1. 向井蘭の『社長は労働法をこう使え!』
  2. 第3回「解雇と退職勧奨の違い」
2015-08-18 14:33

第3回「解雇と退職勧奨の違い」

第3回「解雇と退職勧奨の違い」
弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト 社長は労働法をこう使え は、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、ナビゲーターの遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え 第3回、向井さん、本日もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
前回に続き、今度はですね、新しいテーマに入るんですが、 読み上げてもよろしいでしょうか。
はい。
今回のテーマは、解雇と退職勧奨の違いとは、というテーマになりますが、
そもそも、全然私、これ実はテーマにしておきながら、よくわかってないんですけど、
解雇と退職勧奨の違い。
はい。解雇というと、いわゆるクビだと社長さんが言って、
明日から来なくていいと、一方的に言うことを解雇と言いますね。
退職勧奨は、自分から退職届を出したらどうだと。
なかなかうちの会社では難しいので、話し合いで会社辞めないかと。
そういう退職勧奨って言ったら、名前の通り退職するように進めることですね。
促す。
促すってことですね。
結果的に自発的に、労働者側から辞めますという話にするか、
解雇は一方的に使用者側って言うんですか。
使用者と言われる、法律上使用者側から辞めてくれということの違いだと。
そうです。
この違いを抑えることによって、労働法上何が大事なんですかね。
ものすごく違いがありまして、日本の場合は、世界的に見ても、
解雇はなかなかできない、有効にならない国なんですね。
何か聞いたことありますけど、よくわかってないんですよね、その辺。
ここは話すとすごく長くなるんですけれども、
非常に解雇が有効になる判決が出ると、我々業界の雑誌に載るぐらい。
なかなか解雇が有効な判決が出ないぐらい、ニュースになるぐらい珍しいんですね。
一方で、お辞めになったらいかがですかというお誘いについては、
現在の裁判所の考え方はですね、比較的会社に甘い。
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経営者側に甘い。
経営者会社に甘いですね。
甘いので、社会的には似てるようなですね、
言い方がちょっと違うだけのような気もしないでもないんですけれども、
法律的には全く効果が違いますので、
よく解雇、この社長がこう言ったのは解雇なのか退職勧奨なのかで争われることが多いです。
ちなみに、退職勧奨は経営者、社長側に甘いというのは具体的にどういう感じなんですか?
例えばですね、社長さんによっては厳しいこと言うわけですよね。
うちの会社では、君はちょっと正直、
君のデザインはお客さんからクレームが多すぎて正直使い物にならないよと。
うちの会社では無理なんじゃないのと。
非常に傷つきますよね。今ぐらいの発言ですと異者寮が発生するとか、
パワハラになるってことはないですね。
よほどひどい言い方とかしない限りは、今ぐらいの言い方ですと異者寮が発生したりはしないんですね。
例えば、それを聞いた人がですね、ショックを受けて寝込んでしまったり、
ご飯が食べられなかったりですね、いろいろあると思うんですけども、
一般的に今ぐらいの事実の指摘と退職の説得ぐらいですと、これは違法だと言われることはないんですね。
そういう意味で、退職勧奨は比較的社長に甘いというか、優しいよという表現なんですか?
そうです。ですので、外資系企業なんかは、文化自体は欧米の文化をそのまま導入してます。
一方で、解雇は日本ではできないので、退職勧奨をたくさん、たくさんというのはちょっと語弊があるかもしれませんけども、
退職勧奨は比較的ドライに、しかも結構頻繁に行ってますね。
欧州の文化に習って、でも日本の法律のもとでやらなきゃいけないんで、そこに入ってしまうんですね。
そうですね。アメリカなんかは解雇がしやすい国ですけども、それを日本でやると問題があるので、退職勧奨を日本ではすることが多いですね。
退職勧奨する上で、言ったらキリがないんでしょうけど、気をつけること。
よく最近だとパワハラだとか、あと何があるんですか、最近だとまたハラでしたっけ?
とかセクハラとか、いろんなハラスメントの話出たりして、いろいろテレビとか見てますけど、
退職勧奨したのに結果的にパワハラだってなっちゃったら、これはこれで困りますよね。その辺ってどう?
もちろんですね、常識的に考えればわかっていただくと思いますけども、誹謗中傷ですね、バカとかですね、クズとかですね。
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そういった発言はダメですし、換気に近いような説得の方法とかダメなんですよね。
大体の場合はですね、追いかけすぎなんですよね。
どっちが?何をですか?
退職をしてもらいたい方が従業員を追いかけすぎ。
追いかけるっていうのは?
追いかけるっていうのは、要するに自分が説得すれば、強く言えば応じると思い込みすぎてる場合はですね、諦めが悪いですね。
傾斜が悪い。
多くの場合はですね、退職勧奨がうまくいくかどうかは、説得する人のトークでは左右されないですね。
実際は退職勧奨する前、準備段階で決まります。
どういうことですか?準備段階で決まる?
よくあるじゃないですか、ベテランの退職勧奨がうまい人事とかがいて、特命〜みたいな。
彼が出れば、なんだかんだでうまくいくとかで、どうトークをするとかね。
誰が説得するかですべていくのかな、みたいなイメージってあると思うんですけど。
ほとんど幻想だと思いますね。
そうなんですか。準備ってどういうことですか?
例えば逆に言うと、遠藤さんが上司から言われてですね、やめてくれと言われて、やめてもいいかなと思うのはどういう場合ですか?
いや、どういう場合なんでしょう。
上から言われて、やめてもいいかなと思うときは、自分にとって何かしら前向きなことが、
退職ということに対して前向きに捉えられることの何かがあるか。
そうですね。一つはお金ですよね。
そうですね。
一つは時間ですよね、再就職する上で。
あとは、ちょっと消極的ですけども、他に家族がいる場合は、家族の意向も気になりますよね。
そうですね。
そうですね。
社会的な見られ方とかもあるし。
そうです。
ですので、家族構成によって、例えば独身で若くて一人暮らしをしている場合は、あまり気を遣う人はないですし、
やはり再就職して、またすぐ再就職できそうな人材は前向きに考えることができますよね。
そうですね。
ですので、誰にどのタイミングでどういった条件を提示するかを考えるのはとても重要で、
実際のトークで左右されるというのは違うと思うんですよね。
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その退職勧奨をする対象の方の状況に合わせた時間とお金をどうちゃんとこちら側が…
そうですよね。
再就職するための時間も大事ですけれども、分切りがつくための時間も必要ですよね。
その退職をするということが大事。
そうですね。退職するための下地ですよね。
要するに、やめてくれと言われたときに意外だと思うのか、それともやっぱりそうかと思うかで、心の準備が全然違いますよね。
それはそうですね。
本当にチャンスを与えて与えて結果が出ない場合と、今まで非常に上司とうまくいってて期待しているような言動をしている場合では、
反発の仕方がもうまるきり違いますね。
いきなり裏切られたみたいにしちゃいますもんね。
もちろんそうですよね。
前も仕事できておもしろいしてるとか言われたのに、突然明日ちょっとみたいな話されたら。
ですので、事前の準備とプランで大体成功率が決まるかなと思います。
なるほどね。
キラートークなんて言ったらおかしな話ですけど、こういう話をするとか、こういうことを言えば結構いいよみたいなアドバイスは逆にあんまりないんですか?
あんまりないですよ。
それがあったら本当にみんな知りたいですよね。
知りたいですね。
知りたいですけど。
ちょっとそれを期待しちゃいましたけど、そんなもんじゃない。
実際は地道な取り組みというか事前の検討で決まりますね。
良い下地というか準備をどれだけできるか。
そろそろお時間になってしまってるんですけども、結局退職勧奨をうまく行うためには、しっかりとした準備期間をもらって、
その上でポイントとしてはお金と時間をちゃんと相手に合わせて準備をすること。
それを踏まえてもうちょっと付け加えたりアドバイスを言うとしたら何かありますか?
ちょっと切れ言かもしれないですけど、やっぱり相手を思いやるというよりは相手の気持ちに立って、相手だったらどう思うかということを考えていけば
そんな変なことにはならないですよね。
そこは法律言うんじゃなくて、人間対人間の話。
そうですね。退職勧奨というとマイナスのイメージがあるんですけど。
ありますよね。暗いテーマだなと思いながら受け止めてたんで。
でも実際は再出発して楽しく新しい仕事をされている方も多いですから。
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うちの会社で働くよりAさんは他の会社で働く方が生き生きできる。
そういう気持ちで退職勧奨している分には問題ないですね。
ただそういう人ばっかりではないから、会社と問題が起きてて関係が険悪な場合はそんな気持ちにはなれないでしょうけど。
それでも自分が相手だったらどう思うかなと考えればそんなに変な問題にはならないですよね。
うまく退職勧奨がいく場合とうまくいかない場合って今までいろいろなものを見られていると思うんですけど
うまくいくタイプの特徴と悪くいく特徴とか傾向だったり。
うまくいかない方を言った方がいいと思いますけど、うまくいかない人は話してても全く退職の条件とかお金の話に反応しないですね。
退職勧奨する相手の社員の方がうまくいかないパターンはノーリアクションなのですか?
はい。全く関心示さない。
こちらも話しかけづらいぐらい空気が異常に固いっていうか、そういう方は無理ですね。
え、無理ですか?
無理です。
はっきりおっしゃいましたね。
はい、はっきり言えますけども。
それは何が無理なんですか?
無理というのは置かれている立場から言ってこの会社は辞めることができないと決心が固い人はなかなか変わらないので
深追いは絶対やらない方がいいですね。
そこは逆に言うとどうした方が敢えて言うならいいっていう。
敢えてやはり会社なり会社の理由がありますよね。退職してもらう理由が。
じゃあまたチャンスをこういうポジションこういう仕事であげますと。
再チャレンジしていただくという発想を考えるしかないですね。
じゃあ本当にシャットダウンしているような社員の方にはある日変にそこで争うとか。
絶対ダメですね。
絶対ダメですか。
そのあたりはまた別の機会で退職の話って通りっぺんとで終わるような話ではないと思うので。
またそういった方に対処する時の広報だったりまた別の機会にお話を伺えていきたいなと思っております。
本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
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