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2025-10-17 24:59

犬との絆の壊し方──無意識の行動が関係を遠ざける

「絆」と聞くと、あたたかくて強いものを想像します。

でも、そもそもとは何でしょうか。


今回のエピソードでは、人間同士の絆形成に関する心理学実験をもとに、

「信頼」「共感」「一貫性」といった要素を具体的に解き明かし、

それを犬との関係に置き換えて考えます。


そして、日常の中で絆が壊れやすい瞬間──

例えば、犬が助けを求めているのに無視してしまうとき。

気づかぬうちに命令ばかりになってしまっているとき。

その積み重ねが、少しずつ心の距離を広げていくこともあります。


番組内では、絆が壊れかけているかもしれない5つのチェックリストも紹介。

無理に直そうとする前に、まずは気づくこと。

そこから、もう一度犬との関係を見つめ直すきっかけになれば幸いです。



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サマリー

今回のエピソードでは、犬との絆を壊す行動についてお話しします。愛着理論や身体接触の効果、社会的交換理論を通じて、犬との関係がどのように影響を受けるのか深く掘り下げます。犬との関係が無意識の行動によって壊れることがあり、特にオキシトシンの作用が関与しています。このエピソードでは、犬との絆を強化するために必要な行動とそのチェックリストを探ります。

絆の定義と人間関係のメカニズム
ポッドキャスト番組、犬からの伝言です。 この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意なドックトレーナー
ひらたじゅんが犬との向き合い方、犬との接し方を犬目線で考えるポッドキャスト番組です。 今回は、何をすると絆が壊れるのかというお話をさせていただきます。
というのもですね、前回の予告では、絆の作り方というお話をすると言っていたんですけれども、
この台本作ったらですね、えらい長くなってしまってフレンチブルドックのお散歩時間くらいの量になってしまったんですよ。
なので、この絆というテーマを2回に分けることにしました。
今回はですね、絆の壊し方というお話をしていきたいと思います。
まあ、なんで犬のポッドキャスト番組なのに壊し方なんて話するのかってね、お思いの方もいると思うんですけど、
あんまり本とか読んでも、ネットの記事とか見てても、この壊し方の話ってしてないなと思ったんですよ。
ただ、実際に街を歩いてたりして、ワンちゃんと飼い主の行動とかを見ていると、
あ、それやってると絆壊れるよっていう行動を悪気もなくしている人っていうのはものすごくいっぱいいるんですよ。
その特典を誰かを攻撃するような話ではないですよ。
なので、意外と悪気なく、あ、これって実は壊し方につながってたんだ、みたいなこともワンちゃんを飼っている人の中にはあったりとかするのかなと思いまして、
今回は絆の壊し方をまずは知っていただいて、絆を壊すような行動をしないようにする。
いわば絆の壊し方、作り方におけるリセットボタンのような回になれば嬉しいなと思っております。
その上で次回、絆の作り方で絆をさらに強めてもらえれば嬉しいと思います。
さっきから絆、絆っていうワードが出てくるんですけれども、絆っていう言葉って一般的にはよく使われる言葉じゃないですか。
ただその一方で、じゃあ絆って何?って言われると、実は抽象的なものでもあるんですよね。
実際に絆っていうものをどういうものか説明してみてって質問をされると、僕をはじめ困ってしまう人多いかもしれないなと思います。
なので今回は人間関係から見る絆のメカニズムから、絆っていうものは何なのかというのを一度定義して、
その後、犬と人における絆っていうのを考えてみましょう。
その後、絆を壊す具体的な行動だったりとか習慣についてもお話をしていきたいと思っております。
最後までお付き合いをお願いいたします。
まずは人間関係から見る絆です。
これは様々な観点から研究がされていて、心理学であったりコミュニケーション学だったり、
いろんな観点で研究がされているので、もちろん全部が全部紹介はできないんですよ。
もちろん行動だけじゃなく、ノウハウの研究だったりとか、領域も分野も内容も様々なんで。
これだけでもうワンシーズンでは終わらないほどっていうのは、
皆様もご想像の範囲内だと思います。
ただ、このポッドキャスト番組は犬からの伝言という番組で、
犬との絆の壊し方が今回のテーマですので、
人間とのコミュニケーション、人間同士の絆を作り方というのは一部のみご紹介します。
この人間関係から見る結びつきでご紹介したいのが4つほどありまして、
犬との絆の影響
まずは愛着理論というもの。
2つ目が身体接触の効果というもの。
3つ目が社会的交換理論というもの。
4つ目がオキシトシンホルモン作用というこの4つをご紹介させていただきたいと思います。
まず愛着理論というもので、
こちらはジョン・ボールビーさんやメアリー・エインズワースさんの理論なんですけれども、
子どもが特定の養育者との間に形成する情緒的な絆というものを説明する理論です。
特定の養育者というのはお母さんがメインにはなるそうです。
この絆というものは生涯にわたって人間関係の安心感の基盤となるそうで、
生存確率を上げるための戦略だそうなんですよ。
なので安全確保のための本能的行動であると決定付けたそうです。
この研究では1歳前後の子どもを対象に母親と一度話します。
そしてその後に再会したときの行動を安全型、回避型、抵抗型、無秩序型の4つに分類しているそうです。
要は1歳前後の子どもと母親というのは常に一緒に過ごしている時間が長いと。
ここで子ども、赤ちゃんというのは安心感の基盤というのを本能で感じ取っているんだよと。
というのがこの研究によって証明されたというようなものですね。
そのときの再会したらどういう反応をするのかというのが4つのパターンがありますよというものです。
ここでは特定の人間との間に形成される安心感というのが
1つの絆の形として定義できそうかなと思ってこんなお話をさせていただきました。
続いては身体的接触の効果です。
これは皆さんも経験があると思います。
握手だったり抱擁、あとは触れ合うことによってストレスが軽減されたりとか安心感だったりとか信頼感を高めることができる。
接触を許すということは相手に対する安全性と信頼、あとは心理的な動機みたいなことっていうのが1つの絆の形として定義できるのかなと思います。
そして次ですね社会的交換理論というものです。
交換っていうのは私の持っているものあるからあなたにあげるあなたのそれちょうだいっていう交換ですね。
社会的交換理論です。
こちらはですね感情的なつながりというものは報酬と負担のバランスで成立しているという考え方です。
その結果ですね無意識にこの関係を続ける価値はあるのかというのを判断しているというのがこの社会的交換理論です。
ここに出てきた報酬というのが愛情、安心、承認、楽しさ、サポート、お金もここに入ってくると思います。
ご飯もここに入ってくると思います。
負担に関してはストレス、時間、エネルギー、フラストレーション、同じくお金もここに入ってくると思いますね。
などのことを指すようです。
どういうことかというとですね報酬以上に負担が増えればこの関係を続ける価値がなくなるというのがこの社会的交換理論の言っているところです。
この理論は大前提として人は自分にとって利益のある関係を求めるものであるというのが前提なので
自分にとって利益がある相手に価値を感じるというのが一つの絆の形として定義できるかなと思います。
そして最後ですねこれは聞いたことある方も多いかもしれません。
オキシトシンホルモン作用です。
まあ言わずとしれた幸せホルモンというやつですね。
他にも愛情ホルモンだったり絆ホルモンと呼ばれることもあります。
これはですね触れ合ったり見つめ合ったりすることでオキシトシンというホルモンが分泌されて信頼が強化されます。
さらにはですねストレスホルモンの一つであるコルチゾールというものを抑制するというのがこの実験で実証されました。
なのでこのオキシトシンホルモン愛情ホルモン絆ホルモンの分泌というのも一つの絆の形として定義できるのかなと思います。
さあここまでは人間のお話でございました。
他にもねもっともっといろいろあるんですよ。
犬と人間の関係に転用できるような人同士の関係の作り方とかっていうのはいっぱいあるんですけど。
今回は絆の壊し方がテーマですのでここまでにさせていただきます。
鋭い方もお気づきの通りです。
今紹介した内容っていうのは犬との関係にも言えることなんですね。
絆を壊す具体的な行動
先ほど出てきた社会的交換理論の報酬と負担は飼い主の笑顔だったりおやつだったり褒め言葉というのが報酬ですね。
その逆に叱りつけたり叩いたり大声を出したりこれが負担です。
また愛着理論における4つの反応。
安全型、回避型、抵抗型、無秩序型。
こちらの4つの反応ですね。
こちらはお留守番後に飼い主が帰ってきた時の反応にも置き換えて考えることができます。
オキシトシンホルモン作用については2015年に5分間犬と人が見つめ合うことで
双方のオキシトシンの濃度が上昇したということが分かっています。
さらに2011年の触れ合いの研究ではオキシトシン濃度が上昇して
コルチゾールストレスホルモンですね。
コルチゾールが10%から15%低下したということが分かっています。
他にもですね、優しいコア色であったりとか笑顔、飼い主のコア色とか笑顔でも
犬のオキシトシンが上昇することが分かっています。
さあいよいよですよ。
ワンちゃんとの絆の壊し方です。
先ほどご紹介した愛着理論、身体接触理論、社会的交換理論、オキシトシン作用
この4つそれぞれでどういう状況で絆が壊れていくのかというのをお話しさせていただきたいと思います。
まずは愛着理論からいきたいと思いますが、
愛着理論では絆は相手が自分の安全基地という確信によって成立するといえます。
つまりあなたが安全基地で亡くなったときに絆は簡単に壊れます。
じゃあこのあなたの愛犬にとってあなたが安全基地で亡くなる瞬間というのは
どういう瞬間かいくつか言っていきたいと思いますが
例えば昨日はガッツいてご飯を食べたら
ああもうしょうがないわねもうそんなに食べてもうお腹減ってたのって笑顔だったのに
今日ガッツいてご飯食べたらそれやめて
いつもそれしないでなんでそいつすぐすんので怒られちゃいました
こういう場面であったりとか2つ目の例えば
お餅おいでって言って呼ばれて飼い主の元に行ったらそのまま抱き上げられて爪を切られたとか
あとはですねこうパソコン触ってる時にワンちゃんが近寄ってきましたで
遊ぼ遊ぼってお誘いをしてきたんだけど今仕事中だからやめて
今仕事中だから遊べないよって拒絶をされてしまった
こうした経験が重なると犬の中でこの人は安心できないんだ安全じゃないんだ
求めても答えてくれないんだっていう不安型愛着というんですけれども
不安型愛着は形成されて警戒モードに入ってしまうんですね
なので呼ばれても来なくなってしまったりとか甘えなくなってしまったりとか
こうやって簡単に絆が壊れていきます
次身体的接触理論
こちらで言いますと触れない時間が増えると心も離れると言えます
身体接触っていうのはですねこのワンちゃんにとってはすごく自然なコミュニケーションなんですよ
子犬っていうのは生まれた瞬間からママとお母さんと一緒に過ごして
体温だったりとか匂いだったりとかなめたりとかっていう
身体的接触の行動をしてこの情緒の安定っていうのを心の中で作り上げているんですね
触れ合いをすることによって犬のオキシトシンというのは27%程度上昇して
コルチゾールが低下するということも分かっているので
触れなかったりとか見なかったりとか無視をする
こういったことを繰り返すと身体的な接触を求めても意味がないんだと学習されます
続きまして社会的理論に基づくと一方的な関係は自然と壊れると言えると思います
社会的交換理論では報酬と負担というのを常に本能で計算しています
犬にもこの構造っていうのは存在しているのがもう分かってます
つまり遊んでくれたり褒められたり安心できるという報酬に対して怒られる
大声を出される放置される不安にされることが負担になります
犬との関係を壊す行動
負担が多ければ犬は自己防衛のために関係を回避しようとします
一日中しつけモードの人いますね
吠えたらもうすぐにダメって言ったりとか目があったらすぐにお座りって言ったりとか
呼んでこないとなんでこないよって言ってみたりとか
こういった一日中しつけモードの人は犬からしたら負担が多いかもしれません
一日中しつけモードで過ごしてたらどんなに優れたドッグトレーナーでも絆は作れないです
負担が多すぎます
なのでイギリス式のしつけというものは短い時間で複数回のトレーニングをしたりするのもこのためですね
続きましてオキシトシンホルモン作用というところですね
こちらに基づきますと見つめ合わないことが信頼を壊すと言えます
見つめ合いでは双方のオキシトシン濃度が約130%上昇することがわかってます
これは人間の母子関係と同じ反応なんですね
つまりアイコンタクトというコード自体が飼い主と愛犬との関係自体に
幸福と信頼のループを作ってるんですよ
例えば普段はスマホに夢中でワンちゃんと目を合わせなかったんだけど
おしっこ外した時だけ
なんでそれやってんのってワンちゃんの方を見て怒ったりとかすると
ワンちゃんからすると私は飼い主の目を見てるのに飼い主はスマホを見てる
だからちょっと離れた時におしっこ外しちゃった
その時には目を見て怒られる
ってなると犬は目線を合わせるイコール怒られると学んでいくので
犬は目を合わせなくなるんですよ
そうするとこのオキシトシンのループっていうのは断ち切られちゃいます
これの結果として怖いのは犬は何が正解かっていうのがわからなくなっちゃうんです
目を見ても無視されるし失敗をした時だけ目を見て怒られる
じゃあどこに正解を求めたらいいのかもわからない
こういう状態になってくるとどんどん落ち着きがなくなってって
他のワンちゃん他の人間に吠えるようになったりとか
宅急便の人に吠えるようになったりとか
あとは物を噛むようになったりとか
それこそ壁紙を剥がすようになったり
部屋の中荒らしちゃったり
こういう様々な行動に転化してます
これが俗に言う問題行動って言うんですけど
これはそもそも人間が作り上げた行動です
絆を強化するためのチェックリスト
なので犬の問題行動ではなくてそもそもの問題は人間です
飼い主のことを見ないので指示が通らないんです
そうすると心の通じ合わない関係が出来上がります
ここまでちょっとかなり怖い話をしてきたんですけれども
皆様この番組聞いていただいてる方
ワンちゃん飼ってらっしゃる方多いと思いますので
あなたの隣の愛犬もしくは飼ってなかったとしても
ワンちゃんって可愛いよねってビジュアルで
目が霞んでしまうかもしれないんですけれども
犬は動物なんです
動物なんで本能でいろんなことを判断してます
ここからはちょっと僕の意見試験になるんですけれども
犬にかける愛情というのは当たり前に持っていて叱るべきで
これは飼い主としての責任です
じゃあ愛情をどうやって表現するのか
いろんな形があるとは思いますが
私は絆作りとしつけだと思ってます
絆を作って真のパートナーになって
パートナーが生きていかなければいけない
人間社会のルールを教えて
パートナーを人間社会に順応させる
これができた時に褒めたりおやつをあげたりとかして
さらに絆を強めるのがパートナーシップのループだと思います
さあちょっと今回は怖い話かつ難しい話で
疲れちゃった人がいっぱいじゃないかなとも思うんですけれども
最後に絆が壊れているかもしれない
5つのチェックリストというものを用意させていただきました
ぜひこれを見てあれもしかしたら私当てはまるかも
って思ったら恥ずかしがらずにご相談ください
もしくはあなたが信頼しているトレーナーにすぐに相談しましょう
1つ目ですね
あなたの呼びかけに反応しない
もしくはワンテンポ遅れる
あなたの呼びかけに反応しない
もしくはワンテンポ遅れる
2つ目
なでようとすると逃げたり横にいても体が硬い
3つ目
ご褒美を出しても目を見ない
褒めるとあくびや耳をかく
4つ目
お散歩中に振り返らずに飼い主の前を歩く
歩調を合わせない
5つ目
食事・おやつ・遊び以外で目を見ない
この5つのチェックリスト
1つでもチェックがあった人
全然まだ間に合います
2つ以上は黄色信号だと思いますので
早急に対応した方がいいかと思います
4つ以上の人
あなたへの信頼が崩れている可能性が結構高いと思います
これは信頼できるトレーナーさんにすぐに相談した方がいいと思います
当たり前の話なんですけど
犬っていうのは言葉を話さないんですよ
人間と同じコミュニケーション方法を使わないんですよ
その代わりに行動でいろんなサインを送っているんですよ
この犬のコミュニケーション方法
その行動っていうのを見逃さないであげてください
まとめていきましょう
犬からの伝言・絆の壊し方は
1つ目
絆を壊すのは簡単
2つ目
壊し方を知って予防しましょう
今回はちょっとね
理論理論理論理論みたいな感じで
難しくなってしまったんですけれども
これも結構大事なお話だったとは思うので
この絆の作り方っていうのは一度見直したかった
自分的にも見直したかったなというところだったので
お話をさせていただきました
今回は壊し方という
実践しないでほしい方法をお話ししましたので
来週は絆の作り方という
皆さんにぜひ実践してほしい方法というのを
お伝えしていこうと思います
それではお散歩お疲れ様でした
気をつけてお帰りください
少しだけ犬と話すことが得意なドックトレーナー
ひらたじゅんでした
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