まず日本で活動している補助犬の種類を整理したいと思います。
一つ目は盲導犬ですね。
視覚に障害がある方の歩行をサポートするのが仕事の犬です。
障害物を避けながら誘導して、交差点では停止、あとは段差があるときはお知らせをするなどを行います。
盲導犬に向く犬の特性として、日本盲導犬協会が示しているポイントがあります。
穏やかで安定した気質、人への有効性、新しい環境への適応能力の高さ、過度に興奮しないこと、
そして音、人、乗り物など多様な刺激に動じないという社会性です。
こちらはもちろん訓練で鍛えられるという部分もあるんですけれども、もともと持っている性質というのも大きく関わってきます。
代表的な犬種はラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、シェパードです。
ただし、犬種よりも個体の気質の方が重要で、どの犬種でも訓練評価によって適正を見ます。
日本では2025年の時点で約800頭の盲導犬が活動しています。
訓練期間はおよそ1年から1年半。
引退後は盲導犬ユーザーのもとで寄生を送るかパートナーファミリーが引き取ります。
続いては聴導犬です。聴覚に障害のある方に生活音を知らせるための犬です。
インターホン、目覚まし時計、赤ちゃんの鳴き声、火災放置器、名前を呼ばれた声などを察知して飼い主に教えて音源へ誘導することが主な仕事です。
聴導犬に向く特性は音への感度が高いことです。
好奇心旺盛で積極性があること、人との関わりを楽しめること、そして素早い判断力です。
シェルターから引き取った犬が聴導犬になるケースも多くて、犬種の制限などはありません。
日本では聴導犬の頭数は盲導犬よりも少なくて、全国で数十頭程度と言われています。
普及が遅れている背景には認知度の低さと育成期間の少なさが関係しているのではないでしょうか。
3つ目は介助犬です。
手や足に障害がある方の日常動作をサポートするのが仕事の犬です。
落としたものを拾ったりとか、ドアを開けたり、スイッチを押す、緊急時の電話を取る、服の着脱を手伝うといった動作を行います。
介助犬に向く特性は口の使い方がソフトであること、物を壊さずに持てることですね。
あとは粘り強くて落ち着いて作業ができること、指示への反応が正確なこと、そして体格が作業に見合う大きさであること。
なので小型犬は作業の種類が制限されるということもあります。
その他にも補助犬的な存在というのはいまして、エピソード7でお伝えしたガン探知犬、エピソード4で触れた災害救助犬もこのカテゴリーに入ります。
加えて転換発作の予知犬ですね。発作の前に特定の特有の変化を察知して知らせる犬。
あとはPTSDの支援犬、日本では少ないと思いますがアメリカなんかだと機関兵のフラッシュバック、悪夢などをサポートしてくれる犬。
あとは自閉症支援犬、パニック時に体重をかけて落ち着かせるといった存在も海外を中心に広がっています。
これは家庭犬にそのまま応用できます。
では、家庭犬に役割を作るためにはどうしたらいいのでしょうか。
解除犬の訓練を参考にした入門的なアプローチをお伝えしたいと思います。
基本的な発想は、毎日の中に脳を使う時間を作るということです。
Zoom Room Dog Trainingという団体の調査によると、
ノーズワーク15分は散歩30分に相当する疲労感を犬に与えるということが分かっています。
体を動かさなくても脳を使うことでエネルギーを適切に消費できます。
ここからは入門的なアプローチを3つご紹介したいと思います。
入門の一つ目としては、持ってきてを教えるということですね。
物を投げて持ってきてもらって、出して、で渡してもらう。
これ出してじゃなくても、ドロップとかでもいいんですけど、
各家庭で一つの決まった言葉を合図に渡してもらう。
これが解除犬の落とした物を拾うという仕事の入り口です。
まずは好きなおもちゃで始めてみて、投げてきたら褒める。
出してと言いながらおやつを見せて渡してもらう。
これを繰り返します。
慣れたらわざと物を落として持ってきてもらう練習に発展させられます。
とは言っても、なかなか投げてそこに加えに行ってもこっちに来てくれないとか、
なかなか渡してくれない。
こういう場合はおやつを使いましょう。
投げてと言って、それを取りに行った後は名前を呼んでおやつを見せてあげる。
おやつを取りに来たら褒めてあげる。
これがまず投げて自分のところに来てくれるまでの練習です。
そして出しての時に、無理やり引っ張ったりしてはいけません。
出してと言いながらおやつの匂いを嗅がせる。
口は一つですから、おもちゃをくわえたまんまおやつは食べられません。
なのでおもちゃを離しておやつを食べたら褒めてあげる。
これを繰り返してあげてください。
そうすると物を投げる。
それをくわえて持ってきてくれて渡してくれる。
これが一連の動作として身についてくれるはずです。
入門の二つ目としてはタッチを教える。
手のひらを犬の鼻の前に出して鼻で触れたら褒める。
これがスイッチを押す。
目的地を知らせるという介助犬の動作の基礎と同じ原理になっています。
飼い主さんの手でできるようになってくると
今度はもうちょっと長い棒だったりとか
特定の場所にタッチしてもらうこともできるようになっていきます。
入門の三つ目は仕事の時間を作るです。
一日に10分から15分で大丈夫です。
脳を使う遊びの時間を設けてあげましょう。
これはノーズワークだったりとかパズルフィーダーだったりとか
持ってきてタッチなど組み合わせて
今日の仕事として設計をしてみてください。
その後の犬の落ち着き方が変わってくるのを
感じていただけるんじゃないかなと思います。
ではどの犬に何が向くのかという話なんですけれども
これはエピソード9前回お伝えした
得意を見つける三つの問いの答えと直結します。
鼻を使うことが得意な子はノーズワーク系が向きます。
口の使い方がソフトな子は物を運ぶ系が向きます。
人との視線を合わせるのが得意な子は
アイコンタクト系が向きます。
体を動かす欲求が強い子はアジリティとか追いかけが向きます。
ぜひあなたの愛犬がどの系統に向いているのか
改めて再度観察をしてみてください。