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2018-08-24 17:06

第159回「質問:みなし残業の範囲内で残業を命じることは可能か?」

第159回「質問:みなし残業の範囲内で残業を命じることは可能か?」弁護士の向井蘭が、経営者の立場に立って、労働法の基礎だけでなく、ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説する番組です。
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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、
ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
さあ今日はですね、前回いきなり質問をやめて方向転換ということで、
スピリチュアルな向井蘭弁護士が最近の講演内容についてお話をいただいたんですけどもね、
ちょっとその回はぜひ皆さんにも聞いていただきたいんですが、今日は問い分けて早速質問の方に行きたいと思います。
よろしいですか?
はい、大丈夫です。
何かありますか?
ないです。
じゃあ行きたいと思います。
すごい短いですよ。
経営者の方からご質問いただいております。
いつも有益な情報ありがとうございます。
第152回のみなし残業について、結局のところ法律的にはみなし残業の範囲内で残業を命じることは可能なのでしょうか?
というご質問が来ております。
はい。
というわけで152回少し思い出したいと思うんですけれども、
覚えてますか?向井先生、152回のやつは。
忘れました。
忘れましたか?
えっとですね、ちょうどみなし残業を今、ざっくり言うとですね、みなし残業で働いてる社員の28歳の会計事務所の方が、
同僚に、その方すごい仕事ができるので、
とことん帰っちゃうんですよ。
20代の女性か男性か忘れてるけど、
覚えてる覚えてる。
先輩から、
同僚からですね。
同僚から、え、ダメだよって、早く終わったら人の手伝いするんだよって。
みなし残業分大はちゃんと残業しなきゃダメだよって言われて、
え、早く終わったら帰れる、生産性上げたら帰れんじゃねえの?
みなし残業プラスなんじゃないの?っていう質問だったんですよ。
あれまさしくニュージャパニーズですよね。
そうそう。
その時にニュージャパニーズとオールドジャパニーズというよくわからない概念が誕生しまして。
いや、別にどちらが正しいとかじゃないんですけど、
ご質問の結論からいきますと、
一定条件の下では可能であると。
みなし残業の範囲内で残業を命じることは、一定条件の下では可能であると。
絶対できるってわけではないと。
一つはまず、法律上ちょっと堅苦しいこと言うと、
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仮にこの方がやりたくないって言った時にどうするかなんですけど、
一つは就業規則か労働契約書に残業を命じることができる、
させることができるっていう規定がないとできないんですね。
仮に万が一、昔最高裁まで争われたのがあるんですけど、
残業拒否の裁判があって、
最高裁は最終的に就業規則か労働契約書に残業の根拠規定がないとダメだっていう。
まずそれは、だいたい普通の会社は就業規則があるから問題ないと思います。
あともう一つはですね、
サブログ協定の範囲内化っていうのも大きいんですね。
今の法律であっても。
これもちゃんとサブログ協定出してますよと。
時間もちゃんと決めてますよ。
その範囲内で定めてますよと。
みなし残業代と変わりませんよって言うんだったらいいんだけど、
ひな形使ってる場合は結構1ヶ月45時間減速以内ってしてることが多くて、
特別条項を使わないと45時間以上できない場合があるんですね。
でも就業規則については、
なぜか60時間とか70時間ぐらいの残業を命じることがあってズレがある時があって、
そうするとそういう場合はサブログ協定のほうを優先しちゃうんですよ、実は。
違法な残業になっちゃうから、サブログ協定を超えると。
なので例えばこの方が、この若者の方がですね、
サブログ協定の社長を見てくださいと、私これ以上は仕事する必要ないんですと言われるとその通りですよね。
あとは大企業が2020年4月1日、中小企業が2021年4月1日から罰則付きの残業時間の上限制度ってのは始まるんですね。
そうするとその範囲でしか残業は命令できないので、拒否されたら終わりなんですね。
例えば1ヶ月45時間以内を1年のうち6ヶ月とどめないといけない。
45時間以内に1年のうち半年は45時間以内にしないといけないっていう規制があるんですけど、
だから社長とこれもう45時間超えてるんで帰らせてくださいと、
私自分の仕事終わったんで帰りますと言われると、もう何も言えないですよ。
あともう一つが、これはあんまり争われてないんですけど、昔昭和の時代は例えば
会社と揉め事というか労使紛争が激しい時は、いろんな理由をつけて残業拒否してたんですよね。
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ちょっと忘れちゃったんですけど、例えばプライベートの事情がある、そんな理由じゃなかったかな、ちょっと忘れましたけど、
例えば今日は彼女と食事に行くんでとか、あるじゃないですか。
子供と子供がお風呂入れないといけないとか、あるじゃないですか。
あれ本当に、私の段階中には世代ぐらいはあんなこと言えなかったけど、
最近言う人いる、結構いるらしいんですよね。
私は言うの普通世代。
ですよね。だんだん遠藤さんぐらいから、今日はなんとかがあるんでとか、今日はこれこれ、奥さんとこれこれがあるんでとか。
この間、久々に大企業時代の同期に会ったんですけど、会話が、今日は僕が子供をお迎え当番だからとかっていうのが普通にみんな言ってたので、
そうなると会社文化それですよね、きっと。
そうです。
だから多分そんな空気だと思います。
そうなると、いやちょっと待てと、緊急の仕事だよと、ちゃんと法律うちも守ってるし、修行規則もあるよって、
なんでできないのと、これできないと困るよと、これ業務命令違反として扱うよって仮にね、こう揉めたとするじゃないですか。
でも本当に、お子さんが病気だったり、まああと奥さんが仕事で保育園に迎えに行けないとか、
そういう事情があれば、やっぱり違法な産業命令もしくは権利の乱用になるでしょうね。
そうなっちゃうんですね。
なっちゃう。まあ比較考慮してですけど、大企業だと人がいないことないじゃないですか。
感情的だってお前やれお前やれって言ってるけど、冷静になれば、じゃあお客さんに頼んだり延期したり、他の人に手伝ってもらったり、ゼロじゃないから、
だいたいこういう時は争われたら従業員側が勝つので、でも私いずれそういう紛争が起きるんじゃないかなって予想していて、
今も実は起きつつあって、例えば工場の中に労働組合あったりするじゃないですか。
遠藤さんのフルフルとかもありますけど、普通は恩恵労使協調路線で来てるじゃないですか。
昔みたいに思想的な対立もないし、ところが今違ってて、思想的な対立はないんだけど、残業のサブロック協定の45時間多すぎるって。
35時間とかにできないかとか、結構拒否したりギリギリまでサインしてなかったり増えてるんですよ。
そうなんですか。
そういう事例の特徴は、また同じようなこと言って申し訳ないですけど、組合の委員長が20代の時が多い。20代から30代前半。
ほら、ベテランの人もやりたくないから組合活動とか、興味のある若者が突然出現するんですね。
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嘘?
本当本当。
ローソンのトップを?
私のお客さんでこういう問題を抱えているお客さん3社あるから。
20代がやってるの?
そんな感じなんですか今?
そう、だって全然僕の世代とか50代の人は、「えー俺ちょっと勘弁してくださいよ。」みたいな。
なんだけど、「あ、やります。」って言って、ほっと手を挙げて、委員長になっちゃうのよ。
そうすると組合の委員長変わるとガラッと変わるから。
みんな例えば組合の用紙物とか何とか参加率低いじゃないですか。
お任せになっちゃうんですね。
するとその委員長が老朽化が好きっていうか詳しい人とかだと、これおかしいんじゃないですかと。
まず45割気はないでしょと。
30、35からやりませんかとか。
30、35って工場で何かあった時に、もう全然生産量が変わっちゃうから、
え、何売ってんだっていう話になって、相談どころ3社ありますよ、継続的に。
揉めませんけどね。揉めないけど、要は言葉が今までと違って、
なんかこう日本語なんだけど、通じない?
いやいや、これね、結構有料企業のお客さんですよ。
逆にね、組合幹部はあがかえてるんですよ。
そうなんだ。
もうやらないから。
上の。
そう、突然ね。
政党会長立候補くらいの勢いで出てきちゃうんですね。
でもあれやっぱり組合って民主的な組織で選挙があるから、候補者いなければ当然向かいますもんね。
で、終わりですよ。
もう全然今までのしがらみとか全く通用しない。
そんな感じなんだ。
ちょっとだけお話戻すんですけども、
みなし残業の範囲内で残業を命じると。
例えばですよ、みなし残業って一般的に45時間のみなし残業ってそうそうないですよね。
なんかちょっとここ、常識はわかんないんですけど、
だいたい20時間とか30、ないぐらい。
それはホワイトカラーはね。
関係ないんだ。
それは大企業ですよ、それは。
じゃあもう平気でみなし残業45時間とか全然普通。
中小企業多いですよ。
なるほど、そっか。
全然。
20とか15っていうのはやっぱりホワイトカラーの業務量が安定してたり、
人もそれなりにいる職場ですよね。
いや、そんなの少ないよね。
事務職とかそんな感じじゃないですか。
そのイメージかなと思ったんですけど、
本当に労働者側からすると、
残業代がみなし残業を超えて払われることはないみたいな感覚の人はいっぱいいるわけですね。
いっぱいいる。
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そういう感じか。
そうそう、あとは差額払ってくれないと俺やられやすいよっていうのはありますね。
15含まれるって言ったら本当に15計算して、
社長すいませんと言いづらいんですけど、
俺15超えちゃって払ってくれるんですか?とかね。
それは…
いや、今まで言っちゃいけない。
それ普通世代ですね、私。
僕らの世代はね、それ言っちゃおしまいよっていう。
ここで世代トークしても仕方ないですけどね。
それを言っちゃおしまいよっていう。
我慢しないといけないのかなっていう、そういう時代だったんですけど、
やっぱり20代、30代で今起きてる現象は、
ニュージャパニーズの人の考えが、
30代前半とか後半の人に伝染してるんですよ。
下からどんどん侵食していってくる。
逆だと思うじゃないですか、普通は先輩の考えを、
後輩の人が、そんなもんかなと思って真似する。
違う。
今起きてるのは逆だね。
それは面白いですね。
どんどんどんどんこう…
侵食していってるんですか?
考えが、あ、お前言ってること正しいなみたいな。
あるでしょ、若返ってるんですね。
もしくは俺も言いたかったよみたいな。
それ俺も思ってたよみたいな、後出しで。
それあるかもね。
この話してみんなでやると全然ウケ悪いんですけど。
そうなんですか?
いやだって嫌じゃないですか、こんな話聞くの怖いじゃないですか。
社長先生はウケますよ。
でも経営者管理職はすごい顔して聞く。
聞きたくない話を聞かされた感じですかね。
昨日もすごい顔して聞かれたんだけど、
本当だから対策考えないとぶつかりますよって。
最終的にもう一度まとめていきたいとは思うんですが、
そうすると、みなし残業は一応範囲内であれば命じることは?
もちろんというか、一定の条件付きでできます。
その一つ質問なんですけど、みなし残業代払ってるのに、
仮に就業規則とかに残業を命じるっていう、
残業を命じるという文言がなかった場合は、
みなし残業代払ってるのにですよ、
命じることができないっていうことが起きうるんですか?
理論上は全然起きます。
理論上はそうなるんですか?
だってみなし残業代払ってるんですよって、
これ経営者の方なんで思いますよね。
ダメですね。
残業を命じることができるっていう文言はないとダメ。
でもほら、拒否する人まだいないじゃないですか。
これから出るな。
もうその空気をすごく感じます。
だってみなし残業代払ってるんですよ。
自分の時間っていう言葉が私よく聞くんですよ。
自分の時間が私何より大切なんですとか、
一人でいることはすごく大事なんですとか、
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プライベートの時間とかね。
これ、うちの勤務弁護士の人もみんなちらっと言いますけど、
お金より自分の時間なんですよ。
だから残業代払うよっていいじゃんみたいなノリは、
何言ってんの?って言われる可能性があるんですよ。
そうなんですね。
そうなんです。
じゃあみなし残業代払ってるから残業させられるってものとはもう、
危険すぎるけど。
今はいいけど10年後ぐらいからは相当変わってるはず。
いや、この辺微妙なボタンの掛け違いでとんでもないことが起きるところなので、
すごいセンサリーだけど、わかりにくいですね。
おそらくずっと放置して、
ボタンの掛け違いしてると5人ぐらいで輪になって、
社長言いたいことあるんでちょっと会議室いいですか?みたいな始まる可能性があるんですよ。
いやもう全然違うから、振り返り方。
定期的に向井先生ね、最前線で肌感覚で情報を取ってるでしょうから、
またなんか雰囲気変わってきたっていうのがあれば、
都度都度そういう情報をいただきたいですね。
いやちょっと今日はまるで怖い話のような話でしたが。
夏の稲川巡礼会談で。
そうですね。
というわけで今日はこの辺りで終わりたいと思います。
向井先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
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