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スピーカー 2
二番経営 No.2の悲喜こもごも。
この番組では、なかなかおもてんでない組織の二番 No.2をテーマに、
トップのビジョンの実現の仕方や、この仕事の面白さ、大変さなど、
No.2の悲喜こもごもをリスナーの皆さんにお届けします。
スピーカー 1
こんにちは、株式会社オーツーパートナーズ 取締役の勝宮すいでです。
スピーカー 2
現当社新しい経済編集長のしだれゆうすけです。
二番経営第62回、今回のテーマは、経営におけるアート・クラフト・サイエンスです。
はい、ということで今回。
スピーカー 1
アート・クラフト・サイエンス。
スピーカー 2
というテーマです。これはどういう。
スピーカー 1
どういうって感じですよね。
この経営におけるアート・クラフト・サイエンスっていうのはですね、
カナダの経営学者のヘンリー・ミンツバーグさんという方がですね、
提唱されている考え方というか概念。
なるほど。はいはいはい。
今日はちょびっとだけアカデミックな様子も入れながらですね、
話していけたらというふうに思っております。
まずですね、このヘンリー・ミンツバーグさんという方なんですけども、
経営学とか組織論においてものすごい影響力を持つ方。
スピーカー 2
カナダの学者先生なんですけれども、
スピーカー 1
今温都市84とか90万円とか、それぐらいの大先生という感じです。
有名な本とかですね、日本で出版されているものだと、
戦略サファリっていう、1998年に出た本なんですけど、
たぶんこれが一番売れてるんじゃないかなと思います。
なるほど。
コンサルタントの方が必ず読んでるであろうっていう。
スピーカー 2
へー、そうなんですね。名調みたいになってる。
スピーカー 1
そうですね。いろんな戦略論って、
ポーターの競争論とかでもいろいろあるんですけども、
そういった戦略論をいろんな学派に分かれて解説するっていうような、
戦略論マップみたいな、そんな感じの本なんです。
読みごたえのある有名な本です。
それが有名なんですけども、
この方の最初に売れた本というか、
著名になったのはマネージャーの仕事ということで、
マネージャーっていうところに着目した。
これ1973年なので、
たぶん白井さんまだ生まれてない頃かもしれませんけども。
スピーカー 2
生まれてないですね。
6年前に出た。
スピーカー 1
その頃に出された本で、
マネージャーっていうところに着目する学術研究なんかを発表されています。
そのあとMBAが会社を滅ぼすという本を2004年に出されたりとか。
最近だと、去年ですね、
日本でもダイヤモンドさんからミンツバーグの組織論という本が出てます。
そしたら今でもひらすみになってるかもしれないですけれども。
いろんなフレームワークとかそんなのを出されている先生なんですけども、
その中で経営の3要素としてのアート、クラフト、サイエンスっていうのを語られていましてですね。
こんなこと言ってます。
経営をアート、クラフト、サイエンスの3つの要素間の動的なバランスを必要とする実践と捉えるということをされているんですけども。
アート、クラフト、サイエンスはカタカナなんですけど、
一個一個は当然皆さん聞かれたことあるような言葉なんですけども、
これはどういう意味なのかっていうのをちょっと言うと、
アートっていうのはアート芸術みたいな言葉ですけども、
これを未来を見通すビジョンとか閃きとかそんな感じの意味合いというふうに理解をいただくといいと思います。
あとクラフトっていうのは現場の勘どころっていう感じですかね。
経験とかそんなイメージです。
サイエンスっていうのは科学っていう意味ですけども、
これは予測とか論理とかそういう感じですね。
データとかそういう感じ。
そういうのを分析してっていう、そういうイメージ。
ひらめきとか勘、経験っていうところと予測、データみたいな感じですね、論理。
この3つの要素っていうのが、
経営の中では常に変わりながらバランスを取るんですよっていうことを言っています。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
10をどういう風に配分するかということになるんですけども、全体で言うとアートに寄ってる。
スピーカー 2
アート寄りですね。
スピーカー 1
感じですよね。
これちなみに私もやったんですけど、私はアートが1で、クラフトが7で、サイエンスが2という感じで。
スピーカー 2
すごいですね。
クラフト、現場で手を動かすみたいな。
そうです、そうです、そうです。
すごいわ。
面白い。
スピーカー 1
そんな感じなんですよね。
スピーカー 2
かつみさんはサイエンスが多そうな予感もしてましたけれども。
ありがとうございますってちょっとあえて申し上げますと。
スピーカー 1
お仕事的にもね、コンサル担当というと、やっぱりサイエンスが多そうな気はしましたね。
なんでこれを見てですね、ちょっと愕然としてしまって。
どうしよう、やばいと思ってしまった感じがありますね、正直言って。
もうちょっとそのアート、クラフト、サイエンスのところをですね、解説を加えていければと思いますけれども。
さっきアートっていうのはビジョンとかひらめきっていうふうに申し上げたんですけども。
ここはですね、何に基づいた概念かっていうと、洞察力とビジョンと直感に基づいたものというふうに言えます。
想像力を活かした意思決定とか、ビジョンを描いて企業の方向性を示す力ですね。
例えば、スティーブ・ジョブズがiPhoneの未来を構想したような、そんな発想力っていうのが得ると思います。
なんで、今しだらさんはスティーブ・ジョブズに近づいていってる感じですね。
スピーカー 1
いや近づいてますね、ざっくりと近づいてますね。
クラフトですね、現場の勘どころとか経験という話があったんですけども。
クラフトが基づいてるものは、実務的、現実的、関与重視の性格が強く経験が土台ということですね。
経験と実践に基づく判断力とか、暗黙値って言われるのもこういったところにきます。
また試行錯誤を通じた問題解決とかですね。
わかりやすいのが、熟練の職人が培った技術とか、ベテラン経営者の肌感覚っていうのはこっちになるそうです。
それから最後のサイエンスですね。
科学、予測とか論理とかデータって言いましたけども、
サイエンスは事実と分析を重んじ、エビデンスが土台ということです。
知識とデータや分析に基づく合理的な意思決定、計画立案、数値管理、予測に基づく戦略的アプローチという感じになってまして、
スピーカー 2
例えば市場データを基にKPIを設定して最適な経営戦略を導き出すとかこんな感じ、コンサルタントっぽい感じですよね。
スピーカー 1
なんで私もサイエンスがもっと高ければよかったなって思うんですけども。
スピーカー 2
いやいやでも逆にクラフト要素が強いコンサルタントっていい気もしますけどね、その中では。
スピーカー 1
こんな感じで、先ほど10個知田さんに問いかけたものをリストにして、Xか何かにあげさせていただきますので、ぜひ見ていただければ。
スピーカー 2
皆さんもやってもらえると面白い。
スピーカー 1
このミンツバーグのアートクラフトサイエンスっていうのは今知っていただいた状態なんですけども、
ここからですねまた独自の理論みたいなのを乗っけた説を展開されていらっしゃる方がいます。
それがですね皆さんおなじみのと言っていいと思うんですけど山口周さんですね。
2017年に公文社から出版された世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのかという新書大賞を取られた本だったと思いますけども、
この中で言っていることにこのアートクラフトサイエンスが出てくるんですけども、
まずこの世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのかっていう本はどんな本だったかっていうとですね、
これまでのビジネスの世界っていうのは論理とか分析とかそういうことに軸足を置いた経営っていうのが行われてきましたと。
いわばさっき話したサイエンス重視っていう感じですね。
こうこうこうだからデータに基づくとこうなるからこれをすべきであるみたいな、そんな感じでやってみました。
ところが今の世の中は文化の時代って言われたりとかしますけれども、
いろんなことが起きてですね複雑で不安定な世界だって言われています。
そういう中でビジネスの舵取りをしていくときに、リーダーには美意識っていうのが必要だっていうことをこの書籍の中では言っています。
美意識っていうのは何ぞやっていうのは、ぜひ本をお手に取ってみていただければと思うんですけれども。
その中の美意識に絡めてですね、出てくるのがミンツバーグのアートクラフトサイエンスというところになるわけですけども、
ミンツバーグで先ほど確認した主張動的なバランスを取ってっていうところなんですけども、それを紹介してですね、
アートクラフトサイエンスって言い方をすると新鮮な感じなんですけども、
まあ言わば当たり前っちゃ当たり前と指摘するまでもない当たり前のことをミンツバーグ先生言ってるねっていうふうにまず山口純さんおっしゃってます。
これ3つが大事って言ってんだけど、でも振り返るとですね、ほとんどの企業はアートってないがしろにしてるよって、
サイエンスとクラフト重視の経営ばっかりになってますよねっていうことをおっしゃっています。
それなぜなのかっていうこともここでは説明をされているんですけども、
アートとクラフトとサイエンス3つ並びます。
その時にこの3つがですね、意見対立をしてみんながですね、お互いに意見を主張し合う場合にどうなるかっていうと絶対にアートが負ける。
スピーカー 2
まあそうか、数字に基づいてパッション的なところね、どっちかというとビジョンパッションみたいな話だから。
なるほどね、はいはい確かに。
スピーカー 1
よくありますよね、なんかこれ超いいと思うんだよね、超いいってどう思うってどういうことですか?
それ過去に売れたんですか?他社で類似の事例あるんですか?とか、
いやデータに基づくとこうなって売れてませんとか、まだ世の中には出てないんでダメですとかっていう、
その打ち消すNGっていうのは多分サイエンス、クラフトっていうのも抜群に強いんですよね。
でもこうアート型の人っていうのは、いやいやなんかちょっといいと思うし、
いやなんかドーンといきそうじゃんこれみたいな感じの主張をしても。
スピーカー 2
やんなきゃ分かんないしさ。
スピーカー 1
そうそうそうそうそう。
いいじゃんこれめちゃくちゃいいと思うけどなって、いやめちゃくちゃって何ですかみたいな話になって、絶対に勝てないと。
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
これってその場の雰囲気じゃなくて、特にこう企業活動だとステークホルダーたくさんいるので、
皆さんを納得するときに、いやなんとなくいいからで通るものってのはほぼないわけですよね。
そうするとじゃあこのアートっていうのもバランス的に重要だっていうときに、じゃあどうすればいいかというので、
山口 修さんの結論はですね、もうトップにアートを置くと。
頭にアートを置いて、左右の両翼にサイエンスとクラフトを置くっていうパワーバランス。これで初めて均衡すると。
トップが言うから、もうそれは右も左もとにかくそれだというところですね。
スピーカー 2
マジックじゃなく、やるって決めたからやるが言えるのは確かにトップですよね。
スピーカー 1
そうですそうです。なのでトップにアートっていう感じです。
これをPDCAみたいな感じで言うと、もうアートでプランを立てて、Doはクラフトでチェックをサイエンス化するみたいな感じがいいと。
これをナンバー2とかそういったポジションで言うと、プランはトップなんでCEOですね。
DoはCOOでチェックをCFOがやるみたいな感じの風習と。
上手いこと言うなみたいな感じですよね。さすが山口さんみたいな。
スピーカー 2
山口 さすがですね。
スピーカー 1
なのでこうすることでアートっていうのを生かすことができるんだよって言って、
その美意識を鍛えるのかっていうところに繋がっていく、そういう主張をされていらっしゃるんですね。
スピーカー 1
トップっていうのはアート型がいいんだなというふうにイメージを持たれて自然に受け入れられるっていうところもあるんですけれども、
この書籍が出て、今山口さんがどんな主張されてるかわからないですけども、
2017年と2025年の現在っていうのはまたちょっと事情も変わってきてる印象もあると思います。
当然、生成AIっていうのがここまで来たっていう感じで、
AIにどんな仕事が駆逐されるのかみたいなのもちょっと流行ったりとかして、
最初の頃は言ってもアートの領域とかクリエイティブなところっていうのはAIじゃなくて人だよねみたいな話になってるんですけど、
今どうでしょうかっていうのはありますよね。
スピーカー 2
山口 そうなんですよね。本当に画像生成の部分ですごい、音楽生成とかも最近すごい人がいってますし。
スピーカー 1
実はこのアートクラフトサイエンスっていうのはですね、私の知り合いのアーティスト兼起業家兼みたいな方とやり取りをしたことがあって、
アートって本当に純粋にイメージの世界っていうところもあれば、
例えば上手な絵を描くときにはテクニックってあるじゃないですか。
写真を撮るとかでもそうなんですけども、
そういうテクニックってクラフト要素だったり、あるいは科学的に分析をするっていうことも当然含まれるんですよね。
ここが今でももちろん直感とかアイディアっていうところの重きを置くことっていうのはあると思うんですけども、
より科学的に分析ができるですとか、それが経験として積まれたのでもうこうだっていうところのアートクラフトサイエンスでさえですね、
混然一体となる。人がやると難しいけれども、特にセセアイの世界なんかで言うと、ここが一色たになりつつあるっていうのも言えるんじゃないかなっていう気がちょっとしています。
スピーカー 2
すごいなー。
スピーカー 1
これあの、今ソニーグループのトップの方がですね、CFO出身なんですね。
それ以外にもですね、CFO出身のトップっていうのが生まれ始めています。
昔でいうとですね、そのCFOっていうのはお金を司るというところで、ここでもチェック機能っていう言い方をしてたんですけども、
その役割自体ももっとクリエイティブな仕事になっていますし、攻める財務みたいなものもあったりとかするので、
従来型とはちょっと違うかもしれないですけれども、そこはもうサイエンスの部分だとしたら、
そのサイエンスを司る人もデータ的にそのアートっていうのを活用するべきだっていうふうな結論っていうのも多分出せると思うんですよね。
でそれをこう重なっていけば、それは経験値としてなっていくので、
ここで斬新な発想が言える、彼をここのポジションにしようと。それが経済合理性があると。
その本人はこれからドーンといったらいいんですよって言ってるんだけれども、そういう人材が発する意見っていうものに価値があると。
これは多分統計的にもこういうことが言えますと。わけわからない意見が勝ちますみたいなことも言える。
あるいは何万文かの位置の確率で他の人が受け入れないようなものっていうのが成功するパターンがありますとかっていうのも、
多分データで出せるかもしれないと思うんですよね。
なのでこの辺りが混然一体としていると。
スピーカー 1
逆にそこでもサイエンスを生かすっていうのもあるかもしれないんですけども、そこから01から10になって10、1000になるときにまた違う要素っていうのはあるかもしれないですよね。
スピーカー 2
さっきのアンケートで僕アート寄りだったじゃないですか。
よく考えてみれば非常にアート寄りの会社なんだなって僕が今いる言頭者っていうのは。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
もちろんデータ分析とか、これまでの例えば本を作って売るという1個のメインビジネスで言うとですね、
もちろんデータとか大事なんですよ。過去にこの作家さんがどんなものを書いてどのぐらい売れたかとか、
逆にこういうものが今流行ってる次のトレンド来るっていうのが大事なんですけど、
スピーカー 1
しばしば本の世界とかこういうコンテンツの世界って計算できないヒットみたいなのが出るわけですよね。
スピーカー 2
なのでそれを結構重視される会社で育ったなっていう気がして、
完全に謙譲の考え方が非常にアート寄りというか、もちろんデータとかも重視するんだけど、最後に優先するのはそこなんですよね。
この本もデータによると売れそうですっていう企画よりも、
もうみんなが反対して、そんなもの今の時代売れないだろうっていうもんでも、
担当者、その企画を作った人間が絶対自信があります、やりたいですと。
僕は大好きなんです、この領域がと。
だからよくうちの社長がたった一人の熱狂っていう言葉を言うんですけど、
それはそういう意味で、たった一人でも熱狂を持ってたら企画通るんですよ、うちって。
スピーカー 1
あんまりこれ言っていいかどうかわかんないですけど。
スピーカー 2
そのぐらい上でお前がやりたいならやれよと。
今回やれよってちゃんとやれよっていう話で、そういう現場で知らずの落ちそうだったので、
そっちのアート寄りが多くなってしまって、別に悪いことじゃないんですけれども、だなっていうのは感じましたね。
スピーカー 1
確かに、言当者さんが出す書籍って、そこっていう感じがありますよね。
スピーカー 2
逆に多分データ分析したような本って、大きな爆発はないんだと思うんですよね。
スピーカー 1
そんなの出しますのほうが意外と時代がついてきたりするので。
スピーカー 2
だからいろんなビジネスありますけど、本に限らず、
ネタメとかコンテンツ産業っていうところは、意外と数字だけじゃ測れないものがあるんだろうなと思いながらも、
スピーカー 1
やっぱり数字戦略で勝ってくる会社もあるので。
スピーカー 2
確かに勝美さんおっしゃったように、ここでAIとかうまく人をどう使えるかが、
未来を分けていくんだろうなって気がしましたね、今日。
スピーカー 1
そうですね。
ちょっといろいろ面白い感じで変わっていくんじゃないかなと思うんで。
皆さんもね、どっかでオートサイエンス診断して。
スピーカー 2
これいいですね。
チームでやったら面白いと思う。
スピーカー 1
面白いと思います。
スピーカー 2
皆さんいるチームとか周りの仲間でやると、ちょっとその傾向を見れるかなと思うので。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
ぜひぜひ皆さんチェックいただければと思います。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
それでは2番K、No.2の引きこもごも、ここまでお聞きいただきましてありがとうございました。
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ここまでのお相手は、しだれゆうすけと
スピーカー 1
松宮水礼でした。ありがとうございました。