するということはできるのでしょうか。
というご質問をいただきました。ご質問者さんの方、ありがとうございました。
こちらは非常に良いご質問になるのです。
今回は少し内容が難しいかもしれないのですが、ぜひ聞いていただければと思います。
特にワンちゃんの散歩のお悩みのある方は、筆調ではないかなと思います。
私はワンちゃんのトレーニングをしている中で、
DoingよりBeingを褒めましょうということをよくお伝えしています。
それは犬が何か行動したときに褒めるということだけではなくて、
その状態でいるということに対しても褒めてくださいということをお伝えしているのです。
これは特に吠えだったり興奮だったり、そういったことでお悩みの飼い主様によくお伝えしています。
吠えているとき、興奮しているときに静かにとか、お座りとか、待てとかね、
そういった言葉をかけ続けても、なかなかワンちゃんって聞いてくれていないというのが、
おそらく多くの飼い主様共通のお悩みじゃないかなと思うんですが、
そうではなくて落ち着いているとき、これからもしかしたらちょっと吠えてしまうかもしれないなというとき、
だけど吠えていないというときですね、そういうときに褒めてあげてくださいということを強くお伝えしています。
そしてそのためにはですね、その褒め言葉に反応するためには、
日頃から何もしていないときに褒められるという経験がないとわからないんですよね。
ご質問の中にあったように、犬が何かをしたときにすぐその何かをしたという行動に対して報酬が与えられることで、
犬にかかわらず全ての動物がこの行動をしたら報酬がもらえるんだなという、いわゆるドゥイングですね。
行動に対しての報酬だなということがすぐにわかるわけです。
ただ、それの一歩レベルを上げると、今度はビーング。
何もしない、何もしていない、この状態でいるということが褒められている。
それに対して報酬が来るということ。これはトレーニングをしないとわからないんですね。
確かにドゥイングとビーング、何かをしたことに対する報酬、その成功体験、いわゆるお座りといったらお座りをするというような
行動に対しての報酬、指示があって行動があって報酬があるということを繰り返すことで、
指示に対しての反応性というのは良くなっていきます。
ただ、それだけだと指示がないと、行動がないと褒められる経験がない犬になってしまうんですね。
こうなると、人の指示を待ったり、人からの指示を得ようと気を引く行為が出てくるわけです。
そうではなくて、あなたは今この場でこういうふうにしていることがとても望まれていることですよというビーングのその状態でいるということに対して褒めてあげる。
その経験があることで、こうしていればこの場所ではこういうふうにすることが正解なんだということで
Doではなくて、その場所だったりシチュエーションで犬は結びつけて行動を覚えていくということができるようになるんですね。
これは何かをしなければ褒められないんじゃないかということを思っているワンちゃんというのは逆に何もしないということができなかったりします。
常に飼い主さんの気を引こうとしてしまったり、例えばお散歩中に何かをするということで褒められた経験がある子の場合は
常に例えば顔を見るようとしてきたりとか、顔を見てくれなかったら顔を見てくれるようにピョンピョン飛びついたり
リードを引っ張ったり、リードを噛んでみたり、そういった気を引いて飼い主さんの注意を引いて、そして褒めてもらおうというふうにしてくる子もいるわけなんですよね。
なのでそういうことを予防するためにも、そうではなくてお散歩という状態、お散歩というシチュエーション、そしてお散歩でリードがついているという状態の時に
理想的な歩き方をしてくれている時に褒めてあげることで、それを続けていくことでですね、
このシチュエーションではこれが正解なんだという行動とではなくてシチュエーションと結びつけて覚えていくことができるんですね。
これは例えばですね、例を挙げてみると、これお散歩だからなかなかちょっと分かりづらいシチュエーションかもしれませんが、
盲導犬の訓練
盲導犬のハーネスって分かりますか?盲導犬さんたちがつけている、すごいがっちりとしたハンドルみたいなものがついているハーネスですね。
盲導犬さんたちのオフの姿って見たことありますか?
私は横浜市に盲導犬の訓練センターというのがあるんですよ。
私は何度かそこにセミナーだったり、知り合いの訓練士さんの講演会だったりとかで足を運んだことがあるんですけれども、
オフの時の盲導犬さんたちって、とてもね、本当に一般の家庭のワンちゃんたちと大差ないんですよね。
もちろん何か言われた時の反応性というのは非常にいいんですけれども、何も指示をされていなくて自由にしてていいよと言われたら、
本当にね、とてもフレンドリーで、遊び好きだったりとか、多少ね、興奮してじゃれあったりとか、そういった子たちなんです。
ですけど、盲導犬さんたちというのは、あのベストをつけて、あのハーネスをつけた瞬間から、このシチュエーションでは自分はこうするべきということが非常に明確にわかるんですね。
それはなぜかというと、そういう練習、トレーニングを山のように積み上げてきているからです。
盲導犬さんたちも、もちろんね、選ばれし血統だったりするわけなんですけれども、
最初から完璧なリードウォークだったり、引っ張らないとかね、そういうことができるわけではありません。
彼らは本当に長い時間をかけてトレーニングをしていくわけなんですけれども、
その中で訓練士さんたちが非常に大切にしているのは、このハーネスをつけた時に犬自身のモード、犬自身の意識がきちんとお仕事モードに変わるということなんですよね。
犬というのは、それだけシチュエーションに沿った行動ができる生き物なんです。
ですので、最初のご質問に戻りますけれども、何もしていないということで褒められる、それが正解だということがわかるんですか、というご質問でしたが、それはわかります。
お散歩中にリードをつけて、引っ張ったり拾い食いをしたりしないで、横を並んでついて歩いていく。
そのことに対して、そのシチュエーションに対してワンちゃんを褒め続けるということで、ワンちゃんはこの状況においては、これが正解なんだということを学んでいくことが確実にできます。
そしてもう一点だけ付け加えるとしたら、これが正解だよというシチュエーションと、これは正解ではない、これはやめてほしいなというシチュエーションをメリハリをつけて犬自身に伝えていくことで、より正解が伝わりやすくなります。
犬の行動理解
例えば私は見事さんに、愛犬の見事さんに行っていたのは、見事さんが例えば引っ張って、あまりなかったですけど、前に前に引っ張って行った時、私は止まって、それは違うよというふうに伝えました。
具体的に言葉で伝える時もあるし、言葉で伝えない時もあります。そうするとリードが張るということがあまり常に日頃はないことですから、リードの張りを察知した見事さん、そして私が止まったということを察知した見事さんは後ろを振り返って、あれどうしたの、何で止まってるのというふうにこちらを見ますよね。
ごめんごめん、こうじゃなかったよねという感じで、自分から私の隣に戻ってきてくれる。そこで私は歩き出して、きちんと隣を歩けている時にまた褒めてあげるということですね。
これ注意しなきゃいけないのは、引っ張って、止まって、また飼い主さんの隣に戻ってきて、すぐに褒めておやつをあげてしまうと、引っ張る、戻る、引っ張る、戻るということを繰り返してしまうので、それは気をつけてください。
それからこちらのご質問者さんは、クリッカーを使われて、クリッカーというトレーニング用具があるんですけれども、クリッカーを使ってお散歩中に、愛犬さんが飼い主さんとアイコンタクトを取ってくれた時には、クリッカーを鳴らしておやつをあげるということをされているということなんですけれども、それはとてもいいことだと思います。
ただ、クリッカーというのは、ある行動を作り上げる過程の中において一番効果を発揮するものなんですね。ちょっと難しい表現になってしまうかもしれないんですけれども、0から100まで行動のパターンがあるとして、0が何も知らない状態、100がそれが完璧にできるという状態。
その0から100に到達するまでの間に使うことで、一番効果を発揮するトレーニング用具、それがクリッカーになるんです。
ですので、もしアイコンタクトという行動が、お散歩の中でほぼ完璧にできているのであれば、私はこのクリッカーを使うタイミングやシチュエーションを少し変えていく、それから頻度を変えていくといいんじゃないかなと思います。
それにつきましては、こちらのご質問者さんに直接お伝えをしたいなと思っています。
さらに、リードを張らずに並走してくれていたら、クリッカーを鳴らしておやつをあげていますということなんですけれども、これも最初の一話はとてもいいと思うんですが、これも使い方のコツがあります。
このクリッカーというトレーニング用具は非常に強力なんですよね。非常に強力に犬に対して、今、それが良かったよというポイントを伝える道具なんです。
ですので、この並走しているということに関してクリッカーを鳴らすという行動なんですけれども、これは私は使うのはそんなに頻繁ではなくていいと思います。
もし並走して、横に並んでついて歩いていることに対してクリッカーを鳴らすのであれば、犬にとって刺激が多い場所だったり、刺激が強いシチュエーションだったり、そういったレベルが高い時にこそクリッカーを使って、
あなたはこんな難しい状態なのに、私の隣をきちんと引っ張らずについて歩いてくれて、すごくその姿が魅力的だよという意味でクリッカーを鳴らしておやつをあげていただきたいんですね。
それ以外の特に刺激がない場所で並んで歩いてくれていることに関しては、もちろん褒めるのはいいんですけれども、私だったら言葉だけで褒めるという形にどんどん変えていくかなと思います。
そうすることでクリッカーを使った時の劇的な効果というのをより意識させることができるんですよね。
もちろんこれはクリッカーを使わなくてもある程度はできるトレーニングではあるんですけれども、クリッカーというトレーニング用具がかなり強力に犬に作用するためにクリッカーを使った方が早く、正確に、分かりやすく犬に届くということはあると思います。
ただし、このクリッカーというトレーニング用具はその効果がかなり絶大にワンちゃんたちに伝わりますので、使う方の技術が非常に問われるトレーニング用具になります。
ですので、クリッカーである程度できるようになったら、その周りのシチュエーション、レベルアップを少し考えていくといいんじゃないかなと思います。
はい、ということで今回少し専門的な内容のお話になってしまいましたが、何かをしないということに対して褒める場合、犬はなんで褒められたかを理解できるのでしょうか?というご質問に対して、
クリッカーの使用法
行動ではなくて、このシチュエーションの中において自分がどうするかが正解であるかということを犬は学ぶことができる。
なので、正解は分かりますよというお話をさせていただきました。ご参考になりましたら幸いだと思います。
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。皆さんからの何かワンちゃんに関するワンちゃんの行動やそういったことに関するご質問なども常時受け付けております。
最後まで聞いていただきありがとうございました。