これですね、なぜ答えるのが時間がかかったかというと、
自分の中でも頭を整理するのに時間がかかったということと、
ただ、今回改めて病態仮説について考える機会がありまして、
これ非常にいいご質問だったなと思って、お答えしようと思った次第です。
そもそも、かんちゃんはご存知というか、よくわかっておいていると思うんですけれども、
病態仮説について改めてお話したいと思うんですけれども、
これ診療内科の治療において、いろんな独特だというか、
診療内科には絶対できないといけないことっていろいろあるんですけれども、
その中の一つにこの病態仮説の形成と共有ですね、これがあるんですよね。
これ何かというと、要は患者さんへの説明のスキルですね。
なぜその症状が起こっているかとかっていうのをきちんと説明するスキルですね。
これが診療内科に求められるんです。
というのは、いつもお話しているように診療内科って心身症っていうですね、
ストレスによって起こってくる体の病気、体の症状ですね。
これとか、あとは機能性な病気ですね。
機能性じゃなくて機能性ですね。
体の動きとか働きの異常によって起こってくる病気を見ることが多いんですけれども、
これらはですね、検査で異常がないことも比較的多くあるんですよね。
例えば代表例でいくと、花瓶性腸症候群ですね。
私いつも例に出しますけれども、これは検査で異常があってはむしろいけないんですよね。
例えば大腸カメラでなんかこう異常があるとか炎症があったりとかですね、
もちろん癌があってはいけないですしっていうのとか、
あとは血液検査をしてもですね、血液検査でいろんな検査できますけれども、
例えば炎症があったら、それはむしろ花瓶性腸症候群、ポスカがなくなってしまうっていう、
逆に他の病気じゃないかっていうのを疑う一因になったりするので、
なので他の検査で異常がなくって診断できる心身症、心療内科の病気って非常に多くあるんですよね。
例を挙げると何でもいいですけど、
例えば偏頭痛とかもそうですよね。偏頭痛も、
例えば脳症とかあったらそもそも偏頭痛じゃないんでとかっていうことになりますし、
あとは何ですか、
ストレスによって熱が起こってくるような病気、
こういうストレス性抗体温症とかっていうのもあるんですけれども、
これも他の例えば感染が起きてるとかですね、
抗原病があるとかですね、
あとオクシンが原因だとかですね、他の原因でないことを言って初めて、
このストレス性抗体温症っていう風に言えたりするので、
なので検査で異常がないことが逆に心療内科の病気であるっていうことがしばしばありますっていうことですね。
じゃあ我々ですね、医者は大体の場合ですね、検査で異常があることを説明することの方が得意っていうか、
ほとんどはね、検査で異常があることの説明しかやらないんですよね。
なんですけれども、
実際、今お話ししているように心療内科の病気って検査で異常がないことが多いので、
そうするとですね、どういう風に説明するのかっていうことで、
この病態仮説の説明をするっていうことなんですね。
ここまでよろしいですかね?
ついてこれてますかね?
これちょっと言葉だけで話すの難しいんですけれども、
まず病態、これ病態仮説って病態っていう言葉と仮説っていう言葉の合成した用語だというのは皆さんお気づきかと思うんですが、
まず病態っていうのがですね、あんまり一般用語じゃないと思うんですね。
だからこの病態仮説っていう言葉自体があんまりこう、
少なくともね、簡単に病態仮説っていう風に言うことはないんですけれども、
医療者にもね、病態仮説ってちょっと通じにくいなと個人的には思ってるんですけれども、
ただ、病態って要は病気の成り立ちですね。
病気がどういう風に起こってくるのかっていうのを病態という風に言うんですね。
ただこの病態っていうのは、いろんな病態があって、
私もですね、私、医者の途中から心霊大会に転校したんですけれども、
はじめはですね、例えば解剖学的な病態とかですね、
あとは生理学的な病態、あとは病理学的な病態とかっていって、
要はその医学的な病態ですね、こういうのバイオロジカル、生物学的なと言いますけれども、
そういう病態のことをね、ほとんどのドクター、医者は頭に思い浮かべると思うんですけれども、
ただ、そうではなくて、例えば心理的な要因とか、社会的な要因によって起こってくる病気とかっていうのもあるんですね。
それへの典型例が心身症なんですけれども、なのでこの辺の生物学的なもの、
あと社会的なもの、心理的なものをバランスよく考えるっていうのが必要で、
こういうのBPSモデル、生物心理社会モデルっていう風に言いますけれども、
これが非常に重要になってきます。
だから結構ですね、その検査で異常があるものに関しては、
そのバイオロジカル、要は生物学的な病態として説明しやすいんですよね。
例えば、なんでもいいですけど、肺炎の場合ですね、採血で炎症の数字が上がっていて、
白血球とかCRPとかっていうのが上がっていて、で、レントゲンを取ったら肺にカギがあると。
で、実際にタンの培養っていう、培菌を増やす検査をやってみるとですね、
なんか、例えば肺炎吸菌っていうのが出ましたみたいな感じでいくと、
これ患者さんにも説明しやすいし納得しやすいじゃないですか。
なんですけれども、これが全部異常がないっていうことになると、
じゃあなんで私の咳の原因は何ですかみたいな感じになるわけで、
そこをこのBPSモデルですね、この生物学的心理社会的な要因を総合して、
患者さんと共有するっていうことが大事っていうことで、
それがこの病態滑舌の形成と共有っていうことになるんです。
ということで、ちょっと前置きが非常に長くなってしまいましたけれども、
ここまでついてこえてますかね。
で、その中で、これ以前そういう放送したのかどうか僕も覚えてないんですけれども、
患者さんの解釈モデルに乗っかるっていうお話をしたようなんですね。
ちょっと覚えてないんですけれども。
またこれ難しい言葉が出てきましたけれども、解釈モデルっていうのは、
これも一般用語ではないんで、全然知らなくてもいいんですけれども、
要はなぜその病気、あるいはその症状が起こっているかっていうのを、
患者さんがどういうふうに考えているかっていうことですね。
これが解釈モデルっていうふうに言うんです。
例えばですね、なんでもいいですけど、じゃあコロナの話にしましょうか。
コロナで、私の仕事場の隣の席に移っていた人が、
昨日熱が出ていて、病院受診したらコロナって言われたと。
私もですね、今朝から熱が出てきて、自分はコロナだと思うんですけどっていうのを、
これもむちゃくちゃ解釈モデルですよね。
そこから実際検査していって、コロナですねっていうことになったりするっていうことになるんですけれども、
こういうのは誰しも持ってるんですね。
もちろんね、なんでその症状が出てるかわからないっていうこともあるんですけれども、
例えばもう一例挙げるとすると、今朝から急にお腹が痛くなっていて、
実は昨日柿を食べたみたいな感じになると、
ああ、あの柿に当たったんかなみたいなことになるじゃないですか。
こういうのを解釈モデルっていうふうに言うんですね。
ただ、その中でこの心身症とか、さっき言った機能性の病気については、
心理的な要因とか社会的な要因も考えていくんですけれども、
その中で患者さんがとっぴなことを考えているとかですね、
そういうことってあったりするじゃないですか。
これが質問の内容だと思うんですけれども、
それをどういうふうに考えるかっていうことで、
これは一旦それを用いた病態仮説図。
結構病態仮説図に書くことが多いんですけれども、図を作った上で、
それが本当に正しいかどうかを検証するっていうのが私のやり方ですね。
これあくまで病態仮説って仮説なんですよね。
だからこれ科学的に検証するとかっていうのはもちろん不可能ですし、
あと個々に全然違うんです。
仮説なんで仮説を検証していこうっていう、そういうのが大事なんで、
だから病態仮説って一回作って終わりではなくて、
いろいろ検証しながら修正していくんですけれども、
なので、一旦それは医学的にどうなのかなみたいなのもあったりするんですけれども、
でもそれ始めから違いますよっていうふうに言うと、
これ信頼関係構築できないんで、
一旦それを用いた病態仮説を用いるか、
もしくはそれは一旦聞いた上で、
でもその病態仮説の中にうまいこと組み込めなかったりする場合もあるんで、
その場合には一旦横に置いておくっていうようなことをする場合もありますね。
これちょっとケースバイケースなんですけれども、
っていう感じかなと思います。
ということで、最後の回答がすごい駆け足になってしまいましたけれども、
でも基本的にはカンズさんの解釈モデルに乗っかるのが理想なんで、