犬の夢と睡眠の基本
問題です。 犬は夢を見るでしょうか?
ポッドキャスト番組犬からの伝言。この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意なドックトレーナー、ひらたじゅんが犬との向き合い方、犬との接し方を犬目線で考えるポッドキャスト番組です。
今回は、今までと入り口を変えて、問題から出してみました。 犬が夢を見るっていうのは、昔からよく言われることではあるんですけれども、あなたの横で丸くなって眠ってるワンちゃんは、今、夢を見てるでしょうか?見てないでしょうか?
今回は、犬の睡眠っていうお話をさせていただきたいと思います。 当たり前にいつも見せてくれている行動だからこそ、意外と見落としがちなテーマではあるんですけれども、犬の動物行動学であったりとか、科学的な観点からちょっとお話をさせていただきたいなと思います。
また、よく言った相談としましては、夜になると吠え出しちゃうとか、夜になると暴れちゃうとか、あとは年取ってから寝つきが悪くなったのよねとか、そういう声もよく聞きます。
なぜそういった睡眠を阻害するような行動が起こるのかというところに関しても、ちょっとずつ触れていこうかなと思いますし、明日からできる環境整備みたいなところもちょっとご提案できればなと思っています。
まずクイズの答えからいきましょう。犬は夢を見るかというクイズ。これは犬は夢を見るというふうに考えられています。
というのはですね、犬には人間と同じくノンレム睡眠とレム睡眠、眠りが深い時と眠りが浅い時というのがあるというのが研究報告として上がっています。
この睡眠時間なんですけれども、これはいろんな研究機関とか専門家とかによってかなりブレがあるんですけれども、8時間から14時間ぐらいがだいたい平均の睡眠時間というふうに言われています。
そしてですね、小犬高齢犬というのはもっともっと長くて、小犬だとだいたい18時間から20時間ぐらい睡眠を必要としています。
で、先ほど言ったノンレム睡眠、レム睡眠というところに関しては、人と比べるとレム睡眠の出現頻度というのが高いという研究報告というのもあったりとかします。
レム睡眠というのは夢を見ている段階というふうに一般的には言われているので、記憶を固定させたりとか、あとは感情浄土ですね。
の整理と関連するというようなデータがあります。
なのでワンちゃんにとって良い睡眠っていうのは、学習トレーニングをした時に何を覚えなきゃいけないんだとか、あとは感情のコントロールだったりとかっていうのにも直結してくる部分ではあります。
ちなみにですね、若いワンちゃんの方がレム睡眠の割合が高くて、年を取るにつれてレム睡眠が減少するというような研究結果もあったりとかするんですよ。
レム睡眠というのは眠りが浅い状態のことを指しますから、若いワンちゃんの方が寝言は言いがちということですね。
なので、この眠っている姿というのをなるべく長い時間見てて、飼い主としても癒されたいなぁとは思っているかとは思うんですけれども、睡眠を壊す環境っていうのがあります。環境因子ですね、っていうのもあったりとかします。
どういったものが睡眠を壊すのか。
これも雑音と照明というのが犬の睡眠を破壊するというのは研究報告としてあります。
犬の睡眠が破壊されるとどういうことが起きるかというと、特にわかりやすいのは断片化といって細切れの睡眠ですね。
ちょっと寝て、ちょっと起きて、ちょっと寝て、ちょっと起きて、こういったものが増えていきます。
また、一度こういう細切れの睡眠というのが出てくると、元の長時間寝るっていう回復ですね、ここのへの回復が阻害されるということもわかっています。
家庭でもどうしても人の出入りとか、あとはテレビの音だったりとか、集合住宅だとお隣さんの音とかしたりとかするとは思うんですけれども、もうこれはしょうがない部分でもあるので、
なるべく夜は静かな場所に寝床を移してあげたりとか、あとは照明ですね。
最近は特にLEDになっていて強い光になっているので、白い色じゃなくて暖色系の色に変えてあげるというだけで睡眠の質を高めてあげることができる。
また、聴講できるような照明をお持ちの方だったら、ちょっとだけこの照明を弱めてあげたりとかするだけでもかなり睡眠の質を高めてあげることはできるというような研究結果が出ています。
あとはこれも人間と一緒で質音なんですけれども、犬っていうのは人間と違って汗の線ですね、感染が少ないんですよ。
特に集中的に感染があるのは足の裏、肉球の部分ぐらいしか感染というのはないので、どうしてもこの体温コントロールというのが人と比べると難しい。
なのでここの室内温度というところですね、上限で言うと29.4度ぐらいが上限で下限で言うとだいたい7度ぐらいは7度より下回ってしまうと注意をしなければいけない。
という基準もあったりとかします。
なのでここは人間と一緒なんですけれども、夏場はエアコンを入れて風通しをよくしてあげたりとか、あとは冬はちょっと暖かくしてあげましょうというところは守ってあげてほしいところだなと思います。
あとは追加で少し言っておくと、睡眠直前の刺激っていうのも睡眠の質を下げるものというふうに言われています。
なので寝る前に激しく遊んだりとか、あとはいっぱい食べたりとかっていうのは避けてあげて、寝る1時間前ぐらいからゆっくりさせてあげて、そこから入眠させてあげるというのが犬の睡眠の質を高める一つのポイント。
もう一つあるとすれば精神的な要因というのを取り除いてあげればいいかなと思います。
睡眠の質を高める方法
これはどういうことかというと、不安とか環境変化っていうのは犬もわかりやすく睡眠が浅くなります。
これも研究で結果が出ていて、犬に起きた出来事は犬の睡眠構造に影響するというような実験もあるんですね。
なので夜中に吠えたりとか徘徊したりとか騒いじゃったりとかっていう子っていうのは昼間の運動だったりとか、あとは知的な刺激不足、あとはストレスが原因になっていることが多いので、
昼にいっぱい運動をさせてあげて、頭を使った遊びをしてあげて、ストレスを少しでも緩和してあげるっていうだけで睡眠の質が高まるというような研究結果も出ているようです。
ここからはどうすれば睡眠の質を上げてあげられるのというのを、道具だったりとかっていうところでお話をしていこうかなと思います。
まずはフローリング、なかなかいないと思うんですけどね。フローリングに地べたに寝ている場合だったらベッド、あとは寝床っていうのを作ってあげましょう。
もちろんフローリング団だったらベッドを敷いてあげて、冬場だったら射熱性のある布を使ったものの方がフローリングの冷たさっていうのがそのままベッドに伝わりづらくなるので、そういったものを選んであげてください。
どうしても衛生的に不潔になりやすい部分でもありますので、やっぱり洗えるものっていうのを選んであげるといいのかなと思います。
あとはサイズ感ですね。サイズ感で言うと何を目安にっていうのは難しいんですけれども、基本的には犬がそのベッドの上でまるまることができたりとか、
あとは伸びをするスペースっていうのがあるベッドのサイズっていうのが一般的には良いって言われています。
これがデカすぎちゃっても逆に不安な要素が増えてしまったりもするので、適切なサイズのベッドっていうのの選び方っていうのは気をつけてあげてください。
お次はクレートですね。この番組の中でも何回も出てきている部分ではあるんですけれども、クレートっていうのは安全な巣なんですよ。狭い空間に押し込めることではないんですね。
なので、このクレートっていうのをやっぱり慣らしてあげること。クレートの中に入ると狭くて暗い屋根も壁もある空間イコール安心な空間っていうのをトレーニングで理解させてあげます。
これをするだけでクレートの中に入るともうそれだけで眠くなるんですよ。ここは安全な巣穴だからっていうので不安が減ったりとかするんですね。
これはもう本当に全世界規模でいろんな獣医師だったりとかトレーナーさんとか、あとは保護団体とかっていうのも本当に積極的に進めている方法ではあるので、
もちろんね、わかるんですよ。愛眼化されたワンちゃんでこんな狭いところに押し込めて可哀想だわっていう気持ちもわかるんですけれども、犬の行動学っていう観点から言うと、やっぱりクレートっていうのは犬にとっては本来落ち着く場所なんですね。
それを飼い主さんがトレーニングをして理解させてあげることっていうのは非常に重要になっていくんじゃないかなと思います。
あとは寝る前のルーティンっていうのを作ってあげることも大事かなと思います。
犬の就寝環境の整備
例えば寝る部屋が決まっているのであれば、もう寝る時間になったらワンちゃんをその部屋に連れて行って、まずはちょっとライトを軽く落としてあげる。
その状態で最後を撫でてあげる。
その状態でリラックスしたら扉を閉めて電気を消してっていう風な流れをルーティンにしていきます。
毎日これをしてあげるっていう風にすると、犬はもうこの動作が始まった、イコールもう寝る時間なんだっていうのをやっぱり覚えてくれるんですね。
これで犬自体の入眠っていうのを早めることができるし、この夜間の覚醒、急に起きて吠え出しちゃうとか、あとは人が帰ってきた音で目が覚めちゃうとか、こういった夜間の覚醒っていうのを減らすこともできますので、寝る前の決まったルーティンっていうのを家庭ごとに作ってみてあげるっていうのも一つ方法かなと思います。
最後は光ですね。犬っていうのは人間よりも正確な体内時計を持っているそうです。
この体内時計っていうのはどうやって作られているかっていうと、やっぱり日光に当たることによってとか、運動している時間とか気温だったりとかいろんな要素はあるんですけれども、やっぱり太陽の光を当たることによって体内時計をリセットしているというのも分かっています。
なので、夜に強い光を浴びすぎちゃうとこの体内時計が狂ってしまいやすくなります。夜はなるべく強い光を避けて赤みのあるこう暖色系な落ち着きのある色っていうのにすることが実用的というようなことも分かっているそうです。
ここからは皆さんに実際に使っていただけるような3つのご提案をしたいと思います。
今日の夜、愛犬が寝るときにぜひ取り入れられそうなことがあったら一緒にやってみてください。
一つ目、まずはお部屋をチェックしてください。
部屋の中の照明が明るすぎないか。できれば白い光っていうのは避けてあげたほうがいいです。
あとは騒音ですね。テレビの音が大きすぎないか。あとは扉がバターンって急に閉まったりするようなところはないか。こういう騒音源っていうのを調べておいてください。もしあるようだったら改善できる部分は改善しましょう。
二つ目、寝床のチェックです。ベッドのサイズが適正かどうか。または正しい位置に置かれているか。
ベッドに手を当てた時にそこびえをするような感じ、もしくは厚すぎるような感じっていうのがしないかどうか。
三つ目、ルーティンの確認をしてあげてください。
就寝前の60分の活動は穏やかだったかどうか。激しい遊びをしていないかどうかですね。
あとは寝る前に電気の明かりを落として撫でてあげてリラックスしたら電気を消す。
このルーティンが家族で統一されているかどうか。人によって違ったらそれだけでワンちゃんは理解してくれません。家族で必ず統一してください。
この3点ができるだけであなたの愛犬の睡眠の質っていうのはかなり高くなります。
家族での取り組み
もし今日からできそうなことがあれば一つだけでもいいのでぜひ改善をしてみてください。
例えばテレビの音を今日はちょっと2つぐらい下げてみようかなとか、あとはベッドの毛布を今日はちょっと変えてあげようかなとか、それだけでも大丈夫です。
まとめていきましょう。犬も質のいい睡眠が学習と情緒の安定に直結します。
音、光、温度、ルーティンを整えることが速攻で効きます。
誰か一人が頑張るんじゃなくて家族全員で同じことをしてください。
今回は割と研究結果だったりとか数字的な部分もちょこちょこ出てきたりとかしたのでお勉強の時間みたいな感じにはなってしまったかとは思うんですけれども、
この睡眠の質っていうのはどうしても見えないところ、逆に言うと普段から見せてくれているところだから何が正解で何が不正解で、このままでいいのかこのままじゃいけないのかっていうのも分かりづらいところだったと思うんですよ。
ただ私個人的に感じるのは今できているからそれでいいかと目を離してしまう、このままでいいんだっていう安心感を持ってしまうということよりは、
普段からやっているこれってこの子に対して本当に正しいのかなこの子にとっていいことなのかなって考え続けることっていうのがあなたとあなたの愛犬の絆にもつながっていくんじゃないかななんてねちょっと思ったりはするので、
ぜひこういったところから普段から見せてくれている行動の見直しなんかも皆様にしていただければ幸いです。
次回はですね、絆の作り方というお話をしていきたいと思います。
それではお散歩お疲れ様でした。気をつけてお帰りください。
少しだけ犬と話すことが得意なドッグトレーナーひらたじゅんでした。
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