2025-10-31 14:17

NEW!naha.5-4「共感よりも、大切なことがある〜共感とコンパッションの違い」『Humankind 希望の歴史』エピソード4

🐈️ Natsu選書 ˊˎ˗

⁠⁠⁠『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』⁠⁠⁠

⁠⁠⁠上⁠⁠⁠⁠⁠⁠下巻⁠⁠⁠ ルトガー・ブレグマン著(文藝春秋社)


ルトガー・ブレグマン著『ヒューマンカインド 希望の歴史』をめぐる第4回。


今回のテーマは「共感力のパラドックス、思いやりの力」

わたしたちは、共感を“人間らしさ”の象徴として語ります。


ですが、ブレグマン氏はそこに潜む落とし穴を指摘します。共感はスポットライトのように一部を強く照らす一方で、その光が届かない場所を見えなくしてしまうことがあるのです。


被害者への共感が、知らぬうちに誰かを傷つける炎上を生み、身近な人への共感が、異なる文化を遠ざける偏見に変わることもある...
愛情ホルモン「オキシトシン」さえも、親しい人への絆を深めながら、見知らぬ人への嫌悪を高めてしまう作用を持っています。

共感は、人をつなぐ力であると同時に、分断を生む力でもある。


だからこそブレグマン氏は提案します。より良い世界をつくるのは、共感ではなく「思いやり」だと。

思いやりは、相手の痛みを“自分の痛み”として感じるのではなく「その人のために、今できることは何だろう」と行動に変えていく心の動き。

共感が感情に留まるのに対し、思いやりは実践へとつながります。


そしてその出発点は、問いかけること。
「あなたはどう感じているの?」

「どうしてほしい?」
そう尋ねることで、相手の声を奪わずに、ほんとうの優しさを形にできる。


このエピソードでは、共感と思いやりの違いを軸に、わたしたちが日々どんな“心の使い方”をしているのかを見つめ直します。


人との関係をやさしく整えるヒントが詰まった回です。


・・・


【わたしから小さく始める世界平和 - naha 🕊️🌏️】

⁠⁠⁠https://note.com/cohanatsu

サマリー

エピソードでは、人間の共感力がその親切さと残虐さを生むメカニズムについて考察されています。また、共感とコンパッションの違いが明らかにされ、より良い世界を作るためには思いやりの心を育てることが重要であると述べられています。共感とコンパッションの違いについて探求し、具体的な行動の重要性が強調されています。思いやりを持って質問し、他者のニーズを理解することがコミュニケーションの本質であると語られています。

共感力とそのメカニズム
こんにちは、こんばんは。Naha Podcastを聞いてくださってありがとうございます。
今回はHumankindという読みごたえのある本をですね、なっちゃんが皆さんにぜひ紹介したいというふうにまとめてくださった対策エピソード、今回は4つ目になっております。
はい、ありがとうございます。
前回までね、人類は助け合うことで繁栄してきた生き物なんだよっていうお話をさせてもらったんですけど、
私たちを地球上で最も親切な種族にしているメカニズムは、同時に私たちを最も残酷な種族にもしている。そのメカニズムと同じなんだっていうお話をちょっと詳しく
さらにしていきたいんですけど、そのキーワードとしてね、本の中で共感力っていう言葉が出てくるんですね。
その、人間が今まで生き延びてきた大切な能力、特徴の中心にあるものとして共感力っていう言葉を使っているんですけど、
あの言葉はもう聞かない日がないですね、最近本当に。
そう、私このお話を読んですごく感動してしまった部分なんだけど、
一般的に共感力ってすごくこう、いいものというか、疑いなく高ければ高いほどいいものというイメージがありませんか?なんとなくね、世の中に。
そうね、なんか共感するって言葉に対して、え?ってこうネガティブに捉える人の方が少ないと思う。
そうだよね、あんまりその負の影響について聞くことってないというか、
共感力が高いって言うと、あ、素敵なことだねっていう反応が生まれそうな気がするというか。
ところがですよね、このひなちゃんがまとめてくれたもののタイトル、
共感するのが人々を最も親切で同時に最も残虐な種にしているっていうね、すごいタイトル。
ちょっと発祥するようなテーマかもしれないんですけれど、
この本の中でね、共感力とはスポットライトのようなものだっていう表現が出てくるんですね。
特定の人とか集団への共感が強くなればなるほど、世界のその他の部分が見えなくなってしまう。
それ実際にそうだなと思うんですよね。
しかもニュースと結びついたりして、こういう現象今もすごくいろんなところで起きてるなって感じるんだけど、
悲しい話に共感してみんなの注目が集まることで、
その相手側に対する知識とか認識みたいなものが全く深められることがないまま、
その背景については何も見ようとしないまま、
被害者がかわいそうだっていうところで相手を反射的に叩くみたいなことが、
ばーっと炎上みたいな形でよく起きていて、
後から実はこんな背景があったっていうことが分かって、
あ、そうだったの?みたいなこともいっぱいあったりね。
下手したら後からの背景が報じられなかったりとかするよね。
最初の例外的で、なんだっけ、刺激的なものほどバーンと出るんだけど、
訂正する方ってそんなに刺激的じゃないから出ないなのか。
そうそう、出たとしてもあんまり注目を浴びることがあって。
最近だとあれですよね。
草津の市長さんの女性指揮の方に暴力を振るわれたって言ったら全然嘘だったみたいな。
あれもね、被害者とされる女性がスポットライトをパーンと浴びると、
その他のことがなくてもうみんなね。
お相手の男性のことはもうイコール、
すごいひどい人だ、なんでこんなことをするんだっていうので、
抗議の電話が殺到したりっていうようなことがね、報じられていたよね。
これってまさにその共感力のスポットライトの効果、
っていうことが起きた例なんじゃないかなって思うんだけど、
思いやりの心を育てる
そう、こういう共感力にはいいことばかりではない働きもあって、
共感と外国人恐怖っていうその心理が恋の表と裏みたいに密接につながっているんだよっていうことも
ブレグマンさんは書いてるんです。
もうこれもなんていうかね、日本にいて今全然他人事じゃないというか、
本当にそういう外国人の方に対する、
もちろんその事件だったり、摩擦というかね、被害が起きていることもあるんだけれども、
そうじゃない、ほとんど大多数の何も悪いことをしていない外国の方に対しても、
そういう目が向けられてしまったりね、
っていうのも自分たちに共感する、その仲間に対して共感することのもう一つの作用っていうかね、
外国の人たちに対する抵抗感みたいなものにつながってしまっているっていうことが起きているんじゃないかなって。
なんか違和感を嫌う人って多いですよね。
あなたと私ここが違うよね、だから嫌いみたいな人っていうのは聞かないで、
違うからイコール嫌いっていうふうにしやすいなっていう。
それは嫌う理由には本当はならないんだけど、
くっついている方っていうのはそういう人ほどもしかしたら共感力が高いのかもしれないんだけど、
でもあるよね、私も実際気をつけたいとはいえ、
なんていうのかしら、外国の方に対する恐怖っていうのは普段感じることないけれども、
あるだろうなっていうのは聞いてて思います。
あと共感力っていう言葉とセットで、
良いものとされがちなことで言うと愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシン。
オキシトシンが出てくるとは。
そうなの、これも共感力の中で言及されているんだけど、
これもすごく良いもの、出れば出るほど良いことがあるみたいな印象で受け止められがち。
健康な存在だよね、全てを救うみたいな感じで語られるっていうか、健康になるしみたいな。
そうだからね、一昔前にはすごく良い活気的なホルモンなんじゃないかということで、
じゃあスプレーみたいにして摂取できるようにしたらいいんじゃないかみたいな研究もあったらしいんですけど、
そうは単純ではなくて、
オキシトシンって身近な家族とか友人に対する愛情を深めるっていうことはあるんだけれど、
逆に見知らぬ人への嫌悪を強めてしまうっていう作用もあるらしくて、
まさに共感力と同じ働きっていうかね。
確かに確かに。
そういう作用があるらしくて、すごく興味深いなと思うんだけど、
本の中でブレグマンさんが一つ確かなことは、
より良い世界っていうのは、より多くの共感から始まるわけではないということだっていうふうに書いてるんですね。
素敵。
そう、ハッとするよね。
じゃあどうしたらいいんだろうっていうことなんだけど、
そこでね、もうさすがだなって私は痺れてしまったんだけど、
ブレグマンさんがね。
じゃあどうしたらいいのっていうと、
共感よりも思いやりの心を育てようということが出てくるんです。
面白い。
共感と思いやりが区別されているんだ。
そうそうそう。
なんとなくこう一緒くたに考えてしまいがちなんだけど、
全然違う作用、働きだよっていうことを言っていて、
例にあげているのが、
親を亡くしてしまった子児がいることを想像してみたときに、
その子供の身になって、その本人のような気持ちになって、
共感を深めるのと、
まずその共感したときに感じる、
どんなふうに感じるかっていうことをね、
皆さんももし良ければちょっと感じてみていただきたいんですけど、
その人の身になるっていうことをすることと、
共感とコンパッションの違い
共感ではなくて思いやり。
その人のために一体何ができるだろうっていう優しさだとか、
気遣いの気持ちを呼び起こしてみると、
全然脳の働く部位が全く違うんですって反応する場所が。
面白いよね。
でも確かに自分の中の人格っていうか、
考えてみたらキャラ違うなと思いました。
今の例で言ったら、共感する側は自分も子供になっちゃう感じだけど、
思いやりの方は大人としてその子に接している感じがしたので、
そうなんだよね、まさにまさに。
部学への戦う道具コマンドみたいな、全然違うコマンドが出てくる。
そう、わかりやすい。
本当だね。
優しさとか思いやりを呼び起こすことっていうのは、
共感と何が違うのかっていうと、
その人のために具体的に何ができるんだろうっていうことを、
その行動と結びつくんだよね。
共感っていうと、痛みとか辛さとか苦しみみたいなことを
一緒に感じるっていうことが起きがちなんだけど、
思いやりっていうと、じゃあその人のために何をしようか、
どういうふうに働きかけることができるだろうかっていう、
より実践的な具体的な手段に結びつくので、
全然違うものなんだよっていうことが書かれているんです。
いや本当にそうだよなと思って。
本当にそう。
ねー。
今パッて思ったけど、商売の人ならわかるネタで、
同情するなら金をくれみたいな感じ。
あーあったねー。
同感するなら金をくれじゃないけど、
金とは限らないけど、行動の方が私は困ってる側としては嬉しいんだよ、
みたいな感じっていうかさ。
このね、混同されがちな、
2つの共感と思いやりっていうものの違いから、
共感っていうのは人間が備えているすごく素敵な性質ではあるんだけれど、
時にはね、私たちを傷つけることにつながることもあるので、
その強化を全く捨てようっていうことではないんだけれど、
辛いことに直面する時には思いやりを呼び起こすと、
より前に進むための行動につながるっていうことで、
そういうキーワードが出てくるんですね。
思いやりの重要性
さらにブレグマンさんはね、
もっとたくさん質問しようっていうことも書いてるんです。
素敵だよね。
思いやりっていうことともつながるんだけど、
人が何を望んでるかとかね、逆に何をしてほしくないかっていうことって、
私たちは常に正しくわかるわけじゃないよねっていうことなんです。
よくちっちゃい頃に学校とかでさ、
人にされたくないことはあなたもするのをやめましょうとか、
自分がされて嬉しいことをしてあげましょうみたいに教わった記憶があるんだけど、
あれだけだと性格じゃないというか、
人ってそれぞれ全く違う個性を持っているし、
何が嫌で何が好きかっていうことも違うから、
そこをあなたが何を欲しいか私はわかっていますって思い込むことは、
相手の声を奪うことと一緒だよっていうことを
ブレグマンさんは鋭く指摘されているんです。
素晴らしいよね。
変わるもんね人ってね。
前はこれが嬉しかったけど今は違うこともあるだろうし、
みんなの前で褒められたいっていう人もいれば、
こっそり褒められたい人もいるわけで、
本当本当。
ただ褒めるっていうのもどんな褒め方かとかも違うわけだから、
そう。
素晴らしい。
なので思いやりを持って問いかけるっていうこと、
まさにこれってコミュニケーションの本質だなと思って、
今回のお話は特にこの本の中でも伝えたい、
ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思っていたところだったので、
聞いていただけてとっても嬉しいです。
激アツポイント、どれも激アツだと思うんだけど、
これは特にっていうふうに心が。
特に、この本をこの場所で取り上げたいと思った、
すごく大きなきっかけはここの部分だったんですね。
ありがとうございます。
なので今回はこれくらいにして、
次回いよいよ最後の回ということで、
私たちが人間について新しい見方をしたら、
世界はどう変わっていくんだろうっていう、
ちょっと胸アツなワクワクするお話を最後にしたいなと思います。
はい、楽しみ。
では今回も最後までお聞きくださってありがとうございました。
ありがとうございました。
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