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向井蘭の社長は労働法をこう使え 法律のもとで展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えば、弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って、経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく、
ビジネスに関する法律の問題をわかりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。 向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生、本日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、今日もやっていきたいと思いますが、早速質問の方に、いいですかね、いきたいと思います。
今回はですね、43歳事務局とありますね。ちょっと男性か女性かわかりませんが、事務局、はい、来ておりますのでご紹介したいと思います。
いつもポッドキャスト楽しく聞かせていただいております。質問がございます。
これは色々な人に聞いてきましたが、なかなか打開策が見つかっておりません。 質問は、有給休暇の退職時の消化についてです。
当方は小さいながら会社を経営しておりますが、事務職と言いましたが、経営者ですね。
経営者の方ですね。
会社を経営しておりますが、経営者仲間からもよく聞かれるのですが、
弊社でも苦慮しています。退職時に有給休暇をまとめて消化する従業員がいるが、これをやめてもらう方法はないかというものです。
確かに有給は権利ですから、退職時にまとめて取得してもいいように思いますが、会社としては実際にその社員が出社しないのに、
1ヶ月以上も給料が発生するというのが、経営者としてはどうしても許せません。
また、退職時の有給休暇は、休暇を取ることでリフレッシュしてまた再び業務を頑張るための休暇制度という本来の有給休暇の趣旨に反しているように思います。
普段からこまめに有給休暇を取得できる職場環境であれば、退職時にまとめて消化する申請を従業員が出してきても、時期変更権を行使して取得させない。
例えば、9月末で退職、最終出勤日が9月5日、有給を15日申請してきても、15日は許可せずに5日だけ許可をすることは違法でしょうか。
私の考えでは、あくまで退職まではその会社の社員ですので、1ヶ月近くも出勤しないことは、会社の正常な運営に影響を及ぼすレベルであると考えています。
よろしくお願いいたします。
これは立場において意見が分かれるじゃないですか。
そうですね。
いやでもね、経営者の方からすれば。
今どのぐらいの割合の人が、辞める時に全部消化するんですかね。
遠藤さんの感覚だと、いろんな経営者の方から話を聞いたりしているとどのぐらいですか。
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大企業というか上場企業と中小企業、オーナー系の企業でまず分かれると思うんですけど、大企業はほぼほぼ消化しますよね。
しますね。
消化するのが当たり前ですね。
周りも、まあしょうがないよねっていう感じですよね。
一方でオーナー系の企業はもう本当にあれじゃないですか。
半々でオーナーとのパワーバランスみたいなところで決まっている感じが感覚的にありますけどね。
でもパワーバランスで昔はそうだったんですけど、今オーナーが強くても取る人が多いですよね、辞める際。
いや全部取得するってなかなかいなくないですか。
私採用メッセージしたときに事務職員の方、皆さん全部消化してから辞める予定でした。
でも事務職系そうかもしれないですね。
事務職系、営業職はどうですかね。
営業職とかちょっと攻めてる側の系の人たちは。
ああそんなもんですか。
いやなんかその感覚ありますけどね。
じゃあまあまだ100%。
いやいや100%の感じは全然取ってないで辞めてる人いっぱい見てるんで。
ああそうなんですか。
私結構全部消化して辞める人がすごく多い、ものすごく増えてきたなってイメージがあって。
じゃあまだいるんですね。
全然いると思います。
なんか割合が上昇してきてるというか、全部消化して辞める人の割合が。
はいそれはあると思います。
ご質問の結論からいくと、やっぱり止められないというのは結論。
正常な業務の運営に支障を来すっていう程にはいたらないですね。
一人が退職間際、有給休暇取ったからといって、正常な運営に支障を来すっていうのは難しいですよね。
引き継ぎとかやらないで、連絡行方不明になったとかっていう場合は、まだ余地はあるけど、でもそういう人が戻ってくることはないから。
だから、しくしくと全部払った方がいいですし、結構老朽症の方に言うんですよね。
全部消化できないと。
で、別の調査が始まっちゃうから、老朽症の方が来て。
老朽症に言うと、そういう動きになるんですか。
有給休暇については老朽症だから、老朽症の調査指導、是正勧告が入りますね。
そうなると、そこだけじゃなくていろいろ調査されるんですか。
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地方にもよるし、監督官の考え方にもよりますけど、別の調査にも残業代請求とかにもなりかねないですね。
残業代も全部払ってるとか、職場であればいいかもしれないけど、どんどん日の手が上がってくる可能性が高いです。
でも結論として、この方がおっしゃっている、全部取らせないような工夫っていうのは基本無理ということですね。
無理だし、逆で取らせるような経営をしないと、もうやっていけない時代ですね。
うちも月1回は休むように言ってますね。事務局には。
有給しとく?
はい。
じゃあ年間で12日ぐらいは取れるような。
私も確認してますね。給与明細を見て。
そうですか。
お子さんが病気になったりとかして取ったりしてるので、自然に取れちゃうんですけど、
そうするとそんなに大量に余るなんていうのはないですよ。月1日取ってれば。
そうですね。
あとまとめて連休の間とか取れば。
月1日取ればそんなに頭にくることはなくなるから、辞める際に大量に取ってるとか。
確かにそうですね。
月1日休めないと会社がおかしくなるっていうのは、ちょっとこれからの時代はなかなか経営がやっていけないというか、
それが当たり前になっちゃうから。今ですね、週休3日の仕事がどんどん増えてきていて、
1日10時間労働で4日働くとかなっていて、
日本人はもう怠けてるとかね、昔の日本人よりも軟弱になったとか、そういう意見もあるんですけど、
もう要は長時間労働でなんとかなるっていう時代はもう無理なんですね。
今日神房町歩いてましたら、牛丼チェーン店の時給は1250円でしたね。
今そんなに言ってます?
うん、1250円だった。
マジですか?オレンジの。
うん、オレンジの。
だからもうなんていうのかな、長時間やらないと、もしくは休みが取れないような働き方じゃないと利益が出ないっていうと、
もうなかなか淘汰されちゃうし、今インディード見てても休みを取れるっていうのをすごく強調してる求人がものすごく増えて、
でも確かにそれはそうかも。
給料そんなにすごく上げられないじゃないですか、日本の会社って。
昇給毎年10%上げますとか、そんなんないし諦めてるから、せめて休みを取りたいっていうのが。
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だからすごくね、僕も経営者なんで分かるんですけど、もうほんと休み有給取得競争みたいになってきてて、
有給取得させないと人が集まらない、人が辞めちゃう、そういう時代になったら一部のベンチャー企業はいいんですよ。
例えばストックオプションもらって上場したら6万長者、こういう人はもう何もやらなくても働くんだけど、
もう9時6時で決まってて、給料もそんなに上がらないってなると、あとは休みってなるのは仕方がなくて。
だから難しいです。
逆にもうこっちから積極的に休みを取るように仕掛けると。
だって言われてからお金払うより、自分からやってって定着率上げたりとか、
辞める際にね、変な休まり方とかしない方がいいじゃないですか。
いや僕100%に近づくと思いますね、退職時に全部。
何でかっていうと来年4月から年5日の取得が義務付けられるんですよね。
フルタイム勤務の場合は事実上。
義務なんですか?
義務義務。
取らせないと会社の方が罰則みたいな。
そうですね、老朽化上罰則もあります。
でも5日って当たり前の時代になるんですよ。
あと5日すら取れない会社になるんですね。
有給消化は70、80が大企業とかどんどん上げてくるから、定着のために。
だからどんどん社会全体、今50%くらいですけど日本全体の有給取得率。
おそらく60、70に上がると思うんですよね。
今話聞いてて思ったんですけど、有給休暇の取得、退職時にまとめてドーンと取るじゃないですか。
あれの原因で日常取る工夫度がないのもありますよね。
あります。絶対あります。
日常取っていい空気の会社と取っちゃいけない空気の会社は明確に分かれるんじゃないですか。
明確に。就業規則関係ないですね。
まだ社長の顔色伺ってる。
やめる際全部取ってるってことはメッセージですよね。
私は取りたかったのに取れなかったんだと。
あなたのせいとは言わないけど最後だけ取らせてくださいと。
そういう暗黙のメッセージなので、10人社員がいてやめるAさんだけが不満を持ってるかというと、
残りの9人も持ってる可能性があるんですよ。
これが怖いですね。
確かにね。
業種も分からないんだけど、発想変えて、うちは有給消化率80%の会社だよって言わないと
もう若者は残らないし来ないし人も来ないし。
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そっちへシフトしていくのはいい発想ですね。
そっちへシフトしてもうちは利益出ますと。
なぜなら経営者が優秀だからと。
こう言える時代じゃないとダメなんですよね。
生き残っていけないと。
生き残っていけないと思います。
なるほどですね。
でもね、経営者の方もあれですよね。
これ最後の退職の時にまとめてドンって取るとあれで頭苦しい。
ちょっと傷つくんですよね。
結局特に優秀だったり頑張ったりして。
結局この人もこの方もこの方もそういう感じなんですよね。
落ち込むんですよね。
でもやっぱりちょっと日本人は全員に期待しすぎ、経営者は、従業員の。
やっぱり経営者と資本家と労働者は違うから。
だから言われなくても好きか与える、声掛けする。
一日休んでなんかなるって会社はないと思うけどな。
もちろんね、例えば物流会社とか運転手さん一日休むってことはその分売り上げが減るから。
痛いんだけど、年間稼働日250日だとしてギリギリ働いてて。
10日取った場合4%ぐらいかな。
計算できませんが。
4%ぐらい売り上げが減っちゃうんだけど。
これだから吸収できるぐらいの会社じゃないと生き残れない。
値上げしたりとか不採算な仕事切ったりとかやらないと取れないじゃないですか、そしたら。
っていうのは経営者の仕事ですね。
厳しい話になっちゃいますけど。
全然こういう話は誰もやらないんですけど、生き残りの時代に入ってるから、
あいつらけしからんって言ってるだけだといつのまにか大企業は着々と100%目指してやってるから。
この差はすごいよね。
その差の中で人材獲得も一緒にやっていかなきゃいけない。
大企業って突然大企業になってるわけじゃないですよね。
もともと中小企業ですから江戸時代から続いてる会社とかあったとしても、やっぱり中小企業の時から違うんだと思うんですよね。
大企業なるべくしてなってる会社が多いから。
僕も中小零細企業の経営者ですけど、中小企業同士の社長さん独特の考え方でお互い愚痴を言い合う。
心地いいですよね。
だけどそこからは逃れられない。そこでずっと止まってる。
いい機会じゃないですか。
私の生意気な回答におそらく反感を持つのが相手言ってるんですけど、それはそれで構わないんだけど、
僕はもうトータルの時代に入ってると思ってるから、頑張って歯を食いしばって休みを与えないといけないと思ってます。
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ちょっと厳しいコメントにはなりましたけれどもね。
いや言った方がいい。
勢いが厳しいということを前提におっしゃっていただいてますので。
そうなんですよ。今だったらまだ間に合うけど、人口がこれから減っていくとね、本当に未曾有の事態が次々と出てきますからね。
でもこの方もね、こうして辛辣な向井先生の話を聞いているということは。
そうなんですよ。ありがたいんですよ。
その辺は受け入れてくださってるでしょうから。
ちょっと不愉快な気持ちになったら申し訳ないですけど、ありくどいどうでもいい表面的な話をしてもしょうがないですから。
ぜひ今日の話を聞いて、会社の方向性を変えたり、風土を変えていくような動きがあるのであれば、ぜひシェアしていただきたいですよね。
というわけで今日の話を聞いて、感想とかもあればぜひお待ちしておりますので、ちょっと頑張ってみてください。
はい。
というわけで、向井先生、本日もありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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