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2025-09-12 19:09

特別編:なぜブロードウェイはカジノに「NO」を突きつけたのか?ニューヨーク市カジノライセンス争奪戦

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本日は特別編として、定期的に観測してきたブロードウェイへのカジノ誘致構想について、ニューヨーク市全体の状況も踏まえて総括します。

なぜブロードウェイの14もの劇場が「NO Crime, NO Chaos, NO Casino」(犯罪も、混乱も、カジノもいらない)というスローガンを掲げる事態にまで発展したのか。この先、この構想はどこへ向かうのか。現時点で判明している情報をお届けします。

ミュージカル速報:ミュージカル速報(ミュー速)|note ※このPodcastはミュージカル速報で紹介したその週のブロードウェイ・ウエストエンドのミュージカルニュースをNotebookLMでPodcast化した番組です。紹介した記事の詳細はnoteをご覧ください。

サマリー

ニューヨーク市で進行中のカジノライセンス争奪戦は、地域社会や企業の複雑な思惑が交錯する大規模プロジェクトです。特にブロードウェイやタイムズスクエアを含む新たな計画は、地域経済への影響や治安の懸念を引き起こし、賛否が分かれています。この争奪戦では、各社が地域コミュニティへの投資や支持を得るために競い合っています。その結果、経済効果と地域社会の懸念が複雑に絡み合い、市の未来を左右する重要な選択が行われています。

ニューヨーク市のカジノライセンスの背景
ニューヨークの未来をもしかしたら大きく左右するかもしれない巨額のお金が動く一大プロジェクトが今進行中なんです。
それは市内に最大3作られるっていうカジノのライセンス、その行方ですね。
なんかもう壮大なギャンブルみたいですけど、今回はその裏側をあなたが集めてくれた資料を元に一緒にこう深く見ていきたいと思います。
今日はですね、ニューヨーク市の新しいカジノライセンスをめぐる動き、その革新に迫っていきます。
どんな企業が名乗りを上げて、どんな計画を立てているのか。そして地域社会ではどんなまあ熱い議論が起きているのか。
手元には最新ニュース、業界レポート、それから地域コミュニティの声、専門家の分析等、本当にいろいろな角度からの情報が集まってますね。
えぇ、これらの情報から単にニュースの見出しを追うだけじゃなくてですね、その背景にある力学、つまり経済的な期待と社会的な懸念のぶつかり合い、
それから最終決定に至るまでのかなり複雑なプロセスを解き明かしていきましょう。
この状況の中であなたにとって本当に重要なポイントは何なのか、それを一緒に探っていくのが今回の目指すところですね。
まずは基本からいきましょうか。なぜ今ニューヨークにカジノなのか、この流れを簡単に確認しておきましょう。
発端はですね、2013年、この年にニューヨーク州が州の憲法を改正して、州内で最大7つの商業カジノの設置を認めた、ここから始まります。
7つのうち、最初の4つはニューヨーク市以外のアップステート地域、州の北部に割り当てられたんでしたよね。
その通りです。これは地域間の経済格差を是正するという目的が大きかったんですね。
そしてニューヨーク市とその近郊、いわゆるダウンステート地域向けの残りの3枠、これについてはそのアップステート地域の経済への配慮から10年間、ライセンスを与えるプロセス自体が凍結されてたんです。
10年間も?
ええ、その凍結期間が2023年に終わって、今回ついにそのプロセスが本格的に動き出した、まあそういうわけです。
なるほど、10年越しの計画がいよいよっていうことですが、その背景にはやっぱり経済的な理由が大きいんでしょうか?
ええ、そうですね。主な動機としては、州の財政難対策としての税収増、それから経済振興、これが大きいですね。
カジノ候補の計画
2022年の州の予算承認の時にも、このカジノからの収入への期待っていうのは、かなりはっきり言及されてます。
実際、最低入札価格っていうのが、1ライセンスあたり5億ドル。日本円で、まあレートにもよりますけど、約750億円とか、そういう規模になる。
この破格の額が設定されているあたりに、州の本気度が伺えますよね。
5億ドル。それが最大3つってなると、相当な金額ですね。それで具体的にはどんな企業が、この高額なライセンスを狙っているんでしょう?
資料を見ると、最初は10を超える候補者がいたみたいですが。
そうなんですよ。ただ、すでに撤退を決めたっていう大手もいますね。例えば、ラスベガスサンズとかウィンリゾーツ。
彼らは、その地域からの反対運動が思ったより根強いこととか、あとはコスト、計画の遅延リスク、それからニューヨーク特有の政治的な影響力の強さ、こういったものを理由に撤退を表明しています。
中には、将来オンラインカジノ、つまりネットであるiゲーミングですね。これが合法化された場合のリスク、これを考慮した動きもあるようです。
有力なところが抜けたとはいえ、まだ多くの候補が残っていると。特に注目すべき計画はどれになりますか?
まずはやっぱりマンハッタンですかね。ど真ん中のタイムズスクエア。ここではカジノ大手のシーザーズと不動産のSLグリーン、それにJGとのロックネーションが組んでいるんですよね。
ライオンキングをやっている民子府警場を含む複合施設を計画しているっていう、これはかなり大胆ですよね。
ええ、それだけに反発も大きい。後でまた詳しく触れますけど、やっぱりブロードウェイのまさに心臓部ですからね。
そうですよね。そして東側、国連本部のすぐ隣、ここではソロビエフグループとモヒガンが組むフリーダムプラザ。
こちらはカジノを地下に作って、地上には高層マンションとかホテルとか、あと手頃な家賃の住宅が500個、それに公園、自由と民主主義博物館も作るっていう提案ですね。
この博物館っていうアイディアがまた興味深いですよね。国連連設地っていう立地をすごく意識したライセンス獲得のための戦略的なアピールとも考えられますね。
さらに西側、ハドソンヤードの近くでは、ワールドトレードセンターの開発者、ラリー・シルバスタイン氏とラッシュストリートが組むアブニール計画。これも高層の複合視察。いや、マンハッタンないだけでもこれだけあるんですね。
一方でクイーンズ区もかなり熱いですよね。一つはシティヒールド球場の隣、メッツのオーナーのスティーヴ・コーエン氏とハードロックが組んでいる総公費80億ドルっていう超巨大プロジェクト。メトロポリタンパーク、カジノ、ホテル、エンタメ施設、公園、とにかく規模が大きい。
ここはもともとが公園の用地だったんで、用途を変えるのに州法の改正が必要っていうかなり大きなハードルがあったんです。でもそれがごく最近になって衆議会で承認された。それで一気に最有力候補の一つによきづき出たという見方が強いですね。このなんていうか政治的な動きがまさにこのプロセスの複雑さを示しているのかなと。
なるほど。もう一つクインズには既存の施設がありますよね。明田区と競馬場のところにあるリゾーツワールドニューヨークシティ。運営しているゲンティンググループが50億ドルを投じて格闘する計画。ブラックジャックとかルーレットとか、ディーラーさんが実際にいるライブテーブルゲームとか、あと大きなコンサートホールを追加すると。
そうです。そして同じように既存施設を持っているのが、市の北にあるヨンカーズのエンパイアシティカジノ。こっちはMGMが運営していて、30億ドル規模で同じようにライブテーブルゲームなんかを導入する拡張計画ですね。
このゲンティンとMGMっていうのは、既に運営の基盤があって、地域との関係も築けている。だから早く開業できるんじゃないかとか、認可プロセスで有利なんじゃないかって指摘されてますね。いわば先行組のアドバンテージみたいな。
なるほど。他にもブルックリンのコニーアイナンド計画とか、あとちょっと驚いたんですけど、マンハッタン5番街の高級百貨店サックスフィスアベニューの上の階をカジノにするという案まであるとか、本当にいろいろですね。
地域社会の反発と期待
ただ、州のゲーミング委員会の委員長は、既存施設が有利とは限らない。あくまで競争的なプロセスだっていう点は強調してますね。各社の過去の例えばコンプライアンスの問題とか、そういうのも審査では考慮されるでしょうし、今のところやっぱりその政治的な後押しを得たシティフィールド計画の勢いが目立ってますけど、最終決定まではまだわからないというところでしょうか。
いや、まさに軍用活著というか、いろんな思惑が渦巻いている感じがしますね。そしてこれだけ大きな話になると、やっぱり地域社会との衝突っていうのは避けられないみたいですね。資料からは、経済的な期待、つまり光の部分と深刻な懸念という影の部分が、もう真っ向からぶつかり合っている様子がすごく伝わってきます。
あなたが共有してくれたレディットのコメントを見ても、新しい施設とか雇用への期待の声がある一方で、いや、街が壊れるんじゃないかみたいな、社会の衰退を心配する声が混ざってました。まず、期待される光、経済効果について見ていきましょうか。
地域経済の活性化ももちろん大きな柱です。特にクイーンズの計画なんかだと、地元の業者を優先的に使うとか、周辺地域への投資を約束するとか。
例えば、資料にあったクイーンズ商工会議所のCEOのコメントなんかでは、そういう地元への還元に対する期待っていうのがすごく強く語られてましたね。まさにふだびらが地域を潤すんじゃないかという期待感ですね。
その一方で、影の部分もかなり深刻ですよね。資料を読んでると、治安の悪化とか交通渋滞、生活環境への悪影響、こういったカジノ誘致で常に言われる問題への懸念が非常に強いですね。
それに加えて、ギャンブル依存症の増加、これは非常に大きな問題として捉えられています。一部の保守系のメディアの論説なんかでは、カジノっていうのは結局のところ、貧困層からサクリ取る税金みたいなものだっていうかなり厳しい批判も出ています。個人の経済的な破綻はもちろん、家族とか地域社会全体への悪影響、これが心配されているわけですね。
レディットのコメントにもありましたね。最近、スマホとかで手軽にできるスポーツベッティングがすごく広がってて、特に若い人のギャンブル依存がすでに問題になってるんだと。そこにさらに大きなカジノができたら一体どうなるんだっていう不安はやっぱり根強いみたいですね。
そしてニューヨーク特有の問題として、組織犯罪との関連、これを懸念する声もあります。過去には実際にマフィアによる違法賭博が摘発されたっていう歴史もありますからね。ガンビーの一家の事件とか。だから市民の不安っていうのも単なる心配性とは言えない部分がある。
さらに計画地ごとの固有の反発も大きいですよね。特にタイムズスクエア、ここはもうブロードウェイの劇場関係者、つまり劇場主の団体とか、舞台の技術者さんの組合とか、劇場文化が壊されるってものすごく反発してるんですよね。
去年の9月でしたが、14もの劇場が一斉にNOかしのっていうメッセージを劇場の看板、マーキーに掲げるっていう、もう前代未聞の抗議コードがありました。あれはちょっと衝撃的でしたね。
それはすごい。
資料の写真で見ましたけど、すごい迫力でした。今では35以上の団体がタイムズスクエア・カジノ反対連合っていうのを作ってて、最新の世論によさだと周辺地域の有権者の67%が反対してるっていうデータも出てます。
他の地域でも、例えばコニーアイランドだと、昔ながらの遊園地があるような庶民的な雰囲気を壊されたくないとか、治安が悪くなるっていう住民の反対が強いみたいですし、サックスフィスアーベニューの計画は、隣にある有名なセントパトリック大聖堂との関係で、宗教的、倫理的な観点からの反対があると。
さらに言えば、プロセスそのものに対する不信感みたいなものもありますね。さっきちょっと触れたウィン・リゾーツの撤退理由にもありましたけど、ライセンスの選定プロセスがどうも不透明で、政治的な影響を受けやすいんじゃないかとか、時間もコストもかかりすぎるっていう不満が業界の中からも聞こえてきてるんです。
でも、なんとか地域社会の支持を取り付けようと、いろんなアメ、つまり地域への還元策をすごく大々的に打ち出してます。これはどう分析したらいいでしょう?各社の戦略がこう見え隠れする部分ですよね。
まさにおっしゃる通りですね。各社が沿って提示している地域好検索、これはもちろん純粋に地域のためっていう側面もゼロではないでしょうけど、それ以上にやっぱり根強い反対意見を和らげて、最終的にライセンスを獲得するためのかなり計算された投資と見るべきでしょうね。それぞれの計画値のいわば痛いところを突くような非常に戦略的な提案が目立ってるなという印象です。
例えばタイムズスクエアのシーザーズ、彼らは反対している演劇界に配慮してなのか、俳優さんとか音楽家さん向けのジョブフェアを提案してますね。
ディーラーとかバーテンダーとかそういう職を提供するっていうもので、俳優組合のAUEAとか音楽家組合のローカル802なんかからは一部歓迎する声もあるみたいですけど、劇場主の団体なんかは依然として反対の姿勢を崩してない。
カジノライセンス争奪戦の背景
シーザーズは他にも総額で2億5000万ドルもの公共利益への投資、例えば治安向上とか労働力支援、医療サービスとか、あと特定の団体への寄付ですね。LGBTQヘルスセンターに500万ドルとか、有職人種の劇場連合基金に1000万ドルとか、そういうことも表明しています。
ただ、ミュージカル速報の記事なんかだと、そういう動きを家事の計画を正当化するための免罪婦なんじゃないの?とか、あとはプライド月間に合わせたレインボーボッシヌ、つまり見せかけのLGBTQ支援じゃないか、みたいなちょっと批判的な視点も紹介されてましたね。
そういう見方ももちろん重要だと思います。次に国連本部隣接地のソロビエフグループ、自由と民主主義博物館を作るっていう提案がありましたけど、これもアートニュースジャパンの記事によると、愛国心とか民主主義への関心を高める目的とは説明されてるんですが、やっぱり国連の隣っていう立地を最大限に利用した認可を得るための戦略的なアピールと考えるのが自然でしょうね。
手ごるな家賃の住宅を500戸っていうのも、住宅難に苦しんでるニューヨーク市にとってはかなり魅力的な飴に見えますよね。
一方クインズの既存施設組、ゲンティンはどうですか?こっちは実績がある分また違うアプローチなのかなと。
ゲンティンはまさにその15年間の運営実績と、これまで地域にしてきた前半活動とか地元雇用、いった貢献、これをすごく前面に出してますね。
SCGGマネジメントの記事によると、校長会では地元のNPOとか病院のCEOなんかから、もう圧倒的な支持の声が上がったみたいです。
それに加えて、さらにインフラ改善とか若者向けのイノベーションキャンパス設立とか、全部で15億ドル規模の地域間原作を約束して雇用創出を見据えたキャリアセンターなんかも開設してる。
実績とさらなる追加投資で支持を固めようっていう戦略ですね。
なるほど。シティフィールド計画の公園市とハードロックも10億ドル規模の地域投資を約束してるんでしたね。公園とか運動場とかコミュニティ基金とか、こちらも地域住民へのアピールが強い。
ええ。これらの飴が単なるリップサービスで終わるのか、本当に地域のためになるものなのか、そして最終的なライセンスの選定にどれほど影響を与えるのか、そこが非常に重要なポイントになってきますね。
いや、本当に各社とも生き残りをかけて必死ですね。さて、気になる今後のスケジュールですけど、申請自体はもう締め切られてるんですよね?
はい。資料によりますと、申請は2025年の6月27日に締め切られました。そして現在非常に重要な段階に入っています。それぞれの計画が地域地問委員会、通称CAC、コミュニティアドバイザリーカミッティって呼ばれる組織の評価を受けているところなんです。
このCACっていうのは市長とか区長、それから地元の衆議院会議員とか市議院会議員、あと地域住民の代表なんかも入って構成されてるんですね。
彼らが公聴会なんかを開いて計画をよく吟味して、9月30日までにその計画を承認するかどうかの投票を行うことになってます。承認には確か委員の3分の2以上の賛成が必要っていう情報もありましたね。
3分の2ですか。結構高いハドルですね。
地域コミュニティの意向を反映させるための重要なステップということです。
そのCACの評価とかを踏まえて、最終的に州のゲーミング施設立地委員会っていうところが審査を行って、2025年の年末、具体的には12月1日までに決定して、12月31日までに最大3つのライセンスが与えられると、そういう流れですね。
その通りです。そしてこのCACのプロセスで、やっぱり政治的な動きっていうのが活発になってきてるんです。
例えば、Y5ネットの記事で報じられてましたけど、マンハッタンのカジノ計画に反対してる州の上院議員、ブラッド・ホイルマンシーがあるし、彼が自分の影響下にあるCACの委員に、長年ギャンブル拡大に反対してきた人物を任命したとか、そういう動きですね。
ああ、やっぱりそこでも政治的な駆け引きが始まってるわけですね。
ええ。
ただ面白いなと思うのは、その同じホイルマンイコール・シーガル議員が、一方でクイーンズのシティフィールド計画については、あれは前進する可能性が高いみたいな、その勢いを認めるような発言もしてる点なんですね。
へえ、それは興味深いですね。
つまり、地域ごとの力学とか政治的な計算が、かなり複雑に絡み合ってる。この最終段階で、これまで見てきたようないろんな声、特に地域社会の声とか政治的な思惑、これがライセンスの行方にどう反映されていくのか、まさに目が離せない状況です。
いやー、ニューヨーク市のカジノライセンスをめぐるこの動き、本当にたくさんの論点が複雑に絡み合ってますね。巨額の投資と経済効果への大きな期待、それに対して地域社会からの根深く、そして多様な懸念の声、まるでニューヨークっていう都市の未来そのものを賭けた大きな大きな選択のように感じられます。あなたはこの状況全体としてどう捉えますか?
えー、今回どの事業者がライセンスを獲得するのか、その結果はもちろんすごく注目すべき点です。でもそれ以上にこう考えさせられるのは、この一連の議論が、現在のニューヨークという都市、そしておそらくは世界中の多くの大都市にとって、一体何を忌みしているのかということだと思うんです。
経済的な発展のためならば、その街が長年培ってきた個性とか文化、そして何よりもそこに住む人々のまあ穏やかな生活の質っていうのは、ある程度犠牲にしても構わないのか。それともどんな経済的な見返りがあったとしても、決して譲ってはいけない一線というものが存在するのか。この舵の誘致をめぐるある種の競争は、もしかすると都市が自分の魂とどう向き合うべきなのか、という非常に根源的な問いを私たちに突きつけているのかもしれないですね。
ご視聴ありがとうございました。
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