内科医たけおの心身健康ラジオ、みなさんおはようございます。
たけお内科クリニックからだと心の診療所、院長内科医たけおと申します。
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ということで、今日は久々に、興味・心身論文をお送りしようと思うんですけれども、
実は今月、先々週かな、
Kidney Medicineという、ちょっとマイナーな雑誌なんですけれども、
そこに日本科の血液投擲患者さんの研究が出たんですね。
これ、非常に私の専門とする細胞・ネフロロジー・緩和ケアの領域、双方にまたがった、
面白い研究だったので、これをご紹介したいと思います。
論文のタイトルが、
Depression and Advanced Care Planning AmongJapanese Patients Undergoing Hemodialysisということで、
日本で血液投擲を受けておられる患者さんの鬱とACP、Advanced Care Planning、
というような論文なんですね。
J-DOPSという、日本の血液投擲患者さんの大きなデータがいくつかあるんですけれども、
それのうちの一つのJ-DOPSというデータを使ってというようなやつなんですけれども、
初め、これ直感的に言ったときに、どういうことって思ったんですよね。
これ、鬱とACPって全然関係なくないっていうふうに思ったんですけれども、
よくよく思ったですね、その鬱があると今後のことを早く考えないといけないんじゃないか、
みたいな感じの仮説の下で、それを検証したというような、
そういう非常に面白い発想から出た論文でした。
2つ、この研究の中で大きなことをやっていて、
1つは横断研究という、これは専門用語で難しいんですけれども、
ある一時点で鬱とACPをやっているかどうかというような関係を見るということですね。
これが1つと、あともう1つが縦断研究という時間を追っかけていく研究なんですね。
この2つをこの研究の中で同時にやっているというのが、この論文の面白いところです。
結論的には、横断研究においては相関関係というのは見られたんですけれども、
ちょっとこの後お話ししますけれども、縦断のほうではそこの優位さが見られなかったという、
統計学的な優位さが見られなかったという、この結果をどういうふうに解釈するのかって非常に難しいんですけれども、
そういうような結論になっておりました。
ちょっと内容を入っていくと、まずは血液透析患者さん、どれぐらい日本でACPの話し合いを行われているかというと、
大体26から28パーセントにとどまっているということで、約4人に1人しかそういうACPの話し合いをしていないということがあるようです。
これ感覚的にはもっと少ないんじゃないかなという気がするんですけれども、そんなにいるって思うんですけれども、そうらしいです。
あともう1つ、これすごいびっくりしたのが、今回うつをどういうふうに評価しているのかというので、
これ専門的なんてあれですけれども、SSDという一般的にうつを見る指標の1つとして、
それを10点以上というやつで、今回よくうつ傾向が見られるというふうに評価したらしいんですけれども、
それが何と45パーセントもいるという、これむちゃくちゃ多くないというふうに思うんですね。
私もうつの論文とかいくつか書かせていただいているんですけれども、
国際的に、一般的に国際的には大体20パーセントぐらいが平均で、
特にちょっとこれ古い統計なんですけれども、古いデータでは日本では大体10パーセントぐらいという研究が多いというかあるんですよね。
なんですけれども、今回は45パーセントという、2人に1人ですよね、によくうつがあるということで、
いや、これむちゃくちゃ多くないと思ったんですけれども、今回の研究結果ではそういうことらしいです。
ちなみに、ちょっと話脱線しますけれども、国際的には20パーセントなんですけれども、
日本では10パーセントというデータ自体が、やっぱり日本ではうつを見逃されているんじゃないかということとか、
あとは日本人は、うつとかメンタル疾患一般にですけれども、自分ではそういうふうなことを認めたくないみたいなこともあって、
10パーセントというのは自己申告のところもあったりするので、そういうので低く出てるんじゃないかみたいな、そういうような研究もあるんですけれども、
そんな感じなんですけれども、今回はなんと45パーセントということでした。
で、よくうつとACPをまず横断研究であるワンポイントで見ると、よくうつ症状がない方に比べて、よくうつ症状がある方に関しては1.2倍、
ACPの話し合いをしているという、要は性の相関があるということになりました。
これそうなんだと思って、しかもこれただの1.2ではなくて、優位さというふうに言うんですけど、統計学的な優位さというのがあるんですけれども、
これちょっと難しいんですけど、その優位さをもって1.2倍、だから20パーセントぐらい、そのACPの話し合いをしている方が、
よくうつがある方に関してはない方に比べて多いというような、そういう研究結果になっておりました。
ただ、これ難しいのが、1年後に評価するというのでいくと、1年後はこの結果をもとにすると、
よくうつがある方は、その1年後もACPの話し合いをする方が増えるというのが、その仮説として成り立つじゃないですか。
なんですけれども、その仮説は成り立たなかったというような、そういう感じなんですよね。
だから、これをどう評価するべきかというのは、ちょっと難しいなというふうに思っております。
という感じでした。
ただ、ちょっと発想として、冒頭にも言ったように、うつとACP、あんまり僕は注目していなかったというか、
全然そんな考えにも及ばなかったので、それを研究、しかも大規模データのJEDOPSというのを調べようと思ったのは、
すごい面白いなというふうに思いましたし、もちろん結構いろんな限界があって、
例えば、先ほど言った欲うつかどうかという評価を、このSES-Dという、ご自分で記入するアンケートだけに頼っているということで、
これは実行、記入式のアンケートの常に言われることなんですけど、やっぱり限界があるんですよね。
ちゃんと精神科医とか、医療者が本当にその方がうつがあるのかどうかというのを、
問診とかも含めて調べるというのが本来必要ではあるんですけれども、そこら辺がなされていないということとかあったりするので、
そこら辺は限界かなというふうに思いますし、もっと言うと、そもそもACPの話合いって、
人大体両方を選ぶ段階から始まっていたりとか、人大体両方をやりながらもACPを繰り返したりとかということって、
普通にある話なんですよね。だから今回、血液透析患者さんだけに限られてしまっているんですけれども、
他の腹膜透析とか、人植、保存的腎臓療法を選ぶ方も今後増えていくと思うんですけど、
そういう方がうつの関連でどうなるんだろうみたいなことは、この研究では全然わからないということとかもあったりしますよね、と思いました。
あともっと言うと、このACPをどういうふうに定義するかっていうのも結構難しくて、
例えば何かちょっとした家族の情報収集をしたっていうのをACPと捉える人もいれば、
本当に片通りのACPの話し合いをやったことしかACPとして認めないみたいなこともあったりすると思うんで、
そこら辺のこの用語の定義、ACPの定義自体が非常に難しい部分もあるので、
そこら辺がちょっと研究の限界としてはあるのかなというふうに見ていて思いました。
という感じでしょうか。非常に面白い論文で、今後の講演するときとかに入れてもいいかなというふうに思いましたね。
はい、でした。では最後、しんしんじゃんけんいきたいと思います。
しんしんじゃんけんじゃんけんぐ!