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2024-03-15 29:58

ながらcast3/183 【読了本紹介】「遠くから見たら島だった」(ブルーノ・ムナーリ、創元社)

イタリアのアーティスト、グラフィック・デザイナー、プロダクト・デザイナー、絵本作家など多彩な顔を持つブルーノ・ムナーリの隠れた名作がついに翻訳されました!大枠で言えば、科学の要素を持った写真絵本。観察したり、イマジネーションを膨らませたり、石の模様を生かして絵を描いてみたり。ムナーリの想像力は石を地球に見立てたり、山に見立てたり…彼の文章を読んでいると、本当に山道や登っている人が見えてくる気がするのが不思議。石の表面に並んだ凹みを旧石器時代の洞穴だってあります!そして、最後は石が島になります(表紙参照)。ここまでくるとなんの飛躍もなく納得してしまいます。彼は石もよく見ると面白いよ、面白がれるよというメッセージを子どもに伝えたかったのかもしれません。
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はい、sasayukiです。 ながらcastを始めます。この番組は自分大好き
60歳の私、sasayukiの声のブログ、声の日記です。 通勤途中に歩きながら収録してますので、息がハァハァ上がったり
周りの雑音、騒音、風切り音などが入ったりしますが、何卒ご容赦ください。
今日は暖かいかなぁ。日が差してて。 確か15、16度だった気がします。最高気温ね。
もうだいぶ春が近づいてきた。 そんな感じですね。
私の花粉症はなんとか、うまく収まってるというか。
あ、今日天秤薬するの忘れた。 まあいいか。
結構天秤薬でなんとかしてる感じですね。 この間、
ずっとね、去年の残りの天秤薬2本あったんで、 それを使ってたんですけど、そろそろなくなるんでね。
今週の頭に、 ジビカでまたもらってきた。
そんな感じですけどね。 まあうまく、
受け流す。 受け流せたらいいなと思ってます。
さて、今日はですね、
また先日もね、ちょっと本を紹介したんですね。 ルビーの一歩という本を紹介しましたが、今日はもう一冊、
本の紹介をしようと思います。 ブルーノムナーリー町
遠くから見たら島だった。 この本を紹介しようと思います。
じゃあ行ってみよう。
遠くから見たら島だった。
ブルーノムナーリー町 関口秀子役、草原舎っていうね。
草原舎はね、あの、 俺にとって馴染みのある東京草原舎じゃない。
同じ字なんですけど、草原舎ですね。 こちらから日本語訳が出版されました。
ブルーノムナーリーを説明するのは非常に 難しいんですけども、
もともとアーティスト、
前衛的なアートで、
出発した人なんですけども、 1945年に
イタリアなんですね、彼は。 日本と同じで敗戦国なんですが、
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自分の子供に見せる絵本がないっていうことで、 自分の子供のために絵本を作った。
それがきっかけで、絵本作りもするようになります。
それはね、本当に簡単な仕掛け絵本ですね。 1945年ですからね。
まあまあ昔、昭和20年ですね。 簡単な仕掛けの絵本をね、その時点で9冊
企画して、 実際に観光されたのは確か8冊
なんですけども、それは今も入手できるっていうのが すごいんですけどね。
もちろんそれだけじゃなくて、
プロダクトデザイン、これはダネーゼっていうね、 イタリアミラノの
会社のプロダクトデザインで、例えば有名なのはハイザラですね。 クーボって呼ばれるハイザラとか、
あと、 机とベッドが一体化した
金属のフレームでできた子供部屋用の家具なんかも デザインしたりとかですね。
まあとにかく多彩な人で、
あとは子供のためのワークショップっていうのも熱心にやっていて、 それこそ木を描くっていうワークショップがとっても有名なんですけども、
そういったことをしながら子供に芸術的な体験っていうのを してもらうことをすごく
大事にしていた、そんな人なんですね。 ちなみにこのブルーノムナーリの有名な作品としては絵本で
霧の中のサーカスっていうのがあります。 あと、闇の夜にもしくは暗い夜に
なんかも有名ですし、太陽を描こう、 もしくは木を描こうといったものも有名ですね。
最初の霧の中のサーカスなんかはトレーシングペーパーを使って、次のページの印刷が透けて見えるっていう状態を
ミラノの霧の中の街の様子にね、うまく対応させてるんですね。 1枚めくるとまた向こうの景色が見えてきて、
また1枚めくると今度は例えばオートバイがやってきたとかね、そういう透けて見える その感じを霧の中の風景にうまく
見せてるんですね。 あと中間部分はあのカラフルな色紙を使ったページで仕掛け、穴を開けたりした
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シンプルな仕掛けで構成したりしていて、 読む絵本ではなくて体験する絵本だというふうに言われているし、僕もそう思います。
これはだからですね、 電子書籍にはない面白さ。
というか、電子書籍で再現するのはちょっと難しいんじゃないかなという、 体験の絵本なんですね。
あと、後から言った太陽を描こう、木を描こうっていうのは、 子ども向けのワークショップから生まれた、
太陽はわかんない、木は間違いなくそうだと思うんですけど、 そういったワークショップをする中から生まれた本で、
結構科学的な話が盛り込まれています。 木の枝がですね、
1本が2本に分かれます。 その2本に分かれたところがまたそれぞれ2本に分かれて、
またその次も2本に分かれてっていう風に描いていくことで、 この木の形が自然にできていくっていうね、そんなことが書かれています。
あるいは木の形にはいろいろあるよとか、 そういった自然を観察するような目とか、
またそれがなぜなのかっていった視点なんかも入っていて、なかなか面白い。 科学的な面と、
それが芸術ともつながっているっていうのが、 まあ無鳴りの面白いところだなと思うんですけどね。
さて話を戻して、そんな彼が書いた、 この遠くから見たら島だったっていう本は、
実はうちもずっと扱っている本で、 イタリア語版とか英語版を扱ってきたんですが、
この度本当に、
翻訳された、和訳されたんですね。 ものすごく珍しいというか、
なんでこの本が?っていう部分はあります、正直。 結構マニアックな本っていう認識なんですね。
ただね、これちゃんと翻訳して日本語で読んでみると、 すごい面白い本です。
もともと写真、英語とかイタリア語、ちゃんと読んでないんだけど、 パラパラッとめくっていくと、石の写真がいっぱい。
並んでて、それが結構それだけで面白い。 ある種の写真絵本みたいな感じなんですけど、
物語性があるっていうよりは、いろんな石のバラエティー。 ある石を見せて、表情を見せたりして、
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見るだけで楽しいような本なんですが、 いざ日本語がつくとね、より面白くなってるんですよ。
これは本当に日本語に訳してくれた出版社さんに感謝ですね。
さてこの本はね、やはり子供に語りかけるような感じで始まります。 これ舞台はイタリアだと思うんですけど、海岸の写真で
大きな石がゴロゴロしているような感じですね。
見開きの片側、左側、最初の方に海岸の写真。 その下に文章。
見開きの右側には丸っこい石が2個。 白いバッグにポンポンと置いてあって、その下に説明があります。
この本はですね、写真、絵本だと思うんですけども、
結構この石がね、この白地にポンって置いてあるので、全体としては白っぽい感じの
見た感じになってますね。 これがですね、
最初この出てくる石が本当に丸っこい石で、ただそこにね、白い丸い線が
見えてるのね。まるでペンキ、細いペンキで円を描いたような、綺麗な円が描かれた石。
隣はもうちょっと小っちゃいんですけども、なんだろう、あの
もうちょっと平べったいボールを潰したような形で、 上の部分がカッパのお皿みたいにそこだけ色が違うような石が2つ並んでいて、
結構興味を引くような始まりなんですね。 そして次のページ、1ページずつ説明していくと大変なんですけど、
次はですね、いろんな素材のツルツルした石、黒い石、色とか形、様々な
見た目の違う石がいっぱい並んでいるような感じ。 これ白黒なので色の情報はないんですが、言葉でね、そこは説明されています。
カボチャみたいに黄色い石とか、小さなサクランボみたいな赤の石とかね、 そうやって言葉で説明をしてますね。
すごく目のみたいな、なんだろう、 割と丸い印象の石なんだけど、模様が丸い模様がいっぱいついているような
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なんだろうね、栗? 栗まんじゅう。
断面に栗が見えてるんだけど、それがもうちょっと小粒なものがぴっちり入ったような、 そういう感じの石とかですね。それは隣のページにまた
白バッグに1個だけドンと置いてありますね。 今度は素材の話ではなくて、割と無表情な丸い平べったい石。
サイズ違いが黒い紙の上に5個ぐらい並んでますね。
ここではね、こちらは使いかけの石鹸みたいに角の取れた石たち。 なんていう説明があって、
その隣はですね、これが面白いんだけど、 あの
それをね、上に積み上げた感じ。
大きい円盤から、少し小さい円盤、さらにその上に、またちょっと小さい円盤みたいに、
上に五重塔みたいに積み上げてるのね。 そこのテキストがね、形も素材も同じだけど、一回りずつ小さな石を8つ積み上げたら、
戦死時代の不思議なオブジェの出来上がり。 なんかね、そういうピラミッドとか、あるいは遺跡とかに通じるような
面白いものがありますね。 ここからテクスチャー表面の話になっていきますね。
卵みたいにすべすべの石があるかと思えば、 スポンジみたいに小さな穴だらけの石もある。
みたいな感じで、表面の違い。 見開きの片側はツルツル。
右側にはですね、凸凹。すごく凸凹ですね。 なんかめちゃくちゃギザギザの
石が対比して並べてありますね。 ここから今度ね、
石の模様の話に入っていきます。 一番最初の見開きで、割と丸っこい石の
てっぺん付近に白い 円が描かれた石の写真があったんですが、
ここからですね、石に白い線が描かれているっていうのがテーマになっていきます。 なんか氷炭みたいな
石の、 上が丸、小さい球、下が大きめの球が繋がったような、そんな石の
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上と下の球のところに、 地球でいうところの赤道方向、水平に白いラインが
上と下にあるとかですね。 あと平べった石に
斜めに線が2本ぐらいずつあったりとかですね。 この白い線がいろんな
表情を描いているんですね。 そんなものをしばらく
見せてくれます。 2本線があるものもあるよ。ここでちょっと僕が好きな話なんですけど、
子供とね、
海岸に行ったバラッティ海岸で、 その白い線のある入った石を
その線が繋がるように並べるっていう写真があるんですよ。 それは石の形も違うし大きさも違うんだけど、
その白い線は繋がっているんだよね。
子供と一緒に波打ち際から砂浜を越えて、 草むらに繋がる1本の線を
引いてみたっていうね。この石を並べて、 砂浜を2つに分ける境界線みたいって書いてあるんですけど、
で、ムナリは独特のユーモアがあるんだけど、 通る人がどんな反応をするか、座って観察したって言う
ことになってますね。 ただ実際境界線に気づいた人はごくわずかって書いてありますね。
非常にこの辺は面白いですね。 白い線がやたらとたくさん入った石もあるっていうことで、
なんだろう、本当、あの1個の石に縦横斜めにいっぱい線が引かれたような石が出てきます。
こっからね、次の 石の面白さに入っていきますね。
たくさん線が入った石を一つ選んで、 白い線を掴んでいる猿の絵を描いてみよう
ということで、その白い線が10オム字になっているんですけど、そこに黒い
なんで描いているのかな? 墨のような
インクのようなもので、猿を描いているんですよ。 そうするとまるで
草の茂みの中に、あるいは木の森の中に猿がいるように実際見えるんですよね。
この辺がね、ムナワリの面白いところですね。 さらに煙みたいに見える
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白い線の先っちょに船を描くんですよ。
まあ本当に、なんていうか、そんな大げさなものじゃなくて、本当に象徴的な船を描いて、煙突があるのかな?
煙突があるのかな? ありますね。そこからこう白い煙がフワーッと行ってて
他の模様がなんとなく海の波みたいに見えるんですね。
あるいは 雲みたいに見える模様とかに
大人と子供のシルエットがあって、
波打ち際に親子がいるような雰囲気とかね、そんな感じで彼は
石にいろんな絵を描いてきます。 黒猫を描いたり
鳥を描いたり、あとは人を描いてますね。
あと白い線の上を走る自転車。これ全部黒なので基本シルエットに見えるんだよね。
でこれ面白いのはね、この白い線っておそらく地層みたいなもんだと思うんですけど
この一つの石に対してこの白い線がぐるって一周回ってるような感じなんですよね。
なので、石にある白い線は小さな山をぐるりと回る道みたい。
自転車で走っている人の絵を描き込めば、山の裏側に何があるのか見に行くことだってできる。
自転車をその白い線の上に描くと、自転車がその白い線の上をぐるっと一周回っているように見えるってことなんですよね。
とってもアイディアが素晴らしいですね。
はい、そんなわけで今日は、ブルーノムナリの本、遠くから見たら島だった。
この本をね紹介してきております。 さていよいよねこの本、終盤に差し掛かってきて
えーとですね、 今度はね黒バックにゴロンとした
石灰岩みたいなやつかなぁ。 ここでですね、今までお絵かきの話でやってきたんですが、またちょっとね
視点が変わります。 光源のある石
鍵括弧で山のミニチュア、鍵括弧閉じて、としてこの石を眺めてごらん。
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上の方に光源があるのがわかるだろうか。 向かって左側に2つの石が、あ、違って岩が突き出していて
夏の日差しを避けられる場所がある。 その近くの山道を登っていくと
そこは板垣。
霧さえ出てなければ 眼下に
同じな子が 見張らせる。
ということでこの1個の石を 山に見立てるんですね。
そしてこう描写をしていくことで この辺の描写が上手いなぁと思うんですけど
だんだん山に見えてくるっていうね。 これがその写真とテキストの
相乗効果ですね。 さらにその感じで、例えば氷河のある岩
氷河のある石とかですね。 あの石が割れている感じのやつとかですね。
あとはね、島。
これね、要は石を山に見立てるっていうことをしばらくするんですよ。
で、今度は見開きの上3分の1ぐらい使って横にどーんと広くですね。
あの 砂の上に石がぼこって突き出ているような感じの
あの 写真なんですね。
この途方もなく大きな山は スイスの採石場で見つけた花崗岩の欠片だ。
少し離れてみた方がいいっていうことで さっき言ったようにその砂の上に白と黒の花崗岩が
切り立った感じで置いてあって これがね山のように本当に見えてくるんですね。今までの話の流れから。
今まではね石だけ撮影してあったんですが、この見開きの写真は砂の上に置いてあることで
いよいよなんていうの、エアーズロックみたいな
山に見えてくるのね。この辺が結構 わくわくしてくるところですね。
さらにですね、あの 穴がポコポコ開いたような石に対して
この石にもたくさんの洞窟がある。 虫眼鏡で見るように一部分を拡大してみよう。
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誰も住んでいる気配はない。住んでるわけないんだけどね、所詮 石に開けられたちっちゃな穴なんですけども、それを彼はこの
イマジネーションの力で あの昔の
人間が住んでいた、人類が住んでいた ホラーな洞窟みたいに見立てていくんですね。
そしていよいよ クライマックスですね。
これはね、まあ言葉で説明しても伝わらないんだけど、
割と黒い感じの石で、それがね めちゃくちゃ尖ってる。
尖ってると言うと変なんだけど、切り立った。 垂直の面がいっぱいあるような。
で、その先がちょっと斜めにカットされたような。 すごく
あの 特徴的な
シルエットの石を
これ何の上に置いているんだろう? でも水の上にあるように見えるんですよ。まるで海みたいな。
で、その向こうに空に雲が浮いているように見えるんですね。 つまり全体としては島に見えるんですね。
これがこの本のタイトルにもつながってくるんですね。 遠くから見ると島みたいだ。
建物やテラス、いくつものスロープがある。 人も動物も見当たらないし、近くにはカモメも飛んでいない。
となるんですけども このようにですね
石をいよいよ島に見立てるんですね。
で、その下にね、ちっちゃく
その
雲と海をなくした、ただの石だけの写真をその下に比較として置いてます。
雲と海がなければ島の形をしたただの石という答えですね。 自分でも種明かしをするわけですけどね。
こんな感じで彼は 最終的には石を島に見せてしまうという
マジックのような 技を見せてくれます。
最終ページはね、 こう
これムナーリ自身だと思うんだけど 海辺に佇んでこっちに歩いてくるんだね、ムナーリが。
向こう側は海が見えてて、手前は草が生えているところで
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海の向こう側に
岩のような島が見えてるんですね。
そして最後の文章も結構古くてた気がするんだけど そこはあえて
言わない方がいいかな。 でも言っておこうかな。
この ゴシック様式の島みたいって言うんだけど
まさかこれも石ではなかろうね、と言って彼は終わります。 最後は本当の島を見せるんだけど
まさかこれも石じゃないでしょうね、とおちょくって この本は終わります。
この本の表紙が実はその最後のクライマックスに出てくる
島に見立てた 石ですね。
その印象的なカットが表紙に使われております。 非常に科学的な視点もあれば
最後の方は想像力を駆使して見立てたりとかですね。 あとまぁちょっと芸術的なその白い線がいっぱい入ったものに
動物や人間を描いて、これも一枚の絵画に見立てるっていうね。
自然の造形物を使った ある種のアートだと思うんですけどね。
これがね、ムナーリの一つの特徴というか重要な側面で 僕は彼を、子供に対して特になんですけども
アートのハードルを下げようと。 むしろ下げた人だと、そういう実績がある人だと思ってます。
その芸術っていうものを ハードルを上げるんじゃなくて、もっと気軽に
簡単に
楽に楽しめる ものなんだっていうふうにムナーリは言い続けてたんじゃないかなっていうのが僕の
解釈なんですけどね。 これもそうだよね、石に絵を描くことでその情景が
生まれるっていう遊びなんですよね。
でもそれが なんか
美しかったり、面白かったり、楽しかったりするっていう遊びでもあり アートでもあるっていうところにね、このムナーリらしさが出てるなって
思いました。 じゃあ今日はここまでです。最後までお聴きいただきましてありがとうございました。
ではまたね。ちゅーす。
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