2025-10-24 14:35

naha.5-3「ホモサピエンスが生き残った理由|人間の“社会性”という奇跡」『Humankind 希望の歴史』エピソード3

🐈️ Natsu選書 ˊˎ˗

⁠⁠『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』⁠⁠

⁠⁠上⁠⁠⁠⁠下巻⁠⁠ ルトガー・ブレグマン著(文藝春秋社)


ルトガー・ブレグマン著『ヒューマンカインド 希望の歴史』をめぐる第3回。


今回のテーマは「人間の本質と協力の歴史」

人類史を振り返ると、わたしたちは何万年ものあいだ、狩猟採集の生活を送ってきました。そこには階級も支配もなく、子育ても共同で行う社会があったそうです。
戦争という概念が生まれたのは、農耕と私有財産が始まった約1万年前とのこと。


20万年にわたる人類の歴史の中では、ほんの一瞬にすぎません。


ブレグマン氏は問いかけます。

なぜホモサピエンスだけが生き残り、文明を築くことができたのか。


その答えは、知能や力ではないと言うのです。

人は互いの表情や視線から気持ちを読み取り、共感し合う力を進化させてきました。

豊かな感情表現と協力の精神が、わたしたちを生き延びさせたのです。


ただし、このつながりの力は両刃の剣でもあります。

仲間を守る意識が、「敵をつくる理由」にもなる。人は、最も優しい種であり、同時に最も残酷にもなりうる存在。


善と悪、愛と恐れ。
どちらも人間の本質の中に息づいています。
この第3回では、わたしたちが持つ「協力と残虐の二面性」を見つめながら、“人間らしさ”とは何かを一緒に考えていきます。


・・・


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⁠⁠https://note.com/cohanatsu

サマリー

人類は狩猟採集民として長い間、協力しながら平等に生活してきましたが、農耕が始まり私有財産の概念が導入されることで、戦争やヒエラルキーが生じました。このエピソードでは、ホモサピエンスが過酷な環境の中で生き残った理由として、人間の社会性の重要性が考察されています。また、農耕の導入がもたらしたヒエラルキーや、仲間を守るための武器を持つ理由についても言及されています。

人類の歴史と協力
こんにちは、こんばんは。naha.comのポッドキャストを聞いてくださってありがとうございます。
いよいよ、Humankindを織り返しに入りまして、エピソード3になります。
ナツちゃん、よろしくお願いいたします。
はい、ありがとうございます。
前回ね、私たちはいろいろな要因で、人間は本来邪悪な存在だっていうことを思い込まされてきたのかもしれないっていうことが分かったお話をしたんですけど、
じゃあ実際ね、私たちってどんな存在なんだろうってことを、様々な角度からプレグマンさんが考察していっているんですね。
なので、紹介したいと思うんですけど、まずね、人類史を遡ると、何万年もの間、私たちは狩猟再生民として世界を放浪していたっていう歴史があって。
狩猟再生ね。
そこにはね、戦争もヒエラルキーもなかったっていうふうにプレグマンさんは書いてるんですね。
男女も平等だったっていうふうに。
もちろんリーダーとかがいて、争うこともゼロだったとは書いてないんだけれど、
でもその大規模な殺し合いみたいなこととか、原力者が絶対的な力を持って人を支配するみたいな構造にはなくて、
リーダーも流動的に入れ替わっていて、人も集団の中を自由に行き来していたというような話が出てくるんです。
女性が子供を持ったとしても、男性の家族の家に入るっていう仕組みがそもそもなくて、
共同体の中でみんなで育てていたから、
女性が男性の家の所有物であるみたいな扱い方はそもそもしていなかった。
歴史がほとんど、人類史の中でほとんどであるっていうことをまず書いてるんです。
家みたいな概念がないほうが長かったってことですね。
そうそう。戦争の考古学的な証拠が見つかり始めるので、
およそ1万年前以降だそうで、
ちょうど人が農耕とか私有財産っていう概念を持ち始めた時期と一致してるんだって。
この時点から、ほとんどの長い歴史の中を人はそういうものとは離れたところで生きてきたんだけど、
1万年前をスタートとして大きく環境が変わって、
その時点から人は心と体にそぐわない生活に進み始めていったんじゃないかっていうことなんです。
このシステムと人との間に大きなミスマッチが起きているから、
今、人が直面しているような色々な問題が現れているんじゃないかっていうことをブレグマンさんは言ってるんですね。
1万年ってすごく長いように感じるじゃない?
とてつもなく長い間、人って戦争してきているのかみたいなちょっと悲しい気持ちになりがちなんだけど、
例えばホモサピエンスが誕生したのが20万年前、
エレクトスでいうと180万年前っていうことが言われてるんで、
そう考えていくと長い歴史の中で本当に最近、もうめちゃくちゃ最近の話なんだよね。
その全体から見ると1万年っていうことは。
20分の1だったり180分の1ぐらいっていう。
そうそうそうそう。
なのでものすごく短い期間に本当に大きな変化にさらされているのが今の私たちっていうことのようなんだよね。
そういったことを踏まえてね、この長い人類の歴史を私たち人類が他の動物と比べてね、
社会性とホモサピエンスの生存
その肉体的にすごく優れて強いわけでもないのに、
どうして絶滅せずに200万年近く生き延びることができてきたのかなっていう話なんだけど、
不思議なことにネアンデルタール人の方がホモサピエンスよりも脳の容量も大きかったり、
身体能力もたくましかったりするらしいんですって。
なのに脳の容量も大きくて賢かったはずのネアンデルタール人は絶滅してしまって、
ホモサピエンスがなぜか残っている。
どうしてなのっていうこと。
そこに人類の強い特徴というか、人間らしさみたいなものがあるんじゃないかっていうことをブレイクマンさんが考えたときに、
じゃあ秘密は何なんだろうって言うとね、
他者との一体感や交流を何より欲する遺伝的性質がホモサピエンスにあったっていうことが他との違いなんだって。
なるほど。
そう、ネアンデルタール人とは顔の筋肉を動かせる、どれくらい動かせるかとか、
眉をどれくらい動かせるかみたいなこととかね、そういうことが全然違うらしくて。
そんなこともわかるの?すごい調べ方。
面白いよね。
で、その人間は白目の部分が大きくあることによって、視線を動かす、その視線の動かし方からその人の考えていることというか、
気持ち、感情まで伝えることができるし、読み取ることができるっていうのもすごく人類らしい特徴なんですって。
いますよね。動物ってそんな白目がなくて、
人間がこんなに白目があるのは、表情が表せるというか、そこはつまり人間が主として生き残るというか、
戦略っていうだけじゃないけど、必要だからっていうふうに特化していった結果が、豊かな表情であったり、表せるってところだろうということなんですね。
素晴らしい。本当にコハちゃん言ってくれた通り、まさにね、戦略的に獲得してきた。
必要だから。必要だからっていうこともあるし、それが人間の大きな特徴で。
だから単純に計算能力とか、知能っていうことで言うと、
脳とか身体じゃなくてね。
そう、とかで言うと、他の人間に近い、例えばチンパンジーとか、そういった種族とあまり変わらないどころか、人間の方が低いこともたくさんあるんですって。
すごいもんね、なんか力の強さとかで言ったら、向こうの方がすごすぎる腕力とかね、あるから。
腕力もあるし、脳の働きに関しても、人間が特別優れているってわけではなくて、ただ人間は社会的っていうことにものすごく突破しているっていう。
私たちが一番苦しめられている要因でもあるけど、それが今の人間の繁栄を作ったということですね。
そうなの。だから、人間が本来残酷な、残虐な種であるとしたら、こんなに生き残ってないってことをブレグマンさんは書いてるんですね。
弱いのに生き残ってこれたのは助け合ってきたからだ、協力し合うことができたから、ここまで生き延びて文明を築くことができてきたんだよっていうことを書いてるんです。
まずそれが私たちの大きな特徴なんだっていうふうに言ってるんですね。
戦争についても触れられているんだけど、人間の本来持っている性質で、人間って戦争を起こせてしまうじゃないかってことを私たちは考えるんだけど、
それもさっき言ったように長い歴史の中の、本当に農耕が始まって以降の出来事だっていうことを言っているのと、
あとね、戦場に出る人たちって何も悪に染まっているわけじゃなくて、みんな仲間のために戦っているんだってことを書いてるんです。
みんな自分たちが悪いことをしている、俺たちは悪だぜなんて思いながら戦っているわけでは当然なくて、
しかも命がかかっている戦場ですら、兵士にとって人を殺すっていうのはとても難しいことで、心理的にものすごく抵抗があることで、
ホモサピエンスと社会性
だから軍隊っていうのは心理的にも肉体的にも相手との距離を広げるための行動をたくさん取るんですって。
で、実際ね、今って武器も銃であったりミサイルであったりっていうところからドローンみたいなね、無人で遠隔でっていう風にどんどんどんどん変化しているし、
あと心理的にもね、その相手は悪なんだ、自分たちは味方とか家族を守るために戦っているけど相手は悪なんだっていう風に、
人間じゃないようにみなす、相手の人間性を否定することによって、どんどん本当に敵は人じゃないみたいに扱えるようになっていってしまう。
そうですもんね、必ず悪というような存在で描かれるエピソードばっかりが敵対国のことは報じられて、残虐非道なんだっていう。
それも事実だけどそこだけをやらないとやっぱり戦えないもんね。
人間だよなんて言われたらやっぱり、この人にはちっちゃい子供がいるんだよって言われたらやっぱりしづらいですもんね。
例外的に指導者の立場の人たちっていうのは、そもそも敵との距離を容易に取れるので、戦場に出るわけでもないし、
なのでそもそも敵に共感しにくいっていう立場にいるので、高みから冷酷な命令を下すことができやすい、できてしまうっていう性質があるんだよっていうことを書いてるんです。
構造的に共感性の薄い人の方が出世しそうですしね、そういう場所だとね。
そうだね、そうだね。そういうことがまさに書いてあった指導者の特徴としてね。
このシェアしてる動画だと見ていただける2番目の、階層性が結びついて権力になってくると多分話がちょっと変わってくるだろうけど、構造の中ではね。
でも一員の平でみんなが歩いてる人間の時には多分、基本的には共感する生き物だろうとは思うから、納得ですね。
さすが、コハちゃん。
前回のお話でね、コハちゃん。
ネタバレした。
ネタバレした。
まさに言ってくださったことなんだけど、有名な心理実験、サンフォードの韓国実験とか、ミルグラムの電気ショック実験っていうふうに言われて、
みんながなんとなく知っているような有名な実験っていうのは、本当に言ってくれた通り、熱像とか演出っていうものが指摘されていて、
人が残酷な生き物だよっていうことを証明できるようなデータとしては使えるものではないっていうことが言われているんですって、今。
なので、まとめると、私たちは長い歴史の中で、過酷な環境の中でも、周囲の人とつながって協力することができたから生き延びることができたよっていうこと。
ただし、農耕と所有っていうシステムを導入し始めてからは、限られた資源とヒエラルキーが結びついてしまって、ミスマッチが起きるようになったし、権力者が人々を支配するようになった。
人間の最良の要素である仲間意識とか連帯感、つまり人とのつながりを大切にするっていう特徴的な性質が、私たちを生き延びさせてもきたし、同時に仲間を守るために武器を取る理由にもなってきているんだよっていうことなんですね。
なので、この私たちの特有の性質が、人間を最も親切な種にもしているし、同時に最も残酷な種にもしているっていうことなんです。
農耕とヒエラルキーの影響
いやー、事実。
ねー。
皮肉のようだけど、そうだなーという。
そうそう。だから、人間は善か悪かっていう話にどうしても単純にしたくなってしまうんだけど、そう単純ではなくて、その一つの特徴的な性質が人間のすごくいい部分でもあり、すごく恐ろしい現実を生むような要素にもなってしまっているっていうことなんです。
ねー。
ありがとうございました。
ありがとうございます。ここで一旦。
そもそも人間とは、ホモサピエンスとはというところをね、いろんな思い込みをひっくり返しながら、なちゃんのダンビゲートで見てきたんですけども、このHUMANKINDの残り2つのエピソードとなっております。
ライブをしていくというところとか、他のね、希望に向けた話が入ってくると思うので、ぜひぜひお楽しみに。
はい。
見てくださってありがとうございました。
ありがとうございました。
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