労働問題とAIの関係
こんにちは、遠藤嘉杉です。向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
さあ、ということでね、今日も行きたいですけれども。
はい。
いやいや、あの、いろいろね、労働史上もAIの追い風や向井風なのかわかりませんが。
そうですね。
いろいろ大変そうですし。
まあそんな中、そんな話も今日したいとこなんですけど。
この間、北海道の方でご講演行かれたら、すごいお声掛けいただいたと聞きましたけど。
あ、そうなんですよ。北海道社労司会の札幌の方で講演させていただいたんですけど。
6、7人かな、6、7人ぐらいの方に、
いや、実はポッドキャスト聞いてますと。
あの、かげながら応援してますみたいな。
表で応援してますね。
いやいや、うん。隠れファンですみたいな。
隠れてる感じなんですけど。
はいはいはい。
あの、なんか、いつまでも続けてくださいとか。
おお。
うん。なんか嬉しい。
温かい怒り。
うん。あの、そういう人って、なんか、目と目が合うとすごく優しいんですよ。
それ、毎回言ってますね。
そう、そういう、ま、社労史の先生だからなのかもしれないけど。
え、なんだろう、僕会ったことあるかな、この方会ったことあるかなって思うと、リスナーですみたいな。
そんなね、ありがたいお声をかけしてて。
声かけてくださる方がその数なんで。
あの、実はさらに隠れで聞いていらっしゃる方もいるかもしれないですよね。
隠れファンと言わずにぜひ。
声かけてくださいって。
名乗りで。
はい。
まあまあ、そんなね、いろんなところでお声かけをくださっている向井先生ですけれども、
今日はですね、ちょっとAI絡みのね、すごい話があるということですんで。
本人訴訟の現実
そうですね。
AIのちょっと最近驚くべき現象というか、お伝えしたくてですね。
はいはい。
はい。
あの、最近ですね。
はい。
いわゆる労働者の方が会社とやり取りしてるメールとかチャットとか見るんですけど、
そこの中に、あれ?これAI使ってるんじゃない?と。
あれ?突然文体が変わったとか。
結構あって。
はいはい。
あの、明らかにAIなんですよ。
もう分かるんですね。
分かる。私使ってるから。
なるほどね。相手の立場分かると。
で、あの、まだまだ、もうちょっとやっぱりツッコミ足りないかなとか思いつつも、
いいとこついてきてるんですよ。
それは、今の例は、あれですか。
労働者側の方が、何かしらでAIを使って訴えて署名を作ってきてるっていう話ですか?
そうですね。あの、実は裁判もAI使ってる人が出てきたんですよ。ついに。
はぁ。
あの、弁護士つけずに。
おぉ。
なるほど。弁護士の先生がAI使って書いてるなって意味じゃなくて、
労働者の方が勝手にAI使って書いてきたやつを、弁護士かまさずにやってくるってことですか?
そう。いわゆる本人訴訟、本人申したでって言うんですけど、
それがついに来ましたね。
あ。おぉ。え。なるほど。
ちょっと内容は言えないんですけど、弁護士だったら金額が少なすぎて、
費用倒れになるよって説得して終わっちゃう事案なんですね。
なるほどね。弁護士はそもそも受けないような案件が、
弁護士を通さないでAI使ってできるから、そういう案件が出てきちゃってるってことですか?
そうなんですよ。
それってすごい話ですね。
で、内容はまだまだちょっと荒い精度が低いんですけど、
えぇ。
いいとこついてるんですよね。
ほうほうほう。え、じゃあ普通にやったら、
例えば、えっと、何でもいいですけど、
ハラスメントとか、例えばあって、精神的に訴えられたんで、
支払ってほしい、支払いを払ってほしいというような件が例えばあったとして、
ちょっと金額感全然私相場がわかりませんけど、
それが50万円払わないという案件だとすると、
弁護士の先生は、えぇちょっとその金額感だと成功保釈も取れないし、
着手金だけでも何か成り立たないんで、
じゃあやめた方がいいですよってなってたものが、
じゃあいいよ、俺自分でAIでやるわって言って、
出しちゃってどうですか?
そう。実は、
昔、三浦和義さんって、
疑惑の三浦和義さんって知ってます?
知らないですか?
うん。
疑惑の10弾、三浦和義って知らない?
知らないですよね。
昭和、昭和50年代に、
何の事件ですか?
奥さんがロサンゼルスで撃たれちゃって、
三浦和義さんって、ごめんなさい、サッカー選手じゃなくて?
違うんですよ、別に。
違いますね。失礼しました。
それしか出てこなくて。
ですよね。
いや、その前に三浦和義さんっていたの。もう亡くなったけど。
で、いわゆる保険金詐欺じゃないかみたいな、
そういう事案を週刊文集が取材してて、
当時加熱報道になったんですよ。
へー。
それで、今はあり得ないんだけど、
三浦さんのプライベート、プライバシー、
もうあることないことめちゃくちゃ書いてたんですよ。
なるほど。
あと手錠をかけられた姿を撮影報道してたんですね、当時ね。
国際的にはやっぱりそういうとこ報道しないんですよ。
そうですよね。
それで、なんと三浦さんは警察署で逮捕拘留されて、
ずっと裁判長引いたから、
暇だったわけじゃないと思うけど、
東京高知省とかの中で、
自分で訴状書いて手書きで、
弁護士最初つけてたんだけど、覚えちゃったやり方、名誉毀損とか。
なんかいいですね。
で、片っ端からテレビ局、週刊誌訴えて、
何十社、何百社訴えたのかな。
それで何億円回収したんですよ。
有名な三浦和義さん、本人訴訟。
一件一件そんな大したことないんですけど、
100万とか50万とか。
でも何十件訴えたから、何百件かな。
何億円か回収したんですよ。
新しい訴訟の形
そういう人いたんですよ、昔はね。
それはもう自力で、そこまでやれちゃう方が。
もう弁護士さんがやってんの見読み真似で、
自分も勉強して、本とか読んで。
三浦さんは頭はいいですから。
なんだけど、そんな人いないじゃないですか、普通。
諦めちゃったりね。
諦め…できちゃうんですよ、AIで。
それが、そういうことですね。
本人訴訟が簡単にAIでできる。
簡単かはわかんないけど、
見読み真似でAIに聞きながら作ると、
それなりのものができて、
証拠さえあれば買っちゃうんですよ。
それってどうするものなんですか?
書いた、何書って言うんですか、こういうのって。
これは訴状だったり申立書ですね。
労働審判申立書です。
訴状とか申立書みたいなのって、
弁護士さんかまさないで、
自分で作って出していいんですか?
出していいんですよ、もちろん。
誰に出すんですか?企業に出すんですか?
裁判所に出す。
自分で書いて、自分であの企業を訴えるって言って、
裁判所に出しちゃうってことですか?
そうです。
で、企業側があんたのとこ訴えられてるよって話になって、
え、何それみたいな。
え、何それって。
で、それを見たら、
これちょっと待って、AIじゃねえかってなんだということですよね?
そう。
そんな時代か。
で、訴状って形式がいるから、
結構形式審査で、
ダメだやり直せって言われちゃってるんですよ、本当はね。
なるほど。
だからどのぐらいやり直せって言われたか分かんないけど、
でもAIに作ってるから、それらしっぽいのができるんで、
全然ダメじゃないんですよ。
しかもやり直せって言われた内容をAIに指示したらやりますもんね。
そう。
それで乗り切ったんですね。訴状審査を。
あ、乗り切ったっていうのは、要は訴訟に向かってったってことですね?
そう。
ほう。
この話って何が恐ろしいというか、びっくりかというと、
今までだと弁護士さんを返したらやめときなってなるから、
そもそも訴訟にならなかったものが、
AIを使って個人がやれば訴訟を作れるようになってしまったってことですよね。
今まで上がってこないような案件がどんどんこれから、
放送界に上がってきてしまうってことですか?
おっしゃる通りです。
おっしゃる通りです。
要するにですね、やっぱり僕ら弁護士でいくと、
訴学でいくと300万以下は赤字だって言われてるんですよね。
なるほど、そうなんですね。
労働トラブルのAIによる解決
そうそう、その辺基準が分かりませんでしたけど、そういうことか。
労働問題って300万以下多いんですよね。
だからみんなやりたがらない。
しかもいろいろ準備が必要だし、長いし、感情的な対立ある。
ところが、いやいや、じゃあ弁護士いらねーわと。
もうAIに作ってもらおう。
俺が言いたいこといろいろ書き込んで、
で、AIとやり取りして、で、作ってもらって、
で、もう自分でいくわというのができちゃうんですよ。
できるんだと思う、これから。
そういうぽいのが上がってきてるってことですよね、すべて。
そう。
そうすると、例えば、医者料50万とか30万取れれば、
個人の人からしたら、相手にも違法性を認めさせて、
30万とか50万もらったら十分じゃないですか。
本来であれば弁護士費用にそれ以上の支払いをしなきゃいけないから、
むしろマイナスだから諦めちゃうところが、
チャットGPTの有料会員の1,000円、2,000円払えば、
その経費だけで2,30万が取れるっていう構図になるってことですよね。
3,000円ですか、今はね。
3,000円くらいでしたっけ。
ジェミニだと2,000円。
例えば2ヶ月限定で払っても、5,000、6,000円じゃないですか。
そうですね。
5,000、6,000円で労働審判やって、30万、20万回収できたら、
十分じゃないですか、時間取られると。
この話って、それをやろうとする側の方が聞いてた場合、
非常にどうなんだろうって内容になりますけど。
そうなんだけど、これ聞いてる方は、
そっちがじゃなさそうですからね。
先生だったり人事論文の方で。
何が言いたいかと言うと、
確かに違法かもしれないけど、
これごときで、こんなことで裁判なんかなんないですよ、
みたいなの多かったんですよ。
はいはいはい。
いくら僕らが言っても、
いやいや、訴えられたら考えますよ、みたいな。
出来っこないと、この人間に。
出来っこないですよと。
弁護士さんもこんな引き受けないですよと。
いやいや、違う。
AIでできるからと。
AIが引き受けちゃうわけですね。
例えば未払い残業代もできる可能性が高いんですよ。
例えば朝の朝礼とか、
残業代払ってないとか、
朝の清掃、掃除、
あと着替えの時間が残業に入ってないとか、
そんなのいっぱいあるわけですよ、世の中に。
違法なんだけど。
はいはい。
で、タイムカードあるじゃないですか。
タイムカード全部コピーして、読み込まして、
こういう理由で朝の着替えの10分、
清掃10分、
朝礼1週間30分、
これを計算して、
私の給料はこうなんで、
給料明細もつけますと。
申立書作ってくる、
アサイ、労働審判、ノート活動作れるんですよ。
今のGeminiとChatGPTの有料版だったら作れる。
思わず指を歯でくわえてしまいましたね。
そうでしょう。
おそらく月給にもよるんですけど、
100万、200万ぐらいの請求にはなるかな。
3年分ね。
1日20分だとしても。
で、結構それで勝てちゃうよ。
本来だとこれを弁護士さんにお願いしようとすると?
着資金30歳っていりますねとか、
成功報酬20%くださいとかなると、
50万ぐらい弁護士さんに払うことになるわけですよね。
心が自分でやると確かに面倒なんだけど、
100万ぐらい自分の手元に来ちゃうわけですよ。
何が言いたいか、
本当繰り返し申し訳ないんだけど、
お金の問題じゃなくて、
知らないうちにAIに連れてかれちゃうわけですよ。
そういう司法の場に。
司法の場にですね。
今まであれば、
そうですね、牢記書だったりとかで、
実務上で無くなってたはずの解決してたものが、
いきなりピョンと司法の世界に飛ぶと。
3割司法って言われてて、
昔は世の中の紛争の2、3割しか裁判所に来てないと。
残りは暴力団とか、
泣き寝入りとかで終わってると。
暴力団が関与したりとか。
3割しか役割果たしてないっていう、
3割司法っていう言葉があったんですけど、
わからずもAIが関与すると、
4割、5割司法ぐらいになるんじゃないかなって。
確かに今の話だとなりますよね、たぶんね。
そうすると、衝撃じゃないですか。
衝撃ですね。
今回ちょっと内容は言えないんですけど、
この人が自分で弁護士つけずに申し立てしたんだっていう感じなんですよ。
会社の方からすると。
夢にも思わないとできないよ。
できっこないっすら思わない。
こんなのは文句言ってるけど、
終わるだろうなと、
いつもよくあるちょっとした揉め事だろうななんだけど、
これが司法の方に連れてかれちゃうわけ。
司法への影響
怖いね。
ということでございます。
ということでね、
1本で取って良かったんだろうかっていうぐらい
ちょっと唖然とする話でした。
その、
なるほど。
というわけで、
皆様そういう現実がやってきますよということを踏まえて、
どう対策していくか、
共に考えていければと思っておりますので、
今日のところ終わりたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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