1. 犬からの伝言
  2. 愛犬が持つ記憶の種類
2025-12-28 18:48

愛犬が持つ記憶の種類

この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意なドッグトレーナーひらたじゅんが「犬目線で、犬との向き合い方を考える」ポッドキャストです。​


今回のテーマは「犬の記憶」。
愛犬が「病院の角で急に止まる」「リードを見ただけで大興奮する」といった行動も、実は記憶の仕組みが働いているサインです。
このエピソードでは、
犬の記憶の4つの種類(短期記憶・連合記憶・感情記憶・エピソード様記憶)
研究からわかる犬の記憶力
日常の“あるある行動”の見え方
愛犬の記憶をやさしく上書きするコツ
を、クイズを交えながら整理していきます。
記憶を「持っていない・持っている」の話ではなく、どんな記憶を、どう使っているかを見直す回です。​


🐶 愛犬の記憶タイプを当てる・4つのミニクイズ
✔ 第一問:病院クレートで家具の裏に隠れる
✔ 第二問:おすわり褒めで連発する
✔ 第三問:雷で家具の後ろに逃げる

✔ 第四問:リードで玄関ダッシュ


🎙 本日の犬からの伝言
・フィードバックは“その場で”伝える
・してほしい行動に“うれしい結果”をセットに
・怖い記憶はゆっくり上書き


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サマリー

このエピソードでは、犬が持つ記憶の種類について考察しています。犬は短期記憶、連合記憶、感情記憶、エピソード記憶といった異なる記憶を持ち、それぞれがどのように行動に影響を与えるかを探ります。エピソードでは、愛犬が持つ記憶の種類について説明し、短期記憶やエピソード記憶に関連する具体例が紹介されています。また、愛犬の行動や感情に基づいた効果的なコミュニケーションの方法が提案されています。

犬の記憶の種類
ポッドキャスト番組、犬からの伝言です。
この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意なドッグトレーナー、
ひらたじゅんが犬との向き合い方、接し方を犬目線で考えていく番組です。
本日のテーマは、犬の記憶です。
あなたの愛犬は、あなたとのどんな出来事を一番強く覚えていると思いますか?
楽しいお散歩の時間かもしれないし、怒られてしまった出来事かもしれないです。
まあ、中には犬は記憶力があまり良くないから、
昨日怒られたことなんてすぐ忘れちゃうでしょうとか、
なんかね、ソーシャルネットワークとか見てると、
何年も前の飼い主さん覚えてて感動の再会したみたいな、
うーん、こんな話もきっと一度は耳にしたことがあると思います。
実は犬の記憶というのは一つではありません。
私たち人間と同じように、いくつかの種類の記憶が重なり合ってできています。
今回のお話を聞いていただくと、
なんでうちの子は病院の角で急に止まるんだろうとか、
どうしてリード見るだけで大騒ぎするんだろう、
みたいなあるあるが記憶という視点から、
スッと説明できるようになるかと思います。
また途中でね、ちょっと小さなクイズも用意してますので、
ぜひ自分の愛犬のことを思い浮かべながら聞いてみてください。
記憶の実験と短期記憶
まずは犬の記憶を考えるヒントになる実験を一つ紹介します。
2016年、ハンガリーの研究チームが、
犬は人の行動を出来事として記憶しているのか、
というのを調べる実験を行いました。
ここで使われたのが、Do as I do、
私の真似をしてというトレーニングなんですね。
まず犬にいくつかの行動、
座ったりとか回ったりとかっていうのを教えます。
その後に飼い主さんが行動をやってみせて、
同じことをしてという合図を出します。
そうすると多くの犬が人の動きを見て、
自分の行動レパートリーの中から、
これだって思う動きを選んで真似することができました。
さらに見せてからしばらく時間を空けても、
同じ行動が再現できた犬が何匹かいたそうなんですね。
これの時間は短くて3分程度、
長ければ1時間程度再現ができたということです。
この結果から何が言いたいかと言いますと、
目の前の刺激に反射しているだけではなくて、
例えばお座りという声であったりとか、
お座りのハンドシグナル指を一本立てて、
お座りという人が多いと思うんですけど、
こういうハンドシグナルにただ反応しているだけではなくて、
出来事として記憶しておけるということなんですね。
つまり一度教えたことを覚えておける力は、
犬にもちゃんとあります。
できなくなるときというのは、
犬の能力の限界ではなくて、
伝え方だったり、タイミングだったり、
環境だったり、報酬だったり、
どこかがずれているという可能性が高いという視点で
見ることができるかと思います。
ここからは犬の記憶の種類を4つに分けてお話しします。
1つ目、短期記憶。
短期記憶はワーキングメモリーと言われるものなんですけれども、
短期記憶というのは数秒から数十秒だけ、
今起きていることを頭の中で保持する能力のことです。
トレーニングの世界では行動とご褒美の間隔は、
0.5秒から1秒が最も効果的。
例えばお座りであれば、犬がお尻をつけた瞬間に
褒めてあげることが最も効果的と言われています。
これというのは1秒過ぎるとどんどん効果が減衰していって、
遅くとも3秒から5秒以内に伝えましょうとよく言われるんですね。
例えば外をお散歩しているときに、
ちょっと交差点だからお座りしてもらおうかなと思って、
お座りって言ってトリーツを用意してました。
あなたの愛犬はお座りをしたんですけど、
その瞬間に大きいトラックが通って、そっちを目で追っちゃいました。
この瞬間にトリーツをあげてしまうと、
犬の短期記憶の中では、
お座りをしたからトリーツをもらえたのではなくて、
お座りをして車が通ったから車に注目したその瞬間に
おやつがもらえたので、
車に注目していったことに
ご褒美がひも付いてしまう可能性があるんですね。
その後も車に注目をするという行動を
強化してしまう、引き出してしまうということがあります。
逆にお留守番中にトイレを外していたからといって、
帰ってきてから叱っても、
犬の短期記憶、ワーキングメモリーには
もうその出来事というのは残っていないんですね。
なのでどうして怒られているのかわからないけど
飼い主さんが怖いという感情だけ残ってしまうこともあります。
この短期記憶に合わせるというのは、
その場で起きたことはその場でフィードバックする
というとてもシンプルなんですけど、
大切なポイントになってきます。
記憶の詳細とクイズ
2つ目、連合記憶です。
連合記憶は行動×結果×その時の気持ち
この3点、行動×結果×その時の気持ちを
セットで覚える仕組みになっています。
トレーニングの多くはこの連合記憶というのを使っています。
例えばさっきも言ったような、
お座りをしました、褒められました、
トリーツがもらえました、
他にも呼ばれました、
飼い主さんの元に行きました、
遊びが続く、優しく触ってもらえる、
こういうものですね。
こういう経験が積み重なると
犬の中でお座りはいいことが起きる合図として
すぐに座れるようになっていくんです。
逆に一方でこんなパターンももちろんありまして、
おいでと呼ばれて飼い主さんの元に行ってみました。
飼い主さんの声はちょっと怖い声でした。
行ったらすぐにリード付けられて
楽しい遊び時間が終わりました。
ないしはおいでと呼ばれて飼い主さんの元に行ったら
抱っこされて爪切りをされました。
こんな経験が重なると
連合記憶の中でおいでイコール
嫌なことが起きる呪文というふうに
記憶されてしまうことがあるんですね。
この連合記憶に関しては
声のトーンであったり表情、環境、匂い、音ももちろん
全部まとめて記憶の材料になります。
なので、してほしい行動に
どんな結果と感情をセットにしてあげるかを
意識してあげることがとても大切になってきます。
つまりですね、お座りという言葉だけではなくて
お座り、座る、褒めてもらえる
でセットにしてあげることで
よりポジティブに覚えていってくれるんじゃないかなと思います。
3つ目は感情記憶です。
感情記憶はその場で感じた怖い、嬉しい、
安心するといった気持ちが強く残るタイプの記憶です。
昔一度吠えたら知らない人が下がった。
吠えると怖いものが遠ざかるって記憶して
今も吠え続けるであったりとか
子犬の頃に大きい音でびっくりした場所を
大人になっても避け続ける。
こうした行動の背景には
感情の記憶が関わっていることが多いんですね。
犬は出来事そのものよりも
その時に感じた感情を長く覚えている
というふうに言われています。
だからこそ怖さや痛みと結びついた経験は
時間が経っても行動に影響し続けることがあるんですね。
4つ目はエピソード記憶というものです。
ちょっと難しい言葉なんですけれども
先ほどの研究のように
誰がどこで何をしたかといった
一連の流れをある程度まとめて
覚えておく力のことです。
例えばあなたの愛犬でこんなことはないでしょうかね。
散歩の前になるとまだリード見せてないのに
玄関で待ってるとか
休日の朝だけあなたがゆっくりしているのを見て
なんかそわそわしてたりとか
病院の前の道だけ急にちょっとスピードが下りたりとか
体が逃げていったりとか
こういうのは単発の刺激じゃなくて
いつもこういう流れの後にこういう風になるなという
一連の出来事としての記憶が関わっている
というふうに考えられているんですね。
ここまでをトレーニングに関係するポイントだけで
ぎゅっとまとめてみると
一つ目はあなたの愛犬は言葉そのものよりも
行動プラス結果プラス感情を覚えています。
二つ目はその場で起きた出来事は
短期記憶が働いている数秒のうちに
褒めるないしはダメと伝えてあげます。
三つ目は時系列は曖昧でも
感情は長く残りやすいです。
四つ目は一度出来た連合というのは
良くも悪くも行動を左右します
という特徴があるんですね。
もしかしたらここまで聞いて
これうちの子かもなって感じた場面が
一つはあったんじゃないでしょうか。
ここからはあなたの愛犬の記憶の使い方を
一緒に確かめていくミニクイズを
ちょっとやってみたいと思います。
これはどれも犬の記憶に関連するもので
それぞれ短期記憶連合記憶感情記憶
エピソード記憶のどれに該当するか
答えてみてください。
まず第一問目です。
病院に行くときに普段使わないクレートを
出したら家具の裏に隠れた。
病院に行くときに普段使わないクレートを
出したら家具の裏に隠れた。
愛犬の記憶の種類
これは短期記憶連合記憶感情記憶
エピソード記憶どれに該当するでしょうか。
正解はエピソード記憶です。
普段は使わないけど病院のときだけ
使うクレートということは
愛犬の中ではクレートイコール病院に行く
という流れを覚えている可能性があります。
この場合はクレートを普段から部屋に置いておいて
クレートの中でしか食べられない特別なおやつを用意して
クレートの中にいるときは触らないで
愛犬だけの時間が取れるようにする。
こういうふうにしてクレートを特別な場所として
上書きをしてあげることができます。
第二問目はお座りを褒めたら
指示をしていないのにその後も
お座りを続けてこちらを見ている。
これは短期記憶、連合記憶、感情記憶、エピソード記憶
どれに該当するでしょうか。
正解は短期記憶です。
お座りイコール良いことが起きるという短期記憶が働いて
もっと遊んでほしい、もっとトリーツが欲しい、
もっと褒めてほしいって思っているときは
短期記憶を使うことができます。
もっとトリーツが欲しい、もっと褒めてほしいって思って
お座りを続けてあなたに認めてほしいサインです。
もうこんな時はぜひ全力で褒めて
たっぷりとコミュニケーションを取ってあげてください。
第三問目です。
雷が鳴ると家具の後ろに隠れてしまう。
他にも花火だったりバイクの音でもこういうことは起きたりします。
雷が鳴ると家具の後ろに隠れてしまう。
これは短期記憶、連合記憶、環状記憶、
エピソード記憶どれに該当するでしょうか。
正解は環状記憶です。
これは昔に雷の音がしたときに
安全な場所にいれなかったとか大きな音で怖い思いをした、
近くで雷が落ちて不快な地面の振動を感じたとか
これらのことが原因で雷イコール怖いものという
強い感情が残ってしまっていることが考えられます。
こんなときは愛犬が安心できるベッドなんかに誘導して
いい子いい子って撫でずに
そこでただ愛犬の体に触っていられるっていう
リラックス時間を作ってあげてください。
雷の音が鳴っても安心するベッドにいれば怖いことはないし
あなたが隣にいてくれて触れていてくれれば
心配しなくてもいいという記憶でゆっくり
上書きをしていってあげましょう。
最後です。第4問目。
リードを見ると部屋の中を駆け回ったり玄関で待っていたりする。
リードを見ると部屋の中を駆け回ったり玄関で待っていたりする。
こういう子は多いんじゃないでしょうか。
これは短期記憶・連合記憶・感情記憶・エピソード記憶
どれになるでしょうか。
正解は連合記憶ですね。
リード×お散歩×走り回れる
というのをセットで覚えている可能性が高いです。
実際お散歩は犬にとっては1日の中で
一番楽しみの時間だと思います。
リードはお散歩のときにしか登場しないことが多い
家庭が多いんじゃないかなと思います。
リードを見ただけで何らかの反応を示す犬は結構多いんですね。
もちろんこれ自体は悪いことではないですし
私自身はリードを見て喜ぶ犬を見るのは
犬と共に暮らす中で結構大きい喜びというか
嬉しい場面で
あったりするんですよ。
ただリードを見てテンションが上がっちゃって
不容易に家具の上に飛び乗っちゃったりとか
花瓶とか観葉植物を投げ倒してしまうというのは
これはこれで問題になっちゃいますし
犬自体が怪我をする可能性もあるので
こんな場合はお散歩をしないときにもリードをして
リードイコールお散歩ではないという記憶の上書きを
していくこともできます。
1問目から4問目まで出させていただきましたが
効果的なコミュニケーション
即答できた問題あれば
ぜひハッシュタグ犬からの伝言でポストしてみてください。
それでは本日の犬からの伝言です。
1つ目。フィードバックはその場で伝える。
うまくできた時もやめてほしい時も
出来事と感情でつながっているうちに教えてもらえると
愛犬は理解しやすくなります。
2つ目。してほしい行動には
嬉しい結果をセットにしてあげてください。
おいでお座り待てとかね
どういう合図でもできた時に楽しいこととか
自然とあなたの愛犬はそれを選びたくなります。
3つ目。怖かった記憶にはゆっくり上書きです。
無理に近づけるというよりも
遠くから少しずつ鳴らしていくことで
ここは怖い場所からここでも大丈夫かも
という心理状態に少しずつ変わっていってくれるんじゃないかなと思います。
さあ今日の犬の記憶の話は
いかがでしたでしょうか。
犬の記憶も一種類だけではないので
困っていることによってアプローチを変えれば
驚くほどすんなりと受け入れてくれるものです。
もし困っていることがあれば
ぜひ愛犬の記憶からの解決方法を導いてみるのも
一つの手段かなと思います。
ご質問や発見があった方は
ぜひ身近な誰かとシェアしてもらえると嬉しいです。
番組へのご質問や取り上げてほしいテーマ、ご相談は
メールで受け付けています。
アドレスは
message.from.docsgmail.com
msg.from.doggmail.comです。
資料や補足はノートの方にも掲載しています。
こちらも犬からの伝言で検索してください。
今日のエピソードの説明欄にもURLが貼ってあります。
それでは今日もお散歩お疲れ様でした。
気をつけてお帰りください。
次回もまたお散歩のお供に気軽に聞いてください。
少しだけ犬と話すことが得意なドックトレーナーひらたじゅんでした。
18:48

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