内科医たけおの心身健康ラジオ、皆さんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
この放送では、医療にまつわる皆さんからのご質問やリクエストにお答えしております。
医療ニュースの解説などもしています。
質問・リクエストは、質問箱のGoogleフォームから是非お寄せください。
あなたのご質問をお待ちしております。
ということで、今日もちょっと質問回答をやっていこうと思うんですけれども、
今日いただいたご質問はですね、
多分これ医療者、多分ドクターじゃないかなというふうに思うんですけれども、
ちょっと匿名の方からご質問いただいておりまして、
ご質問がですね、
MUS、医学的に説明のつかない症状というやつなんですけれども、
それの略称なんですけれども、
総合診療ですね、か心療内科という印象があるのですが、
ストレス源がはっきりしないMUSですね。
でも心療内科は対応可能なのでしょうかというようなご質問をいただいておりまして、
これをちょっと心療内科を代表してというのをこがましいですけれども、
一心療内科医としてお話ししたいなというふうに思います。
あと私たちは結構総合診療的なポジションでもあるので、
ポジションをどっちにとるかで回答が難しい部分もあるんですけれども、
でも両方を知る立場としてお話していけたらなというふうに思います。
まずこのMUSって一般の方はほとんど聞きなじみがない言葉じゃないかなというふうに思うんですけれども、
正式名称はMedically Unexplained Symptomsということで、
先ほど言ったように医学的に説明できない症状というやつなんですけれども、
これをですね、ちょっと最近のトレンドワードみたいになっていて、
何でもかんでもMUSに従るというかしてしまう人とかいるんですけれども、
実際にはですね、ちゃんと調べないとMUSって当然言えないじゃないですか。
なのでこのMUSって言うための我々除外診断というふうに言うんですけれども、
間別診断の中の特に除外診断ですね。
その間別診断ってある症状から考えられる病気というのをいろいろ考えていくということを間別診断というふうに言うんですけれども、
これをね、やっぱりしっかりやるっていうのは非常に重要なんですね。
例えば、何でもいいですけれども、目眩みたいな症状があったとしてですね、
目眩の原因って本当にいろいろあるんですけれども、
頭の病気とか、ジビガ的な耳の奥のバランス確の問題であるとか、
あとは内臓の病気とかですね、
もう本当にいろいろありとあらゆる病気があるんですけれども、
そういうのね、ちゃんといろいろ検討した上でMUSとかっていうふうに言うんだったらいいんですけれども、
そこが甘いことが結構あるんですね。
で、これがMUSがちょっとトレンドワードになっているからっていうのもあるのかもしれないですけど、
ちゃんとね、やっぱり調べるっていうのは必要で、
そのちゃんと調べる能力はね、やっぱりね、総合診療科とか総合内科のほうがね、やっぱり高いんじゃないかなというふうに思います。
もちろんね、診療内科も内科ってついているので、基本的な内科のトレーニングは受けてはいるんですけれども、
そこのいわゆる診断学ですね、この放送でも以前から何回もお話していますけれども、
この診断学のトレーニングみたいのはやっぱりね、総合診療とか総合内科の先生方のほうがしっかり受けていらっしゃるという、
これあくまでイメージですけれども、個人差もありますけれども、
ということなんで、まずそもそもMUSかどうかっていうところに関しては、
やっぱり総合診療のほうが強いんじゃないかなというふうに個人的には思いますね。
その上でですね、その後半のご質問ですけれども、
そのストレス源がはっきりしないMUSということで、これしっかり勉強していただいていると思うんですけれども、
診療内科って基本的にはストレスが関連する体の病気ですね、これ心身症というふうに言って、
いつもお話していますけれども、これを一番の専門にしているんですけれども、
ストレス源がはっきりしないMUSですね、でも診療内科は対応可能なのでしょうかというご質問をいただいて、
これは結論可能ですね。というか、そもそも心身症って先ほど言ったように、
ストレスに関連した体の症状、病気というふうに言ってはいるんですけれども、
ただ患者さんご本人とか、我々も客観的に見ても、あんまりストレス源がはっきりしないことって結構あるんですね。
そもそも患者さんがストレスが原因でみたいなことを否認しているケースも少なくないので、
問診表でストレスとの関連というのを聞く問診項目があるんですけれども、
それが全くないというふうに書かれる方も少なからずいらっしゃるんですね、心理内科受診する方の中に。
なんですけれども、よく聞くと客観的には、それはその状況だとストレスだよな、みたいに思うことはあるんですけれども、
本人としてはストレスと感じていない、もしくは認めないということもあったりするので、
別にこれは全然ストレス源がはっきりしない、主観的にも客観的にもというものでも心理内科としては対応できるというのが結論ですね。
じゃあどうするかというと、今までも何回かお話してますけれども、
心理内科って必ず患者さんと病態仮説というのを共有するんですね。
要はどういう原因で病気になっているかということを、患者さんと一緒に考えるというのが必要、そういうプロセスが治療の中で入ってくるんですね。
例えば肺炎とかだったら細菌が入ってきて、それが炎症を起こして肺炎ね、みたいな感じで、
画像的にも血液検査的にも肺炎って診断しやすいじゃないですか。
いつもこれもお話してる話ですけれども、機能的な病気ですね。
例えば何でもいいですけど、過敏性超症候群とかって検査で異常がないんで、
この検査で異常がないことをその病態仮説の中に反映してというか、
という風にして患者さんと共有する、患者さんの理解を促進していくということが必要なんで、
その中でストレスをその病態仮説図の中に入れることもありますし、もちろん入れないこともあるんですよね。
なので別にこれは取ってもいいかなっていうそんな感じです。
ただよくあるのが、これも以前もお話したかもしれないですけれども、症状が何かしらあるのであれば、
その症状があること自体はストレスになっていることは非常に多いので、
そうするとストレスと症状との悪循環ですね。
例えば先ほどの過敏性超症候群の例でいくと、
初めのストレスの原因は何かよくわからないけれども、
例えばテスト前になるとお腹痛くなってギリしたりすると、
それでテストを別出受検しないといけないということがあったりすると、
その初めのストレスの原因はよくわからないけれども、
その症状があることとか症状があってそのテストを別出受検しないといけないということ自体は、
大体の場合ストレスなので、それがまた症状を悪くしてみたいな、
そんな感じの悪循環に陥ることはしばしばあるので、
これは患者さんと共有しやすい一つのモデルという感じになりますかね。
という感じでしょうか。
なので、結論は診療内からの対応は可能なんですけれども、