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2025-12-09 10:45

《1412》回復の見込み どう判断する⁉️

【本日のご質問】

「回復の見込み」について教えてください。


高齢の家族が食事を取れなくなり、治療方針を選択する場面がありました。医師に「この状態はもう不可逆なのか」「回復する可能性はどれくらいなのか」と個別の状態について相談したつもりだったのですが、うまく質問できず、返ってきたのは「一般的にこの年齢の方なら回復は困難です」という一般論のみで、家族の状態に即した説明は聞けませんでした。


結果として自然な経過を見守りましたが、今でも「あのとき何をどう聞けばよかったのか」と考えてしまいます。確かに高齢でしたし、家族みんなで穏やかに最期の時間を見守れたので後悔はないのですが…


同じような場面で、患者本人の状態に基づいた具体的な見通しを医師に聞きたい時、どのように質問すればよかったのでしょうか?


また、医師はどのような情報を判断材料にして「回復が困難」と結論づけているのでしょうか。総合的に判断されており、素人が聞いても理解が難しいのだろうとは思いますが、気になります。


もやもやした質問ですみません。よろしくお願いします。


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■AI要約(誤字はご勘弁ください)


本放送では、内科医たけお先生がリスナー(レモネードさん)からの「高齢家族の回復の見込み」に関する質問に回答しています。


質問者は以前、食事が摂れなくなった高齢の家族の治療方針を決める際、医師から「この年齢では回復は一般的に困難」という説明しか受けられず、個別の状態に基づいた具体的な見通しを聞けなかった経験がありました。そこで、「医師は何を材料に回復困難と判断しているのか」「具体的にどう質問すればよかったのか」について質問が寄せられました。


**【回答の要約】**


**1. 予後予測の難しさと医師の「勘」**

結論として、高齢者の予後予測は非常に難しく、医師の経験則や「勘」に依存する部分が大きいのが現実です。「食事が摂れない」という状態一つをとっても、その原因(誤嚥性肺炎、脳卒中、あるいは老衰など)によって経過は全く異なるため、一概には言えません。


**2. 「回復」の定義と医療の不確実性**

救急や急変の現場では、「回復」しても元の体力(100%)に戻ることは稀です。一命を取り留めたとしても、以前より機能が低下した状態(例えば80%や60%)で落ち着くことが多く、どこまでを「回復」と呼ぶかという認識のズレも生じやすい点です。また、癌などは比較的予後予測が容易ですが、老衰や臓器不全による緩やかな機能低下は、いつが終末期かの判断が専門家でも困難です。


**3. 家族ができること:普段の情報の提供**

医師(特にかかりつけ以外や救急医)にとって、患者の「普段の様子」は未知の情報です。検査データだけではわからない、普段の生活動作(ADL)や活動レベルを家族から医師に伝えることが重要です。「普段はこれくらい元気だった」という情報があって初めて、医師はより精度の高い個別的な見通しを立てやすくなります。


**結論**

現代医療をもってしても、寿命や回復の正確な予測は不可能です。医師の「一般論」に留まってしまうのは、個別差が大きすぎるためでもあります。後悔のない判断をするためには、医師に「普段の生活状況」を詳しく伝えた上で見解を求めることが、より納得感のある説明を引き出す鍵となります。

サマリー

高齢者の回復の見込みについて、医師とのコミュニケーションの難しさを掘り下げています。また、患者と家族が知るべき情報についても考えています。回復の可能性や医療の不確実性を理解し、適切な質問をする方法についても触れています。

00:02
内科医たけおの心身健康ラジオ、皆さんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、いろいろな皆さんからのご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースの解説などもしています。
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あなたのご質問、お待ちしております。
ということで、今日は久々に質問回答をやっていこうと思います。
今日いただいているのは、先週の放送ですね。
福井県のエンディングノートをご紹介したやつのコメントにいただいてたんですけれども、
ちょっとコメントでは答えきれなくて、質問箱に改めて入れ直していただいたレモネールさんからのご質問になります。
回復の見込みに関する質問
ご質問ですが、回復の見込みについて教えてくださいということで、
高齢の家族が職場を取れなくなり、治療方針を選択する場面がありました。
医師にこの状態はもう不観薬なのか、もう元に戻らないということですね。
なのか、回復する可能性はどれくらいなのかと、個別の状態について相談したつもりだったのですが、
うまく質問できず、帰ってきたのは、一般的にこの年齢の方なら回復は困難ですという一般論のみで、
家族の状態に即した説明は聞けませんでした。
結果として自然な経過を見終わりましたが、
今でもあの時何をどう聞けばよかったのかと考えてしまいます。
確かに高齢でしたし、家族みんなで穏やかに最後の時間を見終われたので、後悔はないのですが、
同じような場面で、患者本人の状態に基づいた具体的な見通しを医師に聞きたいとき、
どのように質問すればよかったのでしょうか。
また、医師はどのような情報を判断材料にして回復が困難と結論付けているのでしょうか。
総合的に判断されており、素人が聞いても理解が難しいのだろうとは思いますが、気になります。
モヤモヤした質問ですみません。よろしくお願いします。
ということでご質問いただいております。
ご質問ありがとうございます。
医療の不確実性の理解
これですね、結論、これは難しいです。
し、これはね、もう本当にあくまで勘としか言いようがないんですよね。
以前もですね、予語予測のお話を先々月ぐらいだったかな、
させていただいたときあったかと思うんですけれども、
これもですね、広い意味での予語予測ではあるんですけれども、
ただ、今回ご質問いただいたケースはね、食事が食べられないっていうケースじゃないですか。
これの予語予測ってね、あんまり病気別みたいな感じではないじゃないですか。
食べられない原因が何かにもよりますし、
もちろんその恒例で老衰っていうのなのかもしれないですけれども、
例えば、私がずっと取り組んでいる五塩性肺炎で一時的に食べられないとかっていうのもあり得ると思いますし、
もしくは、例えば脳卒中になって食べられないとかですね、
食べられない理由もいろいろあるので、
それによってもね、だいぶ話が違ってくるかなというふうに思います。
あとはですね、もうちょっとその回復の見込みっていうと、
いわゆる救命の場面での回復の見込みを問われることとかもあって、
今回のご質問とはちょっと違うかもしれないですけれども、
例えばですね、救急搬送で受診された時に心肺疎通をしますか、みたいな、
エンディングノートの中にもありましたけれども、
そういうのを問われるシチュエーションってね、必ず出てくるんですよね。
これを事前にそのACPの話し合いですね、人生管理的なことをね、やっていればいいんですけれども、
ほとんどの方はやっていないので、その場で決断せざるを得ないということになるんですけれども、
でもその場合でもその回復の見込みがどうかって正直難しいんですよね。
明らかにその心肺停止状態で運ばれてっていうのだったら、
かなり回復の見込みは乏しいっていうことで、
もうそこで心肺疎通をやらないっていう選択をすることがほとんどですけれども、
特に高齢の方の場合はほとんどですけれども、
そうじゃない場合ですね、微妙に息は苦しいんだけれども、
その処置をやって流れているみたいなシチュエーションの場合ですね、
これが本当に回復するのかっていうことと、
あと回復するとしてもどこまでの回復が得られるのか、
例えばもともとの体力を100としていて、
その100まで回復するっていうことは基本ないんですよね。
それが中途半端な回復で、例えば80だったりとか60だったりとか、
場合によっては2,30ぐらいの回復にとどまるっていう、
それをちょっと回復と言うかどうかっていうのがあるんですけれども、
そういう場合もしばしばあるので、
だからこれを予測するのって正直難しいんですよね、
というのが結論になります。
これを医療の不確実性っていうふうに言うんですけれども、
ただこの辺りですね、
やっぱり我々医者とか医療者はそういうこともあるよねっていうので、
いろんな方が経験しているので分かっているんですけれども、
やっぱり患者さんにとっては初めての経験であったりとか、
あとは当然ご家族だったら思い入れもあるので、
そこをビシッと決めてもらいたいというか、
分かるだろうというふうな想定の下に思われているかもしれないですけど、
実際にはそんなことはないということは知っておいていただきたいなというふうに思いますし、
そこは経過を見ていかないと分からないという、
その点でしか見れない状態では特に分からない、分かりにくいということもあったりしますね。
特に緊急の場合とか本当に一期一会なんで、
普段の状況すらも分からないじゃないですか。
普段の状況を知っている、例えばかかりつけの先生とかだったら、
この人はこういう状態でみたいなのは分かるんですけれども、
救急で例えば搬送されてきた方が普段どういう状況かというのは、
そもそも情報として拾えないんですよね。
もちろんマイナー保険証とかで基礎疾患、どういう持病を持っているかとか、
どういう臆病を持っているかとか、そういうことぐらいは分かりますけれども、
ADL、日常的な活動がどれくらいできているかとか、
そこら辺の情報も当然入っていないんで、
そこら辺は普段見ているご家族さんから逆に聞くしかないということになりますね。
なので、質問への回答がだいぶ前置き長くなりましたけれども、
逆にご家族さんから質問していただくのも大事なんですけれども、
普段の状況を教えてもらった方がより精度の高い回答ができるんじゃないかなというふうに、
個人的にはこの質問を見て思いました。
という感じですかね。
あとは、そうは言っても今回のご質問をいただいて、
一般論の回答になってしまうということだったんですけれども、
一般論的な回答にならざるを得ない部分がかなり大きいんじゃないかなというふうに、
個人的にも思いますね。
もちろん基礎疾患、どういう病気で食べられないのかによってもだいぶ変わってきますけれども、
それが分かったとしても、かなり個人差が大きい部分があるので、
あとは同じ、例えば80代、90代の方でも、かなり元々元気な80代、90代の方もいれば、
ほとんど病気になる前から寝たきりみたいな方までいらっしゃるので、
その病気の前の体力がどれぐらいあるのかによってもだいぶ話違ってくるので、
という感じですね。
だからそこら辺の情報をむしろ医者に教えた方が、
個別的な回答を得られる可能性は高いかなというふうに思いました。
という感じですかね。
なので、予告予測の時にもお話ししましたけれども、
予告予測も病の奇跡という大きく4パターンあるんですけれども、
それに基づいて判断していくということになるんですけれども、
ただががん以外の病気に関しては非常に予測が難しいという、
がんが一番いろんな意味で予測が立てやすい病気なんですけれども、
それ以外の突然症は当然予測ほぼ不可能ですし、
あとはそれ以外の臓器不全とか、脳水とかという、
ダラダラと体力が失われていくみたいなケースに関しては、
どこをもって終末期に入っているのかどうかというのの見極めすらも難しい感じなので、
そこらへんは医療者としても難しいという感じかなというふうに思います。
ということで、もやもやした回答ですいません。
という感じですかね。
医療措置の判断と影響
ただこの辺は本当に医療の限界なんですね。
これが例えば数字とか検査データをもとに、
あなたの寿命はあと何ヶ月ですとかですね。
そういうのがわかったらすごいんですけど、
そんなことは今の現代医療をもってしてもできないので、
あとは本当に臨床医の勘ということに尽きるんですけれども、
そういう感じかなというふうには思います。
あともう一つはどこまでの医療措置を行うかというのによっても、
当然寿命が変わってきますよね。
それとその回復の見込みというのが、
この間のエンディングノートにもありましたけれども、
医療行為をより積極的にやれば、もちろん寿命としては伸びるし、
回復の可能性も少し上げられる可能性もあるんですけれども、
この辺りもやってみないとわからないというところもあるので、
そういう点で救急集中治療領域ではタイムリミテッドトライアル、
TLDというのが行われておりますけれども、
そういうことも少しずつ広まってくればいいかなというふうには思っております。
はい、というそんな感じでした。
もやもやした回答ですみませんでした。
では最後、しんしんじゃんけんいきたいと思います。
いきますよー。しんしんじゃんけんじゃんけんちょき!
ということで、今日も幸せな一日でありますように、
ご相手は内科医の竹内でした。
興味津々。
10:45

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