2025-10-17 16:56

naha.5-2「なぜ、わたしたちは人を疑うようになったのか?ニュース・歴史・心理実験が作った“人間不信”の正体」『Humankind 希望の歴史』エピソード2

🐈️ Natsu選書 ˊˎ˗

⁠『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』⁠

⁠上⁠⁠下巻⁠ ルトガー・ブレグマン著(文藝春秋社)


ルトガー・ブレグマン著『ヒューマンカインド 希望の歴史』をめぐる第2回。


わたしたちは、なぜ「人間は利己的で残酷だ」という世界観を当たり前のように受け入れているのでしょうか。


その背景には、ニュースが伝える“例外的な悲劇”、

歴史に刻まれた“罪深き人間”という思想、

そして心理実験が残した“恐れの記憶”がありました。



  • ニュースは「例外的な悲劇」ばかりを映す構造になっていること
  • ホッブズやマキャベリ、フロイトの思想が「人間は罪深い存在」という前提を作ったこと
  • スタンフォード監獄実験やミルグラム実験などが人間不信を助長してきたこと
  • そして「多元的無知」や「ノセボ効果」によって、社会全体が“疑う世界観”を再生産していること。


今回のnahaでは、そうした「人間不信の根っこ」をひとつずつひもときながら、見えづらくなっていた人間の明るい側面を探していきます。


人を信じることのむずかしさ、そしてそこにある希望とは?


・・・


【わたしから小さく始める世界平和 - naha 🕊️🌏️】

⁠https://note.com/cohanatsu

サマリー

このエピソードでは、人間不信の根源を探るために、ニュース、歴史、心理実験の観点から考察しています。ブレグマンが提唱するように、ネガティブな情報への敏感さや暗い人間観が彼らの世界観にどう影響しているのかを掘り下げています。また、多言的無知と同調圧力が、彼らが人を疑う理由にどのように影響を及ぼしているのかについても探っています。歴史的文脈や心理実験を通じて、人間不信の背景を明らかにしています。

人間観の変遷
naha🕊️あなたと読む素晴らしい本📚️わたしから小さく始める世界平和📚️ポトキャストを聞いてくださってありがとうございます。今回は、Humankind 希望の歴史の2つ目のエピソードとなっております。
📚️ありがとうございます。1回目で、ほとんどの人は善良であるという本のオランダ語版のタイトルを聞いて、本当かなって疑問を感じたというお話をさせてもらったんですけど、以前は、著者のブレグマンさん自身も人間に対する暗い見方に囚われていたそうなんです。
ブレグマンさんが、どうして私たちは人間が本来邪悪な存在だというふうに考えるようになったんだろう、どうして霊性的な人間感みたいなものが社会に染み付いているんだろうということを疑問に思って、その疑問に対して色々な分野から探求し始めた、その成果がこの本ということになるんですけど、
こんなふうにみんなが当たり前のように共有していて、疑問にすら思わないようなことに対して本当かなって問い直せることがまずすごいことだなって私はね、ちょっと感動してしまったんですね。
そういうもんだよねって何も無思考に、そういう前提で物事を眺めてしまっていたことに私は気づかされて、ああそうかっていう、本当にそういう意識しないと気づけない、この潜入感みたいなものって他にもすごくたくさんあるんだろうなということを
通観しつつ読んでいたんだけど、こういった当たり前の価値観が世界を覆っていることの原因をいくつかブレグマンさんが挙げてるんだけど、もしよかったら共有していただいてもいいでしょうか。
はい、動画でご覧いただいている方は見ていただけるようになっております。
はい、いくつかの要因の一つとして、まず私たちが日々当たり前に見ているニュースが、そういう私たちの共通の人間観みたいなものを作っている大きな原因になっているということを聞いて、
ニュースって見れば見るほど情報が豊かになって、世界をよりよく知ることができるって結構みんな信じている気がするんです。そういうものとして捉えているというか。
だから、なんか私ニュース読まないんですとか、昔前だと私新聞とか全然読みませんって言うと、ちょっとなんか昔だと非常識な人みたいな、ちょっと世の中のことに関心がない人なのかなみたいな空気があった気がするんだけど、
確かにニュースによって世の中の出来事を知ることができるっていうのはその通りなんだけど、まずそもそもニュースの価値って例外的でインパクトが強ければ強いほど高くなるっていう性質のものだっていうことが書いてあって、
基本的には事件とか、気をつけようみたいなトピックが注意喚起というのかな、そういうものが基本ニュースって言うとまず入ってくる。
大谷翔平さんがすごいホームランデーとかね、それももちろん例外的でインパクトはあるんだけど、比重としてはネガティブなものが多いですよね。
どうしても戦争、災害みたいな事件とか、そういったことが目に入ってきやすい。そこがニュースの価値というか。
視聴率はね、取れるよね。そういうのを見ることによってみんなが気をつけることができるとか、そういうことがあったんだっていうふうに意識を向けることができる効果があるっていうことで、だから逆に言うとその他のほとんどの、
今日ここでは戦争はありませんでした、平和でしたよっていうことはまずニュースとして取り上げられることはないわけで、そう考えると、どれだけニュースに触れる時間を増やしても、増やせば増やすほど世界のことをまんべんなく正確に知れるかっていうと、そうではなくて、
例外的な特殊な注意を引くようなデータがいっぱい集まってくるっていうことで、異変がわかるってことだもんね。そうそうそうそう、それもねもちろん大切な価値があることなんだけれど、世界をすべて知ることにつながるかっていうと全然そうではない。
事実の一部だけが切り取られているんだなっていうことですね。そうそうそう、だから日常の大多数の人たちの暮らしについてはなかなかニュースで取り上げられることはないっていうことで、でも本当にそうだよねっていうことを読みながら発表したんだけれど、そういった効果がニュースにはあるよっていうことをね、ブレグマンさんは書いていて、
心理実験の重要性
一つ目ですね、毎日ニュース。そうそう、そういったことに加えて人ってネガティブなことを敏感にキャッチしやすい性質を持っているのと、あとね、思い出しやすい情報だけをもとに意思決定をしやすいっていう傾向があるんですって、人間の生存戦略というか。
それはそうだね、思い出しやすいことしか思い出していない自信はある。
その中から何か決めるときの材料になるのはやっぱりそうやって思い出しやすいことだし、ネガティブなことほど気をつけなきゃっていうので、判断材料として浮かび上がってきやすいっていう性質があるので、なので毎日毎日記憶に残りやすいこういうニュースの話を浴びせられていると、人の世界観っていうのは簡単に偏ってしまうんだよっていうことがまず1個目として書かれているよね。
過去に目を向けると、2つ目の要因の話なんだけれど、長い歴史の中で浸透してきた暗い人間観っていうのもあるよねっていうことで、プレグマンさんはね、マキャベリーとかボックスとかフロイトっていう名前を元他にもあったんだけど、
そういった名前を挙げていて、君主論とか制約書と言われるような。
彼らが説いているものが、人間って良くない存在だよねっていうトーンのものが多いっていう。
つまり人間はそのままだと管理をしてあげないと、どんどん堕落していって悪いことをしてしまう存在だから、だからそのために国とか権力者っていうものがしっかりコントロールをしないといけないよねっていう価値観が西洋史の中で大きな影響を与えてきた。
この本の中には出てきてなかったんだけど、確か中国でも制約説って唱えていた人がいたよねと思って。
純子っていう人だったかなと思うんだけど、西洋に限らずすごく広い世界の中でそういった暗い人間感みたいなものが共有されていたっていうことが今だけじゃなくて、もっと長い過去を振り返ってもあるよねって言って。
そもそも多くの宗教が人間って罪深い存在だよねっていうことをベースに語られているよねっていうことも本の中に書いてあって。
日本だと日本人ってちょっと特殊な宗教観、自分で何の宗教かわかってないみたいな、あれだからピンとこないけど、ただキリストとかもね、キリスト教とかも現在っていう言葉が最初にあるみたいに、なんとなくこう大前提として悪いってどこからスタートしてるというか。
リンゴ食べちゃって楽園を追放されたとか、そういうトーンっていうのは常にくっついてる印象はありますね。
そうだよね、どうしても罪深い存在だから、戒律を守らなきゃいけないとか、神に従わないといけないとかね。
ただそれが正しいからっていうよりは、それが生き残ってきているというのが事実であると、例えばさっきのネガティブなものの方が人は記憶に残りやすいってところで言ったら、ネガティブな言い方した方がみんなが受け入れやすいとか、
そういう要素もあるのかもしれないけれども、気づかないうちにそのあまりにも大前提で、特に西洋誌なんかはそれが成り立ってるっていうのは、向こうの方からすると多分気づけないぐらいきっと当たり前にね、そうなんだろうね。
そうだね、きっとね。そして3つ目に有名な心理実験、本の中でスタンフォード監獄実験とか、ミルグラムの電気ショック実験っていうような、他にも本の中では紹介されてるんだけど、
みなさんご存知かと思うんですけど、人が環境によって役割を与えられる、指示を受けることによって簡単に残酷なことができるようになってしまうっていうような、そういうスタンフォード監獄実験っていう名前を聞いて、人間って怖いっていうことが分かる実験だよねって、なんとなくみんな共有しているような。
本読んでる人とかだったら結構これはよくね、引用されるっていうか、気をつけなきゃって思ってそうな感じしますね。
そうだよね。そういった実験の存在も、今私たちが共通して持っている人間に対する不信感とか、人って残酷になれてしまうんだよねっていうようなイメージを作っている一つの要因になっているんじゃないかという例で挙げられているんだけど、
そしてそういったいろんな要因で培われてきた私たちの世界観っていうものに、さらにそこにプラセボ効果とノセボ効果っていうものもすごく働いていると。
人を疑う理由の探求
簡単に言うと、良くも悪くも人って予想した通りの現実を作り出してしまう。
そうだろうなーっていう方が受け入れやすいみたいな思い込み。
そう思い込んだらその通りに世界が見えるっていうかね。
脳科学系だとね、みんなこういうことを言いますよね。脳が思ってる、自分が見たいものしか見ないとかね、言うけれども。
あとね、多言的無知っていう言葉も出てきて。
私ちょっと初めてこの本を読んで聞いた言葉なんだけど、
自分以外の人はみんなこうだって信じているんだろうな、私は違うけど世界はみんなそう思ってるんだろうなっていうことをみんなが信じ込んでいることで、全然本当とは違うのにみんなが孤立を恐れて大勢に従おうとする心理のことを多言的無知って言うそうなんだけど。
本の中で出てきていた例は、例えば私がお酒を飲まない人だとしてお酒好きじゃないんだよなって思ってるんだけど、でもみんなお酒が大好きでワイワイ飲み会をすごく楽しく過ごしているから、
私苦手だけどでもそうやってお酒楽しく飲めないと良くないんだろうなって思って一生懸命頑張って合わせようとするみたいな。
なんだけど、実は楽しそうにワイワイしている人たち、楽しそうに見える人たちの中でも、私実はそんなに飲みたくないんだよなって思ってる人がたくさんいるかもしれないみたいなことが例として挙げられていて。
読みながら私ちょっと連想したんだけど、第二次大戦中とかによく日本の過去の歴史のことを読んでいるときに、みんなが戦争反対って言えなくなっちゃったみたいな。
家族を招集されてしまっても悲しんだら非国民って言われてしまうから、本当に悲しくて悲しくて絶対に行ってほしくないのに、国のために送り出すみたいなお話を読んだことがあるんだけど、
それってもちろん同調圧力っていうこともあると思うんだけど、結構そこにも過言的無知の状態って働いてたんじゃないかなっていうふうに思ったりして。
私は嫌だって思ってるけど、でもみんなは国のためにって思ってるんだから、ちゃんとその通りにしないとうまくこの世界でなじめなくなってしまうっていう心理みたいな、そういうふうにも働いてたりするんじゃないかなってことをね、想像しながら読んでいたりしたんだけど、
私たちはね、だから今挙げさせてもらったような現状こういった要素が働いているような環境の中に生きているんだよっていうことをまず浮かび上がらせて、そこからさらにブレグマンさんはさらに人類とはっていうテーマをね、深く探求していくっていう流れになっていくんですね。
心理実験と人間不信
ありがとうございます。でもね、この4つだけでもこういうのがベースにある世界で、人間って善良な存在だなって思える人って、そりゃあいないなって感じがしますね。
ねー。
こう俺の中でね、人間は善良だよって思える人って相当心が強いなみたいな感じがします。
そうですね。でも私こういう風な要素をちゃんと分解して、浮かび上がらせてくれる、この本に出会う前って、本当に何にも考えずにちょっと人間に対して悲観的な見方をしていた。
そういう前提から世の中を見ていたなっていうことに気づかされて、ハッとしたんだよね。
でもその内訳を見ていくと、あ、なるほど、こういう要素があるから今私たちはこういう世の中の味方になってるんだなってことがまず分かったことがすごく収穫だなっていう風に私は思ったんですよね。
ちょっと余談で付け加えちゃうと、スタンフォード監獄実験だと思うんですけど、今なんかもう1回調べ直したら、結構でっち上げの実験だったみたいな。
そうなの、そうなの、まさに。
分かったって言われてたりしますよね。
そう、あとミルグラムの実験とかもね、よくよく調べていくと演出みたいなことがあったり、一部の要因があったりとかで、実際科学的な実験としては成り立ってなかったりっていうことが今検証したから分かってるみたいな話も聞くので、
そういう風に本物かなっていうのを見つめたら、みんなであまりにも定説になったことがひっくり返るってことが結構各地で起きているような風にも思うので。
今そういうちょうど転換期にいるのかもしれないね。
ありがとうございました。
今回のエピソード2はこういったところで一つずつね、それはどういう要因なのかなというところをなっちゃんがまとめてくれたんですけども、
じゃあ次のエピソード3をお楽しみにということで、ありがとうございました。
ありがとうございました。
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