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こんにちは、遠藤克樹です。 向井蘭の『社長は労働法をこう使え』。 向井先生、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで、今日はね、なかなか注目を浴びている事件を ちょっと取り上げていきたいなと思いますが、向井先生、事件名のほうをお願いいたします。
はい、経済産業省行政措置要求判定取消事件。
いわゆるトイレ使用に関する行政措置事件。
正式な事件名はちょっと私はわかんないんですけど、
トランスジェンダーの方が女性用トイレを使わせてくれてなくて、
2フロア離れたところを使ってもらって、4年数ヶ月使わせてくれなくて、
そこで訴訟を起こしたっていうそういう事件。
これが最高裁まで行ったということですね。
最高裁判決が平成5年7月11日となります。
本当に最近ですよね。
最近ですね。
この性的マイノリティと言われる方々の職場環境での訴訟が最高裁まで行ったのは初めてだと。
初めてですね。
こういうわけで判決結果も踏まえて、
結果だけ見ればググったら出てくるんですけども、
背景にあるものとかを話しながら考えていきたいなと思いますが、
まず事件の概要を改めて教えていただきましょう。
概要はですね、ある経済産業省の戸籍上は男性なんですけども、
性転換手術はしていない。
だけどホルモン剤を注射して、医師から診断書。
するに男性特有の性的衝動とか、性的な暴力行為だとか、可能性が低いという診断書をもらってる方。
そういう診断が出るんですね。
そういう診断があるんですよね。
性同一性障害の診断も受けてるんですけども、
男性ホルモンの量が大幅に同年代の男性より低くて、
性衝動に基づく性暴力の可能性が低いという診断を受けてる方です。
こっちの方の、まずそういう診断があるんですねってことも知らないんですが、そうなんですね。
そうですね。平成20年ぐらいから女性として生活をして、
平成21年ぐらいから上司に自分の性同一性障害を伝えて、
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平成21年に女性の勤務や女性投影の仕様を両方伝えた。
平成22年7月に説明会を開いた。同じ部署の職員に対して。
すごい、そこまでちゃんと対応した。
経済産業省はとても、一部の職員の人が男性に戻ったらとか言っちゃったらしいんですけど、
それ以外はまともというか、当時としてはかなり理解があるのだと思います。
ただその中でなんですかね。説明会で。
説明会で異論はなかったんだけど、数名の女性職員が違和感を抱いてるように見えて、
一つ上の階の女性投影を使用することについて意見を述べたところ、
女性職員一面が日常的に当該女性投影も使用していると述べた。
それで2つ離れたフロアのトイレを使ってくださいということになったんですね。
それから4年が経ったんですけども、
依然として経済産業者は同じフロアのトイレを使わせなくて、
それでこの原告、一審の原告の方は訴訟を起こした。
ということで一審、二審。
一審は原告は焦燥。トイレを使わせるべきだ。
原告は焦燥ですね。
二審はトイレは使わせる必要ないという原告が敗訴。
最高裁で審理をしますという決定が出まして、
7月に判決が出た。
これがこないだの7月の。
思いのほか注目されてないような印象。
ネット上ではそれなりに盛り上がりましたけど、
ただテレビでも僕見てないんだよな。
盛り上がらなかったですね。
そんな印象ありますよね。
私の場合は向井先生とお付き合いがあるがゆえに、
情報入ってきちゃうんで盛り上がってる印象だったんですけど、
外見ると意外と知らない人多かった印象ですね。
知らない人多いですよね。
すごい時代用物語で、ある意味すごく影響が出そうな事件。
出ますね。
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特に大企業で数千人住まいに雇用してるといらっしゃいますので、
相談をいただくことは実は昔からありました。
昔からあるんですか。
僕が弁護士になった20年前からあった。
そうなんですね。
これはあるあるなんですよ。
大きな工場とか数千人働いてる巨大工場はいらっしゃるんですよね。
はいはいはい。
いるの。
その時にだいたい1個やっぱりトイレとか。
あと後衣室。
後衣室トイレ問題がほとんどですね。
なるほど。
それで、判決文はですね、結論は原告焦燥。
原告焦燥。
トイレ使わせてあげなさい。
それで結構ネット上は、女性や一部の男性が、
おかしい。
どういう人間かもわかんないのに、こんなことが認められたら大変だみたいな。
一般論としてはおかしいみたいな。
そういう意見が多かったんですが、
実はこの裁判所もですね、
どこも一心も二心も最高裁も共通してるんですけど、
最初の経済産業省の措置ですね、みんなの意見を聞いて、
まずは2フロー離れたところからトイレ使いましょうっていうのは否定してないんですよ。
実は。
それは心配になるのもやむを得ないところはあるよねっていう配慮。
そういう感じなんですよ。
その方がというよりも、分かんないですもんね。
知らない人からすると。
本当にそういう事情が嘘かもしれないとか思うと不安にもなる。
そうですね。
それでですね、問題は4年10ヶ月後にも使わせないという。
そういうことが許されるのか。
これ、最初に使わせなかったことじゃない。
4年10ヶ月後も使わせなかったっていうことなんですね。
これはどういう意味ですか。
例えばどこでもいいですけど、
2年後ぐらいにはもっと緩和措置というか、許可を下ろすべきだろう。
そうですね。2年とか3年とかないんですけど、
この事案は4年10ヶ月後でして、
最高裁は、上告人が女性トイレを自由に使用することについて、
トラブルが生じることは想定しがたく、
特段の配慮をすべき他の職員の存在が確認されてもいなかったのであり、
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本件処遇による上記のような不利益を感知するだけの具体的な事情は見当たらなかったと。
行政側廃止。
これはまあ予想はしてましたけども。
予想してたんですね。
予想してましたね。何も起きてないんですよ。
例えば2回以上離れた彼の女性トイレで、
盗撮騒ぎとか、ごそごそ不審な挙動をしてるとか、
そういう事件があったかとないんですね。4年10ヶ月。
あとですね、これ最高裁なぜか書いてないんですけど、
女性公立使ってるんですよ、この人。
そうなんですか。
そうなんです。女性公立使ってるんだよ。ずっと。
すごくないですか。
そこまでちゃんと認めて運用してたんですね。
はい。
確かに。
女性公立使って何も起きてない、異論が出てないのに、
なぜ認めなかったかっていうのは、私はちょっと疑問で。
確かに。そう思ってしまう。
何かあったのかなという気はしないではない。
なるほど。非常に。そうか。
でもそうすると、性的マイノリティのトランスジェンダーと言われるような方々が、
トイレに対してどうすればいいかって一概に結論を出せる話ではなく、
閉鎖措置見ながら何も起きてないっていうと、若干もうちょっと緩和していこうとかっていう、
結構、この判決をもとに、
着手行為にこうだ、みたいなことは言えなそうな判決ですね。
いや言えないですよね。
個別性がむちゃくちゃ高いんですね。
いやおっしゃるとおりですね。
ですので、多くのネットの方は読んでないんで、判決文を。
おかしいおかしいって言ってたけど、
実は最初はちょっと離れたトイレでお願いしますっていうのは、
これは争ってないんですよ、誰も。
経済産業省がこの対応がおかしいとは誰も言ってない。
原告も言ってないんです、実は。
え、そうなの?
言ってないですよ。訴えてないかも、最初の措置について。
あ、最初の措置についてね。
4年10ヶ月経ってんのになぜ使わせないのかっていうことなの。
これわかんないと思うんですけど、
関係そんな悪くなさそうな感じもしますが、
4年経っても使わせないことに対して原告側が自ら訴え出したんですよね。
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そうですね。
正確には人事院に、
僕も知らないんですけど、行政措置の是正要求っていう。
措置要求っていう人事院。
そこに行って、それは認めませんという人事院の措置。
人事院の判定かな。
人事院の判定が出て、それに含め訴訟をしたっていう流れで。
こういうことか。
職場の中での関係でどうっていうよりも、大企業の感じで言うと、
道内部署では話は出てある程度収まってたけど、
ちゃんとコンプライアンス室か人事とかに持ってったらだめって言われても、
もうさすがに言うぞっていう話になってったみたいな感じがします。
おっしゃるとおり。
最後にまとめとしては、どう受け取ればというところはどうなんですかね。
ケースバイケース。
そうなりますよね、これ。
本当に大変申し訳ないんですけど、
ケースバイケースで。
今回よかったというか、現実的だなと思ったのは、
最初様子見でちょっと離れたところを使ってもらうっていうのは、
これは確立したのでやり方として、
説明会ですね。
本人同意のもとで同じ部署で説明会を開いて意見を聞くっていうのも、
やり方としてはオーソドックスになると思いますので。
だから判決が出た意義はかなりあると思うんですけど、
ただ、今回は誰もお菓子やめてくださいっていう人いなかったけど、
仮にですよ、50人の職場で一人同性女性の方が嫌だと言ったときに、
どうしてそれは一人のために拒否を続けていいのかとかね。
これはあります。
そうですよね。
あとは来客もあるようなトイレを使わせる義務があるのか。
例えば会社によっては来客が多くて、
お客さんも使うトイレをみんなで使うってよくありますよね。
そういう場合にお客さんの意見なんか聞けないじゃない。
たしかに。
そのときに使わせる義務があるのか。
なるほどですね。
でも義務だけじゃなく心持ちのすごいセンシティブなところの判断なので、
本当に一概に言えないケースバイケースだなというのは聞いていて、
考えれば考えるほど納得ですね。
そうですね。難しいですね。
一つ一つきちんと向き合いながら一緒に考えていくというプロセスが大事なんですかね。
20年以上前から向井先生の方に相談あるという話が実はということだった。
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何か相談結構あるでしょうからね。
ありましたらぜひご相談いただけたらというところですかね。
終わりましょう。
ありがとうございました。
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